月姫〜GR計画〜第1話『白い吸血鬼』
月姫〜GR計画〜
第1話『白い吸血鬼』
「各員 注意されたし」
「脱走者一名!」
「B地区で火災発生!」
「雨が降ってるぞー!」
「こっちはもう駄目だ、雨と風で何も見えん!」
コツコツ
「何事です!」
「は!」
「敬礼は良い!
状況を」
「脱走者一名です!
居住区であるF地区ならび、通行されたB地区は半壊してます!」
「ふぅ……
それで……脱走者が誰が解ってるんですか?」
「それが……」
「空弓さま〜
空弓さまは何処〜!!」
「こちらです!」
「ブリュンスタッドが逃亡しました!」
「なんですって?!」
「ですから、ブリュンスタッドが逃亡した模様です!」
「さきほどからの騒ぎとの関連は?」
「は!
首謀者と思われます!」
「ちぃ……
それで? ブリュンスタッドは一号ですか? 二号ですか?」
「は!
神祖の姫君の模様!」
「全員に伝令!」
「「「は!」」」
「ブリュンスタッドには一切手を出さず
各部署の消化にあたってください」
「空弓さまはどちらへ?」
「ふ……
潰しますよ……
あの馬鹿猫を……」
「伝令〜」
「どうしました?!」
「七夜の小僧も居ません」
「なんですって!」
………………
…………
……
少年が長身の金髪に抱えられている。
「もうすぐだよ……
もうすぐお家に返してあげるからね……志貴……」
颯爽とはびこる人の山。
「今すぐ お戻りください!」
「断る!」
「いいから 戻れ!」
「邪魔するなぁ!」
少年……七夜志貴を小脇に抱え
長身の金髪……アルクエィド・ブリュンスタッドは走り出した。
そう……ただまっすぐに……
………………
…………
……
「ななこ!」
「は〜い♪」
「うらぁ!」
「がふぅ……」
空弓 と呼ばれていた女性がななこと呼ばれた手足が蹄の少女を殴る。
「痛いですぅ〜」
殴られた「それ」はすでにゴツゴツとした銃……大砲と化す。
「行きますよ……
アルクエィド……」
そう言ったシエル……空弓は笑っていた。
………………
…………
……
「うぅ〜……ん?」
「あ 気がついた? 志貴♪」
「アルクェイド……どうしたの?」
「ふふ……志貴をお家に返してあげようと思ってね♪」
「な、な、な……」
「嬉しいでしょ?♪」
「何考えてるんだ この馬鹿女ー!」
「何って……志貴帰りたいって言ってたでしょ〜?」
「だからってここから逃げられるとでも……」
「その通りだよ……七夜くん!」
七大天王……幻惑のセルバンデスが二人の前に立ちふさがった……
ツカツカツカツカ……
「重い!
あなた足があるんだから歩きなさい!」
ドン!
と、音を立てて
ななこ……大砲は地面に投げ捨てられた。
「そんな事 言われましても〜
マスターが私をこうした……ひぃ!」
「だいたいですねぇ……
あなたがカレーのニンジンを食べたりするから……」
「はい♪ にんじんは美味しい……ひぃぃぃ!」
「ニンジンはカレーに入ったときこそその美味しさを完璧にするんです!」
「そんな事ありません……ひぃぃ!」
後書き 保管(笑)