前書き
某投票所での連載物です。
投票する度に場面が変わってるので読みにくいかもしれませんが
結構気に入ってるので掲載します。






 これはシンフォニアとアーシュライトの友好の記録。
二つの王族はこうして交じり合った
だが
その側近は
「被害が倍になりました」
と、語る………………。


レティ
「始めまして♪
 シンフォニア王国より来ました
 レティシア・ラ・ミュウ・シンフォニアです♪」

フィーナ
「こちらこそ始めまして
 フィーナ・ファム・アーシュライトです」

レティ
「これはこれはどうもご丁寧に〜(ふかぶか〜)
 あ、アップルパイ焼いてきたんですよ〜
 お近づきの印にお茶でもどうですか〜?」

フィーナ
「ええ……
 頂くわ」

レティ
「はい。
 では、こぽこぽ〜っと♪」

フィーナ
(何か想像してたのと凄く違う……
 前屈みたいな挨拶する? 一国の姫がっ!)

レティ
「紅茶にミルクいりますか?」

フィーナ
「え、ええ……
(給仕までしてるし……)」

レティ
「ささ、どーんと
 食べちゃってください♪」

フィーナ
「(すっごくキラキラした瞳で見られてる……)
 は、はい、頂きます……」




ミア「あの、姫さまが圧倒されてる」

エレノア「まぁ、うちの姫はすぐに懐きますから
     あのお人柄が夜中に街に逃げ出しても
     生活できると言う暴挙を可能にしてます。・゚・(ノд`)・゚・。」

ミア「そちらの方が何倍も大変そう……」

エレノア「やっぱり普通の姫は
     一般の人の生活が見たいと逃げたりしませんか?」

ミア「え、ええ……正式に留学なされました……」

エレノア「そこも逃げられたんですよねぇ……
     爵位のある方は普通ではないと……」

ミア「心中……お察しします……」



そして会談か終わった深夜
一人の姫が目を覚ます。

眠れない午前二時
レティがドアを叩く

フィーナ
「………………?
 はい?」

レティ
「レティシアです。
 フィーナさん出かけましょう」

フィーナ
「で、出かけるってどこへ?!」

レティ
「そりゃ、街中ですよ〜
 公用視察とか名打ってるのに
 街なんか見てないじゃないですかぁ♪」

フィーナ
「でも、夜中ですよ?」

レティ
「夜中の酒場は情報の宝庫です♪」

フィーナ
「そうかも知れませんが
 危険が」

レティ
「むぅ。
 わかりました。
 私一人で行って来ます。
 このままだと、エルに気がつかれちゃう」

フィーナ
「ま、待ってください。
 わ、私も行きますから」

レティ
「わぁ〜♪
 本当ですか?
 同じ姫として、
 きっとわかってくださると思ってましたよ〜♪
 ささ。パジャマじゃあれなんで
 着がえてくださいね〜」

フィーナ
「は、はい。
 少々お待ちを……」

ごそごそ………………

フィーナ
「お待たせしました」

レティ
「あはは、
 ドレスで逃げようとするフィーナ姫
 ぐっじょぶですd('∀`)」

フィーナ
「この格好だといけませんか?」

レティ
「う〜ん。
 塀を乗り越えようかと思ったんですよね。
 それで街に溶け込むようにと
 学校でもらった制服? って言うんでしたっけ?
 を、着てきました」

フィーナ
「それなら
 私もあります。そっちに着がえますね」

レティ
「はい。
 急いでくださいね〜。
 あ、手伝いましょうか?」

フィーナ
「え、えっと……」

レティ
「時間勝負
 時間勝負♪」

フィーナ
「では、お願いします」

レティ
「まっかせてください〜♪
 ドレスの着衣は慣れてるんですよ〜」

フィーナ
「(ああ、またキラキラした瞳で、
  そんなミアみたいな事を……)」

レティ
「完成で〜す♪
 わぁ、とってもお綺麗ですよ〜」

フィーナ
「あ、ありがとうございます」

レティ
「では、出発〜!」


一方

エル「姫。まさかとは思いますが
   抜け出してたりしませんか?
   …………………………返事がない。
   やられた。
   部屋から出たホールには衛兵がいるのに何処から?!
   部屋が寒い……窓から……
   だんだん、レイ姉さんみたいになってきてませんか?
   レティ……」



