牝奴隷(メドレイ)〜犯された放課後〜    (とっぷがんさんのレビュー)   評価: 8 
▼ タイトル 牝奴隷(メドレイ)〜犯された放課後〜 牝奴隷 ~犯された放課後~
▼ ブランド アトリエかぐや
▼ ジャンル 学園陵辱アドベンチャーゲーム
▼ 対応OS Win98/Me/2000/XP
▼ メディア DVD-ROM
▼ 定価 税込\9,240(税抜\8,800)
▼ 発売日 2005/09/30
▼ 購入 牝奴隷(メドレイ) / オリジナル特典 Getchu.com
【 CG観賞モード 】  あり
【 シーン観賞モード 】  あり
【 BGM観賞モード 】  あり
【 メッセージスキップ 】  あり(未読・既読判別あり)
【 メッセージ履歴機能 】  あり(ホイール対応、音声リピートあり)
【 選択肢リターン機能 】  なし
【 オートモード 】  あり
【 ヒント機能 】  なし
【 セーブ数 】  100個+クイック1個
【 エンディング数 】  9個
【 メディアレス起動 】  可


<あらすじ>
 私立辰陵学園は全国でも名門として知られる、歴史ある学園である。
 主人公、高宮遼はこの学園を影で支配する、学園創立者の一族『高宮家』の血を引いている。
 彼はある日、愛する姉、紗月から「『神崎明日香』『森野みなと』『長谷部留美』の3人の女性を破滅させてほしい」という依頼を受ける。
 姉の目的は全くの謎。
 だが、遼にとって紗月の言葉は絶対だ。
 彼は迷うことなくその依頼を引き受ける。
 そして遼は、学園の3人の女たちを凌辱・調教し、自分の『牝奴隷』にするべく行動を開始するのだった……。


<キャラクター>
神崎 明日香(かんざき あすか)
 辰陵学園に通う3年生の女子学生。
 学生自治会の会長を務めており、学生たちからの信頼も厚い。
 成績は学園のみならず、全国でもトップクラス。
 正義感が強く真面目な優等生を演じているが、割とお茶目な一面も持ち合わせている。
 遼の姉、紗月とは対立関係にあるが、遼の才覚については高く評価しており、彼を学生自治会の書記として招き入れようとしている。

高宮 紗月(たかみや さつき)
 辰陵学園に通う3年生の女子学生。頭脳明晰で人当たりが良い才女。
 遼のひとつ年上の姉で、遼と同じく学園の創始者の血を受け継いでいる。
 人を惹きつけてやまない不思議なカリスマ性を持っており、またその血筋のせいもあって学園内のみならず学園外でも有名人である。
 旧校舎を中心とした「学園の裏側」の中心人物。

森野 みなと(もりの みなと)
 チアリーディング部所属。辰陵学園に通う2年生の女子学生。
 遼のクラスメイトで幼馴染み。性格は明るく活動的。
 人の面倒を見るのが大好きで、自ら損な役回りを引き受けることもしばしばである。
 クラスでも孤立しがちな遼にも気安く話し掛けてくるが、遼はそれを煙たがっている節がある。

長谷部 留美(はせべ るみ)
 主人公のクラス担任の女教師。スタイルも抜群。
 明るく気さくな性格で、悩みを持つ学生たちに親身になって相談に乗ることから、学生たちの間での人気は高い。
 紗月たちの行動に不信感を抱き、彼女たちと対立すると同時にその調査を進めている。
 そのため、この件に関しては我関せずを決め込む他の教員たちからも少し敬遠されている。

神崎 慶子(かんざき けいこ)
 神崎明日香の母親。辰陵学園の保護者会会長を務めている。
 人当たりの良い女性だが、明日香同様に正義感、責任感が強い。
 娘の明日香のことを誇りに思っており、彼女とともに学園を正しい方向に導こうとしている。


