降り注ぐ陽の光。
昇り行く蝉の声。
ばさばさと耳を撫でる風に、赤い髪を流す。
少女は制服のスカートを押さえると、
コンクリートにぺたんと腰を下ろして「ここにしよ、シンジ」
「え、こ、ここ?」
「なあによお・・・不満なの?」
「い、いやあ・・・そう云うワケじゃないけど・・・」
少年は屈んで辺りを見回し
「でもアスカ・・・ここちょっと人目に付きやすいんじゃない?」
「大丈夫よ」
「昼休みになればみんな屋上に来るし・・・」
「ちょっとっ!」
アスカは襟首をぐいと掴んで
「・・・あたしとお弁当食べるのイヤなの?」
「ぐぐっ、い、イヤなワケないだろ・・・でも、もしバレたら・・・」
「何が?」
「ぼ・・・僕たちが・・・」
「あたしたちが?」
「・・・け、結婚・・・してるってこと」
「んー、やっぱり美味しい、シンジのお弁当」「そ・・・そう?」
にこにこと咀嚼するアスカの笑顔から視線を落とし、
シンジは自分の弁当箱のフタを開ける。
箸を掴んだその時。「あ、ちょっと待って」
取り上げられる。
「アスカ?」
「あたしが食べさせてあげる」
「ええっ!?」
「またあ・・・良いでしょ、物陰に来たんだから・・・」
「そ・・・そうじゃなくて・・・」
「じゃあ、あたしに食べさせてもらうのがイヤなの?」
険しい顏。
「ち、違うよ・・・でも・・・ここは学校だし・・・」
「学校でも夫婦は夫婦でしょ?」
「・・・・」
「ヒカリも鈴原も相田もどっかに行っちゃって・・・夫婦水入らずでお弁当食べられるチャンスなんてそう無いと思わない?」
「そうだけど・・・でも・・・」
「んもお〜、これだから日本人ってのはっ!」
ウインナーを指でつまむと、シンジの口に押し込む。
「うぐぐぅ〜っ」
「くくくっ、ほ〜ら、美味しいでしょっ?」
「んぐっ・・・ひどいよお・・・アスカあ・・・」
アスカは自分の弁当箱を差し出す。
「さ、今度はあんたの番よシンジ」
「・・・え?何が?」
びしりと人さし指がシンジを差す。
「あ・ん・た・も、食・べ・さ・せ・る・の・よっ!」
「わ・・・判ったよ・・・」
箸を取ろうとする。
「ちがーうっ!」
「え?」
ニヤつく顏。
「ゆ・び・でっ」
「・・・はい・・・」
微笑みながら小さく口を開け、瞳を閉じる。
(う・・・か、可愛い・・・)
その口に、静かにウインナーを差し込む。
と、その手を掴まれる。「あ・・・ちょっと・・・アスカ!?」
シンジの指をくわえ込むと、口の中でゆっくりと舐める。
「ち、ちょっと・・・」
瞼が開くと、青い瞳はきらきらと潤んでいる。
上気した頬は深く窪み、眉間は切なく皺を寄せる。「アスカ・・・」
指を静かに引き抜くと、唾液の糸が輝く。
シンジは膝立ちになると、アスカの頭を両手で掴み、ゆっくりと引き寄せる。「・・・欲しいの?・・・キス・・・」
見下ろす満面の笑みは、何度も頷く。
「口を開けて」
その愛らしい口に、今度は自分の舌をゆっくりと差し込む。
唇は緩く絞られ、舌は軽く吸われる。
その先に、ウインナーのつやつやとした感触。
アスカの咽喉から漏れる、擦れた吐息。「ん・・・んんっ」
その声に、シンジはアスカの頭を強く掻き抱く。
欲情と共に倒れ込む。
唇を離すと、荒い息に混じって「シンジぃ・・・するのぉ?・・・」
「え・・・イヤなの?」
「イヤじゃないけどぉ・・・ここは学校だしぃ・・・」
「が、学校でも夫婦は夫婦だよっ!」
「・・・・」
「・・・・」
「・・・・ぷっ」
「くくっ」
「ふふふ」
「はははは」
アスカは軽く腰を持ち上げると、片手でスカートをたくし上げる。
そのままショーツを下ろし、脚から抜く。
シンジの目の前にぶら下げる。
純白を染める、小さな染み。「アスカ・・・」
「3時限目」
「・・・え?」
