探索の遺産




物語の為に……



 バリン!
音を立ててガラスが飛び散る。
「また……黒世か……」


「兄! 
あれを!!」
「む!
赤外線?!」
「何処にそんなお金が……」
「晋城の自費くさい……」
「われらのガンライズ製 FP88は?」
「向こう……だろうな」
「金庫……見えますね」
「あのやろ……」

チュイン!

「?!」
「!」
「兄?!」
「やむを得ん!
撤退する」
「はっ!」


翌朝


「って、事が昨日あったのね……」
「夜夢。おまえ見てたのか……」
「……あたしの家 隣」
「…………あ……」
「……馬鹿?」
「う、うるさい」
「兄!
晋城が来いと……」
「……解ったよ」



「鷹くん〜♪」
「はい、お弁当♪」
「あ、ありがとうございます。
羽姉(はねぇ)さん」
「行って来るよ 姉貴」
「うん、いってらっしゃーい(^^)/」


「あ!
恵美 おはよ〜」
「はい、おはよう美夢」
「俺は?」
「要らない」
「私は居るよ〜」
「こいつと手を切りな 美夢」
「……嫌……どうして そう言う事言うの?」
「また……泣くし」
「泣かせてるな……おまえ」



「桐恵覚悟ー」
「なんでよ〜(T_T) 」
「ええい! 問答無用!」
「自分が何したって言うんであります?!」
「あたしのノートに折り目つけたー!」
「だから、謝って……
って うわー!」
「徹!」
ズバン!
と、空気が割れた……気がした。
「竹刀で殺す気かー!」
「いっそ 死ね!」
「無茶苦茶なー!」
「やめな!」
「あ、姉さん……」
「恵美……」
「姉さんって言うなぁ!
だいたい 何があったのよ?」
「桐恵があたしのノートに折り目つけた」
「は?!」
「だから、ノートに折り目
あたしはノートの使ってない部分に折り目がつくのは嫌なんだ!」
「じゃ、今から使えば?」
「おお!(ぽん)」
「桐恵……この狩りはいずれ……」
「何か 背筋が凍ったのですが……」
「私もよ……」



「夢……
夢の跡地……
ここには数々の物が埋まってる……
いや
埋まってた……」
 写真を覗いて羽が呟く。
「まだ……あるのかな?」
 その写真の男性はクリスタル色の強い黄色の玉を抱えていた……
ボーリング大くらいはあるその玉を……