 そして
姫さま達。

レティ
「と、部屋から出たとたんに
 衛兵さんですか」

フィーナ
「二人……
 上手く注意をそらせれば……」

レティ
「平気平気♪
 フィーナさんは足に自信は?」

フィーナ
「早いほうだとは思いますけど……まさか!?」

レティ
「よーい……」

フィーナ
「やっぱりー?!」

レティ
「どっんっっ!!」

駆け抜ける二人
気がつく衛兵
もちろん追いかけてくる。


「姫どちらに?」

レティ
「街に行って社会見学」


「夜の街は危険です
 お戻りください!」

レティ
「はーい」

フィーナ
「え?」

すっと戻って
兵の近くまで
そして、またくるりと振り返る。

レティ
「一度戻りましたよ〜♪」


「姫〜」

一度近くに来た姫を捕まえようとした衛兵はバランスを崩し
そのすきに二人はどんどん逃げていく

レティ
「う〜ん
 エルが居ないと簡単ですよねぇ」

フィーナ
「………………何時もこんなことを?」

レティ
「ふふ、たまにですよ
 た・ま・に♪
 このまま中庭をつっきって塀を登りますよ〜」

フィーナ
「こう言うのも楽しいわね
 本当に」

レティ
「街に出るともっと楽しいですよ〜♪」

そして、壁際。
壁際の木をするすると上る二人。
はっしと手を伸ばすレティ
あんまり良くない運動神経にはらはらするフィーネ

レティ
「ふんごろ〜!」

と、謎の掛け声を残し
レティは壁を登った。



一方……。

ミア
「あわわわ〜
 まさか、姫様まで居なくなるなんて〜」

ミアがてんやわんやしている中
一人の剣士が地図をみる。

エレノア
(街道ぞいにでるには正門から出るしかない
 ただ、北東の塀を乗り越えれば裏街道にすぐでる……
 レティが出るとしたらたぶん、ここ
 ……問題はその後どこへ行くかだけど……)

兵1
「隊長。
 捜索団一陣30名そろいました。

エレノア
「ご苦労。
 今後は各自、3名ないし4名での捜索を義務付ける
 相手は、かのりんご姫と月姫さまだ。
 尋常ならざる相手、決して傷一つつけるな!」

兵1〜30
『はっ!』

エレノア
「大勢で出ると騒ぎになる
 各自、数人を数分毎にわけて物音を立てずに移動するように」

兵たち
『ははっ!』

ミア
「あわわ〜
 姫さまー、どうかご無事で〜」

エレノア
「ミアも行きますか?」

ミア
「良いんですか?」

エレノア
「ええ、危険な所になんて行かないでしょうし
 行ったとしても私がいますから」

ミア
「頼もしいです〜。
 カレンさまよりなんか可愛らしいのに〜」

エレノア
「あはは。
 褒め言葉として受け取っておきます。
 では、2班の後に行きましょうか。
 私達は3班と言う事で」

ミア
「はい♪」


夜は老ける。



レティ
「夜の街は、にぎやかですね〜」

きょろきょろと見回す美少女二人
しかも、学園制服っぽい格好
異様である。

当然酔っ払いに目をつけられる。

酔っ払い
「ようようよぅ!
お嬢ちゃん達よぉ。
おじさんと良い事しない〜」

フィーナ
「なっ?!」

フィーナは一目で良からぬ事をたくらんでると気がつくほど
典型的な酔っ払い。

レティ
「わぁ〜
良い所ですか?
行きます。つれてって下さい〜」

レティのキラキラとした好奇心たっぷりの瞳に
酔っ払いがだまりこむ。

酔っ払い
「いや。
俺にとって楽しい所だったよ
お嬢ちゃんなんかは来ちゃいけねぇ……」

レティ
「平気ですよ〜♪
お酒だって飲めるんですから
ね? フィーナさん」

フィーナ
「え、ええ……」

いざとなった
腕っぷしでだまらせる気だったフィーナも毒気がぬける。
その言葉に酔っ払いが調子づく

酔っ払い
「ひゃっひゃっひゃっ!
お嬢ちゃんにはちょっと早いよなぁ」

と、レティの尻にさわさわ〜っと

レティ
「うひゃ?!
もう、駄目ですよ
寄りかかるんなら肩です!
飲みすぎですよ〜。
体壊したら大変なんですからね?
女の子のお尻なんかさわったらセクハラ〜
とかで叱られちゃいますよ」