「3時限目からよ・・・成績が落ちたらあんたのせいだからね」
染みの部分をシンジの鼻に押し付ける。
シンジは大きく口を開けてくわえる。
そのまま、制服の胸に何度も頬擦る。「いやあ・・・馬鹿・・・スケベ・・・」
「あふか・・・」
ショーツを手に取ると、アスカの目を見つめながら何度も染みを舐める。
「・・・ヘンタイぃ・・・変態中学生・・・」
片手の指は秘裂をなぞる。
「ああっ・・・くうん・・・ばか・・・バカシンジぃ・・・」
きらきらと光る指を差し出す。
「・・・もう、良いみたいだね」
「・・・うん・・・んんっ」
その指を口に入れられる。
「んっ・・・ちゅぷ・・・はあ、来て・・・来てよシンジぃ」
「行くよ」
ズボンを下ろすと、深く腰を沈める。
「あっあっ・・・んんんっ!」
「アスカ・・・いい、いいよおアスカあっ!」
「シンジ・・・お、お願い・・・」
「な、何?」
「お・・・お弁当・・・食べさせて・・・」
「・・・う、うんっ」
シンジは片手で卵焼きを掴むと、自分の口に入れる。
咀嚼すると、アスカに唇を重ねる。
流し込む。「んっんっ・・・お、美味しい・・・もっと・・・」
「くっ・・・うん」
スパゲッティをつまむと、端を口にくわえる。
ゆっくりとアスカの顏に乗せると、少しづつ舌で啜り込む。「し、シンジぃ・・・」
青い瞳を凝視しながら噛みしめると、喘ぐ唇に注ぎ込む。
「んぐう・・・んっんっ・・・」
アスカの顏のケチャップを丁寧に舐めとる。
動きが速まる。「いやあああっ!・・・ああ、はあ、シンジぃ・・・イきそう・・・」
「ぼ・・・僕もだよアスカぁ・・・」
「シンジ・・・中に・・・中にぃ・・・」
「だ、ダメだよアスカ・・・使徒を全部倒すまでは・・・」
「お願いシンジぃ・・・」
「ダメ・・・ダメなんだアスカあっ・・・」
「お願いぃっ!!!!欲しいのぉっ!!!!」
「あ、アスカあっ!!!!」
引き抜く。
「イヤぁっ!!!!」
半身を起し、引き抜かれたシンジをくわえる。
シンジは放つ。「くっ・・・ううっ・・・は、はあぁ〜〜っ・・・くっ・・・」
小さく震えながら精を口一杯に含むと、ゆっくりとシンジを出す。
「はあはあ・・・アスカ・・・」
アスカは卵焼きを摘むと、口の中へと放り込む。
シンジの精液と共にゆっくりと噛みしめる。
恍惚とした微笑みと共に咽喉を鳴らして飲み下す。「美味しい・・・シンジの味・・・」
「アスカ・・・」
「終わったのね」
驚愕と共に声に向く。
青い髪に紅い瞳。
制服の少女。「あ、あ、あ、・・・綾波ぃ・・・」
「あ、あんたっ!い、いつからそこに居たのよぉっ!」
「・・・スパゲッティ」
「・・・・」
「碇君」
「・・・な、何?綾波」
「非常招集。先・・・」
ふたりを交互に見る。
「・・・イっちゃったのね」
ぱたぱたと走り去る。
「ふ、ふ、ふ、・・・不潔よぉ〜〜〜っ!」「こらイインチョ、そないに乗り出したら見つかってまうで」
「やったっ!バッチリっ!スゴ過ぎるぞこれは〜っ!早速編集・・・おいトウジ、ネブカワに風邪で早退したって云っておいてくれよ」
がたがたと道を進む鉄の箱。
ネルフの大型移動指揮車。
その中でヘッドセットマイクを構える赤い軍服の女。
葛城ミサトは力強く「・・・良い?だから今回は上陸直後の目標を水際でイッキに叩くっ!初号機と弐号機は交互に目標に対し波状攻撃、接近戦で行くわよっ!」
『『了解』』
アスカとシンジの声が鉄の箱に響く。
「これが日本でのデビュー戦ね」弐号機のエントリープラグ。
インテリアに跨がるアスカ。『そうだね、アスカ』
ウインドウのシンジ。
『・・・もしかして・・・緊張してるの?』
「そ、そんなワケないでしょっ!」
『でも・・・何だか落ち着きが無いように見えるけど・・・』
「それは・・・あんたのせいよ」
『え?』