このホームページはアトリエかぐやより一部文章を抜粋しています。
素材の著作権はアトリエかぐやに帰属します。



<購入動機>
 デフォ買いメーカーです。
 今回は「TEAM HEARTBEAT」久々の凌辱路線という事で、気合と覚悟を抱いて突入です。


<ゲーム概要>
 ゲームスタイルは、移動場所&会話選択形式のオーソドックスなADVゲーム。
 ゲーム期間は、暦の表示はなく、開始から何日目という表示のみです。
 開始直後は1日ずつ進行していきますが、途中誰かのルートに入るとそれ以降はイベント発生日のみ自動進行します。

 1日の流れは昼間の1回、移動する場所を選択して進んでいきます。
 移動できる場所は、「教室」「職員室」「自治会室」「廊下」「グラウンド」「階段」の6箇所。
 移動先にカーソルを持っていくと、そこにいるキャラの画像が白黒からカラーに変わります。

 攻略対象キャラは「明日香」「慶子」「みなと」「留美」「紗月」の計5人。
 尚、「慶子」は明日香ルートの過程で、また「紗月」は全員のシナリオをクリア後に攻略可能となります。
 ハーレムルートは紗月ルートの中に包含されています。

 選択肢は全体で約15個。
 主にえちぃシーン進行用で、シナリオ分岐用としてはその1/3です。
 難易度が有って無きが如し
 選択肢自体少ないので、絨毯爆撃のように全選択肢実行すればOKです。

 プレイ時間は、明日香・慶子ルート9時間くらい、みなと・留美ルート各4時間くらい、紗月・ハーレムルート6時間くらいというところでしょうか。(初回+1時間)
 ※CV:すべて聴いた場合


<システム補足>
 メディアは、DVD-ROM1枚。
 インストールで使用するHDDは、フルで約2.1GB。
 フルの場合、ゲームの起動時はDVDを必要としません。

 メニューは一通り揃っていて、特に足りないと感じたものはありません。
 使い勝手も良好なシステムだと思います。
 元々システム自体ある程度完成されているので、特に今回追加になった点はありません。
 個人的には「Berkshire Yorkshire」で採用されている「音声再生時にメッセージウインドウを消去する」の設定が出来ると嬉しかったです。
 敢えて言えば、メッセージウインドウの透過調整が欲しかったくらいですね。

 修正パッチは今のところありません。(10月23日現在)
 誤字・脱字も殆どありませんでした。
 プログラムは動作も安定していて、特に異常終了はしなかったです。
 以前のクオリティが復活した感じです。


<音楽>
 音楽は『井手今日子/根岸咲』さん。
 おなじみの『吉田仁郎』さんは今回お休みですね。
 「裏入学」以来『井手今日子』さんのクレジットは良く見かけるようになりました。
 …【今後は音楽担当を変えて行くのだろうか…(-_-;)】

 音楽鑑賞モードは全部で21曲。ボーカル曲はありません。
 今回は凌辱系作品なので、ハードな曲調が多いのかなと思いきや意外とピアノ曲も多く、全体的に強弱のバランスが取れています。
 特にインパクトが強い曲はありませんが、各曲とも一定レベル以上の質の高さを感じます。
 今作の中では「休息」「黒の終幕」のピアノ曲、変わったところでは「退屈な日々」あたりが良かったです。


<原画・CG>
 原画は『M&M』さん。
 二重まぶたの目が特徴的なお馴染みのタッチです。
 以前は四角っぽい大きな目にクッキリした二重まぶたというのが特徴的でしたが、最近は切れ長の目に薄い二重まぶたという感じに変わってきていますね。
 キャラの頬が赤く口が少しだけ開いたカットの色っぽさは変わりませんが(^^)
 今回はいくつか顔のデッサンが微妙にずれているような感じを受ける画がありました。
 もっとも、これは塗りの問題かもしれません…。