小さい子をたしなめるような口調に
酔っ払いも帰路についた。

酔っ払い
「たしかに飲みすぎなようだ。
悪ぃけど帰るわ。
お嬢ちゃんまたな。今度あえたら
面白い所につれてってやるわ」

レティ
「はぁ〜い
楽しみにしてます〜♪」

ギャラリーと化していた。
そこらの通行人も思わず拍手をする。

「いやー
いい物見たよ」

「善人って居るもんだなぁ〜」

「暴れ者の酔っ払いをあやすとは嬢ちゃんやるねぇ」

レティ
「暴れ者じゃないですよ
良い人です」

『本物だ……』

レティ
「さ、これから酒場行ってアップルパイを食べ歩きますよ〜」

フィーナ
「アップルパイですか」

レティ
「ええ。酒場のアップルパイは美味しいんですよ」

キラキラとおめめ光らすレティと
それを見つめるフィーナ
そして
その時、ある女達が動き出す!



カレン
「我が国の姫が脱走されたと言うのに
 探索をシンフォニアの方々にのみ任せてはおけません。
 したがつて、我らは独自に両姫君の回収に向かいます。
 出立」


この国の朝は遠い


 カレンは自分の失策に気がつく
護衛として来ているシンフォニア部隊。
それらが別の部隊と遭遇したらどうなるか
戦闘になる。

カレン
「最悪。
自分だったら、
知らない他部隊が
姫さまがいるであろう周辺に出たら
どうしたか?
何故気がつかなかった!」

しかし、自体はカレン・エレノアの予想を絵大きく上回っていた。

レティシア
「兵隊の皆さん
何時もありがとうございます」

兵1
「いやいや、まさか捜索している
姫さまじきじきに酒をつがれるとは」

レティ
「私達が無事でいられるのも兵士さん達のおかげですから」

フィーナ
「ええ、レティの言う通りです。
今日はあなた達隊の護衛日ではないのですから
たくさん飲んでも良いのですよ」

兵2
「おいおいおい
フィーナさまにお酌されちゃったよ。
ひょっとして、俺ロミオ?」

兵3
「もう、酔ってるのかよ!
だいたい、ロミオってより身分違いも忘れて
自惚れた阿呆だ」

兵4
「違いないでー!」

フィーナ
「ふふ、皆さん楽しんでるようですね」

レティ
「一番レティ!
景気づれに楽しい歌でも〜♪」

兵1〜30
「やんや、やんや♪」

もちろん、飲み代はレティとフィーナのお小遣いからである。
と、言うよりレティがもってる宝石を道端で売った(笑)

フィーナ
(良いのですか?)
レティ
(お父様が言うには街で遊ぶ時にはこれを売れと)
フィーナ
(シンフォニアってどういう国なんでしょう……)


カレン達は街の中での人ごみに入った。

カレン
「ずいぶん人が居ますね」

カレン兵1
「ええ、盛り上がってるようです。
一応調べますか?」

カレン
「姫は現在逃げまわってると自覚してるはずです。
あの聡明な姫がこんな所にいるはずがありません。
先に進んでると見るべきでしょう
なんだかんだで目立つ人ですから」

