屋根づたいの君へ (とっぷがんさんのレビュー) | 評価: 4.5 |
▼ タイトル | 屋根づたいの君へ | |||
▼ ブランド | Le.Chocolat × KLINE | |||
▼ ジャンル | 恋愛体験アドベンチャー | |||
▼ 対応OS | Win98/Me/2000/XP | |||
▼ メディア | DVD-ROM | |||
▼ 定価 | 税込\9,240(税抜\8,800) | |||
▼ 発売日 | 2005/11/04 | |||
▼ 購入 | 屋根づたいの君へ / オリジナル特典 Getchu.com | |||
【 CG観賞モード 】 | あり | |||
【 シーン観賞モード 】 | あり | |||
【 BGM観賞モード 】 | あり | |||
【 メッセージスキップ 】 | あり(未読・既読判別あり) | |||
【 メッセージ履歴機能 】 | あり(ホイール対応、音声リピートあり) | |||
【 選択肢リターン機能 】 | なし | |||
【 オートモード 】 | あり | |||
【 ヒント機能 】 | なし | |||
【 セーブ数 】 | 49個+クイック1個 | |||
【 エンディング数 】 | 3個 | |||
【 メディアレス起動 】 | 可 |
<あらすじ>
学園生活を楽しく送っている主人公「岸田邦彦」は、ある日夢を見た。
それは月明かりの下で、悲しそうに月を見上げている少女の夢だった。
少女は邦彦に何かを言っているようだったが、その声は聞こえなかった。
それから数日後、後輩である「長沢友紀」と街を歩いていると、一人の『女性』がこちらを見ていることに気づく。
『女性』は邦彦の携帯電話…、いや、携帯電話のストラップに付いている小さなガラス玉を見つめていた。
その日の夜。邦彦はまた夢を見る。
少女の夢だ。
少女は周囲からいじめられ、いつも屋根の上で泣いていた。
そして自分はいつも泣いている少女に笑ってもらいたいと思ったこと。
小さなガラス玉は、その少女にもらったこと……。
夢から覚めた邦彦は、少女が泣いていた場所を見るために部屋の窓を開けた。
そこには隣の家の屋根があり、少女は屋根の上で月を見上げていつも泣いていた。
と、邦彦がその場所に目を向けると、そこには昼間の『女性』がいた。邦彦は、
「依乃里(いのり)」
と幼い時にいじめられ、泣いていた少女の名前を呼んだ。
すると『女性』は微笑み、部屋の窓までやってきた。そしてキスをし、
「……ねえ、エッチしようか」
…と邦彦に語りかけてきた…
ココロとからだ、繋がることから始まる物語。
<キャラクター>
蓮見 依乃里(はすみ いのり) CV:まきいづみ
本作のヒロインで、邦彦のひとつ年上の幼なじみ。
蓮見家という良家の血筋。(母親が蓮見家の一人娘であった)
両親が事故で他界してしまい、幼い頃に祖父に引き取られることになる。
現在は、現当主の孫に当たり、唯一の後継ぎである。
家が決めた許婚がいるが、依乃里自身は、昔から邦彦の事が好きで、邦彦に再会し、その気持ちが抑えられなくなり、邦彦と結ばれることに。
それからは、蓮見家に知られないように、邦彦との恋愛関係を続け、気持ちを深めていく。
一見、穏やかで落ち着いた雰囲気であるが、邦彦の前でだけ、女の子らしい可愛い一面や、年上とは思えないようなかわいらしい素振りを見せる。
長沢 友紀(ながさわ ゆき) CV:渋谷 ひめ
邦彦のひとつ年下の後輩。
非常に明るく、また誰とでも仲良くなれる性格の持ち主。
邦彦との出会いは、月毎に変わる学園全体の委員会の一つで、一緒になったことがきっかけである。
それ以来、邦彦をずいぶんと慕うようになり、しょっちゅう上級生である邦彦のクラスに押しかけてくるようになった。
