Floralia + 〜フローラリア・プラス〜    (とっぷがんさんのレビュー)   評価: 8.5 
▼ タイトル Floralia + 〜フローラリア・プラス〜 フローラリアプラス
▼ ブランド ザウス【純米】
▼ ジャンル 誘惑VS純愛AVG
▼ 対応OS Win98/Me/2000/XP
▼ メディア CD-ROM
▼ 定価 税込\6,090(税抜\5,800)
▼ 発売日 2004/02/20
▼ 購入 Floralia + 〜フローラリア・プラス〜 / Getchu.com
【 CG観賞モード 】  あり
【 シーン観賞モード 】  あり
【 BGM観賞モード 】  あり
【 メッセージスキップ 】  あり(未読・既読判別あり)
【 メッセージ履歴機能 】  あり(ホイール対応)
【 選択肢リターン機能 】  なし
【 オートモード 】  あり
【 ヒント機能 】  なし
【 セーブ数 】  50個
【 エンディング数 】  9個(BAD除く)
【 メディアレス起動 】  不可

(「あらすじ?ヒロイン?知ってるよ」の人は)レビューへジャンプ


<あらすじ>
 チューリップ、ガーベラ、ナデシコ、キンギョソウ。
 ボタン、シャクヤク、カーネーション。
 色とりどりの花咲き誇る春の日。
 桜吹雪に導かれ、僕は懐かしい女性と再会した。
 母を早くに亡くした僕にとって、母でもあり姉でもあった幼なじみ。
 幼い僕の初恋がフワリと脳裏をよぎる。
 唯一の趣味である園芸は、彼女から教わったものだった。
 そう。それは、感動すべき再会の物語。
 ――にはならなかった。
 「私、今日からこの家に住むから。よ・ろ・し・く♪」
 数学教師になり、僕の通う学園に赴任してきた彼女は、人を驚かせたり意地悪したりするのが趣味の悪ガキのままだった。
 いや、その悪さぶりは、会わなかった数年の間にエスカレートしていた。
 気が付けば、僕の家には教師が3人も同居するという事態に陥っていたのだ。
 僕の担任の化学教師、そして学園長の娘であり同じく新任の体育教師。
 しかもこの3人、旧知の仲である上に、同じ様な悪戯好き揃い。
 更に困った事に全員が美女である上、誘惑の術にも長けていたのだ。
 食虫植物よろしく、僕はその甘い香りに引き寄せられた、哀れな虫となってしまう。
 どうしよう――
 僕には今『好きな女の子』がいるっていうのに。
 好きな女の子への純愛を貫き告白するか。
 それとも、同居している美人教師たちの誘惑に負けてしまうのか。
 『花畑〜フローラリア〜』に咲き乱れる花々から、僕は1本の、本当に愛でるべき花を選び出さなければならない。
 たとえ、その選択に艱難辛苦のあろうとも!


<キャラクター>
白瀬 憂 (しらせ うい)
 青央学園2年B組、女子級長。図書委員会所属。
 主人公洋介とは1年生の時も同じクラスで、共に級長を務めた間柄。
 明るくて気さくな女の子で、男女問わず誰にでも人気がある。
 性格は真面目で、他人の嫌がる事でも進んでやってしまうお人好し。
 ちょっとドジなところもあるが、持ち前の明るさでカバーしてしまう。

三ノ宮 由佳里 (さんのみや ゆかり)
 青央学園3年A組。青央学生会会長。
 洋介は級長だった事で、学生会会議に出席する事で知り合いになった。
 お金持ちのお嬢様で、わがままで意地っ張りで高飛車。
 しかしツッコミに弱く、すぐにオロオロしてしまう面もある。
 実はド近眼なのだが、その事は学園内では洋介以外誰も知らない。

加賀 御文 (かが みあや)
 青央学園1年E組。新入生。園芸部所属。
 洋介とは母校が同じで、その頃から園芸部の後輩。
 脳天気なまでに明るくて、好奇心旺盛なトラブルメーカー。
 ちょっと夢見がちなところもある少女趣味全開少女。
 洋介を兄のように慕っており、かなりの甘えん坊。

麻生 鈴音 (あそう すずね)
 青央学園1年B組担任。数学教師。園芸部顧問。
 洋介の幼なじみで、人格形成に多大な影響を与えた女性。
 悪戯好きで底意地が悪く、言葉を弄するのが上手いという厄介な人。
 ここ数年間は会う事もなかったのだが、洋介の父が長い間家を空けるということで洋介に 無理矢理自分の同居を認めさせる。