 CGは塗りも線も丁寧で、相変わらずレベルの高さを感じます。
 影の付け方も綺麗で、風呂場のシーンなんかは特に上手いですね。
 衣服の描写も見事で、留美の教壇での立ち居姿は写真みたいで本当に綺麗です。
 オッパイの表現も重量感タップリで、目を楽しませてくれます。
 背景画も細かいところまで丁寧ですね。

 CG回想モードは、明日香&慶子:262(34)、みなと:97(14)、留美:121(14)、紗月:130(18)、その他:125(16)、合計:735(96)、です。
 ※括弧内は、表情パターン別を1つとしてカウントした枚数。
 この内、えちぃCGは約10割に当たる712(91)です。

 シーン回想モードは、明日香&慶子:19、みなと:8、留美:7、紗月:8、その他:13、合計:55、です。


<演出・効果>
 特筆するような事はありません。


<設定・シナリオ>
 シナリオは『神無月ニトロ/もみあげルパンR/近江達裕/速水漣』の皆さん。
 どなたが誰のシナリオ担当かは分かりませんが…。

 今回は、
 ──────────────エピソードV シスターの復讐───────────────
 …………………帝国軍の闇の巫女、シスター(紗月)はパートナーを欲していた…………………
 ……………………老いさらばえたドゥ○クー伯爵に替わる若いパートナーを………………………
 ……………そんな折、帝国を攻めにきた若きジ○ダイ、穴金スカイウォ○カー(遼)……………
 …………………シスターはそのア○ルでキ○タマな若き騎士を取り込もうとするが………………
 ………
 という、壮大な冒険活劇です。
 ※注:壮大なウソです。

 …もとい、旧約聖書「創世記」第二章「エデンの園」。
 そこに登場する「アダムとイブ」。
 それが今作のモチーフと思われます。
 言わば、エロゲ版の「アダムとイブ」という感じですね。

 表向きはハードな調教ADVゲームを標榜していますが、底辺に「永遠の楽園」というテーマが流れていて、単純明快は凌辱作品からは少し逸脱するような内容です。
 行動は凌辱でも、精神にどこか純愛色が混じっているようなアンバランス。
 そして徐々にその純愛色が強くなってくるような感覚です。
 この感覚を調和と取るか不協和音と取るかで、この作品の見方はガラリと変わると思います。

 もう一つ感じたのは、この物語の主人公は二人である事。
 表向きの主人公は高宮遼ですが、遼の凌辱行動の起因は姉の紗月であり、遼は自らの欲望で凌辱行動に走るわけではない、というところがちょっと変わっています。
 それ故にどこか凌辱に徹しきれない部分もあり、それがまたアンバランスさを生み出す土壌にもなっている印象です。
 遼単独で主人公と位置付けるよりは、遼・紗月セットで主人公と位置付けた方が納得できるところが多いと思います。
 このあたりにも「アダムとイブ」の匂いを感じますね。

 あと余談ですが、最近純愛系作品ばかり制作してきたスタッフ達が、久々にストレスを発散〜という側面もあるかもしれません。
 以前は凌辱系一辺倒のアトリエかぐやでしたが、時代の風潮に合わせて最近は純愛系が主体になり、スタッフの方々は相当ストレスが溜まっていたのかも知れませんね。
 今作の凌辱シーンの数々は、そんな鬱憤を晴らすかのようなパワーを感じました(^^)


<えちぃシーン>
 回数は、キャラ1人当たり7〜17回。
 テキストの分量は、1回当たり約20〜40分前後くらいです。
 テキストの内容は相変わらず濃厚で、更に今回は凌辱系作品という事もあり、その濃厚さがパワーアップしているかのようです。
 バランス的には、各キャラとも最初の約1時間は物語中心のためえちぃシーンがなく、その後怒涛のように訪れるような構成になっています。
 キャラによっては、ソフト路線から段階的にハード路線に切替るケース、最初からハードなケース、ずっとソフトなままのケース、色々分かれています。