「さ、冷めないのよ・・・火照りが」
『・・・・』
「だからシンジ、さっさとブッ飛ばして続きをするわよっ!」
『奥さん・・・デリカシー無さ過ぎ・・・』
「・・・か、葛城さん・・・」「日向くん・・・今わたしに話しかけない方が良いわよ・・・」
「は・・・はい・・・」
ふたつの三角形の機影。
トランスポーターから、2体のエヴァがリリースされる。
着地の地響き。
電源の接続。
アスカはレバーを握り直し「二人がかりなんて、卑怯でヤだな・・・趣味じゃない」
ミサトのウインドウが開く。
『わたしたちには選ぶ権利なんて無いのよ・・・』
「汚れてるわ。不潔よ」
『・・・へ?』
「あたしは・・・シンジ以外となんて、考えられない・・・」
『・・・・』
『か、葛城さん、そんなに強く握ったら、マイクが・・・』
『来たっ!』
叫ぶシンジのウインドウ越しに、海から水柱が上がる。
巨大な人型。「シンジ・・・まずはあたしが行くわ」
『そ、そんなアスカ・・・危険だよ』
「3Pなんて・・・絶対にイヤあっ!」
『な、何云ってるんだよアスカっ!?』
全開にしたフィールドが相手のフィールドを中和する。
ソニックグレイブがうなりを上げて振動する。
高くかざして跳び上がる弐号機。「死ねやああああ〜〜〜〜っ!!!!」
『ぬわんてインチキっ!』
暗い壁面。
映し出される静止画像に向かう座席の列。
最前列に並んで座る赤と青のプラグスーツ。
冷静な声がスピーカーから響く。『・・・目標は甲及び乙に分離。初号機は甲、弐号機は乙の迎撃に当たるも、甲の放つ正体不明の光線により弐号機が弾き飛ばされ、初号機に激突。両機ともケーブル切断、動けないまま活動限界により沈黙。甲及び乙はその後融合し、現在非常な微速にて第三新東京市に向かっている模様』
「・・・ブザマね」
白衣の女は眼鏡をくいと持ち上げ後ろを振り返る。
腕を組んだミサトがぎろと睨む。「な、何よリツコ。しょうがないでしょ、ああ汚い手使われたんじゃ」
「それが現場指揮官の云う云葉?パイロット共々、使えないわね」
「ちょっとっ!」
がたりと立ち上がるアスカ。
「あ、あ、あたしたちが使えないって云うのっ!?」
「よしなよアスカ」
シンジが腕を掴む。
「放しなさいよっ!」
金色の髪を振りながら
「まあ仲の良いこと・・・両機揃って沈黙もうなづけるわね」
ミサトが肩を掴む。
「ちょっとリツコ、云い過ぎよ」
「だから結婚に反対したのよ。この子たちには自分しか見えてないわ」
「どういう意味よっ!」
「アスカぁ・・・」
赤木リツコは立ち上がる。
「使徒を倒すのは、子供を産むためじゃないわ。人類を救うためなの。あなたたちにはそういう重大な使命が有るのよ。判っているの?」
「・・・・」
俯くアスカ。
その肩を抱いて「・・・判ってますリツコさん・・・僕たちに重大な使命が有ること」
「・・・シンジぃ・・・」
「・・・でも、僕たちはパイロットである前に人間です。いや、そうでありたいんです。僕は・・・」
肩を抱く手に力がこもる。
「僕はとっても大切な宝物を見つけました」
シンジの胸でそっと見上げる瞳。
「・・・それを守るために戦っちゃいけませんか?」
じっと見つめてくるシンジの視線。
リツコは瞬く。「・・・ふう」
座ると少し微笑む。
「・・・男になったわね、シンジ君」
「え・・・」
振り返る。
「で、どうするのミサト。初号機は大破。零号機は使用不能。かろうじて弐号機が使えるだけ。しかも目標が第三新東京市に到達するまであと3時間」
ミサトはにやりと
「ふふ〜ん。手は有るわ」
がばっと立つ。
「目標のレンジ外、長々距離からの直接射撃よっ!」
「はあ?」
リツコのぽかんと開いた口。
「・・・あなたもつっくづくワンパターンね・・・」
その声を聞かず
