CLANNAD -クラナド-

   この日をどれほど待ったことか。時を超え世紀を超え時空を超え(時空は超えてません)待つこと約4年。同じく世紀を超えて待ち続けたスタジオメビウスのSNOWですらあれだけ経ったと思ったのに3年。それ以上に待ち続けたCLANNAD。感動の名作AIRを待ち続けたあの夏から約4年という歳月が流れたのだ。そう、俺たちは待ち続けた。長い、長い発売日を。

   そして、AIRの感動さえも薄れ去った2004年4月28日。ついに記念すべきこの日がやってきた。



CLANNADの発売日



   かつてこんなにも待ち遠しく喜ばしい日があっただろうか?よし、毎年この日をCLANNAD記念日として国民の休日にしよ


   …えぇと、このペースで行くとなんか発売前の前フリだけで普通のレビューの量を超えてしまいそうなのでここで本題に入ります。なお、ここからはネタバレありまくりになる可能性があるので、まだコンプってない人、コンプる楽しみを無くしたくない人は今すぐブラウザの戻るボタンをクリック!クリックして入金(ワンクリック詐欺)!もしくは今すぐ怒濤の勢いでコンプリートしまくれ!



   えー、それでは。まず登場人物からレビュってみたいと思います。前作AIRの時はヒロインが3人と少なめだったんですが、このCLANNADはひぃふぅみぃ…すみません、計測不能です(登場人物は主人公を除いて17人です)。と、そのくらい多いんですよ。なので、攻略できるキャラはその中の数人なのかな?と思っていたら、なんとほぼ全員攻略できてしまうんです。しかも攻略(?)できるのはヒロインだけではなく、野郎キャラのシナリオもあったりするわけで、プレイ時間が4年かかるんですかっ、ってくらい壮大な物語なんですが!ボリュームがとてつもないんですが!そりゃあ発売延期にもなりますって!何年も延びますって!ということで、キャラ(シナリオ)ごとのレビューは今回は省略。と言うか、とてもじゃないけど全部書ききれません。しかもONE、Kanon、AIRと感動と号泣と笑いでは期待を裏切らなかったKey作品ですから、このCLANNADも当然凄いわけですよ。感動と号泣と笑いの嵐なわけですよ。それを1キャラずつレビューしたら大変なことになっちゃうでしょ!理性が崩壊しちゃうでしょ!レビューだけで4年かかっちゃうでしょ!(ここまでで3年かかってます)(<遅すぎ)
   でもね、綺麗さっぱり省略しちゃうのも味気ないので、ちょっとだけ簡潔に箇条書きしてみると、渚シナリオの主人公と共に頑張っていくひたむきさに思わずだんご大家族とカツサンドを連呼してみたりとか、杏シナリオで自分の気持ちを押しつぶして椋に主人公を譲ろうとした健気さに涙腺が軽く崩壊してみたりとか、椋シナリオでの一生懸命さを初々しく思ったりとか、智代シナリオのその真っ直ぐな志に心打たれてみたりとか、勝平シナリオの椋と共に病気と戦う強い意志を持ったことに喜びを感じたりとか、芽衣シナリオの兄を思う気持ちと妹を守る春原の兄妹の美しい兄妹愛に号泣したりとか、ことみシナリオでの両親がことみを心から愛していたことを知って思わず嗚咽してみたりとか、美佐枝シナリオの思い出シナリオに思いをふけってみたりとか、有紀寧シナリオのおまじないに笑いつつも有紀寧を慕う友情の温かさを感じたりとか、幸村シナリオの最後の仕事をやり遂げた気持ちとか、風子シナリオの最後に消えていくというKanonのあゆっぽさを思い出して号泣してみたりとか、汐シナリオでの主人公のヘタレっぷりにあきれつつもそこから立ち直ろうとする主人公の頑張りと周りの暖かさに猛烈に感動して軽くK点を突破しまくってみたりとかね、そりゃあどのシナリオも感動するわ号泣するわ爆笑するわで大変なわけですよ!目頭を熱くしながらクリックしまくってたわけですよ!長い年月を待った甲斐があったってもんですよ!ああああああああああああああ!思い出しただけで熱いものがこみ上げでぎま゛じだよ゛!