カレン兵1
「御意。
では、ここは人が多すぎます
迂回しましょう」

カレン
「そうしましょう」

カレン達はそう言って
その居酒屋を後にした。


その居酒屋。

兵5
「姫さまのっ♪」

兵6
「ちょっと良い所
見てみたい♪」

兵と店内の方々8割
「そぉれ!
いっき、いっき、いっきー♪」

フィーナ
「んぐうぐうぐんー♪」

レティ
「んーんーんー
一気に飲めません……
うあ、フィーナさん凄いですねぇ〜♪」

フィーナ
「ふぅ、
飲み干しました。
王族たるものアルコールには強くなくては」

レティ
「胸をはった姿も
女性らしく大きくて羨ましいです」

フィーナ
「いえ、そういわれると恥かしいですが……」

兵3
「そうそう
月姫さまは色っぽい!
俺ゃ、何時かさわりたい」

兵1
「そんな事したら、俺が斬るきっと国民も許してくれる」

店内
「おお、姫さまに触れた奴ぁ
死刑だー!」

店内
「死刑! 死刑! 死刑! 死刑!
わぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

フィーナ
「皆、酔っ払いすぎじゃ……」

レティ
「まだまだ酔いの口ですよー!」

店内
「おぉー!!!!!」

フィーナ
「え゛」


レティ
「ご清聴ありがとうございましたぁ♪」

レティの歌が店内に響き渡る。
もう日が変わろうとしていた頃……

フィーナ
「これは、どう言う自体なのでしょう……」

散乱する。
兵、市民、兵、市民、店主!

フィーナ
「介抱しないと危険ですよね……」

そんなフィーナの肩にレティが手を置く
ふるふると首をふり。

レティ
「ほおっておくのが正しい酔っ払いです」

フィーナ
「いえ、そう言う訳にも……」

レティ
「それに、私達は次の店に行きますし」

フィーナ
「まだ飲むんですか?!」

レティ
「当然ですよぉ。
 まだ酔いの口。酔いの口♪
 次はお父様お勧めの美人がお酌してくれる店に行きますよぉ」

兵2
「お供します (>Д<)ゝ」

兵3
「同じく (>Д<)ゝ」

レティ
「よろしい、ついてまいれ!」

兵1〜30
「はっ (>Д<)ゝ」

フィーナ
「皆……起きた……
 でも、シンフォニア国王のお勧めの美人?」

レティ
「隊列を組め!
 靴音をならせ
 われらに勝る者はなーし!」

兵達
「おぉぉーーーー!」

レティ
「楽しいです〜♪
 エルは何時もこんな楽しい事をしていたのですねぇ〜
 私も兵隊さんが欲しくなりますね」

兵達
「おれたちゃ姫君に一生ついていきますぁ!」

フィーナ
「ちょっ!
 あなたたち、アーシュライトの兵でしょ?!」

兵3
「職業選択の自由ー!」

兵達
「あははん♪」

この言葉を連呼しながら
兵隊は進むのであった。

レティ
「うあー
 いつの間にか道が斜めになってます〜」

フィーナ
「レティ、それは酔ってるんです
 もうお帰りになったほうが……」

レティ
「駄目です!
 お父様みたいに
 美人の若いお姉ちゃんを
 最低3人はお持ち帰りしないと……クリフ従兄さまにあわせる顔が……
 うぅえぇぇ……気持ち悪い〜」

