事体はいように緊迫していた……
「なのはさん!」
「くぅ〜ん!」
なのはの表情は真剣そのもの、そこから発せられる言葉は当然。
「リリカル マジカル……
レンちゃんの記憶をかえしてぇ〜!」
そうして……なのははレンの記憶をかえしました……
ただ……かえさなかった方が良かったと思います(bYなのは)
――【馬鹿め(ば亀)】――
それはある朝の目覚め……
ベッドの上の鳳蓮飛はまどろんでいた。
何時もの人民服をぱっと着たと思ったら
口にしたのはこんなセリフだった……
「忘れてたー!」
そう叫んだと思うと
外に向かって走り出す。
行き先は……
駅迎えの花屋……
こんな朝早い時間だと言うのにもう開店の準備に花束を抱えて歩きまわってる一人の女性がいる。
「尾崎さん……」
レンの瞳は涙でいっぱいになっている。
もう何かの拍子にすぐにあふれだしそうなほど……
「え……?!」
花屋の女性が振り向く……
「【馬鹿め(ば亀)】…………」
「はい、そうですぅ……」
二人はゆっくりと相手に近寄って行く……
「ついに尾崎さんの花嫁になる日が来ましたぁ♪」
「来んなぁ!」
尾崎の黄金のカウンターは健在だ。
その右腕から繰り出される威力、スピードにレンは、螺旋状に両手足を回して飛んで行く。
道路の反対斜線に飛んで行ったレンはそのままピクリとも動かない……
「あ? あれ???」
そう、何時もの【馬鹿め(ば亀)】ならカウンターを避わすなり食らった事を無視するなりして尾崎に近寄ってくるはずだ……なのに来ない……レンはそのままの姿勢で固まってる。
「ば、【馬鹿め(ば亀)】?」
「う……尾崎さん……うちの愛は……本物でした……」
その言葉と共にがっくりと沈む。
「自分判定かぁ!」
黄金のカウンターがまたも炸裂した為、レンはまたも動かなくなった……
――花屋内――
レンは尾崎の部屋の押し入れで布団に寝かされている。
前もここで寝ていたと言う理由だろう。
「う……うん……先行者?!」
「あんたが?!」
レンがうなされた言葉に目覚めるとそこには尾崎がいる。
そしてレンが見まわすとそこは見なれた部屋の中……
「気がついた?」
「はい♪ 尾崎さんの愛が全身にみなぎってますぅ♪」
「錯覚よ……」
「そんな事はありません! この愛こそがうちの記憶……記憶ぅ!」
「そうそう、それが聞きたかったのよ あんた壊れたんじゃなかったの?」
「そんな作者も知らない事言わんといて下さい。そんな事より聞いて下さい!
うち……
うち……
生身の体を手に入れたんです!」
「どっから盗んだぁ!」
尾崎の右腕が唸る時……鳳 蓮飛の体は宙に舞うのだった……
後書き やっぱ楽しいわ これ(笑)