■EWI4000sとEWI USBの違い
【EWI4000s】
▼総評
全部内蔵1台完結。
コントローラの中に音源も入ってるしエフェクターも入ってる。コントローラと音源を橋渡し(息の強さはどれぐらいでこんだけ鳴るとか、こんぐらい噛むとこんぐらいビブラートするとかベンドの深さとかの設定)するドライヴァも当然入ってる。
電源も単3乾電池入れればコンセントもいらず。

買ってくる→Phoneジャックにヘッドホン挿す→演奏可能

とにかく音声信号さえ飛ばせれば良いので、アンプやミキサーに繋げるのもシールドケーブル1本で済むし、ワイアレス化も可能。
ライブで使うのにこいつ一本だけ持っていけば済むのは夢のような環境。

▼コントローラ
オクターブ操作するためのローラーは8個付いててグランドピアノより広い音域がある。
また、ポルタメントっちゅー高い音から低い音(もしくはその逆)の間を階段状の変化なしに繋げてぴゅーーんってするグライド機能も付いてる。
他のウィンドシンセに比べるとデカい長い重いのヘレン・ケラー状態。重量物が下にまとまってるせいでバランスも悪い。ただしソプラノサックスよりは全然楽。
運指は所謂サックス準拠の「EWI運指」。ソフトでのアップデートをかますとトランペット準拠の「EVI運指」もできる。後日サックス、フルート、オーボエの各運指にも対応予定があるらしい。

▼音源
アナログ音源をソフトウェアでシミュレートしたものが入ってる。
もう少し詳しく言うと、ICをソフトで再現してそれをソフトの中で組み立ててハードウェア音源を再現する方式のため、実際のハードウェア音源と同じく音の波形を「生成」させることが可能。
よって音も比較的太く滑らか。
ヴァーチャルアナログ音源オンリーなので音のバラエティはシンセ音色一色。
トランペットの音欲しい!とかリアルなサックスの音欲しい!とか言う奴氏ね。
音色の作成は実際のアナログ音源同様のパラメータをいじることで作れるため超簡単。但し作るのはソフトウェア上のツマミをぐりぐりするので、パソコンと繋げるためのMIDIインターフェイスが別途必要。
音色づくりするのにソフトウェアが必要ってことは現地での微調整などが不可のため、事前の作り込みが要求される。
またエフェクター搭載だがあくまで“オマケ”程度に考えた方が無難。

▼MIDI
外部音源を制御するためのMIDI OUT装備。また音色づくりのための信号取り込み用にMIDI INも装備(外部のコントローラを使えば4000sの音源を制御する事も可能)。
ブレスによる外部音源制御は通常CC#7(ボリューム)が出力される。CC#2(ブレス)やCC#11(エクスプレッション)、チャンネル・プレッシャー(アフタータッチ)にも切り替えできたり2系統の同時出力も可能。


【EWI USB】
▼総評
パソコンないとなんもできない。USBケーブルが必須。
コントローラはコントローラとしての機能しかない。
音源、エフェクター、ドライヴァ全てソフトウェア側にある。パソコンフリーズ→即死亡。
特にXPなどは使い続けると重くなる悪癖があるため、OSのメンテも必要。

USBケーブルは電源(バスパワー)も兼ねているためワイヤレス化はできない。
AKAIでは一応宅録ユーザを主なターゲットとしている模様。

▼コントローラ
オクターブ操作するためのローラーは4つ付いてて5オクターブの音域を持つ。
  (←マッピ側  ケーブル側→
  1オク→□□□■
  2オク→□□■■
  3オク→□■■□
  4オク→■■□□
  5オク→■□□□
ぶっちゃけ音源側でスプリット(ある音階部分で音色を切り分ける機能)させてローラー位置で音色を変えるとか、8オクターブを縦横無尽に飛び回るなどの変態行為をしないなら充分過ぎる音域。

グライドプレートがなくなったが、ドライヴァの設定を変更すればベンドセンサーに機能を振り分けたりできる。
4000sに比べて小さい短い軽い。但し4000sとの持ち替えを考え、持った際に違和感のないデザインになっている。
またソフトウェア処理により、運指もEWI(サックス準拠)、EVI(トランペット準拠)、サックス、フルート、オーボエの各運指が可能。

▼音源
PCM音源という、実際にある音を録音し、録音した波形を元ネタとする方式の専用ソフトウェア音源が付いてくる。
自前での波形生成はできない。
数々のアナログ音源名機からのサンプリングやらAKAIのお家芸(サンプラーと言えばAKAI!)のサンプル波形やらがてんこ盛り。
よってシンセ音色からリアルな管楽器系、弦楽器、打楽器などバラエティに富んだ音が制御可能。
また音色を4つ同時に重ねて鳴らせる(マルチティンバー)。
ベンドによる仕掛け(ベンド触った時だけギャンギャンさせるとか)も色々あって楽しい。
但し「シンセ」のくせに音色エディットが不可。ちょっと出音に違和感あっても黙って使え。
エフェクターも内蔵されているが4000s同様“オマケ”程度に考えること。

▼MIDI
他のソフトウェア音源もドライヴァを通して制御可能。
パソコンにMIDIインターフェイスを繋げれば当然外部音源駆動も可能。逆に外部からMIDI受信させてやれば音源をWXや3020でも音源制御できる。
ブレスによる制御も設定次第で色々と。