「尾崎〜その愛と青春〜」一日目

一日目




それが私の愛した、瞳との出会いだった……
「尾崎、入ります」
と、私は校長室に呼び出された。
「この女性を知っているかね?」
「は、知っています。同じ護身道家の千堂です」
「うむ……千堂瞳。1月15日生まれ、身長166の49k(推定)の護身道家
性格は主に言うとすれば、わがまま
得意技は「覆い面」希望進路は「アメリカで武者修業!」そして……無敗」
「は、はぁ……」
「なんとか、してよ。尾崎ちゃん(TдT)彼女が来てから風ヶ丘の治安メタメタなのよ〜
他校の護身道家が部活荒らしに来るのは君もしってるでしょぉ
あんた有段者なんだからなんとかして!」
と、校長は本気で泣いてた。
いや、本当に困った、千堂も有段者だし、たぶんあたしより強い……
しかし! 護身堂推薦で入ってる以上は一般受験者に負けるわけにはいかない
私はしぶしぶ
「解りました……」
と、言うのが精一杯だった。



「はぁ……」
と、ため息をついて私は帰宅する。
両親の何時もの出迎えも今日は鬱陶しいほどに……
私は帰宅の挨拶もせずに自室で物思いにふける
駄目だ。浮ばない。
【あの】化物に勝つ手段が……
と、部屋でくつろいでいると、机の引出しがガタガタと動いている。
引出しがバン! と、開くと中から出てきたのは……
「どうも、9年後の未来からお助けにまいりました。翠亀型ロボの鳳蓮飛言います♪」
バン! と、私は引出しにその亀ロボを押しこんで思いっきりを閉めた。
「あぁ〜、出して出して下さい」
と、ドンドンと中から声が聞こえる。
「やっぱり、日本の方に中華料理はいかんのでしょうか?
うちより[あの]お猿の方が言いなんて殺生です(TдT)
ほら、うちはお洗濯もお掃除も出来ますし、お猿とちごて関節技や根まで使えます
和食と空手オンリーの奴よりお役にたちますから〜、仲良くしましょう〜(TдT)」
涙声で、いろいろと喚き散らされる。
私は覚悟を決めた。
(使えないドラ○もんが来たと……)



どうも居座るつもりらしいので、私は亀を両親に紹介した。
こいつが「ご両親に下宿したら駄目だと言われたらすぐに帰ります♪」
と、言ったからなんだが……
「なんで、あっさり家に下宿が決まるのよ!」
と、自室に戻った第一声を私はあげた。
「それはぁ♪ うちの愛くるしい容姿の所為です♪」
独特の関西なまりとおぼし気もので、【馬鹿め(ば亀)】が喋る。
すぱーん! と、良い音が響いた。
私が、【馬鹿め(ば亀)】を叩いた所為だ。
「何するんですかぁ?!」
「むかついたのよ……」
「なんでですかぁ?! うちはこんなにも愛くるしいと言うのに……(TдT)」
「また、泣くし……」
思えばこの、【馬鹿め(ば亀)】は来てから泣いてばかりの気がする
「だいたい、なんで私の所にあんたが来たのよ?」
「う……それはですね……」
「それは?」
と、二人の顔が近づいた瞬間……
ちゅ♪
聴きたくも無い音が私の耳に入った……
「な……! (//_//)」
「はぁ……(//▽//)」
「私のファーすトキス奪っておイて何ホホ染メてるかぁ!!」
駄目だ。発音すらオカシイ……完全に動揺してる。
「あ、それなら平気です♪ うちはロボットですから純血に影響は無いです♪」
「嬉しそうにするなぁぁぁぁ!!」
「そんな事……うちの口からは言えヘン! 言えヘン!」


暴れた……
あまりにも、【馬鹿め(ば亀)】にファーストキスを奪われたショックで……
これでも(自分で言ってて悲しいが)女の娘、悲しいに決まってる……
でも……私の部屋がぁ(TдT)
「暴れてまいましたなぁ……」
「誰の所為だと思ってるのよ!」
「まぁ、こう言う時の為にうちが居るんです♪ 任せて下さい」
と、言ってあの【馬鹿め(ば亀)】は、私の部屋を掃除する。
しかし……よくよく見ると変だ。
まづ、あのガメラをシンプルにした甲羅
そこに伸びる美麗な女性の手足
そして、愛くるしい顔……
更に壁にかかりそうな後頭部のフック!
「何? あれ……」
私は指を指していた。
「嫌です……そんなに見つめられると……うち、うち
どうにかなりそう……(//▽//)」
「頬染めないでよ……」
とか、やってる内に部屋は片付いてる。
「早いわねぇ……」
と、素直に感心する。
「まぁ、うちの本職ですし♪ 元々片付いてたので当然です♪
では、夜も深けて来たのでそろそろ寝ましょう(//▽//)」
「何故そこで赤くなる……」
「だって、一緒に寝るんですよね?」
「な?! 別々よ、別々!」
「そんなぁ、うちの用に気の小さい娘を一人寝、させるなんて……
オバケが出たら泣いてしまいますぅ(TдT)」
「出るかぁ! だいたいロボットがオバケ信じるなぁ!」
「ロボットだって、怖い物は怖いです。一緒に寝かせてくださぁい(TдT)」
私は、この泣き顔に勝てなかった……
「解ったわよ……でも、どうする気よ。そんな大きいのと一緒に寝れないわよ」
どうだ? と、私が勝ち誇ってると
「あ、これ着脱式なんですよ♪」
と、首の根元に手を当てると……
ジーー
と、ジッパーを降ろす音……
「ただの着ぐるみかぁ!」
私は完全敗北した(TдT)
更に【馬鹿め(ば亀)】の奴
甲羅の下には……
「スクール水着……」
しかも、1年3組鳳蓮飛と書いてある。
「あんた本当にロボット?」
「うわ。それは余りのお言葉。良いです。明日はうちの性能をたっっぷりとお見せします」
もう、何かどうでも良い……寝よう……
と、私は床についた……

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