兵達
「はっはっはっ、平気っすよ
 我らの瞳にもこのみ街は斜めになってますから」

フィーナ
「全然大丈夫じゃないじゃないですか……」


こう言う時
酒に強いと損をする典型的なフィーナであった。


そうこう話題もつきないまま
高級クラブへと来る一同

女の子1
「クラブ・バイナリィへようこそ〜」

レティ
「わぁ
 お父様の趣味っぽく胸元があいた衣装ですね〜♪」

兵1
「うっしゃー!
 俺はここで英雄になるっ!」

兵3
「ふっ、酔い潰してやるわ」

女の子2
「ふふ、たくさん飲んでくださいね」

女の子3
「たくさん食べちゃっても良いですよ〜」

兵6
「お嬢ちゃんも食べれるのかなー?」

女の子3
「もう、いやだ
 お客さんったら〜♪」

フィーナ
「えっと……」

フィーナがきょろきょろしていると

ホスト1
「美しいお嬢さん
 ささ、お席のほーへ」

フィーナ
「ええ……」

レティ
「駄目ですよー。
 今いる一番の美人は私の隣です。
 フィーナさん、こっちこっち」

フィーナ
「あ、はい」

ピンクな光にてらされて
姫さま一行の運命やいかに




カレン
「くっ
 街内のめぼしい酒屋はまわったと言うのに
 いったい何処に行ったんです! 姫!!」


一方のエレノアさん

エレノア
「だいたい、こっちのほうだと思うんですが」

ミア
「こんな所に姫さまが来るんでしょうか?」

エレノア
「信じたくありませんが
 目撃情報をたよりにするとこのクラブですかね」

ミア
「ああ、姫さま
 どうぞご無事で……」




フィーナ
「あは
 あは
 あはははははははははは」

ミア
「姫さま?!」

そうした探索から1時間。
ミアが飛び込んだその店では
主である姫がとんでもないものを見て笑っていた。

女の子1
「クラブ・バイナリィへようこそ
 ただいま当店では
 当店がほこる美男子のストリップショーを開催中です♪」

エレノア
「レティ
 いったいこれはどういう事ですか!
 ああ、アーシュライトの兵まで巻き込んで」

レティ
「あれ〜
 エルが3〜5人もいます〜
 エル部隊の完成ですかー?」

エレノア
「なんですか、その3〜5って!
 ともかく、もうお戻りください」

レティ
「むー
 まだ酔いの口なのに
 ダンサーさん!」

ストリップ中のダンサーA
「なんでしょうか、姫」

レティ
「あの、赤い騎士にサービスしてください」

ダンサーA
「かしこまりました」

エレノア
「姫?!
 これはどういう仕打ちですか?」

レティ
「私が来るというので
 女の子じゃ駄目だろうってサービスしてくれてるらしいですよ」

エレノア
「そう言う事を聞いてるんじゃありませんっ!」

ダンサー達
「真っ赤に照れてるお顔もチャーミングですね。
 ささ、私どもの肉体美
 とくとご堪能ください」

エレノア
「ああぁぁぁぁぁぁ……」

エルが頭をかかえてうずくまってる頃。

フィーナ
「あはははははははは
 ミア、あれ
 あれ」

ミア
「姫様って酔うと笑い上戸だったんですね。
 知りませんでした……」

フィーナ
「あはははは
 男の人って……あははは、
 腰が……ぷっははは!
 あんなに動く……あははははは
 ですね。くっは、ははははは」

兵達
「綺麗どころは姫達の所だし
 ショーは男だし
 酒しか楽しみがないなぁ……」




エレノア
「さて、困った事になりましたね。
 ミアさん、酔っ払いの介抱等は……」

店内を見回しながら二人は言う。

ミア
「メイドですから
 訓練は受けていますが……
 姫さまはここまでお酔いになられた事がありませんので
 実地は初めてなんですよ〜
 そもそも、この人数は……」

