それは……
士郎と桃子さんが結婚した
始めて冬……


ある冬の日の出来事


「ふ〜
お腹いっぱい♪」

「全部食べたのねぇ〜
ありがとう
恭也くん
美由希ちゃん♪」

「昨晩から連続の放火事件の件ですが……」

「放火?」

「うむ
どうもそうらしい……」

「早く寝ましょうねぇ」

「何故だ?」

「良い子は
早く寝るものよ♪」

「美由希
早くねるぅ♪」

「うん、美由希ちゃんは
良い子ねぇ〜」

………
……


こと……

深夜とも言える時間たい……
物音に気が付いて
少年……高町恭也は目を覚ました……

(何か来る?)

恭也は悟る
この部屋に何かが近づいてくる事を……

(父さんも居ないし……
御神の力が役に立つ時が来たな)

と、枕元の愛刀を握り締める。

(美由希とかーさんは無事だろうか……
二人とも、たいして強くないし……)

そう、思ったとたん
急に怖くなった。
しかし、ここで動く訳には行かない。
何故なら
相手がここに向かって居るのなら
奇襲を逆手に取る事が一番
勝率が高い事を
恭也は数々の奇襲を実践して
知って居るのだ。

(途中に部屋はもう無い
物取りだとしたら
ここに来るのは間違い無いな……
放火か……)

さっき見た
ニュースを思い出す

……みし……

廊下のきしみが
かすか
に、する。

(近い!)

がちゃ……

部屋のドアが開いた。

(まだだ。
焦るな!
絶対の間合いまでは
寝たフリに徹しろ!)

恭也は
そう
自分に言い聞かせて
待つ

………
……


待つこと
実に
2分弱
しかし、恭也には
この上無く長い時間に思えた。

(もし
美由希とかーさんに何かあってみろ……)

ふつふつ
と、沸きあがる
怒り
を、押さえつつ
慎重に
相手が間合いに入るのを待つ。

ごそごそ……

恭也の枕元に
【その】影が忍び寄った瞬間!

(今だ!)

恭也は確信した。
この間合いなら取れる。
それは、この上も無く嬉しかった。
なにせ、父との訓練では
一度も成功した事が無いのだ。

(あれは無駄じゃなかった……)

恭也は感無量な趣を感じつつ
相手に覆い被さるように斬りかかる。

(取った!)

しかし
【その】影は
自分の知ってる物影だった……

(な!?)

恭也は急いで
刀を収める
しかし
ついた、勢いは止める事も出来ず
仕方ないので
体当たりを食らわせる事に
押し止めた……

ドン!

と、ぶつかって
相手が部屋の端の方に転がり飛ぶ。

「きゃあああー!」

その時
絹を引き裂いたような
悲鳴が当たりに木霊した……

「で……
こんな時間に
気配を殺す真似事までして
いったいなんのようだ?」

「あは
あははは……」

と、恭也の前に正座して居るのは
高町桃子
恭也の母に今年なったばかりの
女性である。
しかし……
その表情は完全に引きつった笑いを浮かべるだけ
よほど怖かったのであろう(笑)

「ほら
今日はクリスマスでしょ?」

「ああ
そんな事昼間いってたな……
クリスマスなんとかだって……」

「なんとかって……
(ひょっとして
私が洋菓子職人だからなの?
クリスマスが特別なのは?)」

この場合
恭也が……
もとい、士郎の世間が
ずれている
だけ、なのだが……
桃子も充分
世間知らずなので、自分が特殊だと
思い きちんと話す事にした。

「えっとね
恭也
クリスマスは
サンタさんが来るの」

「三田さん?」

恭也には馴染みの無い名前だった。
しかも、恭也は昨日のクリスマスイヴが
桃子の言ってるクリスマスだと
勘違いしている。

「何か
あったのか?!」

「え?!
何かって?」

「クリスマスは昨日だったのだろう?
でも、そんな客人は昨日は来なかった……
そして今は深夜……
まさか、ご不幸が?!」

「ご
ご不幸って……」

桃子が考える事
30秒……

「ああ(ぽん♪)」

桃子が手を叩くように解答を得た
仕草をする。

「えっとね
恭也
サンタさんってのは
サンタクロースの事で
フィンランドの人でね。
って、その前に
昨日のはクリスマスじゃなくて……
クリスマスイヴ
要するに
クリスマスの前夜祭なのよ」

「は、はぁ……」

恭也は良く解ってない。

「それで
その前夜祭でもある
クリスマスイヴの深夜から
今日のクリスマスの朝にかけて
【その】サンタクロースが
世界中の子供達におもちゃとかクッキーとか
プレゼントしにやって来るのよ♪」

「せΣ( ̄□ ̄;)
世界中Σ( ̄□ ̄;)
何万人も居るぞ!
何万人も!」

「うん♪
だから、サンタさんの代わりを
桃子さんがしたって訳♪」

「何故
かーさんが代わりを?」

「サンタさんが来れない時は
親が代理をする物なのよ♪」

「ふぅ〜ん……」

どうも恭也は納得
行かないようだ……

「それで
その赤いカッコも関係があるのか?」

「そうなのよ♪
サンタさんはこういう
カッコなの♪
まぁ、ミニスカートは友達の趣味だけどぉ……
本当は
こう(手で大きめに円を書く)
ちょっと小太りのおじさん
なんだけどね♪」

「まぁ……
なんにせよ……
すまんm(_ _)m」

「良いのよ
かーさんも悪かったわ
深夜にいきなり部屋に入って来たら
びっくりするわよねぇ……(T_T) 」

桃子は思い出して
ちょっと涙目だ。

「と、とにかく
プレゼントは置いて行くから……
また、朝にね」

「ああ……
ありがとう」

「お礼ならサンタさんに言ってね♪」

「言いようが無いだろう……」

「感謝はして上げてって事♪」

「ああ……
解ってる……」

そう言って
桃子は部屋を出た……

………
……


数分後

「きゃあぁぁぁー!」

「しまった!
美由希も勘は良いんだった!」

桃子さんは
息子と娘
両方から
奇襲を食らった……
合掌 Ω\ζ゜)



「わあぁぁん(TдT)」

「ごめんね
ごめんね
美由希ちゃん
驚かしてごめんねぇ」

「怖かったよ〜
びっくりしたよぉ(TдT)」

「ごめんね
ごめんねぇ」

来年からは
忍び寄る
方法を士郎さんに訓練してもらおう
と、
決意をする桃子さんであった……



追加

「お前
サンタクロースって本当は居ないんだぞ〜
ガキガキ」

と、翌日
恭也は
学校でからかわれるが……

「会ったぞ」

「へ?Σ( ̄□ ̄;)」

「会った」

「そ、そうか……( ̄д ̄|||) 」

恭也の意も知れぬ迫力に
クラスメイト達は
サンタクロースが居る事を信じ直すのであった。

そして、同様に美由希も
からかわれて
居たが、
同じように
恭也が黙らした(笑)
事も付け加えておく




今度こそ終る(笑)



後書き
落ちが3っつあるようなものなので
かなり、クドイかも知れません(笑)
ごめんなさいm(_ _)m





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