そしていつのまにかお弁当まで一緒に食べるような仲に…。
今では、クラスメイト達もそれを当たり前だと思うほどになってしまっている。
また、プライベートでも、下着を買いにいくのに付き合わされたりと、あまりにあけすけな態度に、邦彦にとっては妹みたいな身近な存在として相手をするようになっていた。
このホームページはLe.Chocolat ×
KLINEより一部文章を抜粋しています。
素材の著作権はLe.Chocolat ×
KLINEに帰属します。
<購入動機>
「告白した後の恋愛の難しさや楽しさ、歯がゆさや切なさ等をプレイヤーに体験してもらうゲームです。」
というOHPの謳い文句に惹かれて購入。
Le.Chocolatは以前「メイドさんしぃし〜」をプレイし、私的に評価の高いメーカーだったので今回も期待しましたが…。
<ゲーム概要>
ゲームスタイルは、会話選択形式のオーソドックスなADVゲーム。
ゲーム期間は、9月27から約一ヶ月間です。
たいしたイベントがなくても、律儀に一日ずつ暦が進んでいきます。
攻略対象キャラは、依乃里と友紀の2人。
一見、少数精鋭です。
当然ながら、EDもそれに倣って少ないです。
選択肢は最長ルートで約30個。
シナリオ分岐関係が約20個、えちぃシーン選択関係が約10個というところです。
難易度は低いですね。
各ヒロインとも好意的な選択を一貫して行えば、まず大丈夫でしょう。
プレイ時間は、依乃里ルート7時間くらい、友紀ルート1時間くらいというところでしょうか。
※CVすべて聴いた場合
<システム補足>
メディアは、DVD−ROM1枚。
インストールで使用するHDDは、約1.4GB。
ちなみにインスト時、いきなり
「ダイナミックリンクライブラリが指定されたパスに見つかりませんでした」
のエラーメッセージが出ました。
エクスプローラでセットアップのアプリケーションを手動で起動して何とかインストは出来ましたが、何か先行き不安です。
…【過去の経験上、インストでトラブった作品はロクな作品がない…(-_-;)】
尚、ゲームの起動時はDVDを必要としません。
メニューは一通り揃っていて、特に足りないと感じたものはありません。
画面も800×600で見やすく、マンインタフェースも良好なシステムです。
敢えて言えば、過去ログを見るときに一旦「BACKLOG」のアイコンを選択してからでないとスクロール出来ない事ぐらいでしょうか。
(いきなりホイールを回しても過去ログが開かない)
でも、動作は安定していて、システムエンジン自体の性能は良い部類だと思います。
ただし、ただ〜〜〜し、ソフト(スクリプト)の作り込みが非常に粗く、このエンジンの性能を活かしきれていません。
テキスト、音声データ、立ち画、背景画等、色々な部分で足を引っ張ります。
詳しくはおいおい記述していきますが、この粗さがシナリオ重視純愛系作品としては致命傷になっています。
修正パッチがあります。
プレイ半ばでこのパッチの存在に気付きましたが、これを当てるとまた始めからプレイしなければならないのか等の詳しい説明がないので、当てずにプレイを完結させました。
ですので、このレビューは出荷状態での作品に対する評価であるという事をあらかじめお断りしておきます。
<音楽>
音楽は『牧野幸介』さん。
音楽鑑賞モードは全部で18曲。内、ボーカル曲は3曲です。
OP曲「月と夜空とホウキ星」は、
作詞:志倉千代丸さん、作曲:志倉千代丸さん、編曲:磯江俊道さん、ボーカル:彩音さんです。
ドラム・ベースでベーシックリズム体を形成する、ノリの良いアップテンポ曲。
特にガンガン打ち鳴らされるシンバルがアクセントとして良い感じです。
彩音さん、良いですね〜。
ちょっとハスキーな声質と自然なファルセット。そして歌唱力!