エレノア
「そうですよねぇ……」

アーシュライトの護衛部隊30人ほど+姫2名。

エレノア
「他国の兵ですし
 いっそ、このままにしておきたいんですが……」

ミア
「自国の兵隊さんですが
 私もそれで良いかと……
 護衛対象と一緒に飲み明かすなんて
 なんて嘆かわしい……」

見たくも無いとミアが顔をそむける。

エレノア
「いえ、そのへんにかんしては
 うちの姫が大変失礼を
 場内やどこの街でも姫はこうなので……」

ミア
「そ、そうなんですか?!」

エレノア
「姫の特殊スキルです。
 凶悪犯と一緒に飲んでた時はさすがに死ぬかと思いました」

ミア
「そ、それは……」

エレノア
「国王陛下とクリフ王子も一緒になって
 うっぅっぅっ……」

ミア
「心中お察しします……」

泣き出したエレノアが落ち着くまでさらに数分。
月の姫君がめをさました……

フィーナ
「……ミア」

ミア
「姫様。お気づきになられました?」

フィーナ
「ええ。
 今の話で確信しました。
 理想の王族とはレティのような人を言うのですね」

エノレア・ミア
「絶対に違います!」

フィーナ
「民衆の信服を得る。
 これがいかに難しいのかは私が一番良くわかって……」

レティ
「ふにゃ……
 あれ〜
 フィーナさんが何かいっぱい言ってます。
 マッシュルーム卿みたいですねぇ」

エレノア
「いえ、一緒にされては、はなはだ迷惑かと」

ミア
「姫様が愚痴っぽく……
 姫様、お辛いことが多いのでしたら
 どうかこのミアにおっしゃってくれれば……」

レティ
「泣いてるミアさんも可愛らしいですね〜」

エレノア
「ああ……なんか皆酔ってる。
 店内がこれだけお酒の臭いがしてるのなら仕方ないのでしょうか……」

きょろきょろと見回しながら
エレノア
「あ……
 ひょっとして、全員をなんとかするのって私だけ?」




カレンと言う少女がいる。
それは街の中を疾駆して
使えた主を探し惑う。

カレン
「ここでもない……」

脳裏によぎる最悪の展開。
急かされる心

街は暗闇に包まれている。

カレン
「姫……どうかご無事で………………」






その
お姫さまはと言うと……

フィーナ
「ふふ
 ミアの良い所みてみたい♪」

レティ
「ミアさんの良い所みてみたい♪」

エレノア
「気がついたと思ったらまた飲まないでください!」

レティ
「解りました!」

エレノア
「解ってくださいましたか!」

レティ
「やろうども、次にいくぞー」

やろうども
『おぉー!!!』

エレノア
「ふっ、増えてる?!」

レティ
「この街は私。
 レティシア・ラ・ミュウ・シンフォニアが貰いました
 さぁ、いざ行かん
 次の酒場へー!」

やろうども
『おぉーれたちゃ、へ・い・た・い♪
 姫の行くとこ何処へでも♪
 おぉーれたちゃ、へ・い・た・い♪』

フィーナ
「おぉーれたちゃ、へ・い・た・い♪」

エレノア
「あぁぁ〜
 フィーナさままで〜」

ミア
「うぃ……ひっく
 おぉーれた……ちゃ……
 へ・い……
 た♪」

エレノア
「ミアさんまで……
 しかも言えてない
 彼女が一番深刻かも……」

こうして、エレノアの頭を抱えるしかなかった。

エレノア
(早く私の部下と合流しないと
 本当に町中の人間が集まってしまう)


そうしてエレノアが頭わ抱える中。
事態は混迷を向かえ
その話を大きくする
そして、ついにこの男が立ち上がる
現シンフォニア国 第一王位継承者
クリフ・シンフォニア(旧クラウド)

クリフ
「飲み会なら俺の伴奏は欠かせないだろう」

護衛
「ええ、姫がまっています」

クリフ
「いざ、行かん!
 アルコールの渦へ!」

『おぉー!』

事態はさらに混迷を迎える(笑)


と、こんな感じで参戦した彼であったが

クリフ
「まぁ、社交的に飲むのは後日として
 今夜は町に出てパァ〜っと♪」

適当に入ったその店では……

レティ
「ふふふふふふふふふふふ」

フィーナ
「ああ、ミア
 いつの間にかお酒に強くなっていたのですね」

ミア
「あはははは、
 姫さま私はこっちですよ?」

エレノア
「ミアさん、それはフィーナさまじゃありません」

クリフ
「あの甲冑も姫なのか?」

エレノア
「クリフ?!
 ああ、良かった。この状況なんとかしてください!」

クリフ
「エル……苦労をかけたようだな」

エレノア
「ああ。クリフ……」

レティ
「なんか見つめちゃって良い雰囲気ですね。
 皆さん、ここはお邪魔にならないように
 私達だけ店を変えましょう」


「御意」

クリフ
「お前も飲んで良いんだからな」

エレノア
「はい?」

クリフは愛用の楽器を取り出し
かなで始めた
そして、レティが歌う
店中は合唱された。

レティ
「え〜るっのっ!」


「ちょっと良い所みてみたい♪」

エレノア
「あああああああ!
 事態を悪化させるなぁー!!」

クリフ
「何を言う
 事態を悪化させるってのは
 こう言う事だ。
 伝令」

伝令兵
「はっ!」

クリフ
「クリフの名において命ずる。
 シンフォニア国としてただいまより宴会を開く
 誰にでも酒を振舞い歌を歌わせろ。
 この法を犯すものは斬れ」

エレノア
「お前は来たそうそう酔ってるのかぁ!!」

レティ
「私の名前も連名でどうぞ」

フィーナ
「私のもどうぞ」


「俺のもー」


「それは意味ねー」


「あっはっはっは〜」


「ははははは♪」

エレノア
「あぁぁぁ……」

クリフ
「ささ、エル」

レティ
「飲んで飲んで」

クリフが押さえつけ
レティが飲ませる。

エレノア
「んぐんぐんぐんぐぐぐぐぐ……」

クリフ
「おお、良い飲みっぷり」

フィーナ
「飲むしかないっい言いません。あれ?」

レティ
「フィーナさんっ!」

フィーナ
「はいっ?!」

クリフ
「飲みがたりんな
 レティ」

レティ
「もちろんです!
 さぁ、皆さん!」

いろんな人
「フィーナさまの
 ちょっと良い所
 みてみたい」

フィーナ
「見せますよ
 見せますとも!」

ミア
「姫さま素適です〜♪」


カレンはついに姫の下にたどりつく
それは苦難の道だった
行けども行けども酔っ払いの群、群。
数多くの酔っ払いと根気良く話をし
ついに彼女はたどり着いた
この応急宿泊施設に