   …そんなCLANNADなんですけどね、ちょっと残念だなと思う部分もあるんですよね。それは何かというと、長所でもあったシナリオの長さ。シナリオがちょっとばかり長すぎると思うんですよね。確かにどのキャラのシナリオも素晴らしいし、感動するし面白いんですけどね、攻略できるキャラが多すぎるのもあって仕方ないのかもしれませんけど、それが気になるんです。
   俺の勝手な意見を言うと極端な話、渚関連のシナリオ以外は必要なかったんじゃないかなと思うんですよ。確かにね、どれも本当にいいお話なんですけど、それらのシナリオがCLANNAD本編に深く結びついているのかといえば答えはノー。CLANNAD(ゲール語で「家族」の意味)というテーマには沿っているものの、どれも途中から枝分かれしたおまけシナリオでしかないと思うんです。

   結局、CLANNADを通して何をメインに物語りたかったのかというと、やっぱり渚シナリオだと思うんですよ。どう考えても一番重点を置いていたのは渚と主人公を含めた古河一家なのは明かですし。それの根拠かどうかはわかりませんがAfterシナリオも渚との物語ですし、オープニングムービーも渚シナリオにしか流れません。そして、なによりコンプリート後のタイトルに出てくる少女が汐だというのが渚との物語がメインストーリーだと言っているようなものだと思うんです。そう考えると、後半のAfterシナリオも数周するなど手間がかかるだけに渚だけか、あるいはそれに関連するキャラだけの構成に絞った方が中だるみせずにプレイできたんじゃないの?って思えるんですよね。
   もし、CLANNADが渚シナリオのみで構成されていたら、ボリューム的にちょうどよいゲームに仕上がっていたと思うんです。でも、渚だけに絞ってしまうと他のヒロインは攻略できないの?ってなってしまうので、それはそれで難しいんでしょうけど。AIRのように登場するヒロインを少なくしたり、攻略できるヒロインを絞った方がバランスが良かったように思えました。
   また、選択肢の分岐も細かすぎるんじゃないかなと。ゲームの進行にほとんど関係ない分岐が多々あり、選んできた選択肢によって微妙に台詞が変わったりする芸の細かさには感心しましたし、全キャラ攻略後でもさらに楽しめるこの遊び心満載なサービスはプレイしていても楽しかったんですけど、シナリオにボリュームがある上にそういった要素まであるとなると、プレイする側も大変だし、制作者もデバッグするのが大変だし、そら発売だって伸びるわけだ!ただ、そんなおまけ的な部分に加え本編にも時間がかかってるとはいえ、AIRから4年もかかるのかな?というのも感じたわけです。制作以外の何か、大人の事情に時間がかかったんでしょうか?


   AIRに続き今回もエロゲの域を超えた(だからエロゲじゃないっての)クオリティをひっさげて発売されたCLANNAD。異例ともいえる長期にわたる開発期間を経て発売されただけにクオリティでこのタイトルを超えられる作品はそうそうお目にかかれないのではないはないかというくらい凄かった!システムも前の選択肢に戻れるようになっていたりと格段に進化していて最高!CG、音楽、シナリオ、演出など全てにおいてグレイト!特にシナリオはさっきも書いたようにちょっと長すぎるという欠点はあるものの、細かな分岐まで練られ、細部にもしっかりと手を加えられていて、その上に遊び心も取り入れつつ感動する部分や号泣ポイントをしっかりと押さえて作っているあたりは流石としか言いようがありません。
   もちろんCLANNADはこのままでも評価は高いと確信してますけど、もし、AIRの感動冷めやらぬ時期に発売できていたらもっともっと評価は高かったと思うだけにそれが残念でなりません。

   ちょっと批判的な意見を述べちゃいましたけど、とりあえずCLANNADはプレイすべし!絶対プレイすべし!何が何でもプレイすべし!ONEは良かったし、Kanonも感動したけど、AIRだって凄かったけど、このCLANNADはもっと凄い!これ以上の大作はない!間違いない!断言する!エロゲを超えた感動が待っているぞ!(だからエロゲじゃないってば)


   …あれ?なんか普通のレビューで終わっちゃったよ?