「ふぅ〜ん?
そうやって眺めてるんだ」

そう言って彼女はこちらを見つめる。
さして感情もなく
恥じらいもない。

「お湯につかってるだけよ?
何かある訳でもない。
もっとも聞こえてるのかもこっちはわからないけど」

カメラの位置は完全にバレてるのだろう
けれど、彼女はそのままだった。
俺だと確信すらしているよーだ。

「そんな趣味やめてこっちに来たら?」

そうしていたずらっ子のように
幼く瞳が笑ったような気がした。