2002/9/14(土) 「月見泥棒」
「月見泥棒」って知ってますか?
9・15の月見の日
その日に限って子ども達が各家に飾ってある団子をとっていいという行事のこと。
言葉どおり「取る」、「盗む」、「泥棒できる」のです。
行事は日暮れから始まります。
子ども達は集団で見張り役、実行役に分かれ、それぞれの仕事を遂行します。
実行犯は忍び足で進み、見張りの者は息を殺して様子を見守ります。
こどもであっても「盗む」行為はいけないとわかっています。
月見の日、「盗む」ことが許されているといっても、
「盗む」という行為に緊張感がはしります。
だから仲間と綿密に計画し真剣におこないます。
「盗み」が完遂されます。
目的を果たした達成感、仲間との連帯感を分かち合います。
それ以上に捕まる事がないという安堵感を得たに違いありません。
この「月見泥棒」を通して子ども達は「してはいけないこと」を実体験的に学んだことでしょう。
「月見泥棒」には地域が与えた
こども達に善悪、役割分担、責任、協力、懲罰を考えさせる機会だったと思います。
そして「月見泥棒」は社会にこどもに対する愛情、思いやりがあったからできた行事ではないでしょうか?
最近のニュースをみていると、
こども達は「していいこと」「してはいけないこと」の狭間で苦しんでいます。
こどもを育てるのは社会です。
このような時代だからこそ
こども達のために新たな「月見泥棒」を与える必要があるのではないでしょうか?
そしてこどもと身近に接している者として、社会の一員として
その責任をひしひしと感じます。
今の自分に具体的な案はありません。
ただこども達と真正面に向き合って
こども達とともに考えていこうと思っています。