この作品で一番の収穫だったですよ^^;
挿入曲「YES」は、
作詞:高井ウララさん、作曲:高井ウララさん、編曲:西田マサラさん、ボーカル:井上みゆさんです。
同じくドラム・ベースでベーシックリズム体を形成する、ゆったりしたミドルテンポ曲。
それにE.ギター、シンセが加わって大音量で圧倒するイントロ。
ただ、間奏の途中でいかにも「打ち切り〜」という終わり方がちょっと興醒め(^_^;)
井上みゆさん、可愛いですね〜。
勿論地声でないのでしょうけど、「愛しさをギュッと」という歌詞のところが特にアニメチックで印象に残りました。
この作品で二番目の収穫だったですよ^^;
ED曲「雫」は、
作詞:彩音さん、作曲:彩音さん、編曲:FUSE☆FUNKさん、ボーカル:彩音さんです。
ピアノソロから始まり、やがてドラム・ベース加わる、しっとりしたスローテンポ曲。
さりげなく存在を主張するヴァイオリンがアクセントとして良い感じ。
お、彩音さん、曲も書くんですね〜。多才です。
どちらかと言うと、こういうスローな感じの曲の方が得意なのでしょうか。
声出しがブレないところに安定した歌唱力を感じました。
BGMは全部で15曲ですが、ボーカル曲のinstrumentalが2曲あるので、純粋な原曲としては13曲です。
どの曲も耳ざわりが良く、レベルが高いです。
シンセ曲が多いですが、中にはフルート曲、ハープ曲、ピアノ曲等、色々織り交ぜて膨らみを持たせています。
今作の中では、ハープ曲「月の蒼輝」、ピアノ曲「心、気持ち、一つ」、変わったところで「ポップジャミング」あたりが良かったです。
<音声>
CVは『まきいづみ』『渋谷ひめ』さん。
音声面は、この作品においては本来一番安定していたパートだったはずでした。
『渋谷ひめ』さんは私は初めての方ですが、やや小憎らしい「友紀」のイメージにピッタリでしたし、『まきいづみ』さんは予想通りの安定感でした。
ただ、若干演技過剰の部分もありましたが…。
もっともこれは、作品の内容が声優さんの域に達していない部分と、音声データの組み込みの杜撰さから感じるところが大きいと思います。
いくら声優さんが熱演されていても、その音声が再生されない、同じ音声が再生される、テキストと音声が合っていない等、マシンガンのように発生しては興醒めもいいところです。
それが数箇所と言うなら許せますが、「ちゃんとデバッグしたのか〜?」と思わず叫んでしまいたくなる程繰り返される不具合の嵐には辟易しました。
ちなみに、最初の1時間のプレイで20箇所以上も不具合が見つかり、カウントしても意味がないと悟りそれ以降はカウント自体やめてしまいました。
ただそれ以降もコンスタントに不具合が発生していたので、たぶん最終的には200や300くらいはあったのではないかと思います。
シナリオ重視純愛系作品でこの状態は、もう致命的と言ってもいいのではないかと。
<原画・CG>
原画は『磯野智』さん。
目鼻立ちのクッキリしたこういう画は、個人的には結構好きです。
全体的な統一感はまずまずというところですが、一部えちぃシーンのタッチはちょっといびつかなと思うカットが何点かありました。
イベント画と立ち画の統一感は取れていました。
ただ個人的には、依乃里の普段着のデザインはもう少し何とかならなかったものかと(^_^;)
…【最初、牛かと思った…(-_-;)】
CGはシーンに合わせてクッキリした感じと、ややボカシた感じに上手く分けています。
塗りは比較的綺麗な印象ですが、線はいくつかのカットで粗さが目立つ画も。
全体的にえちぃシーンにおける差分CGが少なく、これがえちぃシーンの回数に比してあまりエロくない印象を受ける起因となっています。
通常イベント差分CG(眼鏡、髪型等)より、こちらの方に力を入れて欲しかったですね。
それにしても、依乃里の立ち画の髪の毛のノッペリ感は何とかならなかったものでしょうか。
CG回想モードは、依乃里:190(55)、友紀:53(21)、その他:30(13)、合計:273(89)。
※括弧内は、表情パターン別を1つとしてカウントした枚数。
この内、えちぃCGは約3割に当たる、126(30)です。
シーン回想モードは、依乃里:14、友紀:2、合計:16です。
<演出・効果>
この作品は、色々な地雷演出が織り込まれています。
以下にその代表的なものを記述します。
【瞬間着替え】
これは立ち画による地雷効果です。
主人公一行が遊園地に遊びに行くことになった当日のシーン。
友紀が最初に登場したとき普段のアクティブな服装でしたが、次に画面が切替ったときに、あらら…よそ行きの服装にいつのまにか早変わり。
家で着替えてくれば良いものを…そんなに目立ちたいのか、あんたは(^_^;)
…【それにしても、5秒で着替えれるとは、あんたは凄い(^^)】
【いつでも一緒】
これも立ち画による地雷効果です。
主人公と依乃里が新生活を始めるシーン。
まずは仕事を探さないと食べていけないので、主人公は仕事探しのため外出。
庭先で「いってらっしゃ〜い」と依乃里に見送られ、主人公は出かけていきます。
…あれ、依乃里がまだ正面にいます。名残惜しいのでしょうか?