櫻井 詩乃 (さくらい しの)
 青央学園2年B組担任。化学教師。学生会顧問。
 昨年も洋介のクラスを担当した、学園内人気ナンバーワン教師。
 いつも眠そうな目と丁寧な口調、そして巨乳がトレードマーク。
 しかし押しが強く、授業もテストもスパルタという教師の鏡。
 鈴音とは大学のサークルで知り合い、それ以来かなり親しい友人となった。

槙 いずみ (まき いずみ)
 青央学園1年E組担任。体育教師。陸上部顧問。
 鈴音と共に赴任してきた新任教師で御文の担任。そして学園長の娘。
 男勝りの性格で、口よりも早く手が出るタイプ。
 貧乳にノッポ、そして寝起きの悪さや酒の弱さ、様々な悩みを抱えている。
 鈴音とは高校の頃からの付き合いで、悪戯好き同士意気投合した悪友同士。


このホームページはザウス【純米】より一部文章を抜粋しています。
素材の著作権はザウス【純米】に帰属します。



購入動機
 純愛VS誘惑ADVという設定に惹かれて。
 豪華な声優陣も楽しみです。


<ゲーム概要>
 ゲームスタイルは、会話選択形式のオーソドックスなADVゲーム。
 ゲーム期間は、暦上は4/1から約1ヶ月くらいです。

 ゲームの流れは、各キャラの紹介を兼ねたOPの後に、キャラセレクトをするところから始まります。
 「憂」「由佳里」「御文」の3人からセレクトし、それぞれの個別ルートに入ります。
 その後は、会話選択を重ねて個別ENDを目指していきます。

 攻略対象キャラはメインで「憂」「由佳里」「御文」の3人。
 サブで「鈴音」「詩乃」「いずみ」の3人。
 但し「鈴音」は「憂」を、「詩乃」は「由佳里」を、「いずみ」は「御文」をクリアした後に、それぞれ攻略可能となります。

 選択肢は主にシナリオ分岐用で、1ルート約30個あります。
 メインキャラ3人はそれぞれトゥルー・ノーマルの2つのENDがあり、サブキャラ3人はトゥルーENDのみ、その他に多数のBADENDが存在します。
 尚、それぞれのルートにおいてハーレム的な誘惑ルートが存在しますが、END的にはBADENDの扱いになります。
 難易度は普通だと思いますが、トゥルー・ノーマルの区分けはやや歯応えがあります。

 プレイ時間は、各メインキャラルート3〜3.5時間くらい(初回+3時間)、サブキャラルート各1.5時間くらい、追加エピソード各1時間くらいというところでしょうか。
 ※CVすべて聴いた場合


<システム補足>
 メディアは、CD-ROM1枚。
 インストールで使用するHDDは、約600MB。
 ゲームの起動時は、認証のためCDを必要とします。

 メニューは一通り揃っていて、特に足りないと感じたものはありません。
 画面も800×600で見やすく、使い勝手もまずまずなシステムだと思います。
 敢えて言えば、メッセージウインドウが1クリックで閉じれない点や、メッセージ履歴がいきなりスクロールを回しても開かない点などです。
 もっとも結構前の作品なので、その時点で考えれば十分過ぎるエンジンとは思います。

 良かった点として、データをセーブするときに細かいコメントが記録されるところです。
 コメントの内容は、ゲーム暦、おおまかな時間帯、シナリオルート、システム日付・時刻などで、中途からロードするときに非常に分かりやすかったです。

 修正パッチがあります。(2006年2月3日現在)
 画面関係のようなので、フルスクリーン派の方は確実に当てましょう。
 エンジンの動作は安定していて、特に異常終了はしなかったです。
 テキスト関係も誤字・脱字はあまりありませんでした。
 システムは総じて安定しています。


<音楽>
 音楽鑑賞モードは全部で16曲。 内、ボーカル曲が2曲あります。

 OP曲「恋の花」は、曲:Matur Suksemaさん、詞・ボーカル:吉田奈穂子さんです。
 「イェ〜〜イ」とか「フ〜〜ッ」とか嬌声……もとい、変わったコーラスが入るアップテンポの明るい曲調。
 期待⇒不安⇒ハッピーENDをイメージさせる、見事な三連コンボのメロディライン。
 OP曲に相応しい良い曲だと思います。

