予感  (9.9)



病院で死を迎える。

今まで沢山の人達の死を看とってきました。

命が消える時・・・・。昔はそのたびに涙があふれ出たものです。
正直、最近はそのような感情がどこかへ行ってしまったようで・・・・。

死というテーマは重くなりがちで一度では語り尽くせないものがあります。
真面目に語りたいものですが、死生感やその時を看ている人達の意見は
さまざまなので・・・。

今回は「この患者さんもうすぐ逝くだろう」という予感。
看護婦さん達のシックス・センスです。


血圧が降がっていく
おしっこが出なくなる
脈が触れない
意識がなくなる
呼吸がおかしい(下顎様)
全身の皮膚の色が黄土色になっている

これは明かに危ない状態でほとんどが死に至る(死の直前の)前兆です。
こういった前兆もなしにな〜んとなく・・・な〜んとなくですよ?な〜んとなく
あるものなのです。



「部屋の前を通ったら線香の匂いがした」
(これはよく言いますね。)



「いつもわがままで、うるさかった人が急に静かになり性格が丸く
なってありがとう・・・なんて言ってくれた時」
(なぜか、素直になったり今まで言わなかったことを言ったりして・・・)



「”昨日、死んだ爺さんが来たんだよ”と急に患者さんが言った時」
(よく、お盆が近いとお迎えにいらっしゃるようで・・・・・。)



「寝ているのに無意識なのか、手を挙げ天井を仰ぐ動作をしている時」
(これはうちの病棟の看護婦さんがよく言います。何かをつかみたいように天井を仰いでいるらしいです。天が呼んでいるんでしょうか・・・・。)




こんな現象があったら看護婦さん達は顔を見合わせてうなずくのです。




でも・・・・せっかく迎えに来た爺さんを追い返してしまった。
    死んだ爺さんに「まだ来るな」と言われてしまった。
      と復活をとげるケースも多々ありますがね・・・・(⌒∇⌒;)




看護婦一同、そんな予感があてにならないことを願っております。






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