〜 a piece of "a story"...

#8 Yunfa

闇の中。
一切の光が射さない、真の闇の中。
目を開けていても、閉じていても、一向に変化のない部屋。
誰もが、ほんの数時間ですら、耐えられそうにない場所。

そんなところに、少女は居た。


少女が「そこ」を居と定めて、すでに数日。
最低限の水と食料、そして空気。
それ以外は何も消費せず、少女はただ、そこに在った。

ただ、じっとうずくまり、言葉もなく……
どこか、遠くを見るような瞳で、闇を凝視する……

闇は何処まで深く、その先に何かを見いだすことは出来そうにない。
……少女以外には……


少女の網膜に映るものは……過去の光景。

親友と呼べるヒト。
……受け入れてくれた友。

強敵を呼べるヒト。
……刃を交えて語り合った友。

消えない刻印。
……決して消えない罪の証。

そして最愛の……

すべては、自らの思いをぶつけ合うことの出来た、輝けた時代のコト。


心が凍る。
心が痛む。

最後の自分の行動に、後悔はしていない。
あれが最善であったとも信じてもいる。
それでも……

「…………」

少女は黙して語ることはない。
ただ、考える。
語る言葉を見つけるために。

……求める言葉は、未だ見つかっていない……

To be continue...

かけら #8 Yunfa かけら