ねこねこライダー第1話『登場。ねこねこライダー!!!』







 それは一人の少女の物語……




ねこねこライダー第1話
『登場。ねこねこライダー!!!』






 雨の降る山道を黒い少女が歩く。
自慢のバイクを押しながら

「しまった……ガス欠とは……」

 口から漏れる言葉にも力なく
黒メットとライダースーツのおかげで濡れないものだが……

「きゃーーー!!!」

「悲鳴?」

 遠くで鳴る遠雷の音と共に
一人の女の声がする。
走れ美緒。このピンチは君にしか救えない!




「婦女暴行……みっともないね」

「誰だ?!
なんでこんな所に……」

「なに……道に迷っただけなんだけど……
これも天命って言うのかもね」

 女の子の腕を掴む金髪とスカートをたくしあげる茶髪。

「なんだやろうかよ……
混ざっれよ。その代わり黙ってろよ?」

「ぅぅ……もうダメ……」

 絶望の時のためか彼女が涙する。

「安心して……
あちしは……
味方だ……」

 腕を振り回してそうつぶやく

「正義。ねこねこライダー」と……

 唖然とする一同……
黒メットの長身はポーズを決めてそう言ったのだ!

「きさま……また 我らに刃向かうか!」

 男どもの姿が変わる。

「へぇ……
追われる羊が狼を前にして まだいきがる……
かっこ悪いよ!」

 瞬間!
飛び立つ!

 い な び か り が 鳴 る !

「ねこねこライダーキック!!」

 飛び蹴りは……

「一撃必殺なのだ」

 口元がにやりと微笑んだ。

「この化け物!」

「うむ。あちし達は……
どうせ 化け物と呼ばれる事から逃げられない」

 拳が美緒のメットをかすめる。

「だけど……それで化け物として生きたらっ!
ほんとの化け物になってしまうのだーーーー!」

 雷光が又 鳴り響いた。

「……………………電撃…………………………」

「違うのだ。あちしは正義。
ねこねこライダー…………
って あちしのバイクー!?」

 雨の降る山道を少女は走る。
親友とも言えるバイクを目指して……
戦え美緒。
戦えねこねこライダー!
正義が君を愛してるっ!!!




次回予告!

疾走する狼の群れ
このままでは町に被害が!
そう誰もがあきらめた時 一つの正義が現れる
変身 ねこねこライダー!!!
「現れる正義」
ご期待ください。