飯豊連峰
   

 

 

 

 2003年7月17日〜21日【飯豊連峰】

1日目(7/17)【飯豊山荘登山口】

 

ヒメサユリ

 

 前日に予約したタクシーが時間前に、アパートの前に停まった。運転席にはオネーサンが座っていたが、「名神の吹田PAへ」の行き先に「???」なのだが、とにかく無事にPAの従業員用駐車場へと着いた。待ち合わせ時間より少し早く着いたが、四国から向かっている友人のケータイへと連絡して、ベンチに腰掛けていると、待ち合わせ時間の8時ピッタリで“徳島ナンバー車”が停まった。

  今回のメンバーは、友人夫婦と彼らの叔父さんと、私たちの5人のメンバーである。運転席に座って、長いアプローチの高速を乗り継ぐ事になるので、ユックリと車を走らす、これは先ほどPAで仕入れた“茨木ICから京都南まで”の渋滞情報を考慮してのことだ。今日は、京都で“なんかのお祭り”があるのだろうが、そんな話題にはちっとも触れることは無い。

 お祭りといえば、昨年私と同じ様に茨木の職場へ九州から転勤して来ている“Gさん”が、JR大阪梅田の人ごみを見て「今日は何の祭りがあるの?」と、都会の人の多さに閉口しているのを思いだした。それはさておき、掲示板では右ルートのみの渋滞情報だったので左ルートを採ったのだが、結果は同じで京都南ICまでの所要時間は1時間を越えていた。

 名神高速から東北自動車道へと向けて、適当にPAでの休憩を挟む。北上を重ねる程、車の台数が減って来た。「ここも赤字路線じゃろなあ〜」と話しながら名神(都会)と、赤字の自動車道(地方)との差異を実感しながらの自家用車の旅である。運転手の交代を重ねて日本海東北道を降りたのは5時前である。一般道を走って、山荘には6時過ぎに到着した。

 

 

2日目(7/18)【飯豊山荘登山口〜梶川尾根〜梅花皮山荘】

 

 

 夏山行の予定は例年ならば、hpの検索により山域を決めガイドブックと“hpの打ち出し”で計画表を作るのだが、今回は友人の計画に便乗の山行なので、全くの白紙状態である。このことが後の予定変更の遠因となる事が、この時点では皆目解ってはいなかったのだが・・・今日は梶川尾根を昇るので、早くからの出発である。登山口に歩いて行くと、前方にそれらしき尾根が見える。「これか?」「こんな処昇るの?」皆、口々に声を出す。
 

 

 
 

 とにかく気を引き締めて、6時に梶川尾根へと足を踏み出す。いきなりの急登である。まだいくらも高度を稼いでいないのに、真下に飯豊山荘を望むこととなる。とにかくペースを取り難いルートである。地図では湯沢峰まで2時間30分とある(もっとも私の持参した地図は、次回山行予定の南アルプスの地図だった=どういう間違いなんだ!)そして、高度差は700m位だろうか?覆われていたガスが眼の下になり始めた頃、湯沢峰に着く。8時前である。左手の雪渓が“石転び沢雪渓”で、登山者らしい者(石ころなのか、人なのかの判別も難しい)が見える。こういう景色は、適当にガスがかかっているほうが似合っている。

 

 

 湯沢峰を後にして、道は下って行く。「どこまで降りるんだろう?」と思わすような降りである。相棒が「滝見場の次にある“五郎清水”はまだかな〜」と楽しみにしているのだが、相棒は実に給水量が多い体質なのだ。一緒の山行が初めての人は、みんな驚いているに違いない。とにかく、辺りの木々はブナやナラも皆、大きくて「なんで本土の木は大きいんかな!」と、見慣れている四国の山々との違いを実感する。やがて、下山者と出会う。上の小屋は「門内小屋は昨日小屋番が入って、今日からは有料」だそうで、宿泊者は少なかったようだ。滝見場には8時半頃に着く。スポンジ体質の相棒は“五郎清水”の水を心配しているが、ここでも撮影タイムを取ってもらった。