 純愛・陵辱の比率は、1:9。
 今回は、圧倒的に陵辱・変態・倒錯系のオンパレードです。
 ただ、最終的には「救いのある凌辱」というイメージを受けます。

 シチュエーション的には、舞台が学園か主人公の自宅にほぼ集中します。
 ですので、場所という観点では変化にやや乏しいです。
 学園施設が全体の7割、それ以外が主人公の自宅か屋外というところです。
 学園施設の中では旧校舎関係が多く、暗く陰湿な雰囲気を助長します。

 バリエーション的には、フェラ⇒後背位⇒アナル責め、というのが多いパターンです。
 …【凌辱王道パターンだな…(-_-;)】
 スカトロは、ビジュアル的には大人しいもののテキスト的に緊迫感の描写が巧みで、これに音声が加わってかなり印象に残りました。
 鎖・首輪・縄などの隷属アイテムの登場率も高いですが、どちらかというとアクセサリー的な使い方で、SMシーンで使うというのは殆どありません。
 …【と言うか、SMシーン自体がない…(-_-;)】
 輪姦はデフォルトという感じで、これについては全キャラとも洗礼を受けます。

 処女率は、80%。
 ビジュアル的にも表示されます。


<キャラ別感想>
※「先入観がつくからイヤ」という方はスキップして下さい。
神崎 明日香 with 慶子
 髪の色は、ベージュ。
 髪の型は、ストレートロング。
 瞳の色は、ブルーグレー。

 会長の密かな息抜き
 明日香は、凛とした言動・行動で学生たちを引っぱる自治会会長。
 でも時折、そんな役割りを演じなければならない自分に疲れを覚える事も。
 そんな時は、見晴らしの良い屋上でリフレッシュ。
 そして今日も息抜きをするべく訪れた屋上に…あれ、先客が。
 眠っているその先客は、実は最近何かと気になっているシスコンの後輩だった…。

 光のヴァルキリー
 明日香は、主人公の姉・紗月と対極に位置するキャラ相関であり、ダーク色が強い紗月に対して光り輝くヒロインという印象です。
 RPG風に言えば「光のヴァルキリー」。
 常に先頭に立って道を切り開いていく、仲間を叱咤激励する、傷付いた仲間は全力で保護する、そんな「戦乙女」のイメージが重なります。

 遼視点では、精神的なタフさが前面に出てきます。
 遼が調教を開始しても面従腹背という感じでなかなか服従しません。
 肉体的にはプレッシャーを与えても、精神面がそれについてこないギャップを遼は常に感じ、勝手が違うイライラしたやり取りがなかなか面白いですね。
 …【明日香の捨てゼリフ「ハイ、ハイ、ご主人様」が神経を逆撫でしてまた良い感じ(^^)】
 最近では、1・2回調教したらすぐキャラが堕ちてしまい、精神攻撃面の物足りなさを感じる作品も結構ありますが、そういう意味ではこうした堕ちそうで堕ちないキャラは、妙に懐かしいと言うか、調教系作品の基本を思い出させてくれます。
 余裕があるようで、実は徐々に心のキャパシティが満杯になっていく描写や、最後に決定打を与える小道具の使い方あたりは、やはり上手いですね。

 紗月視点では、同学年の強烈な個性に対するしたたかな対抗意識と、対極属性に対する密やかな憧憬が見え隠れして、なかなか興味深いものがありました。
 表向きは紗月の野望を達成するための最大の障害と位置付けて、遼に明日香を堕とすようにけしかける訳ですが、実は遼を奪われる最大の可能性を持つ危険人物との危機感から、攻撃は最大の防御とばかりに先手を取って遼に潰させた…とは見方が穿ちすぎでしょうか。
 「最強の敵」と書いて親友(とも)と呼ぶ。
 紗月ルートでは予想通りの展開となってちょっとニンマリしました。