そして次々と行き先を変える主人公。仕事は中々見つかりません。
でも依乃里はやっぱり目の前にいます。
でも一言も喋りません。不気味です。
やがて仕事が見つからず落胆して家に帰る主人公。
家に着いたとき、それまで一言も喋らなかった正面の依乃里が言います。
「お帰りなさ〜い」
…あんた、ずっと一緒にいたでしょうがヽ(;´Д`)ノ
…【背後霊ならぬ、正面霊だな…(-_-;)】
【異次元空間】
これは背景画による地雷効果です。
主人公が自分の部屋から商店街へと友紀を追っていくシーン。
…のはずが、場面はまだ主人公の部屋のまま。
でも、主人公は友紀を探して走り回ります。
…【せいぜい八畳間だろうから、そんなに走らんでも…(皮肉)】
やがて、主人公の恋のライバル「三国」と遭遇。
「ああ!ようやく見つけたよ!」
と、ライバル「三国」が一言。
…あんたを家に招待した覚えはないっ!ヽ(;´Д`)ノ
…【ギャグか?ギャグと解釈した方がいいのか?(-_-;)】
【空想シーン】
これはOPムービーによる地雷効果です。
彩音さんのボーカル曲に乗せたやや切ないOP。
お墓参りの悲しそうな依乃里、海ではしゃぐ依乃里、雪で寒そうな依乃里。
当然、本編にも期待がかかります。
──8時間経過(プレイ終了)──
期間が9月から10月だったから、海のシーンなかったな…雪も降らなかったな…墓はどこにあったのかな…。
…イメージプレイですかっ!ヽ(;´Д`)ノ
【酔ってそうろう】
これはえちぃシーンにおける地雷効果です。
今日も元気に依乃里とのエッチに励む主人公。
ベッドに押し倒し、服を脱がせ、さぁいざ!
…あれ、依乃里のアソコにもう精液がかかっています。
三擦り半?
いやいや、まだ入れてもいない筈。
暴発か?暴発なのか?
