Top Log Info Link Mail





 およそあたしは水以外の飲み物を飲まない。外に出かける時は基本的に家から水筒を持参するし、居酒屋に行ってもお冷を頂くし、喫茶店で甘いケーキを注文する時も水で頂く。冬になれば家ではお湯を飲むこともあるが、さすがに外でお湯を頼むのは嫌がらせだから、やっぱり水だ。
 それは水がエイチツーオーが格別に美味しいというわけではないのだが、何かが混ざっているとどうしても違和感を感じてしまうのだ。昔からの習性は治しようもなく、あまり積極的に治そうという気力もなかったりする。
 家の台所で一晩汲んで置いていた水を薬缶に移し替え沸騰させる。明日は友だちと旅行だ。湯冷ましを水筒に入れて持っていったらいい。いつもの通りからかわれるのには違いないだろうが、その「水の筒」に入っているのはやっぱり水か、と。
 あたしは冷蔵庫に入れていたボトルを取り出し、中の透明な液体をコップに入れる。人間の60%以上が水で組成されているのなら、これはあたしの一部で、淡白なのはあたしの味に違いない。舌を伝い喉に流れる液体の感触を確かめながら、そう考える。



 足跡  短編「水」への足跡
  ハンドル 

(省略可)

  ■ コメント 

(省略可)


無記名・カラ打ちOK
時計草サイト内の足跡順位に反映されます。




Back       Next
Top Log Info Link Mail