「一対二では勝ち目は無いわ。ヤツが分離しないうちにポジトロンライフルで一撃必殺!」
シンジの怪訝。
「でもミサトさん、あと3時間しかないんですよ」
「判ってるわよん。日本中の電力を集める余裕は無いわ・・・この街の電力だけでやるの」
リツコは眉をひそめる。
「何考えてるの?ATフィールドを貫通するほどの出力が得られないわ!」
「中和すれば良いのよ」
「中和って・・・目標のレンジ外からじゃ、いくらエヴァでも・・・」
はっとする。
「まさか・・・」
「ふふ・・・リツコ。“あれ”・・・使える?」
「待って・・・“あれ”は、まだ起動試験も・・・」
シンジの肩越しに、アスカの顏が覗く。
「“あれ”・・・って何よ」
ミサトは人さし指を立てる。
「エヴァの新しいOS。メンタル・エンハンス・オーガナイズド・ツイン・オペレーティング・システム」
「・・・?・・・」
「MEOTOシステムよ・・・要は、二人乗りエヴァってこと」
アスカとシンジは目を丸くして
「「ふ・・・二人乗りエヴァ!?」」
リツコは腕を組んで
「一人乗りだと、エヴァ側からのフィードバックのレベルを押さえるためにインパルス・バイアスをあまりかけられないんだけど、二人乗りだとそのレベルをかなり上げられるの。だから、理論的には一人乗りのエヴァよりかなり出力は上回るはずよ」
ミサトを向く。
「・・・飽くまで“理論的には”・・・ですけど」
リツコに笑顔を取り繕って
「もっちろん、二人のパイロットは息もぴったり一心同体じゃなきゃいけないんだけど・・・心配要らないわよねえ・・・」
アスカとシンジはお互いに顏を見合わせる。
「大丈夫よ、とにかくフィールドを全開にすれば良いんだから・・・」
ふたりの不安げな顏は再びその声に向き直る。
「大丈夫だって愛が有れば・・・なんちゃって・・・」
リツコは頭を抱える。
注水されるLCL。
通電されると泡が治まる。
インテリアに跨がるふたり。
前方にアスカ、後方にシンジ。
ウインドウがミサトを映す。『起動後に電源をエクスターナル・バッテリーパックに切り替えます。街の全電力をライフルに回すから、エヴァに電源を供給出来ないの。フルパワーでフィールドを展開する分を含めて5分が限度よ。その間にカタをつけて』
「「了解」」
無数の電源車が熱煙を立ち上らせる山頂。
伏してライフルを構える弐号機の傍らの鉄の箱。
移動指揮車のミサトはマイクを構え「どう?リツコ。メオトゲリオンは?」
『素晴らしいわ。A10神経接続、初期コンタクト、双方向回線すべて異常無し』
「ふふ・・・睨んだ通りね」
『これはイケるかも知れないわね』
「イケるのよっ!」
日向マコトが顏をあげる。
「目標、射程に入ります。安全装置解除っ!」
「了解っ!・・・アスカ、シンジ君、頼んだわよっ!」
闇に沈む都市。
山間に現れる巨大な人影。
スターライトスコープの照準。
エントリープラグ内の緊張。
残量計が時間を切り始める。「アスカ・・・良い?」
「良いわよシンジ」
「よし・・・行くよっ!」
ふたりの瞳は閉じられる。
「「フィールド全開っ!」」
『ミサト、ダメよっ!フィールドの出力が足らないわっ!』「な・・・どういうことリツコっ!?」
『理論値よりも低い・・・今撃たせちゃダメっ!気付かれるっ!』
『シンジ君、ダメっ!撃たないでっ!』「ど・・・どうしてですかミサトさんっ!」
『フィールドが中和されないの・・・出力が足りないのよっ!』
アスカが怒鳴る。
「何でよっ!早くしないとあいつが暴れ出すわっ!」
そこへリツコのウインドウが開く。
『判ったわ・・・あなたたち、そこでセックスしなさい』
「えっ!?・・・ち、ちょっとリツコさん、何を・・・」
『こうなったらふたりの最高のシンクロ状態を作り出すのよっ!』