…「キミがあまりに魅力的だったから。てへ。」
そんな早漏の十八番の台詞が聴こえてきそうなシーンでしたっヽ(;´Д`)ノ
…【もはや、ため息しか…(-_-;)】
他にも、誤字・脱字はもとより、鳴り止まない効果音など、数々の地雷演出が作品の足を引っ張りまくります。
<設定・シナリオ>
シナリオは『渡部好範/みけみけこ/Dr.どっぷり&夜光人間/大和環』の皆さん。
どなたがどのパートを担当しているかは分かりませんが…。
システム&演出にかなり足を引っ張られますが、物語としてはやや使い古された観はあるものの、それなりにまとまっています。
但し、価格が\5,800くらいだったらの話です。
正直なところ、\8,800として考えるとボリューム的に薄いと言わざるを得ません。
そして何より、この作品のコンセプト「告白した後の恋愛の難しさや楽しさ、歯がゆさや切なさ等をプレイヤーに体験してもらうゲーム」が感じられませんでした。
世の大半の作品が「告白するまでの恋愛の難しさや楽しさ歯がゆさや切なさ」をベースにしていますが、それらの作品との違いが正直分かりませんでした。
これらの作品が「恋の成就」が目的とするなら、本来今作は「恋から愛への変遷」あるいは「愛の維持」が目的になると思いますし、またそれを期待して購入しました。
でも結局、えちぃシーンを沢山投入したから「告白した後」になるんだ、という印象しか受けなかったのは残念なところです。
攻略キャラを絞り込むのは構いませんが、替わりに脇役などもう少し増やすなどして、物語に厚みを持たせた方が良かったと思います。
やはり立ち画キャラが3人しかいない状況では物語の展開にも限界があり、ひいてはボリュームの薄さにも繋がってしまいます。
それと、物語の期間が一ヶ月というのも、物語の展開の選択を狭めていると思います。
個人差はあれど「愛の熟成」には相応の時間がかかりますし、数々の苦難や危機を乗り切ってこそ「告白した後の恋愛の難しさや楽しさ」を標榜する資格を得られると思うのですが。
そんなわけで、コンセプトが事前に発表されず、価格ももっと安かったら普通の作品という評価でも良かったですが、この2点を考慮すると個人的には「………」になります。
<えちぃシーン>
回数は、キャラ1人当たり2〜16回。
テキストの分量は、1回当たり約30秒〜10分前後くらいです。
…【30秒のえちぃシーンなんて、初めて見たぞ…(-_-;)】
テキストの内容は淡白で、発射までの時間も短いです。
メインヒロインの依乃里に関しては、回数だけは多いです。
但し使い回しのシーンもかなりあり、実態としてはその半分くらいで考えた方が良いでしょう。
この「えちぃシーンの水増し」は、シナリオのボリューム不足を補う苦肉の策という気がします。
えちぃシーン自体は当初から満遍なく訪れるような構成になっています。
純愛・陵辱の比率は、10:0。
書くまでもありませんね…(^_^;)
シチュエーション的には、当然ながら主人公の自宅に場所はほぼ集中します。
とは言え、イベントに絡むえちぃシーンでは、学園、野外などもそこそこありますが…。
変わったところでは、遊園地のシーンでしょうか。
バリエーション的には、チラリズム×2、フェラx4、69x1、正常位x5、側位x2、座位x1、後背位x7、騎上位x2、ローター×2、等々…。
※注:CGギャラリーでの集計です。
まぁ、これも書くまでもなかったですが、一応えちぃシーンに力を入れている感じなので取り合えず記述してみました。
でも、音声は頑張っているのですが、正直なところ画はあまりエロくないんですよねぇ…(^_^;)
肉体派の友紀にもう少し活躍して欲しかった。
処女率は、100%。
ビジュアル的にも表示されます。
<総評>
一言でいうと「焦点のぼやけた純愛系」という感じです。
物語としては小さくまとまっているものの、その物語がテーマからかなりずれているような作品です。
最初からパッチを当てれば多少印象は変わるかもしれませんが、それでも大きくは変化はしないでしょう。
シナリオはもう少し厚みと膨らみを持たせて、テーマを明確に表現して欲しかったです。
エロは「水増し」の印象が強く、回数の多さが逆に足を引っ張っています。
原画は個人的には好みの方ですが、CGは部分的に粗さが目立ちました。
音声は良いキャスティング、音楽もレベルは高いかと。
システムはエンジンは堅実ですが、スクリプトが何ともはや…。
演出面は本来は可もなく不可もなくなのでしょうが、システムに足を引っ張られて不本意ながらマイナスの方向に働いてしまいました。
地雷…それは、突然やってくるもの。
地雷…それは、他の作品を良く見せるための必要悪。
