月姫〜GR計画〜第25話『たとえば……その続きに』





それは唐突に起こった。

がたんっ!
がた……がたんっ!
ごろごろごろごろ……
街を押しつぶす巨大な球体。
そう!
大懐球である!


――第2部――化物――
第9話(25話)『たとえば……その続きに』




――遠野家――

「瀬尾の言うとおりにまっすぐここに向かってるんでしょうけど……」

リビングで優雅に紅茶をたしなみながら
今後の対策を練る。

「あは……あはははは」

乾いた笑い声の瀬尾晶。

「でも、本当に笑っちゃいますよねー
まさか 急に転がってくるなんて」

「いままで飛行して来たからな」

琥珀、蒼香と続く。

「でも、この方が破壊活動としては、あり。
なんじゃない?」

羽ピン。

「たしかに……街をほぼ壊滅させてますけど……
これって……」

秋葉の言うとおり
何かが起こっていた。






――大懐球
内部――

ちよーん
ちよーん
ちよーん。

黒い猫。
たしかな毛並みが一流のトップブリーダーを思わせる。
しっかりと座り込み。
あわててる人々をその瞳でじっと見据えていた。

「おいたが過ぎるな姫君の使いよ」

裸コートがそこに立つ。

「むっ!
真祖の……
いや、すでにここは夢か」

見えている真祖の姫にネロはそう呟く。 まるで何かを確認するように……

大きな黒いリボンの少女が笑う。

「……バイバイ」

そう、手を振られた気がした。




――数分後。

びくっ
少女がおびえる。
その数に
その種類に
幾百もの獣。

術をかけた後
突如現れた666の獣。
とにかく逃げよう
役目は済んだと
その場から姿を消した。




大懐球では阿鼻叫喚が起こっていた。
なにせ転がってるのである。
宙に受けないのなら
乗り心地は果てしなく悪い。


「きっ、気持ち悪い……」

「うわっ 吐くな!」

等等。




そして……
大懐球襲来!


九州沿岸。

「王冠さま」

一人の黄色のシスターが告げる。

「来たか……」

短くつぶやくは、王冠メレム・ソロモン。

(再戦くらいはせんとな……
なぁ? 赤き髪の眷属よ……)

しかし、
その願いもむなしく

「王冠さま……
大懐球って止まってくれるんでしょうか?」

「止まるに決まって……
あっ!」

出迎える彼は転がる巨大球体に圧死と処せられた。
第8〜260教会隊消滅。





言葉を告げるは白き蛇。

「思わぬ事態だがまぁ良い
役者はそろ……
むしろ減ってしまったが……
それは願いでもある」



言葉を告げるは赤き髪。

「私は私である為」



言葉を告げるは白き姫。

「私の責任取る為……
ねぇ? レン」

ひざの上の黒猫を撫でながら
白き姫……アルクェイドは大懐球を見た。






「「「行くぞ大懐球!!!」」」

この三者はそれぞれの思いを馳せる。
次回予告
それぞれは
それぞれの願いの為に動き出した。
やさしく微笑む一人の人。
「さぁ、君にも直死と言う魔眼をあたえよう」
次回、月姫〜GR計画
第26話
作られた魔眼
「結果は解り切っているが……さて……」


後書き 日刊で無理やり書いてみよう企画中(笑)
    前回もそうですが、私の中ではかなり蛇足なできです。ごめんなさい(苦笑)