移動車のあっけに取られた顏々。「ち・・・ちょっとリツコ、あんた気でも狂って・・・」
『正気よ。ふたりの絶頂時に最大バイアスをかけるわ』
「そんな・・・大丈夫なの?」
『同時なら耐えられるはず・・・理論的にはね』
「・・・それで・・・イケるの?」
『正直、判らない・・・でもそれしかないわ』
「葛城さん、あと10秒でバッテリー残量が4分を切りますっ!」
ミサトがゆっくりと口を開く。
「判ったわ日向くん・・・あの子たちにつないで」
『アスカ、シンジ君』「ミサトさん・・・」
『あなたたち・・・悪いけど、そこで・・・して』
「な・・・い、イヤですよミサトさんっ!何考えてるんですかっ!」
『ごめんなさい・・・でも、これしか方法が無いの・・・』
シンジはウインドウに吠える。
「ひとを・・・ひとを何だと思ってるんですかっ!僕たちは人間ですっ!そんな・・・そんな屈辱的なことは・・・」
「・・・シンジ・・・」
ゆっくりと振り返るアスカ。
「・・・シンジ、いいよ・・・あたしは」
俯いた顏の紅み。
「あ・・・アスカ・・・」
「シンジ・・・リツコの云う通りよ。あたしは自分のことしか考えてなかった・・・人類を救うと云う使命を考えずに、自分の幸せばっかり考えてた」
アスカが立ち上がる。
ぷしゅっと、プラグスーツがアンシュリンクする。「・・・あたしは出来るよ。シンジとなら出来るよ。どこでだって出来るよ。どんな屈辱だって大丈夫だよ。だって・・・」
「アスカ・・・」
するりと落ちるスーツ。
闇を映すディスプレイをバックに、照明に映える素肌。
アスカは全裸の身体の背を向けて、シンジに跨がる。「あたしは・・・シンジの宝物だもん。だから、何をされても良いの。シンジは、あたしに何をしても良いのよ」
屈む。
シンジの鼻先へ突き出た自分の中心に
腹から廻された片手を這わせる。
二本の指をその裂け目に沈ませると
その指を開いて愛液に粘る陰唇を左右に拡げる。
シンジはごくりと唾を飲み下す。「して・・・シンジ。人類のために・・・」
「アス・・・カ・・・」
「ここに入れて・・・あたしの宝物・・・」
「・・・日向くん、ライフルのトリガーをリモートモードにして」「は、はい。・・・か、葛城さん・・・映像回線を切りますか?」
「記録して」
その白い背中にシンジは自分の腹を重ねる。
廻した手で両の乳房を掴む。「い・・・痛いっ!」
「あ、ご、ごめん・・・」
「ううん、良いのシンジ・・・乱暴にしても」
「え?」
振り向く顏の微笑み。
「・・・欲望をさらけ出して。時間が無いんだもの・・・ひどいことしても、良いよ」
「アスカ・・・」
その云葉に、さらに強く乳房を掴むと、ゆっくりと廻し始める。
「あ・・・いやぁ・・・」
「柔らかいよ・・・アスカ・・・」
自分がいきり立つのを感じると、アスカの内腿に這わせる。
「シンジ・・・入れて・・・早く・・・」
アスカの中心に這わせると、粘液でてらてらと輝く。
シンジは身体を起すと、アスカの背中を撫でた両手で、臀部を開く。「・・・まさか、シンジ!?」
「アスカ、ごめんっ!」
ずぶずぶとアナルに自身を沈める。
「ああっ・・・いやああっ!」
「あ、アスカぁっ!・・・す、すごいぃっ!・・・」
「目標のコアにエネルギー反応っ!分離の兆候かも知れませんっ!」映像に見入るミサトの視線は、日向を見ない。
「あの・・・葛城さん?」
ミサトは胸のペンダントの十字を握り締める。
「あと1分・・・アスカ、シンジ君、お願い・・・イって・・・」
大きく身体を反らしたシンジは、アスカの腰に自分を打ち付ける。「くうっ・・・アスカっ、アスカっ、アスカあっ!」
ぶるりぶるりと小刻みに震え出す背中を見て
「も、もしかして・・・イキそうなの?」
「あ・・・ああ・・・はあ・・・」
「アスカ・・・一緒だよ・・・一緒に・・・」
