僕と、僕らの夏 -完全版-

   物語の舞台は、ダム建設によってもうすぐ沈む集落。そして、そこで過ごす最後の夏休み。夏と言えば開放感なのにどこか切ないようなこの雰囲気!おっけえええええええええ!<何が?


   あらすじとしては、小学生の時、山村留学で訪れた思い出の村がダム建設で無くなることを知った主人公が夏休みをその村で過ごすために3年ぶりに訪れるというもの。
   その村には幼い頃何度も訪れていただけあって親しい友人たちがいて、その友人の中にはもちろん女の子もいるわけで、その女の子たちと親密な関係になり結ばれるという流れ。エロゲではありふれたパターンですが。

   さて、この「僕と、僕らの夏-完全版-」は完全版と称するように、以前発売されていたPC版、ドリームキャスト版(以下DC版)、そしてPC版とDC版のシナリオを融合して追加シナリオを混ぜたSpecialMerge版(以下SM版)の3つのバージョンがシナリオとして収録されているんです。
   基本的にはSM版だけをプレイしておけばいいんですが、もどかしいことに、SM版だけをプレイしただけではCG鑑賞モードとシーン鑑賞モードは全て埋まらないんです。これはCG鑑賞モードとシーン鑑賞モードがそれぞれ個別に用意されているわけではなく、3つのバージョンで共通になってるので、PC版、DC版、SM版全てをコンプらないと埋まらないんです。…つまりあれですか?俺に全部プレイしろって言うんですか?ああ?

   まあ、結局全部プレイしましたけどね!コンプりましたけどね!ほぼ同じシナリオを3回連続でプレイするのは正直すげー疲れたんですけど!しかも、攻略するヒロインの人数分(サイドシナリオを含む)だけリプレイしないとコンプれないからプレイ回数が2桁になったんですけど!これはどういうことなんですか?
   そんなわけで、個人的にはCG鑑賞モードのCG達成率などにこだわらないのであればSM版をプレイするだけでいいかな?と思いました。PC版、DC版にも良さはありますけどね。

   と、3つのバージョンを連続でプレイしたからそう思ってしまったわけですが、その中の1つだけをプレイするということであれば、リプレイの疲れも感じませんし、むしろ本当にいい作品だと思うんです。
   特に、物語の視点が主人公だけじゃなく登場人物のそれぞれの視点で進んでいく展開が斬新で面白いですし、なにより各々の登場人物の心理がうまく描画されていると感じました。そして、夏の開放感の中に感じた、この小さな集落で過ごす最後の夏休みという切なさを思う存分味わえるタイトルだと思いました。

   俺はPC版、DC版、SM版と立て続けにプレイしたのでお腹いっぱいになっちゃいましたけど、このタイトルが好きな人にはお買い得な1本なんじゃないでしょうか。3つのバージョンが収録されている上に、アナザーストーリーまで収録されていますからね。


   最後に。このゲームは修正ファイルがオフィシャルフォームページで公開されているんですが、とりあえずプレイする前に速攻で適用しておけ。途中から適用すると今までのセーブデータが使えなくなるので注意。俺はこれにやられました。んなことどこにも書いてないっての!でも、最初から始めれば問題も無いし、CG達成率とかは引き継がれているので事無きを得ましたけどね。