 END曲「向日葵のように」は、詞・曲:Dr.Shrimpさん、ボーカル:白鳥こけしさんです。
 勇ましい行進曲のようなアップテンポ曲。
 タイトル通り、目標(太陽)に向かって真っ直ぐ伸びていく決意を表したような曲です。
 END曲としては若干悲壮感が漂い過ぎのような気もしますが、OP曲とのバランスという点では、これはこれで良いのかもしれません。
 ちなみにボーカル曲は『フローラリア・プラス』特典のドラマCDにも使われているので、通常のCDプレーヤーでも聴けます。

 音楽担当は『林克洋』さん。
 全般的にスローテンポの、のどかなイメージの曲が多いでしょうか。
 楽器も特定のものに偏る事なく、色々な楽器を組み合わせています。
 うるさ過ぎず、控え目過ぎず、BGMとしては良い感じですね。
 今作の中では「春日和」「FAIRYLANDのキミへ」あたりが印象に残りました。


<音声>
 ※女性陣は後述の「キャラ別感想」に記載します。
 男性陣では「一条和矢」さんが良い味を出しています。
 普段あまり男性CVは意識しませんが、この方が出演されている作品はかなり楽しみだったりします。
 今回は主人公「洋介」の親友「茂」と、園芸部部長「浩一」の2役を担当していますが、どちらも味のある演技でCV全体の底上げをはかっています。


<原画・CG>
 原画は『まさはる』さん。
 目が全部目の玉と言うか、白目部分がないと言うか、かなり変わった感じの目を描かれる方ですねぇ(^_^;)
 最初は少し戸惑いましたが、でも慣れるととても良いタッチに感じるから不思議です。
 髪の描写も丁寧で好感が持てます。
 立ち画とイベント画の統一感は、まずまずという感じですね。

 CGは、オリジナルの部分と今回差替・追加した部分がハッキリクッキリ分かれていて、オリジナルの部分はイマイチだったんだな〜と、浮き彫りになってしまいました。
 良く言えば、ボカシ基調で味があると言えばあるのですが(^_^;)
 今回差替・追加した部分は、線も塗りもクッキリしていて今風という感じです。
 背景画はとても綺麗です。
 もっとも、後にこれが『憂ちゃんの新妻だいあり〜』のも転用されるのですが(^^)

 CG回想モードは、憂:41(17)、由佳里:39(17)、御文:39(17)、鈴音:26(18)、詩乃:26(18)、いずみ:27(18)、その他:5(3)、合計:203(108)です。
 ※括弧内は、表情パターン別を1つとしてカウントした枚数。
 この内、えちぃCGは約6割に当たる、121(65)です。

 シーン回想モードは、憂:3、由佳里:3、御文:3、鈴音:6、詩乃:6、いずみ:6、合計:27です。


<演出・効果>
 【足音】
 実は単なる効果音のひとつなのですが、これが中々良い味を出しています。
 と言っても、効果音そのもののデキではなく、それが使われるタイミングの絶妙さです。
 リビングで主人公の「洋介」をいたぶる相談を教師3人組が始めたときに、途中でこの効果音が時折使われ、「洋介」が2階へあわてて駆け上って逃げ出した様がよく表れていて、大笑い&妙に感心しました。
 本来効果音は、行動をイメージさせるこういう使い方が、それこそ効果的で面白いのかもしれませんね。


<設定・シナリオ>
 シナリオは『藤原将』さん。

 純愛VS誘惑。
 これには2つの意味があると思います。
 1つ目には、誘惑組の3教師が純愛組の3生徒を叱ったり、弾劾したり、親身になったりして、まだ硬直しがちで幼い3生徒の恋愛を手助けするという、物語の膨らみを持たせている点。
 各キャラ個々の設定は決して目新しいものではなく、むしろ散々使い古された観すらあるのに、プレイした後妙に新鮮味を感じるのは、個別ルートが1対1の関係でなく1対2の関係になっていて、しかもその2人が対立関係にあるという、ありそうでなさそうな設定になっている事に由来しているのだと思います。
 そして形は違えど、年長者が年少者を見守っているという点が、この物語全体に温かみのエッセンスを加えているのではないかと思います。