両腕を廻し、きつく抱き締めると、そのまま起す。
後ろから頬擦りをすると、虚ろな目に、よだれを流す唇。
よだれを舐め上げると、そのままくちづけする。「・・・シ・・・ンジ・・・」
「・・・アスカ・・・」
「な・・・中で・・・中で・・・出して・・・」
「・・・うん」
「日向くん、トリガーをこっちに」「了解」
カウンターを見つめる日向。
「あと30秒ですっ!」
ミサトがターゲットスコープを覗き込む。
「リツコっ!そっちでキュー出しお願いっ!」
『はあ・・・他人のオルガスムスを図ることになろうとはね・・・』
「云い出しっぺはそっちでしょうがっ!」
「葛城さん、あと20秒です」
「リツコっ!」
『まだよ』
「15」
『まだ』
「10」
「シンジ・・・一緒に・・・人類のために・・・」「アスカ・・・一緒に・・・僕たちのために・・・」
「い・・・イク・・・」
「アスカ・・・かわいいよ」
そっとくちづけた瞬間。
『バイアス最大!』「ファイアーっ!」
「「ああああああああああああああああああああ!!!!」」
真っ直ぐと放たれた強烈な光の束は、中和されたフィールドの軽い抵抗を貫き、使徒のコアを射貫く。「やったのっ!?」
スコープから目を上げるミサト。
「・・・・」
使徒が放つ強力な光は、そのまま視界の残像となる。
「・・・ま・・・まさか・・・」
残像が薄れ行くと、何事も無かったような静寂。
「き・・・消えた?」
『なるほど・・・そういうこと・・・』
「な・・・リツコ、どういうことよっ!」
『安心なさい、作戦は成功。使徒は殲滅されたわ』
電源が落ち、金属の壁を見せるエントリー・プラグ。
ぐったりとしたアスカを、そのままゆっくりとうつ伏せに横たえる。
シンジがそっと自身を引き抜く。「あ・・・ああっ」
擦れ声とともに、アナルから白いぶよぶよとした塊が滑り落ちる。
そっとアスカの髪を撫でる。「・・・怒ってる?」
「・・・・」
「・・・ごめん」
「・・・最低よ」
くるりと顏が向く。
シンジはその瞳を見つめて「ごめんよ・・・自分でも、何でこんなひどいことしたのか・・・」
「何で今までしてくれなかったの?」
「え?」
アスカはゆっくりと身体を起すと、シンジに向き合う。
「・・・つまり、シンジの願望だったワケよね?」
「う・・・ま、まあ、そういうことなんだと・・・思う」
「・・・ヘンタイ」
「な・・・」
「変態中学生」
「・・・何にも云えないケドっ」
俯くシンジの頬を両手の平で包む。
「あんたは人類を救った世界一のヘンタイよ」
「・・・アスカ・・・」
「そして・・・あたしも人類を救うためお尻でイッちゃったヘンタイ」
そっとシンジにくちづける。
「・・・あたしたちは世界一の変態中学生夫婦ってことね」
「ふふふ・・・そうだね」
微笑むアスカにくちづけを返す。
「ねえシンジ」
「何?」
「・・・変態ばっかでも何だから、ノーマルもやって行かない?」
「こ・・・ここでぇ!?」
「そ・・・今度はあたしたちのためにねっ」
アスカはそう云うと身を屈め
シンジの自身からゆっくりと精液を舐め取る。
ジオフロントを一望する喫茶室。
リツコはテーブルに頬杖を付いて眺める。
天井都市に瞬く光を瞳に映す。
テーブルの振動を肘に感じ、向かいの席を見る。「どうしたのよリツコ。ぼーっとしちゃって」
「ミサト・・・何でもないわ」
「あら?お酒?めずらしいわね、あんたが飲むなんて」
「わたしだって飲みたい時も有るわ」
「どんな時?」
「お葬式」
缶ビールを開ける手が止まる。
「・・・誰の?」
「あなたとわたし、・・・いえ、人類ね」
「・・・どういうこと?」
リツコの視線は窓に戻る。
「あの使徒が甲と乙に別れた時、弐号機は乙の迎撃をしていたのに甲の光線にはじき飛ばされた・・・気付くべきだったわ」