地雷…それは、体力を根こそぎ奪われるもの。
さぁ、皆さんもご一緒に地雷を踏み踏みしませんか〜〜(o゜▽゜)o
今回の作品で「Le.Chocolat」の見方がかなり変わりました。
とは言え今作はタイアップ作品であり、「Le.Chocolat」オリジナルはまだ良い作品を制作していると思いたいところです。
機会があれば、そのあたりを再確認してみたいと思います。
お気に入りのキャラ:長沢友紀…不憫なキャラではあったが、元気さを買って^^;
<10点満点での総合評価> |
||
シナリオ | 4 | 焦点がぼやけた |
原画 | 7 | 目鼻立ちクッキリ |
CG | 6 | やや粗さが… |
キャラ | 5 | もう少し掘り下げて… |
音声 | 6 | 好キャスティング |
音楽 | 7 | 耳ざわり良い |
システム | 1 | 地雷演出満載 |
演出 | 3 | エンジンは良いのだが… |
エロ | 4 | 水増し |
ボリューム | 3 | 総プレイ時間8時間 |
合計 | 46 | |
と、言う事で『4.5点』とします。 チュド〜〜〜ンヽ(;´Д`)ノ |
最後に一言:「ちゃんとデバッグしましょうね(^_^;)」
画師〜隠された思い〜 (暢気さんのレビュー) | 評価: 7 |
▼ タイトル | 画師〜隠された思い〜 | |||
▼ ブランド | TRUST | |||
▼ ジャンル | ミステリアスADV | |||
▼ 対応OS | Win98/Me/2000/XP | |||
▼ メディア | DVD-ROM | |||
▼ 定価 | 税込\9,240(税抜\8,800) | |||
▼ 発売日 | 2005/11/25 | |||
▼ 購入 | オリジナル特典 Getchu.com | |||
【 CG観賞モード 】 | あり | |||
【 シーン観賞モード 】 | あり | |||
【 BGM観賞モード 】 | あり | |||
【 メッセージスキップ 】 | あり(未読・既読判別あり) | |||
【 メッセージ履歴機能 】 | あり(音声リピートあり) | |||
【 選択肢リターン機能 】 | なし | |||
【 オートモード 】 | あり | |||
【 ヒント機能 】 | なし | |||
【 セーブ数 】 | 40個(20個×2ページ) | |||
【 エンディング数 】 | 3個 | |||
【 ディスクレス起動 】 | 可 |
<ストーリー>
ときは大正の中期。ところは反映の最中にある帝都・東京。
梅雨入りの近づく蒸し暑い時節に、物語は始まる。
若き油絵画家・相良正輝が手掛けた肖像画。
画家の仕事として申し分ないその作品は、突如、原因不明の変化を起こした。
画布に描かれた穢れなき乙女が、頬を火照らせ、口の端から淫らに舌を覗かせ、妖しく細めた瞳で媚を売り鑑賞する者に微笑みかける。
何者かの悪戯か?
あまりにも優れた作品ゆえに、怪しき魂が宿ったか?
それとも、鏡の如くモデルとなった乙女らの真を映し出しているのか?
やがて、画の変貌は先触れに過ぎなかったかのように、乙女らの身の周りでも不穏な影が蠢き始め……。
<キャラクター紹介>
成島 響(なるしま ひびき) CV:かわしまりの
高等女学校を経て、音楽学校に通う女学生。
成島財閥の娘として、金銭的には恵まれた環境に育つ。
好奇心に富み、明るく快活な性格は、同姓からも愛されている。
将来の展望などは漠然としているが、バイオリンの腕を更に高めるため、欧羅巴への留学にも興味を寄せている。
宇都宮 京(うつのみや みやこ) CV:西田こむぎ
主人公が足繁く通うミルクホールの女給。
西洋のメイド服の意匠を取り入れた制服が似合うこともあって、店の女給たちの中でも、特に人気が高い。
しかし、本人はそれを誇ることもなく、淑やかな微笑みを浮かべて、来客に心地良い一時を提供している。
コンスタンス・レニエ CV:吉川華生、町田あみ
仏蘭西から単身、日本へとやってきた少女。
母親譲りの美しい金髪と青く澄んだ瞳を備えた彼女は、欧米人の存在が珍しくなくなった帝都にあっても、一目を引く存在である。
携えてきた不気味な髑髏の画の描き手を捜している。
このホームページはTRUSTより一部文章を抜粋しています。
素材の著作権TRUSTはに帰属します。
<購入動機>
メーカー買いです。
原画が葵渚氏というのも購入時のポイントになりました。
<ゲーム概要>
ものすごく単純な選択肢分岐型ADVです。
ですが、ヒロイン登場の都合上、先にコンスタンスの選択肢が、後に響と京の選択肢がきます。
そしてゲーム中の全選択肢数、じつに5個!!!
