「シルエット」

曇硝子越しに眺めてるみたいに

シルエットだけが私の横を通り過ぎる。

長身の貴方の影が、消えては浮かび、

また消える…繰り返し…繰り返し

ずーと見え隠れしている。

そして、少し低めの声が私に降り注ぐ。

ただの挨拶…それだけで、それ以上でもない。

その瞬間に広がる諦めの気持ち…

貴方の声が頭の中に響き渡り、駆けめぐる。


さっきからため息ばかりついてる。

仲良くなりたいなって思う反面、

なってはいけないと冷たく突き放す自分。

貴方が微笑みかけている人。

ああ…あの人が好きなんだ…と一目で解る。


私の存在もきっとその他大勢で

メインキャストなんかになれない。

そして私は静かに暗闇に包まれ

貴方のシルエットを追いもとめる。