 2つ目は、どうしても前半部においてエロが弱くなりがちな純愛系作品において、誘惑という形で冒頭からえちぃシーンを投入する事で、エロ部門の均衡をはかっている点。
 特に「詩乃」先生は後に独立作品ができるくらい、この部門では先陣を切ってくれます。
 エロ専門の捨てキャラを投入した純愛系作品というのはままありますが、こうした「純愛シナリオ専門キャラ」+「純愛シナリオもあるえちぃキャラ」を配した作品というのはあまりないので、この部分に関してもちょっと新鮮でした。

 全般的に、蕾が花開くというイメージを、少女が女性になっていくというイメージにのせた、ほのぼのとした春の陽気さを感じさせる作品です。

 『フローラリア・プラス』では、追加エピソードが3つ増えています。
 メインキャラ3人がそれぞれ「洋介」と結ばれた後の後日談ですが、どちらかと言うとえちぃシーンの追加というイメージの方が強いでしょうか。
 と言っても、純愛組3人なので日常シーンも楽しいですがね。
 それにしても、「由佳里」のお母さんの、若いこと、若いこと(^^)

 更に特典でドラマCDが付いています。
 内容は、純愛組3人+誘惑組3人+「茂」「浩一」など、殆どのキャラが登場するクリスマスパーティー。
 時間軸は「フローラリア」の8ヶ月後に相当します。
 勿論声優さんもフル出場で、約1時間くらい盛り上げ続けてくれます。
 詳細は割愛しますが、普段ドラマCDは大体1回しか聴かない私が、これを3回程聴いてしまいました。
 かなり楽しい内容に仕上がっていると思います(^^)


<えちぃシーン>
 回数は、キャラ1人当たり3〜6回。(追加シナリオ含む)
 テキストの分量は、1回当たり約10〜15分前後くらいです。
 テキストの内容は、純愛組は割と淡白、誘惑組は結構濃厚という、当然と言えば当然の内容。
 バランス的には、前半から中盤までは誘惑組が、後半は純愛組・誘惑組が活躍する構成で、ほぼ全編均等にシーンが訪れるようになっています。

 純愛・陵辱の比率は、10:0。
 陵辱・変態・倒錯は全くありません。
 書くまでもないですが……(^_^;)

 シチュエーション的には、舞台が学園と「洋介」の家にほぼ集中します。
 と言うか、そこしか登場しません。
 でも適度に施設は散らばっているので、飽きるという事はありません。

 バリエーション的には、和姦系一通りという感じです。
 更に、個別ルートのえちぃシーンはもとより、誘惑組3人の3P組合せが単に3通りの使い回しでなく、ちゃんとシナリオごとに用意されているのは嬉しい誤算でした。
 可能な限りエロ部門にも力を入れようという良い証左ですね。
 そして豪華声優陣によるえちぃシーンの底上げ。
 色々な部分で力を重ね合わせてエロ部門も盛り上げようとする気持ちが伝わり、個人的には好印象を受けました。

 処女率は、66%。
 ビジュアル的にも表示されます。


<キャラ別感想>
 ※「先入観がつくからイヤ」という方はスキップして下さい。

◆白瀬 憂◆
 髪の色は、ブルーグレー。
 髪の型は、ロング。
 瞳の色は、ブラウン。

 見栄っ張りの恋
 人より勉強ができる。
 人よりスポーツが得意。
 人より背格好が良い。
 この年代は、内面的なものよりも、こうした外面的なものに憧れを抱きがちです。
 そしてそういう「資格」を手に入れなければ恋愛が出来ないという、偏った思い込み。
 言い換えれば、まだ自分に自信が持てない故に、そういう物に「裏付け」を求めてしまう心の弱さ。
 成長過渡期には、多かれ少なかれそういう「見栄っ張り」の部分が確かにあると思います。

 このシナリオでは、主人公の「洋介」が大人の女性との性体験を経たことで、そういった「資格」を得たと勘違いして、無意識のうちに優位な態勢で「憂」に相対しようとします。
 でも「憂」に見抜かれ、その「資格」が音を立てて崩れ去るのですが、でもそこからこの物語は始まったような気がします。
 逃げ回る「洋介」。
 姉的存在の「鈴音」に心の急所を突かれる「洋介」。
 そして、拙いながらも少しだけ成長していく「洋介」…。