カレン
「結局姫さまは戻って来たんだ……」

しかし、彼女の話はおいておき
舞台は数時間前。


あまりにも事態を重く見たエレノアは救援を要請
その相手とは……

シルフィ
「も〜
お兄ちゃん、王子様になったんだから
街の人は……違うか
警備の人とかに迷惑かけちゃ駄目でしょ?
レティも一緒になって遊んでないで
もう帰ろ?」

クリフ
「いや、これはだな」

シルフィ
「これだけやっといて
言い訳しないの!
ほら、立った立った
あ〜、もうお酒くさい。
レティは飲みすぎよぉ
明日つらいよ? これ」

レティ
「はい……もう帰ります。
皆さんお騒がせしました……」

クリフ
「ああ、まぁ、そう言う事で今日のお祭りは終了」

兵ども
「へ〜い」

達哉
「フィーナ。
飲みすぎるなんて君らしくもない」

フィーナ
「達哉?!
これは違うの
ほら、いろいろと付き合いとか」

達哉
「奥さんに言い訳するサラリーマンじゃないんだから
ほら、これ以上飲んでも体に悪いだけだから」

フィーナ
「はい……
あのね……達哉」

達哉
「うん。今夜はついててあげるから
そんなフラフラになるまで飲んだお説教は後日」

フィーナ
「ええ。わかったわ」

こうして
最終人材を投入して
ことなきを得た。

街の人
「くあ、飲みたりねぇ!
こうなったら個人でも飲んでやる!」

と、街では結局飲み明かし
この日の町のアルコール消費量は年間量に匹敵したという。


舞台は戻り王家宿泊場

カレン
「はぁはぁはぁっ……
姫さま?!」

達哉
「今、眠った所です。
さ、カレンさんも今日はもう休んで」

カレン
「ああ、はい……
なんか、ふに落ちませんが……
失礼します」

そう言って退室したカレンの前
一人の剣士が居る。
剣をおび
白い外衣ときらびやかな容姿。

カレン
「名前と所属を」

クリフ
「シンフォニアのクリフだ。
ちと、飲みすぎてね。
夜風にあたろうか……」

そう言ったとたん
カレンの剣先が走る。

カレン
「嘘にもならんな
王族が理由もなしにここにいるなど」

クリフ
「良い腕だ。
威嚇にはな」

カレン
「?!
なら、次は怪我ではすまぬ!」

ぎぃん
にぶい音ともにカレンの胸が揉まれる。
剣ははじき飛び
クリフの体がカレンの懐に入る。

クリフ
「ま、これが証拠って事で」

王家の証文を見せて
その戦闘は終わった。


カレン
「あれが王国最強……
討ち取る気はなかっとは言え……なんて」



廊下のはてにクリフが行く。

エレノア
「あそびすぎじゃない?
カレンさん可愛そうに」

クリフ
「ありゃ、お前より強いぞ。
性格で損してるが」

エレノア
「それはまた」

クリフ
「どこか余力はもっておきたいだな。
指揮官としては良いが……」

エレノア
「戦士なら一撃必殺
って、どうしたのよ?」

クリフ
「うぇぇぇぇ……
飲みすぎた上にあんなに動いたからだろ
気持ちわる……」

エレノア
「かっこつかないわねぇ……ほんと
掃除の手配とかしとくから
さっさと寝なさい
また、いないはずの要人がいるとかで
もめるわよ?」

クリフ
「そうする……
けど、護衛される方が強いんだからほっといてくれよ」

エレノア
「そうはいかないのよ。いろいろとね」


こうして
シンフォニアとアーシュライトの同盟(飲み友達)が成立した。


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