忍ちゃんのお誕生日♪
時は快晴。
日の光も鮮やかに
今、海に来ています!
9月21日
「でも、正直
海の日差しはきっつい……」
何時ものTシャツに黒いミニスカートの忍がぼやけば。
「来たばかりでそれはないだろ。
ほら、荷物ならもってやるから」
全身黒ずくめの恭也が忍の方を見て優しく微笑む。
「う〜ん?
どうせならぁ……こっち♪」
と、言うと恭也の腕に忍は腕を絡める。
「こらこら。
よっかかりたいだけじゃないだろうな?」
「ふんだ。
あいかわらず、乙女心のわからぬ奴め。
……こうだっ!」
忍は胸の谷間に挟み混むように恭也の右腕を抱きしめる。
「おいおい。
そんな事されたら……」
「何?
大きくなった?」
にやりと意地の悪い微笑みで
忍が恭也を見る。
「ああ。少し」
「もう……本気で答える事ないじゃない」
照れた表情に忍もまた照れた。
ここ、月村家の別荘に
忍は恭也と二人で来ている。
恋人になった二人の小旅行。
いろいろな思い出があるこの地で
忍は恭也との思い出もここに欲しくなったから。
「到着♪」
「お疲れ様。忍」
「うん。恭也もお疲れさま。
さっそくぅ……し・よ・う・か?」
しなだれてくる忍に恭也が目を丸くする。
「こら……って、ひょっとして発情期か?」
「残念ながらそれは来月。
しようでそっちを思い浮かべるなんて……恭也のえっち♪」
「いや、それは……」
「何?
ちゃんとこっちを向いて言って欲しいな」
忍の手が恭也の肩をつかむ。
「忍……」
瞳があわさり顔が近づいてくる……
まぶたが閉じられて……
唇がかさなった。
「恭也」
「忍」
「ふふ。ついたそうそうなんて恭也もえっちねぇ」
「これはお前が……
って、も?」
「そ。あたしもえっち♪」
「ほら、そんな事より荷物置いて来よう」
逃げるように恭也は奥に進んでいく。
「…………っ、もうっ!」
明らかに不満気な表情で忍が毒づいた。
荷物を部屋に恭也が部屋に入る。
「何処でも良いんだよな?」
「うん。ここにする?」
「そうだな、何処でも良いなら出入り口から近い方が楽そうだ」
忍も一緒の部屋に荷物を置く。
「部屋……一緒なのか?」
「私にこんな広い屋敷で一人で寝ろって言うの?
恭也は『彼氏!』なのに……」
すっと涙目になる忍。
「わかったわかった」
そう言って恭也は忍を抱きしめる。
忍が顔をあげ恭也の唇を待ってると
恭也は荷物整理を始めていた。
「む〜」
「ほら、むくれてないで荷物だして飯にしないと
時間だけが過ぎてくぞ」
「それで良いのに……」
ご飯を食べて
お風呂に入って
二人はベッドの上で座ってる。
恭也に抱きかかえられるように忍は膝の上で、
電気もつけずに月明かりにだけ酔う
「二人だけだね……」
「ああ。いやか?」
「もう。
そう言う意味じゃなくて二人だけなのが良いのよ」
「そうか」
「そう」
顔もみずにただまどろむ。
「私ね」
「うん?」
「恭也はもっとしたがるかなー
って、思ってた。
期待したって言っても良い」
「たしかにしたいが……
今日くらいは……さ」
「私の誕生日だから?」
「うん。
今日は大事にしたいなって」
「ありがとう。
でも、だからこそ抱いて欲しいって思ってたんだけどね」
「そう言うものか」
「そう言うものなのですよ」
二人はくすりと笑いあった。
こんなこんな二人の夜
ただ静かに寄り添っている幸せを
ありがとう
「結局5日も居たのに一回もしよーとしなかったね。
何? 私に飽きた?」
何か怒ってる口調で忍が言う
狼狽しながらの恭也は
「いや、さくらさんが」
「叔母さんが?」
「まだ学生なんだからつつしみなさいって
発情期はどうしよーもないでしょうけど
と……」
「(さくらの奴……
叔父さんと学生の時しまくってたって真一郎さんはバラしてたのにぃ!)
恭也……それ、からかわれてるか
ためされてる」
「そ、そうなのか?」
「だって……私らの避妊は発情期いがいだと気にしないで良いもの」
「うん?」
「発情期が来るって日近辺以外は安全日なのっ!
前にも言ったと思うけど
私達は人とそう言う周期が違うんだからっ!
二ヶ月単位(発情期周期)で生理とか来るとかで察してよ……」
「あ。
もったいない……」
「あはは。恭也もそう思う事あるんだ♪
なら、OKかな」
「忍……」
ぎゅっと抱き寄せる。
「でも、時間切れ……
恭也……もうちょっと我慢してね」
「ああ……平気だ」
「うん。帰ってから………………かな」
別荘からの帰り道
寂しいと思ってた旅行の終わり際も
心はあったか
また、しよう
じゃなくて、会おうって約束したから……
あとがき
忍ちゃんの誕生日って事で一つ
さくらも忍ちゃんは、からかったりするのかなー
とか思ったり(笑)
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