『聖夜〜』




じんぐるべると鐘の音高らかに今年もやって来る

一年最後の大イベント・・・

今年はどうするかなとココにもどうやら迷える小羊ちゃんがいるようです

今年は二人っきりで過ごすんだ!絶対に・・・・

何を迷っているのかって?それはもちろんX'masプレゼントを

送っても気に入らないモノは使って貰えない・・・

そこが、ポイントだ!使って貰えなければ意味がないのだ!

クローゼットの奥にはそんな過去の産物が山と入ってる

捨ててくれれば良いのだけれども・・・

後生大事と保管されている(泣)

だから、今年こそは!と意気込んでしまう

あにきぃー待ってろよ!今年こそはだぜ!



真っ白い粉雪が振り出していた・・・

クリスマスでただでさえ盛り上がりムードなのに

余計な拍車でウザッタイと感じる

そんな中を颯爽と歩いて行く男がいた

その長身を真っ黒なロングコートに包み隠す様に

彼をふいに見てしまった女の子達は自分の彼氏の存在を忘れて

顔を赤らめながらフリーズしていた

何故なら端正な顔が微笑していたから

自分を待っているだろう可愛い恋人を思って一層輝きが増していた

コートのポケットの中にあるモノに触れながら

それはまた罪なことに被害者を増やしていった・・・



何時もはスゴク時間にルーズなくせに

まったく、イベント事になるとちゃんと守れるんだな?

なんだか俺の方が遅れて来たみたいだぞ

三十分待ち合わせの時間前を時計の針は刻んでいた

俺に気付いた啓介は大きく手を振っている

随分と早くから待っていたのか手が冷たくなっている

その手を包み込む様に唇を寄せながら

「MerryChistmas、啓介・・」

その腕に、今までポケットにしまってあった例のモノを

銀色に光る細工の施されたブレスレット

二本の細いサテンリボンがひらひらと・・白と黄色の・・・

「俺から、MerryChistmas!って言おうと思ったのに!

 だけど、サンキュ!アニキ!」

慌てて、懐からなにかを取り出した

真っ白いそれは、寒空にふわりと舞った

それは、純白のパシュミナストール

俺の肩に掛けながら、啓介が笑っていた

「薄いけど、暖かいだろ?あにきって面倒臭がりなトコあるからな・・・

 軽いから持ち運びに便利なんだぜ!」

女の子のするもんじゃなかったかな?これって・・・

まあ、啓介からの贈り物では満点に入る方じゃないかな?

「ありがとう、啓介。大切にするよ。」

にっこりと、満足そうに啓介は笑った

「女の子のするもんなんて、イヤだって!そんな理由で

 使わないなんて言うのは・・無しだぜ?」

そんな顔してたぞ!と頬を膨らませながら言った

カワイイね、本当にお前って・・・

引き寄せて、拗ねた唇に軽くキスをする

「しかたねぇから、許してやるよ!それじゃ、気を取り直してっと」

 <Happy!Merry Christmas!!>

 さぁ、キスをしようよ!宿り木の木の下で・・・

 神様だって、少しは遠慮して下さるさ

 僕らの年に一度の秘密の待ち合わせ場所なんだから

 もっと、いっぱいキスをしようよ!



深水様、素敵な小説有難うございます。

この2人だったら神様も遠慮してくれるでしょうね(笑)

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