Nさんからのナースコール(7・7)



深夜1時、個室のNさんからナースコール。

「いるんです・・・・。」

??・・・「どうしました?だれがいるのですか?」

「看護婦さん、きてください〜!」

ただならぬ絶叫にドキドキしながら病室へ急ぐ。

「ど、どうしましたか〜?」恐る恐る聞いてみた。
そのNさんは、御年88歳。しわしわの顔を恐怖にこわばらせている。
しかし、私など見ていない。
見ているのは、私の後ろのカーテンだけ。
私も、そのNさんの目線を追うように、カーテンを見ながらNさんに話しかけた。

「だれかいたんですか?どうしたの?」Nさんを自分のほうに向かせようとNさんの顔をじっと見返る。
Nさんは、やっぱり私の顔など見ようとせずカーテンを指さして・・・・・・。

「ほらあそこに!白髪のおばあさんがカーテンの上から目だけを出して
こっちを見てます!!今も看護婦さんを見てますよ!!見てください!
ほら、ほら!!看護婦さんの、すぐ後ろに〜〜〜!!!」






Σ( ̄□ ̄;!!!




1秒後・・・・おかしな動悸が・・・



「ふりむけないって!!・・・・・」


しかし、ちょっと見てみる・・・?
いたらどうする・・・・・・・・・・・?

おもいっきりの恐怖となんともいえない好奇心が私を振り向かせました。



いない・・・・・。  (ホッ。。。。。。)  


しかし、いるいると言い張っているおばあちゃんはどんどん興奮してきます。
なんとか、なだめて恐怖に耐えきれず病室をそそくさと出てきてしまいました。
「また、なにかあったらナースコールしてくださいねっっ。おやすみなさい!」
と無責任な言葉を残して。ははは。

2分後・・・・。そのNさんからさっそくコールが・・・・・・

「看護婦さん〜!まだいるんです!!来てください!早く、早く!!」


あなたが、怖い・・・・・・!!(T_T)
なにかあったらって言ったけど、そんなにすぐに呼ばなくても・・・・。

仕方ないので、お薬で眠ってもらうことになりました。
部屋に行っても「白髪のおばあさんが、今度はベットの横を歩きだして、うろうろしてる」
と言い張っているのです。
深夜1時すぎ。しかも個室・・・・・怖くて、怖くて長居はできませんでした(^^ゞ
ごめんね、Nさん。。。。。。
良く効く♪お薬だから、白髪のおばあさんに苦しめられてないで、ゆっくり眠ってくださいな。

でも、ふとナースセンターに戻ってきて思いました。
もしかしたら、本当に居たのかもしれない・・・・・・私が見えないだけで、Nさんは本当に
見えたのかもしれない・・・・・・だって・・・・・・・・


「あの個室にいた人で、白髪のおばあさんが居るって言った人、
3人目なんだよなぁ・・・・。」





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