単純に読めば、まあ、ありきたりなアスカの病院補完劇です。シンジのキスでアスカが眠りから醒めて、ハッピーエンドと読めます。
つまり、『月の雫』編は病床でアスカが見ていた夢になります。
ここで、各段落ごとに振られている番号を見て下さい。『10』が有りません。代わりに『12』がふたつ有ります。
つまり、第10段落は抜け落ちていて、第12段落は分岐して居るのです。
もし、この抜け落ちた第10段落に『月の雫』が入るとすると、ふたつの解釈が出来ます。
ひとつは、上記と同じ。アスカが病床で見た夢のリプライズ。
そしてもうひとつは、『A flower is not a flower』が、『月の雫』でアスカが見ていた夢になる場合です。
つまり、アスカとシンジは夢を交換し、シンジはアスカの視点で
アスカはシンジの視点で同じ夢を見たのです。
だからアスカは、奇妙な夢を見るシンジに「そういうこと」と納得し、
赤いパジャマを着たわけです。
第11段落では、アスカは夢である『A flower is not a flower』の中での
シンジの一生懸命さを語っていることになります。
その場合、第12段落は後者で、これは単なる不思議な話です(笑)。
もちろん、第10段落はあらかじめ失われているとも考えられます。つまり、ハードコアな描写(巨爆)が省略されてるだけであると。
その場合、最初の病院補完の解釈も出来ますが、
第12段落を後者にすると、もちろん『A flower is not a flower』は
『月の雫』に関係無く、単にアスカの見た夢となります。
では、『月の雫』はどうなってしまうのでしょう。
『A flower is not a flower』を読むと、
シンジが、夢の中でアスカの笑顔を見るシーンが有ります。
つまり、『月の雫』は
アスカの夢の中でシンジが見ていた夢になります。
無論、それを病院補完に当てはめて解釈すると、
『月の雫』は単にシンジの見た夢になります。
この場合、アスカの見た夢は判らないことになります。
…と書いててさぶくなって来ましたが(笑)、つまり、どうにでも解釈出来るのです。
だから、読まれた方のお好きなシナリオで楽しみ下さい。
…わたしは、単純な病院補完をお薦めします(巨爆)。
逆に、『A flower is not a flower』がアスカの夢であったと云うシナリオはあまりお薦めしません。
…何故かって?
『ミサトが泣いて謝る』のも
『シンジが自分の“身体”には欲情しない』のも
何より、『自分が植物状態』であるのも
全てアスカの願望と云うことになりますから。
…ちょっとゾッとするでしょ?(笑)
最後に、第13段落以降ですが、段落番号のところに文章が有ります。これは、『月の雫』から第11段落以降へ繋げる場合のため
この部分を抜かして読むと三人称になるようしてあるからです。
99.3.3 gakusan