ウェイトレスで行きましょう♪
カラン♪ カラン♪

その日
何時ものように翠屋に帰って来た
俺、高町恭也は
我が目を疑うと言う事は
こう言う時に言うと初めて知ったのだった。


ウェイトレスで行きましょう♪





「あ。恭也
おかえりなさい」

帰宅の挨拶も忘れて呆然としてると
フィアッセが、その珍妙……
いや、ステージ衣装のような格好で近づいてくる。

「恭也。
おかえりなさい」

じっ。
つい、見つめてしまう
何故、こんな女性特有の胸が強調されるような服を着ているのか
これでは、男なら……いや女でも見てしまうんじゃないのか?

「もう、恭也!
お・か・え・り・な・さ・い・!」

「あ?
ああ、ただいま」

「はい。よくできました♪」

そう言って
俺の頭をなでる
近寄って頭の上に手を伸ばさせるものだから
当然、視界にはフィアッセの胸しか見えなっ?!

「ん?」

気がついた時には
神速で離れていた。
心臓がうるさいほど鳴りひびく
きっと、顔は真っ赤にそまっている事だろう。

「ふふ、恭也の照れてる所ってひさしぶり。
前は私が遊びに来るたびに一回くらいは見せてくれたのにねぇ♪」

「からかうなよ……」

ぶっきらぼうに顔をそらして言う
照れ隠しなのが見え見えだ。

「ふふ」

やはり、見え見えらしい
フィアッセが、ころころと言うべきほど
笑顔で居る。

「ほら、お客さんがそろそろ増えてくるんだら
入り口にたってないで
エプロンしたら?」

「あ、ああ」

どうやら手伝うのは確定してるらしい
まぁ、そのつもりで来てるので問題は無い。



 エプロンをして
いつものように接客にレジ打ち
そして、軽い調理をするんだが……

「ありがとうございました〜♪」

やはり、あの格好は気になる。
見たらフィアッセだけがあの格好だし
ま、ここが女性人気を中心とした店で良かった。
顔をつねられている。
おそらく彼氏であろう方々には
なんと言って良いかわからないが……
フィアッセもどうしてあんな格好でいるのやら
ともあれ
フィアッセが注文を取ったり
お皿を下げたり
配膳したりする時が俺の中でピンチと認定した。
すばやく、その後姿(主に腰のあたりだが)を
他の客から見えないように立ち位置を調節する
基本的に広くない店内が幸いした。
何処からでも見える状況というのは少ない
客からも不自然とは見られていないようだ
よもや、護衛の技術がここで生かされるとは……
相手がフィアッセであると考えれば
自然とすら思える。


 そうこうしてるうちに一日が終わる。
なんとか店も落ち着いたので
フィアッセと話をしようと近づく

「ふふ、恭也
お疲れさま♪
この格好は気に入ってくれたみたいね」

ハートマークでも目一杯飛ばしそうな笑顔で
フィアッセがやってくる。

「……似合ってる」

「うん♪」

「でも、どうして?」

とたんにフィアッセの表情が

「あー
酷いなぁ
恭也のせいなのに」

すねてるそれになった。

「………………俺?」

「うん。
この間、リビングで見てたテレビ」

思い出そうとする。

「あ」

思い当たるのがあった。


 それはリビングでフィアッセが出てるコンサートを見てた時だ。
たしかに俺は言……
いや、言ったのは晶だった気がする。

「今回のステージ衣装って喫茶店のウェイトレスみたいですよねー
エプロンとかつけたら、
服なんて気にしないとか言う師匠でもノックアウトじゃないですか?」

「うん?」

「話聞いてなかったんですかー?
フィアッセさん、
衣装も似合って可愛いって話ですよー」

「ああ、似合ってるな
(一生懸命に歌ってる姿が)輝いてる」

「ですよねー」





「あれか」

「そ。
気に入ってくれた?」

「ああ、ありがとな
フィアッセ」

「うん」

そう言ってフィアッセは俺の肩にその綺麗な顔をのせて
まどろむのであった……。







桃子「ごめんねー
   美由希と遊んでた所を」

美緒「構わないのだ。
   家でも、耕介と愛がときたまこうなって動かなくなるのだ」

美由希「家の兄と姉が本っ当
    すいません」

桃子「美緒ちゃん
   あとであまりものだけど
   好きなだけ食べて良いから」

美緒「やったのだー!
   与力もたまにはやってみるものなのだ!」

美由希「でも、面白いTシャツだね」

美緒「まゆがこう言うの最近好きなのだ。
   いっぱいあるし
   くれるぞ」

美由希「あ、ちょっと欲しいかも」

美緒「じゃ、食べたら来て泊まると良い。
   運が良いと耕介と愛がああなってるのも見られるのだ」

美由希「うん。
    お母さんお菓子ちょっと持って行っても良い?」

桃子「ええ、どんともって行きなさい」

美緒・美由希
「やったぁー!」

美緒「でも、美由希ち」

美由希「何?」

美緒「こう言う片付けの時に、
   スカートはひらひらしてどうも頼りないのだ」

桃子「ごめんね。ありがとうね美緒ちゃん」

美緒「マブダチ親はあちしのマブダチも同然なのだ」

桃子・美由希
「おお、さすがさざなみのボス」

美緒「はっはっはっはぁー!
   のだ」







後書き、うん、今更ってのは解ってる。ごめん。・゚・(ノд`)・゚・。











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