   

   

 左の写真から、尾根から見た北股岳、オノエラン、門内小屋

 

 現在の高度から計算すると、未だ700m余り高度を稼がなければ縦走路の尾根には着かない。予想どうり、急登が始まった。ロープの掛かった場所や、足元の滑りやすい処の連続である。危険箇所では無いが、厄介な昇り(降りも同様だ)が続く。犬の鳴き声がして、すぐ上の方で数人の下山グループが道を譲ってくれていた。“ゼイゼイ・ハアハア”の急登の途中で小休止である。しかし、すぐ上(5分も上がるか上がらないかで)が“五郎清水”だった。9時半頃に着く。単独の下山者が休んでいた。「おいしい水ですよ」との言葉で、水汲み担当が水筒を持って降りて行く。水場から少しの昇りで梶川峰は思ったより近かった。11時頃に着く。ここから尾根沿いのお花畑が始まっていた。

 

  

左の写真から、ハクサンシャジン、ニッコウキスゲ、イイデリンドウ  

 

 縦走路の“扇の地紙”までは1時間のコースタイムであるが、お目当ての「ヒメサユリ」の群落を堪能しながら、マイペースを決め込む相棒である。縦走路に出合うと、黄色い花が斜面を染めている。「ニッコウキスゲ」の群落だ。先を行く男性ペアはカメラを持って、ザックを傍らに置いて嬉々としている。「男の人が花を見てあんなに嬉しそうにするのは、珍しいねぇ〜」等など。私たちも適当に休みながら、ゆっくりと門内岳へと進む。門内小屋はコルから少し上がった処にあった。13時である。Kさんが中を覗いて「進んで泊まるような小屋じゃ無いな!」と、小屋の状況を説明してくれた。小屋のすぐ上が頂上で、今日の宿泊予定の“梅花皮小屋”は、北股岳を越えて行かないと着かない。

 

   

 左の写真から、ハクセンナズナ、北俣岳から梅花皮小屋、白いチシマキキョウ

 

 

 ガスの中に浮かぶ花々を撮りながら、北股岳には14時半頃に着く。今日の最高到達点である。2025mは標高差はゆうに1500mを超えるし、アップダウンを加えると1700mを越す積算高度となる。梅花皮小屋は中高年で占められていて、5時過ぎには、ほぼ満席(?)状態である。となりの5人組みは、ず〜と飲み続けているし、かわり代わりにザックから食料やアルコール類が出てくる。聞こえてくる話は「6・7000mの無名峰を昇る・・」「もう30名以上が死んだ・・」などなど、一体どういう「山岳会」なんだ・・私の知識では、山岳会で思い当たるのは一つしかないがなあ・・という思いがよぎる。

  ハクサンフウロ

 

 

石転び雪渓を上がってくる一行 

 

 

 

3日目(7/19)【梅花皮山荘〜梶川尾根〜飯豊山荘登山口】
  

 

 昨夜は隣のグループの“いびき”で熟睡は出来なかった。4時頃起きだして、ボツボツと朝食の準備を始める。外はガスっていて、出発準備が整った頃には横殴りの風と雨の状況となった。予報どおりである。さて出発しようとすると、「この状況では、縦走は諦めたほうがいいと思うが!」と叔父さんが、私達二人に云って来た。友人の奥さんも、もちろん相棒の顔にも「どうしてなの?残念・無念!」と書いているかのように、肩を落としている。とにかく、昨日と同じコースを引き返す事となった。

 

 もう撮影会みたいな雰囲気となって、みんな黙々と縦走路を辿って行くのみである。「なんで、事前にコースの検討をして来なかったのだろう?」とか、「何故、地図を間違って持って来たのだろう?」など悔しい思いがよぎる。ガスの北股岳で、昨日隣に陣取ったグループが休んでいた。長老と思われる人が、相棒に「花の名前を教えて・・」と話しかけてきた。このグループも、今日の下山ルートを昨晩からいろいろと変更して、結局私たちと同じルートを採ったようだった。