セーブスロットは40個ありますが、ストーリーを進めるだけなら10個もあれば十分足ります。
現実よりも美しい絵を描くと言われる肖像画家の主人公が、愛人エレオノールに本人の肖像画を贈り、その絵を娘のコンスタンスが持ってくるところから全てが始まります。
本人が知る由もないところで静かに動き出す、モデルの魂が込められた絵。
物語は伝奇譚のように…。
<音楽・音声>
フルボイスで、女性のキャストは、(以下敬称略)
成島 響:かわしまりの
宇都宮 京:西田こむぎ
コンスタンス:吉川華生、町田あみ
エレオノール:町田あみ、吉川華生
渡月:不二まどか
紅炉:ルーシー
翡翠:韮井叶
です。
上3人がヒロイン、エレオノールは言うなればサブヒロインで、下3人は言い方は悪いですが「行きずりの人」です^^;
コンスタンスとエレはストーリーの都合上体が入れ替わったりするため、主に本人が支配している場合左側の、支配していない場合右側の声優の声になるようです。
この中で、町田あみ氏は今年になってから名前を良く聞くようになった声優ですが、なかなか良い声をしています。
やわらかい、包容力のある声は今回のベストマッチボイスでした。
というか、合いすぎていてコンスタンスルートではかなり怖いんです。
呪わないで!!
男性のキャストはわかりません。
というか、声当ててないです。
説明書にはフルボイスと書いてありますが、最近は「主人公以外登場人物全員声付き」という意味ではなくなった…訳ではないですしねぇ。
謎です。
BGMは14曲、うち1曲がボーカル曲です。
レトロ風というか、オルガン系の使い方が上手いですね。
時代に合わせるように、ドラム系を極力使わず打楽器でまとめているのも高評価です。
<感想>
いやぁ、絵って怖いですねぇ。
昔、写真を撮ったら魂を抜かれるとか言う怪談を聞かされたことがありましたが、よくよく考えたら肖像画って想念や執念が宿る分、はるかに性質が悪いですね。
ベートーベンが動いたりピアノを弾いたりするのも納得です。
さて、まずはストーリーですが、各ヒロインのルートに入った後、グッドとバッドの選択肢が1つあります。
特筆すべきは、グッドエンドだけでなくバッドエンドもやたらと作りこまれていることでしょうか。
というか、バッドエンドが単純にバッドに思えないようなエンディングなので、エンディング数はグッド・バッド合わせて6つと考えても良いかもしれません。
コンスタンスの物語が最も怪奇じみてますが、ホラーという感じではありません。
しかし、バッドエンドのときに残る後味の悪さはなんとも言えない、嫌〜な気分にさせてくれます。
したがって、私としては先にバッドエンドを見ておくことをお勧めします。
その方がグットエンディングの時の嬉しさ倍増です。
といっても、コンスタンス以外は選択肢をぱっと見ただけでは、どっちがバッドエンド行きなのか分かりませんので注意。
CGは葵渚氏です。
貧乳の描き方や顔の部品に特徴のある方ですね^^;
立ち絵のパターンがちょっと少ないと思いますが、絵は綺麗です。
特にコンスタンスが可愛い!
…とか思っていると、絵から骸骨が飛び出て襲ってくるので注意した方がいいでしょう。
Hはパターンが多いです。
ノーマルHから乗り移りH、孕ませ、一対多、多対一ときて、挙句の果てに近親相姦まであります。
ただ、鬼気迫るものや気が触れたシーンが結構あるので、実用度はどうでしょうか…。
<10点満点での総合評価>
7点
読む分には面白いですが、良作とまではいかないかと。
でも、思った以上にシナリオが良い作品でした。
個人的には気に入ってます^^;
お気に入りのキャラ:紅炉…あの竹を割ったような性格が良いです。何故ヒロインじゃないんだろう。
最後に一言:「骸骨が襲ってくるのは勘弁。」