 恋とは求めるもの、愛とは与えるもの
 そう歌った某シンガーソングライターがいましたが、中々言い得て妙です。
 勿論、全部当てはまるとは思いませんが(^_^;)
 言い換えれば、見返りを求めるのが恋で、見返りを求めないのが愛といったところでしょうか。
 これを引用すると、「洋介」は恋を実践していたのに対し、「憂」は愛を実践していたという印象ですね。
 これでは勝負になりません(^^)
 恋愛でもし「資格」が必要であるとしたら、「相手が一番好き」という絶対無比で、ごく当り前の事で、ただそれだけあれば良いもの。
 青臭くてこの年代でしか盲信する事が出来ませんが、それ故に眩しさと懐かしさを感じるシナリオでした。

 潜在するエロ資質
 えちぃシーンは、追加エピソードを含めて合計3回。
 シチュエーションは、保健室x1、主人公の部屋x1、体育倉庫x1、等々…。
 バリエーションは、チラリズムx3、フェラx1、乳揉みx2、正常位x2、後背位x1、騎上位x1、座位x1、等々…。
 純愛組の中では一番グラマーな「憂」さん、中々頑張ってます。
 一通りの体位を試すところなど、潜在的にえちぃ好きの資質があるのかも。
 まぁ、それは後の『憂ちゃんの新妻だいあり〜』に引き継がれるとして…
 それにしても、アトリエかぐや作品のレビューのノリでえちぃシーンの紹介をすると、何か汚すような感じで若干抵抗がありますねぇ……(^_^;)

 真面目ボイス
 CVは「清水香」さん。
 アセリアの「てぃや〜〜っ」という力が抜けるような声とか、「ういうい、ういうい、アンタはスタン・ハ○センか」とか思ったりもしますが、でも好きな声優さんです。
 …【↑フォローになっていない】
 一番良かったのは、一節一節区切るような言葉使い。
 読点がないところでも区切り気味のその音声は、妙に初々しさや真面目さを感じます。
 これで、アトリエかぐやの作品とかに出演してえちぃボイスにも磨きがかかったら、非常に楽しみな声優さんですが。
 ウリである「うい〜〜〜っ」の音声は、まきいづみさんの「あう」に匹敵するかもです(^^)


◆三ノ宮 由佳里◆
 髪の色は、ベージュ。
 髪の型は、ロング。
 瞳の色は、カデッドブルー。

 上っ面の恋
 弱みを見せたくない。
 弱みを知られたくない。
 この年代に限らず、それを自覚していればしている程そう考えるのは自然です。
 まして、一度痛い目に遭っていた場合は痛切にそう感じるでしょう。
 他人から見ればささやかな事でも、本人にとっては大問題というのは往々にしてあります。

 このシナリオでは、「洋介」の成長の物語がテーマだった「憂」シナリオとは打って変わり、「由佳里」の成長の物語がテーマになっています。
 一見、タカピーで我侭で意地っ張りな「由佳里」ですが、まだ大人に成長しきれていない心の弱さ故に、いわば防御本能のようにそう振舞ってバランスを取っている脆さがこのキャラの魅力ですね。
 自分の弱いところを隠して、上っ面だけで恋愛しようとする。
 そして相手の上っ面しか見ようとしない。
 そんな儀礼的な恋愛が成り立ってしまうのも、この年代ならではでないでしょうか。
 もっとも、大半は消滅する結果を迎えてしまうケースが多いと思いますが(^_^;)

 「由佳里」を導いてくれる「詩乃」先生
 弾劾という形ですが、儀礼的な恋愛を真実の恋愛に昇華させるために必要なものを伝えます。
 この二人は、後の『詩乃先生の誘惑授業』のENDで初顔合わせするエピソードがありますが、その時「由佳里」の弱みを一番最初に知った人間として、実は密かに「由佳里」を見守り続けていたのかもしれませんね。
 もっとも、やる事はしっかりやってるのですが。(^_^;)
 結局、弱さをさらけ出す「勇気」と、弱さを受入れる「度量」が必要という、頭で考えると簡単で、実行しようとすると困難な命題が永遠のテーマという気がします。