 

   

左の写真から、ニッコウキスゲの群落、ヒメウスユキソウ、クルマユリ 

 

 さて、花紀行となってしまった今回の下山路は、降りも気を抜けないルートである。今回、友人が計画したルートは“自家用車利用”での、山形側からの飯豊連峰の主コースである。そして“ダイクラ尾根”を下山ルートとするのも正解で、この尾根を昇りに使うことは、登り10時間のコースタイムからして、到底採用出来ないだろう。結果論となってしまったが、計画の中止をしてしまったものの、もし(無知ゆえに)強行していても何の心配の必要もなかったのだったが・・・

 

 

  

梶川尾根から石転び沢方面と、下りるはずだったダイクラ尾根 

 

 既に下山路では大きなザックの人たちと行き違うようになり、“五郎清水”では多くの人たちが水分補給をしていた。どうも、私たちと同じ計画のグループが多いみたいで、テント泊の人達も多く混じっていた。今の時期に梅雨明けの情報さえ無く。雨模様を恨めしく、天を仰ぐ。昨日も見えていた“ダイクラ尾根”を右手にし、「あの尾根から、この梶川尾根はどのように見えるのか?」と又の機会を楽しみに・・と、飯豊山荘の大部屋へ足を運んだ。これも経験・・・貴重な経験である。

 

 

 

4日目(7/20)【登山口〜磐梯山(寄り道の山)】
 

 

 昨晩は何処の山がいいのかと、思案投げ首・議論百出(もちろん、私達はこの山域は初めてで、どちらの方角に何処の山があるかも解らないし、その山へはどこを通って行くのかも分らない)だが、最終的にはアクセスと名前で決定したのだった。“♪♪〜〜会津磐梯山は〜宝の〜や〜ま〜よぉ♪〜♪〜”に決定!

 

  

  

 

 私達は裏登山口から頂上を目指した。スカイラインの駐車場はバスが何台も停まっていて、“さすが百名山だなア〜”っと、これだけでは無くて「頂上には小・中学生の団体がいるよ!」と、下山してくる人が言ってくれたが・・・渋滞をかきわけての行き帰りとなってしまった。

 宿泊先はペンション村にと決めた。

  

 

 ええ〜!! スポンジ体質〜?? 失礼ね! “五郎清水”で水を補給する予定で、水を減らして来たんじょ。 (+_+)

 

 運動によって水分を失い、のどの「渇き」を覚えた時点では、すでに脱水症状は始まっています。そうなってから飲むのではなく、そうなる前から、計画的に水分を補給することが必要です。

 走行前のドライバーは十分に水分を含んで、しぼっていないスポンジや濡れ雑巾のようであるべき、と言われています。

 雑巾を濡らす場合、コップの水をざっとかけても、表面を流れ落ちてしまい、雑巾の繊維の奥までは水が浸みていきません。しかし、雨漏りの落ちるような処に雑巾を置いておけば、一滴一滴はわずかでも、やがて水分を十分に吸収してぼとぼとになるでしょう。

 レーサーの水分の取り方も同じです。一気に水分を取ると、血管内の水分量が一時的に急増するため、人間の体は、自動的に尿量を増やして調節します。そうすると、せっかく飲んだ水が尿に排泄されてしまい、体の細胞の奥まで水分が浸み通りません。むしろ雨だれを落とすように、わずかずつ、じっくりと水分を取った方が、体の中に十分に水分を貯め込むことができるのです。

 走行直前のレーサーは、しぼっていない濡れ雑巾をイメージして、ぼたぼたと水分が滴り落ちそうなくらい、体中の細胞に十分に水分を蓄えておきましょう。

 

 ネットで「水分の取り方」で検索してみたら、こんなんが・・、登山もフルマラソン、レーサーと同じようなもの、スポンジや濡れ雑巾のようであるべきとか・・、スポンジ体質で結構じょ! (^_-)-☆