Prologue
「ん・・・っあ・・・もう・・・・もう立ってらんないよ。」
若人の慣れた攻めに、無心は足がガクガクしていた。
「じらさないで、早く・・・。」
「早くって何を?」
「・・・意地悪いな・・・。」
なんて唐突なシチュエーションから始まるワケもなく。
本編
無心は疲れていた。
この恋に・・・ではなくて、
徹夜で大学のレポートを仕上げて、
ダッシュで提出してきたからだ。
「ったく、あの教授、俺に嫌味でもあるのかね。」
なんて、考えながらも無心は睡眠の徒となった。
「・・・あふぁ、眠っ・・・Zzz。」
夕暮れになって、夕食の準備を誰しも、し始める頃・・・。
カチャカチャ。
「何の音だろ?・・・でも、眠いから寝てよっと。」
(5分経過)
「無心・・・無心・・・」
と、無心を起こす声がした。
「まだ、寝かせといてよ。昨日徹夜だったんだから。」
「知ってるよ、だから今日はプレゼント♪」
「んー、プレゼント???何だろ?眠いんだけどな・・・。」
と思いながらも無心は横たえていた身体を起こしてみる努力をした。
チリンチリン。
不意に、そんな音がして無心は焦った。しかも自分の近くから。
あと、なんだか首に違和感がある・・・。
そして、目の前には若人の笑顔。
何かある・・・。無心の右脳は本人の睡眠欲とは裏腹にトリプルアクセルを
決めていた。
無心は寝ぼけ眼を擦りながら、目の前がはっきりしてくるのを感じていた。
と、更に違和感の主が自分にもあることに気付いたのだった。
俺、服着て寝たっけ?
なんか、黒い服を着せられてる。
しかも、首に何かついてる。
下、スカートだし・・・。
スカート?スカート?
と無心が首をひねるとそれに合わせて、鈴が鳴った。
チリンチリリン。
あーなんだー鈴かー。
「鈴ってなんだよ、オイ」
無心は今になって、ようやく自分の格好に気付いた。
なんか、メイド服だ。
しかも、首輪とかしてる。
鈴までついてるし・・・。
「若人、お前何のつもりだ?」
「何のつもりだって、プレゼントだよ。俺の。」
「俺のて、お前、これメイド服じゃん。」
白いフリフリが可愛かったりする。
「そーだぞー、高かったんだからなー。店員にもジロジロ見られたしな。」
「なって、何で俺が着せてるのか聞いてるんだっての。」
「いやー話せば、長くなるけどな。」
「・・・話せよ。どうせロクでも無いことなんだろうけど。」とか言いながら、一人はスーツで
もう一人はベッドでメイド服コスプレであったりして
結構異常な光景かも。
「いやさ、俺ちょっと考えたんだ。そろそろ、こういうのも良いかなって。
だってさ、俺働いてるから無心のこと養ってるし。(ニカッ)」
「で、コレと。」
「だから、主従関係っつーか、俺も呼ばれてみたいっつーか。」
「ご主人様?」
「そーだ、それだ。クリーンヒットォ!」
いつになく、若人が嬉しそうにしている。
(前回とキャラクター違うじゃんって、
それは気のせいです。気のせい。)
「お前って、意外と屈折してんのな。」
と無心。目が怖いです。
「何でだ。メイドと裸エプロンは男のロマンだろ、なぁみんな。」
「みんな・・・って誰だよ。まぁいいケド。で、どうしろって?」
うぁ、やっぱ怒ってるよ、無心。
「いや、怒らないでくれよ。起こしたのは謝るからさ。」
「メイド服は悪いって思ってないんだ?」
「いや、だってあのロマンだし。ロマン。」
と、段々と若人の目が泳ぎ始めたのを見て、無心は、
もういいかなと思った。
「プッ、ハハハハハハハハハ。本当に困ってやがんのー。
俺が機嫌直さなかったら、どうする気だったんだ?」
「いや、ひたすら謝る。」
「クスクス。お前のやることにいちいち怒ってたら、
身体がいくつあっても足りないって・・・。」
「・・・ホッ、良かった。」
「お前ってさ、たまに馬鹿なことやるけど、俺のこと考えながらしてくれてんだろ?」
「あ、うん、まぁな。」とちょっと口篭もりながら、「いやむしろ俺のためっつーか。」
「まぁ、後のはいいとして、悪気じゃないんなら怒ってねーよ。」
安心して、若人は身体の力を抜いた。
と、ふいに無心が自分のほうに倒れこんできて。
バターン
と2人ともベッドに倒れこんだ。
今度は無心が悪戯っぽい顔をしている。
「ご主人様、こんな俺をどうしたいの?」
天使の笑みだ。
ゴクリ、と若人は、
「いや、どうしたいって・・・。」とか言いながらネクタイ緩めてるし。(笑)
「ここ、反応してんのか?」
と指先で無心がなぞる。
布越しに伝わってくる刺激で、若人は自分の体温が上がって
来ているのを感じていた。
「してほしい?」
と無心。
「・・・ああ。」
と期待したまなざしで若人。
「じゃあ、ご主人様に奉仕しないとねー。」
とごそごそと無心がもぐっていった。
若人はこれから展開される光景を想像していたが、
無心は何もしてこない。
「無心?どーした?」
布団をめくってみると、チャックに手をかけたまま
無心が寝ている。
「Zzz・・・ご主人・・・カバじゃないっすよ・・・。」
・・・作品違うし。
「仕方ないなぁ、まぁサイト更新でもするか。」
ピポッ
と若人はPC-98とDOS/VとThinkpadの電源を入れた。
「ネタ切れってつらいな・・・」
とボソリ
「えっと、Computerを再開しましたっと・・・」
2人の生活はまた続いていく・・・。
Fin