 ソフト路線
 えちぃシーンは、追加エピソードを含めて合計3回。
 シチュエーションは、風呂場x1、主人公の部屋x1、園芸部室x1、等々…。
 バリエーションは、愛撫x1、クンニx1、フェラx1、乳揉みx1、正常位x2、後背位x1、等々…。
 純愛組の中では一番スレンダーな「由佳里」さん、えちぃシーンになるとオッパイが巨大になるように思えるのは気のせいでしょうか。
 純愛組では一番年上なのに、一番ソフト路線なのはちょっと過保護ですねぇ(^_^;)
 まぁ、その辺は後の『ゆんちゅ』で活躍して貰いましょう。

 高飛車ボイス
 CVは「大城恭子」さん。
 この方も出演作品が少ないですが、個人的には好きな声質です。
 特に「〜〜ですわ」の、三段くらい高いところから言っているような物言いが何とも言えません。(^^)
 えちぃボイスはちょっと淡白な感じでしょうか。
 ここはやはり、アトリエかぐや作品などで……以下省略。


◆加賀 御文◆
 髪の色は、インディアンレッド。
 髪の型は、ツインテール。
 瞳の色は、ブルーグレー。

 ぬるま湯の恋
 ぬるま湯の風呂。
 早く上がらないと風邪を引いてしまうと思う危機感と、まだこのまま浸かっていたいという誘惑がせめぎ合います。
 いつかは出なければならないと分かっていても、中々出れない優柔不断さ。
 いっそこのまま風邪を引いてもいいと危ない考えさえ湧き起こります。

 このシナリオでは、たぶん題材としては1・2を争うであろう「身近な存在」がテーマです。
 ずっと「妹」として接してきた近し過ぎる存在。
 友達以上恋人未満。
 その立場から脱却するべく孤軍奮闘する、「御文」の健気さや可愛らしさがこのキャラの魅力ですね。
 恋愛に射程距離というものがあるとしたら、最初は射程外にいる相手を射程内に捉えるところから始まると思いますが、あまり近くに引き寄せ過ぎるとかえって狙い難い。
 適度な距離を保つ事も必要であると、このシナリオでは言いたいのかもしれません。
 もっとも、距離を保っているうちに、別のターゲットの射程に捉えられてしまう事もありますが(^_^;)

 ぬるま湯はいつかは冷めてしまいます。
 思い切って上がって「新しい暖」を取るか、そのまま風邪を引くまで浸かりきっているか、結局のところ浸かっている人間の思い切りの良さと、そう思わせる「新しい暖」の魅力次第というところでしょうか。
 そうそう、ぬるま湯を熱湯にするという手もありますねぇ(^^)

 制服路線
 えちぃシーンは、追加エピソードを含めて合計3回。
 シチュエーションは、園芸部室x1、主人公の部屋x1、リビングx1、等々…。
 バリエーションは、チラリズムx1、クンニx1、69x1、フェラx1、後背位x1、騎上位x1、側位x1、座位x1、等々…。
 純愛組の中では一番貧乳な「御文」さん、えちぃシーンで殆どオッパイが見えません。
 まぁ、発展途上ですから致し方ないでしょう。
 でもその分、最多のバリエーションで頑張ってくれます。

 万能ボイス
 CVは「北都南」さん。
 今更どうこう言う事はありませんが、相変わらず役柄にマッチした演技です。
 甘ったるい声、拗ねた声、エッチな声、いつも通り安心して聴けました。
 特に「せんぱ〜い」は、こちらの保護欲をくすぐるような感じで和みました。
 『フローラリア・プラス』特典のドラマCDで披露してくれる、怪しげな「ケーキの歌」は必聴の価値あり(^^)


◆麻生 鈴音◆
 髪の色は、ブラウン。
 髪の型は、セミロング。(推定)
 瞳の色は、クリムソン。

 幼馴染みとの恋
 このシナリオも、やはり題材として1・2を争うであろう「身近な存在」がテーマです。
 しかも相手が年上なので、自分の幼い頃の面倒を見て貰った頭の上がらない存在。
 普通は大きくなると無意識のうちに疎遠になっていくと思いますが、中には自分を一番理解してくれる存在という事で追い続けるケースもあるかもしれませんね。

 そんな「洋介」の思惑と裏腹に、あくまで弟として見ようとする「鈴音」。
 その「鈴音」に何とか気持ちを伝えようと追い掛け回す「洋介」。
 「洋介」の執拗さに辟易しながらも、徐々に「鈴音」の本音が見えてくるあたりは、短いながらも中々の描写です。

