この青空に約束を―

   略称「こんにゃく」と呼ばれるこのタイトル。なんでこんにゃくなのかというと、ローマ字で「この青空に約束を―」と書くと

KONoaozoraNIYAUsokuwo
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KONNYAKU

だからだそうです。


   さて、そのなこんにゃくこと「この青空に約束を―」ですが、シナリオがショコラやパルフェでお馴染みの「丸戸史明 with 企画屋」がお送りする戯画の田舎ものですよ。「丸戸史明 with 企画屋」ってだけで名作の予感なのに、それに田舎ものだというんだから、プレイする前から名作の決定ですよ。

   こんにゃくの舞台は本州から少し南にある南栄生島。大企業の撤退が決まり過疎化が進んでいく離島。問題児の主人公が女生徒のみの寮で過ごす1年を描いた物語ですよ。簡単に言うとノリはショコラやパルフェと同じです。ショコラではキュリオという店、パルフェだとブリックモール、今回は南栄生島だと思えば想像しやすいでしょう。ショコラにしろパルフェにしろ色々な問題がありそれを乗り越えていくというような展開なんですが、今回もあります。色々と問題が。まずは人口減少と共に生徒数も減っているわけで、主人公やヒロイン達が暮らすつぐみ寮も寮生が激減し、存続の危機が訪れている点。そこに転校してきた問題児のヒロインが入寮することになり問題が悪化するわけです。主人公自身も問題児扱いされてますから、そら大変なわけですよ。少しでも問題が起これば寮を1日も早く取り壊してリゾートホテルを誘致したい学校側との戦いの日々が始まるわけですよ。

   転校生のヒロインに関しては主人公達とうち解けつぐみ寮を守るために主人公と一致団結するわけですが、寮を守る戦いにおいての主人公とヒロイン達の雰囲気が、ショコラやパルフェの雰囲気に近いんですよね。シナリオが同じ人なので雰囲気が近くなるのは当たり前なんですが、それらが好きな人だとこんにゃくも受け入れやすいと思います。

   システム面もパルフェのものに近く、特に不満もなくプレイできます。どの選択肢を選んだらどんなイベントが発動するのかも判るようになっていますし、もちろんパルフェで改善された既読メッセージのスキップも問題ありません。

   CGに関してもこれまたショコラやパルフェと同じ原画家を起用しているので安心できました。音楽に関しても定評のあるユニットを起用してるので、やはり安心感があるんですよね。こういったそれぞれのクオリティの高さがバランス良くまとまって出来た良作、そんな印象を受けました。

   あと、ショコラ、パルフェ、こんにゃくの3作がお気に入りの人は、後に発売された「フォセット - Cafe au Le Ciel Bleu -」にショートシナリオが多数収録されているので是非プレイしてみてくださいね。


   …ところで、南栄生島って俺の故郷ですよね?