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いってきました





実家の犬 ボン
実家の犬 ボン
後ろに転がっている鍋が
彼の生活を物語る






カニを持つ甥(小1)カニを持つ甥(小1)
大きさは彼の顔以上!







陸中八木駅の夕暮れ
陸中八木駅の夕暮れ


陸中八木駅周辺は
本当は昨年秋
台風の影響で
崖崩れとかあって
大変でした。
風景ががらりと変わっていて
びっくり。

呪われた町へようこそ…春のヤマセ

2002年4月1〜5日 決行

  2002年のテーマを、「北海道のすみずみを制覇し、日本中の多くの動物とふれあう」改め、「北海道のすみずみを制覇し、日本中のできるだけ多くの珍しい動物や植物、つまり珍生物とふれあう(4月8日現在)」としたスタジオうつほですが、今年2番目の旅は、慣れ親しんで旅といえないルートの、岩手県沿岸最北にあるうつほの実家、種市町の八木です。

 一見テーマにはまったく即しないと思える旅ですが、実はうつほには尊大なテーマがありました。

 5日間の旅のうち、毎日、飼い犬のボンと散歩するという目標。動物とふれあうのです。

 健康のためにと思ってのことでしたが、なんとすばらしい目標なのでしょうか。

 このボンはかわいそうに、たまにくる弟と盆正月GWにくる父と盆他不定期にくるくまちゃんの、普段すんでいない人たちにしか散歩してもらえません。もちろんうつほも不定期にしますが、くまちゃんに綱をとられてしまうので、やさしいうつほはくまちゃんに綱をゆずり、ご飯をあげる役に徹します。

 さて、閑話休題。まず、初日。ボンと再会したうつほでしたが、八木に到着したのが6時ごろで、もう暗くなっていて、それにずいぶんと寒かったので、最初の散歩はあきらめました。都会では夕暮れの散歩も当たり前なのでしょうが、八木では、そんな時間に犬をつれて歩いていると変人扱いされるので、やめました。なにより、甥っ子と姪っ子の相手をするのに精一杯で、ボンまでは手が回らず、そして、到着したらすでに夕ご飯ができていたので、食べなくてはなりません。

 そして次の日。朝から甥っ子姪っ子が来てしまったので、一緒にぞろぞろと散歩しました。ボンの特別散歩コースは、隣の集落小子内を回り海沿いにでて南八木漁港を通って駅前から戻ってくるという、推定1.5〜2kmの風景の良い風情あふれるものですが、2幼児をつれてその距離は大変なので、神社から駅に降りるコースにしました。というか、わたしは家の周りだけで帰りたかったのですが、くまちゃんと甥っ子が勝手に神社に行ってしまいました。駅からは登りですので、姪っ子はさすがに疲れたようでした。

 八木の駅前には古い桜の木があって、今年は暖かいのでもしかしたらちょっと開いているだろうかと思いましたが、全然咲いてません。チューリップとかも咲いているかなと思ったのですが、クロッカスがやっと咲いたところでした。もしかして岩内よりも遅いかもしれません。200キロ以上も南に位置しているのですが。

 花でいっぱいの八木を楽しみにしていったのに、これではまるで冬。

 それにしても寒いです。八木はいわゆる「ヤマセ」とよばれる季節風が吹くところで、東の海から真っ黒い雲がやってきて町を覆い尽くします。その光景はまるで暗雲立ちこめる悪しき伝説のある町。
 おとなり青森県階上町まで晴れていたのに、種市町に入ったとたん曇っていたとか、八木だけ曇っているということはざらにあります。今回もその通りで、ちょうど不況による長期休暇で東京から帰ってきたところで、空港で待っていた父が、「呪われた町へようこそ」と言いました。いつものことです。

 ヤマセはふつう4月下旬から7月中旬までなのですが、今年は暖かかったせいか、すでにやってきていました。暖かいと寒くなる、皮肉な話です。お日様がでているとすこし暖かいのですが、曇ると、4度とか5度とかです。同じ頃岩内でも10度近くあります。なんだか喉も痛くなってきました。
 車で30分ほどのおとなり久慈市内で買い物と温泉に行きました。今回の旅のメインイベントです。くまちゃんは駅の写真を撮るとかで、不況による長期休暇で自宅待機している父にいろいろ案内されていましたので、他にもいろいろと楽しかったことでしょう。その様子は、くまちゃんが先に書いています。その夜は、頂き物の毛ガニを食べました。ちょうどいいときに実家に帰ってラッキー。と書いたら卑しいでしょうか。ものすごくおいしいカニでした。

 3日目にはとうとう雨が降りそうな雰囲気、散歩どころではありませんでした。でもくまちゃんの要望で、寒い中、港の先っちょに行きました。体感温度0度ぐらいです。私は車から降りなかったのですが、くまちゃんと父と甥っ子(結局3日連続来ていた)はそれぞれ先っちょに行きました。

 1月とか2月には晴れるのですが。その代わりめちゃくちゃ寒いです。放射冷却現象です。

 晴れている八木をほとんどみたことがないくまちゃんは、その日帰りました。もしかしたら雨男かもしれません。

 4日目も雨。もううんざりです。甥も姪もこないので、今日は自由です。しかし午前中に親戚がマツモを持ってきました。明日帰るときに持って帰ってみそ汁にしたかったことと、その前に他の親戚からもらったのもあったので、それを父と一緒に作りました。バケツ2杯分。父は「どごまでくえんだ」とか聞きながら作っていましたが、さすがに元漁師なので、海のものに関しては手が早いです。「作る」というのは、マツモの可食部をちぎって食べられるようにするということです。小さな虫とかがいっぱい潜んでいて、スリリングです。結局午前中はそれをやって、午後やっと4日目にして自分の時間ができたので、中学生の時にお年玉をためて買ったキーボードを弾いてみました。忘れていて指が動きません。寒くてかもしれませんが。「エリーゼのために」を何となく思い出して、寒くて指がカジカジになったので、満足してやめました。

 寒いので夜に大谷温泉に行きました。ラジウム東北一を誇る温泉です。

 5日目にやっと少し晴れて、ボンを30mほど散歩しました。うちの敷地内をうろうろとしただけです。今度はあつくなりました。いざ帰るときには、ボンは無視していました。ふつう犬なら立ち上がってしっぽを振るとか、じーっとみるとかしてもいいものを、ボンは座ってどこか遠くを見ていました。

 車中汗をかきながら、三沢空港に送ってもらいました。

 結局ボンをまともに散歩したのは2日目だけ(それもくまちゃんが)でした。

 いったい何のために帰ったのかよくわからない旅でした。

(おわり)

→次の旅 室蘭・函館 保養の旅




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