 弄りキャラであり、「憂」シナリオでは頼れる姉を披露していた「鈴音」ですが、自分の事になると妙にうろたえてしまうのが憎めないところですね。
 誘惑ルートにおいて、「いずみ」と二人のときは威張っているくせに、「詩乃」先生と二人のときは借りてきたネコのようになってたのには笑わせて貰いました(^^)

 意外とノーマル
 えちぃシーンは、合計6回。(誘惑ルート含む)
 シチュエーションは、保健室x1、リビングx1、園芸部室x1、主人公の部屋x2、風呂場x1、等々…。
 バリエーションは、チラリズムx1、クンニx1、フェラx2、乳揉みx1、正常位x2、後背位x2、3Px2、等々…。
 誘惑組の中では一番意地悪い「鈴音」さん、えちぃシーンでは意外とノーマルです。
 「洋介」の成長度合いを調べると息巻いても、経験値の少なさを感じます。
 まぁ、口が悪いのは照れ隠しなのかもしれませんね。

 懐かしボイス
 CVは「長崎みなみ」さん。
 今ではその声を聴く機会が少なくなりましたが、この作品の中では大活躍してくれます。
 一番台詞が多いのでは?
 鼻にかかるお馴染みの声は勿論、弄り系のやや意地悪そうな声も堪能しました。
 う〜〜ん、復活しないかしらん(^_^;)


◆櫻井 詩乃◆
 髪の色は、ブラウングレー。
 髪の型は、ロング。
 瞳の色は、プラム。

 恩師との恋
 「詩乃」先生は「洋介」の担任で日頃から世話になっていますが、同時に初体験の相手(詩乃の誘惑でアッサリ陥落(^^)でもあり、公私ともに恩師という存在です。
 現実はこんな綺麗な先生自体少ないと思いますが、もしいたら確かに憧れるでしょうね。

 「詩乃」先生も「鈴音」同様、「洋介」の気持ちを知ると逃げ回りますが、それでも最後はちゃんと受け入れていきます。
 「洋介」のストレートな気持ちに、過去にただ1人だけ自分を理解してくれた人の面影を見たからかもしれませんね。
 後は「洋介」がその面影を凌駕出来るかどうか、「詩乃」先生を繋ぎ止められるかどうかという点が非常に興味がありますが、残念ながらこの作品の中ではそこまで語られません。
 それにしても、後の『詩乃先生の誘惑授業』をやると、思わず「あんた、主義を変えたのか〜?」とツッコミを入れたくなるようなベタな展開ですねぇ(^_^;)

 誘惑ルートにおいては、当然のごとく本領を発揮して縦横無尽に活躍します。
 えぇ、それはもう「愛の伝道師」という称号が相応しい程に(^^)

 愛の伝道師
 えちぃシーンは、合計6回。(誘惑ルート含む)
 シチュエーションは、詩乃の部屋x1、風呂場x1、教室x1、リビングx1、保健室x1、主人公の部屋x1、等々…。
 バリエーションは、チラリズムx3、手コキx1、乳揉みx1、パイズリx1、正常位x1、後背位x1、騎上位x1、座位x1、3Px2、等々…。
 誘惑組の中では一番経験豊富な「詩乃」さん、えちぃシーンではグイグイ引っ張ります。
 まさに水を得た魚。
 本作に登場するキャラで最大のオッパイのサイズを誇り、それを駆使して最多のバリエーションを披露してくれます。
 更にENDでは、数多の漢が憧れるあのシーンさえ…
 そしてその勢いは『詩乃先生の誘惑授業』へと続いていきます。

 濃厚ボイス
 CVは「海原エレナ」さん。
 役柄的に本作では一番の艶っぽさを感じます。
 時折発する冷ややかな口調もアクセントとして良い感じ。
 でも一番ウケたのは、「クスン、クスン」のわざとらしい嘘泣き。
 フェイスウインドウのキャラ画と相まって、いかにも嘘泣き〜〜という感じが楽しかったです。
 …【いや、作品のキャラ達は騙されていたのだが…(-_-;)】
 フェラシーンの艶技は流石ですね。


◆槙 いずみ◆
 髪の色は、ローズ。
 髪の型は、ショート。
 瞳の色は、ブルーグレー。

 新しい恋
 「いずみ」は今作に登場する6人のキャラのうち、唯一「洋介」にとって面識がない設定のキャラです。
 見方によっては、一番新鮮味のある人物。
 互いの手の内を知らない、期待感が先行する感覚を持てる唯一の存在かもしれません。
 …【字は違うが、同名の声優さんがいるのが気になる…(-_-;)】

