「朧月」



星屑が煌いて
 二人の元へ
  降り注ぐ
   貴方は柔らかく
    微笑み浮かべる

   桜風…
    桃色の花びら
     ひらひらと
      貴方の緋色の髪へ
       舞い落ちる

         儚く散る
          潔さ
           桃色の欠片…
            月夜に匂う
             甘い薫り…
              緋色の髪
               舞い落ちた
                花の精…

          貴方が
           そう微笑むだけで
            苦しくて…
             私はただ
              見つめるだけ
               寂しそうな横顔が
                辛すぎて…

   星屑散りばめた
    漆黒の空に
     朧月…
      天仰ぐ
       貴方の横顔
        遠く見えて
         何も出来ないのが
          辛くなる…

   曇り始めた
    私の顔色
     覗きこみ

 貴方はそっと
  私の手をとり
  「大丈夫だよ…」
   と微笑みかける
      嗚呼…貴方は
       何故こうまでも
        優しく微笑むの
         暗い影残して
          心閉ざして
           私は貴方の
            支えになりたいのに…