気管支喘息で発作がなくても
治療が必要なの

今回
6月喘息発作が出て、その後はよかったのですが、10月になってまた発作が出ました。
喘息の場合症状がない時期も治療していたほうがよかったのでしょうか?」

という質問をいただいたので、気管支喘息発作のない時
なぜ治療が必要なのかをお話しようと思います。

気管支喘息の発作とは?

気管支喘息は気管支(気道)が収縮して狭くなって、
コンコン、ケンケン、ゼーゼーといった咳を繰り返す病気です。
このような咳がでるときを「発作」と呼びます。

発作時の気管支の変化

発作の時はダニやハウスダストなどのアレルゲン、ウイルスや細菌などが刺激となって
気道に次のような炎症が次々に起きていることがわかってます。

@気管支の壁(筋肉)が収縮する
A気管支の壁がはれる(浮腫)
B気管支から粘液が多量に分泌される
C炎症細胞による気管支粘膜の破壊される
D神経が露出してわずかな刺激でも気道が敏感に反応してしまう
(気道過敏性が亢進する)。

発作の時気管支にこのような変化が起きて、
空気が通りにくくなり、症状(発作)がでてしまうわけです。


喘息発作をくり返すとどうなるの?

発作が一度起こると気管支では気道過敏性が亢進した状態が続き、
次の発作が起きやすくなります。
発作が治まったと安心して治療をしないと、実は気道ではまだ炎症が続いているので、
どんどん気道過敏性が増して、すぐ刺激を受けて発作を起こしやすくなります。
そしてこの悪循環が続くと、だんだん気道が狭く固くなって、
発作を起こした時治療が効かない原因にもなってしまいます。


なぜ発作がないときの治療は必要なの?

喘息の症状を自覚していなくても、
気管支は数週間から数ヶ月は刺激を受けやすい状態が続いています。
ですから発作がなくてもこの気管の過敏な状態を治療する必要があるのです。

発作がない時の治療法は?

発作の程度によってさまざまですが、
テオフィリン製剤、抗アレルギー剤などの内服薬、ステロイド吸入薬などを
単独、または組み合わせて行います。

いつはじめて、そしていつまで治療するの?

これも発作の程度によってさまざまですが、
1年に発作を何度も起こされたお子さんは、非発作時の治療を受けたほうがいいでしょう。

治療の目標は少なくとも1−2年間は発作が全くない状態を続けることです。
発作の程度を見ながら、少しずつお薬を減量していくことになります。
非発作時の治療を行うかどうかは、
発作の程度、頻度などひとりひとりについて考えていかなければなりません。
大切なことは、
気管支喘息の治療は発作が出たときに治療するだけではなく、
発作が出ないように治療することです。