 このキャラ設定も割とベタです。
 ガサツで、言葉遣いも乱暴で、口より手が早くて、料理も下手でと、一見捨てキャラ。
 でも、エッチでは弱気で可愛いくてとてもウブ。
 そのギャップがこのキャラの魅力と言わんばかりの見事な設定ですね。
 もっとも、狙い過ぎの観も受けますが(^_^;)

 誘惑ルートも含め、えちぃシーンでは全般的に受身です。
 実は心があまり強くない「いずみ」なので、自分の不得意分野では不安感が先行してしまうのかもしれませんね。
 そしてそれを良い事に「詩乃」や「鈴音」が野獣のように襲いかかり…(^_^;)

 日々鍛錬
 えちぃシーンは、合計6回。(誘惑ルート含む)
 シチュエーションは、園芸部室x2、トイレx1、保健室x1、和室x2、等々…。
 バリエーションは、チラリズムx3、クンニx1、フェラx1、自慰x1、正常位x1、後背位x1、騎上位x1、側位x1、3Px2、等々…。
 誘惑組の中では一番パワフルな「いずみ」さん、えちぃシーンでは一番おとなしいです。
 まさに借りてきたネコ。
 とは言え、バリエーションが多いのはちょっと意外。
 こうして鍛えられていくのですね、うんうん(^^)

 あっけらかんボイス
 CVは「橘裕美」さん。
 通常ボイスのあっけらかんとした口調は中々良いイメージでした。
 でも何と言っても一番印象に残ったのは、えちぃシーンの可愛らしい艶技。
 通常シーンとのギャップが見事です。
 この方も、いつかはアトリエ……しつこいですか?(^^)


<総評>
 一言でいうと「二兎追う者は二兎を得る」という感じです。
 純愛シナリオに重きを置きつつも、可能な限りえちぃシーンにも力を入れ、どっちつかずにならないように境界線をちゃんと引いている作品です。
 純愛とエロの共生という、中々実現が難しいコンセプトに対する、有効なアプローチのひとつの形ではないでしょうか。
 エロかったはずなのに、終わってみるとほのぼのするという、ちょっと変わった(良い意味で)後味を感じました。

 シナリオはこの年代で直面する恋愛パターンを網羅した、懐かしく暖かいテイスト。
 時折挿まれるギャグも個人的には良い感じ。
 エロは和姦のみで構成されているものの、キャラごとに特徴をつけてメリハリ有り。
 原画は好みもありますが、慣れれば味がでてくるのでないかと。
 CGは新旧混じっている分若干違和感は感じますが、新のほうは丁寧です。
 音声は好キャスティング、音楽も中々のレベルです。
 システムは安定していますが、機能的にやや古い部分も。
 演出面はちょっと寂しい感じを受けますが…

 この作品は、純愛系作品を好きな方は勿論ですが、エロゲを始めて間もない方に是非プレイして頂きたい作品です。
 エロゲ生活を始める上で指針になるかと。
 未プレイの方も、コストパフォーマンスは最上級なので機会があれば是非お薦めします。
 たまに「暖かい作品」というのも宜しいかと(^^)

 「永遠のアセリア」以来のプレイ作品となった「ザウス」。
 すっかり一線級のメーカーですね。
 うーん「想い出のフォトグラフ」をやっていた頃が懐かしい(^^)
 差し当たり、フローラリア派生シリーズの制覇を目指します。


<お気に入りのキャラ>
由佳里 御文 鈴音 詩乃 いずみ
シナリオ
性格 10
音声 10 10
萌え
CPU
えっちぃ
合計 49 50 48 47 49 45
 と言う事で『由佳里』です。


<10点満点での総合評価>
シナリオ 王道
原画 変わった目
CG 新旧混在
キャラ 役割り明確
音声 好キャスティング
音楽 スローテンポ
システム 安定稼動
演出 こだわりの効果音
エロ 和姦系最高レベル
ボリューム 10 総プレイ時間23時間
合計 85
 と、言う事で『8.5点』とします。

最後に一言:「これだけキャラが粒揃いな作品も珍しい(^-^)ノ」