「・・・何に?」
「ブラックホールとホワイトホールよ。あの使徒はコアに非常に高密度な質量による超重力システムを持っていたんだわ。・・・空間を歪めるほどのね」
「・・・そんな・・・」
「乙はある一定のエリア内に侵入した物体を・・・例え光でも吸い込んでしまうブラックホールだったの。そして、甲は反対にその物体を吐き出すホワイトホール」
「じゃあ弐号機は・・・」
「何のことは無い、乙に吸い込まれて甲から吐き出されただけ」
「そんなまさか・・・」
視線がミサトに戻る。
「使徒の侵攻速度が遅かったのも、戦闘の時開放したコアの超重力でATフィールド内の時間がわたしたちの時間から見て見掛け上遅くなっただけだったのよ。使徒は全速力で移動していたの」
リツコは傍らの缶を持つと、ぐっとあおる。
「・・・あの使徒は分離したんじゃない。一体を隠していたの。・・・ホワイトホールを」
「・・・どこに?」
「向こう側」
「・・・向こう側?」
「反世界。反宇宙。反物質で構成されて、時間が逆に流れる世界」
「・・・・」
「・・・そして、コアを開放して、ATフィールドに閉じ込めたまま第三新東京市をまるごと向こう側へ放り出そうとした・・・」
「じゃあ・・・わたしたちは・・・」
「強力なエネルギーを向こう側に送り込んでしまったわけ。それもただのエネルギーじゃない・・・向こうから見れば反粒子エネルギーよ」
「・・・・」
「一瞬だったでしょうね」
「・・・え?」
「地球ぐらい一瞬で消滅したでしょうね。・・・もしかしたら、そこにはわたしが居たかも知れない。あなたが居たかも知れない・・・構成される物質も、生きている時間の流れも違うでしょうけど」
「リツコ・・・」
ふうとため息をつくと、リツコは頭を抱える。
「あの子たちにエラそうなことを云って・・・結局『人類を守る』なんて云うのは子供を作ることと何ら変わりのないエゴでしかないのよ」
こつんと、テーブルに額を付ける。
自嘲。「・・・重大な使命?・・・笑っちゃうわね」
「・・・良いのよ」
「え?」
リツコが顏を上げると、ミサトは
「良いのよ・・・簡単なことよ」
「簡単?」
人さし指を立てて
「宇宙はたったひとつしかないの。わたしたちの、この宇宙よ」
「でも・・・」
「でももへったくれも無いのっ!ムツカシク見えるのはうわべだけ。簡単なことよ」
「・・・ミサト・・・」
「そう決めちゃえば良いのよ・・・ね?」
紅い頬を緩ませる。
「・・・ありがとう・・・」
ミサトの微笑み。
「さ、そうと決まったら飲も飲も。もう一本買って来るわね」
降り注ぐ陽の光。
昇り行く蝉の声。
ばさばさと耳を撫でる風に、束ねた髪が揺れる。
少女はブルマーを屋上のコンクリートにぺたんと付けて
ジャージを着た少年を見上げる。「ここでするのお?鈴原ぁ・・・」
「え・・・ええやろイインチョ、シンジもケンスケも惣流もどっか行ってもうたんや。こんなチャンスめった無いで」
「でもお・・・次マラソンだよ」
「すぐや。すぐ終わる・・・って、ちょお、いきなり脱がしなやっ!」
「きゃあ、そんな乱暴に脱がさないでっ!」
「じ、自分で脱いどるやん・・・あ、そ、そないに強く掴まんといてやあっ!」
「す、鈴原、そこちがあうっ!」
「い、イインチョ、半笑いでどこ入れとんねんっ!」
「うわあ・・・あのふたりグログロねえシンジ・・・」「そ・・・そうだねアスカ・・・はははは・・・」
「こりゃあ、例のネルフから手に入れたビデオの影響だな・・・」
「何だよケンスケ、そのビデオって?」
「ん、いや、こっちの話・・・次はマラソンか・・・悪いけどシンジ、編集も有るし、ネブカワに風邪で早退したって云っておいてくれよ」
「レ、レイいっ・・・」「何?司令」
「つ・・・次はスパゲッティだ・・・」