 慶子は明日香の母親で、二つある明日香ルートの一方にのみ登場します。
 実年齢を計算すると怖いのでそれは置いといて、見た目はグラマラスな奥様という感じです。
 RPG風に言えば「肉弾アマゾネス」(^^)
 保護者会会長という肩書きですが、特にそれが物語りには関わっておらず、結果的にはえちぃシーンのバリエーションを増やすために登場したキャラという印象ですね。
 個人的には、遼に対して「母親」という立場でのアプローチなどを期待していたので、ちょっと肩透かしを受けました。

 一歩一歩ステップアップ
 えちぃシーンは、合計17回。
 シチュエーションは、自治会室x6、男子トイレx2、屋上x2、礼拝堂x2、廊下、学生寮x2、風呂、遼の部屋x3、リビング、旧校舎、等々…。
 バリエーションは、自慰、手コキx2、フェラx7、パイズリx2、69x2、正常位x3、後背位x6、騎上位x4、アナルx7、放尿x3、スカトロ(ビジュアルなし)x2、散歩x2、3Px2、輪姦x5、等々…。
 アイテムは、ローターx2、バイブx2、アナルバイブx2、首輪&鎖x8、縄x5、浣腸器x2、目隠しx2、トランシーバー、CCDカメラx2、等々…。
 メインヒロインなので、えちぃシーンが一番多く、またシーンの移り変わりもソフトなものから徐々にハードなものへと、段階を踏んでレベルアップしていきます。
 最終的には隷属系のシーンが目白押しになります。
 でもその隷属系シーンの至る所において、最後まで崩さない挑戦的な態度や目線がこのキャラの最大の持ち味ですね。

 勝ち気なお姉さまボイス
 CVは「一色ヒカル」with「歌織」さん。
 「一色ヒカル」さんは今や飛ぶ鳥を落とす勢いを感じます。
 一体今年何本の作品に出演されているのだろう?(^^)
 中でもやっぱり一番パワーを感じるのは、今回のような一本筋の通ったお姉さんキャラですね。
 挑戦的で、勝ち気で、でも慈愛に満ちている…そんな演技は本当に上手いです。
 次回作「姉汁」でも出演当確(ナスおまの涼子役)なので、また期待させていただきます。

 「歌織」さんはすっかり妖艶キャラご用達という感じです。
 今回はちょっと出番が少なかったですが、相変わらずのベテランの味を堪能させていただきました。
 特に凛とした高音の張りと伸びが「マダム〜〜」という印象ですね。(謎)


森野 みなと
 髪の色は、インディアンレッド。
 髪の型は、ショート。
 瞳の色は、カデッドブルー。

 一途な幼馴染
 みなとは、遼と紗月の幼馴染。
 ある日突然街から引越ししてしまった二人を探し続け、紗月の消息を頼りに受験した辰陵学園で目出度く遼と合流。
 以前のようにまた3人で楽しい生活を送れることを期待して、何かと遼に接触してきます。
 でも遼は、以前のような笑顔を見せてくれることはなく…。

 踊り子Lv.9
 みなとは、遼と紗月の純真無垢だった頃を知る唯一の存在です。
 二人にとってみなとは懐かしさを感じるとともに、もう二度とそこには戻れない現実を突きつけられる象徴的な存在、というキャラ相関になっています。
 基本的にはポジティヴタイプで、人を応援するのが好きなみなと。
 RPG風に言えば「踊り子Lv.9」。
 Lv.10になれば一線級だけど、まだ一歩足りないという感じですね。(^^)

 遼視点では、遼の陰湿さが前面に出てきます。
 みなとが自分を好きなのを知り、自分に逆らえないのを良いことに陰湿な調教を行います。
 絶対的な立場を足掛かりに弱い物イジメという、幼さ故の残虐性を感じさせるルートです。
 でも徐々に良心と葛藤し、結局徹しきれないでラストを迎えるのですが、このあたりがこの作品の良いところでもあり悪いところでもあります。
 ここまで比較的凌辱に徹してきたシナリオが初めてブレル瞬間。
 救いのない凌辱作品が好きな方は困惑し、救いのある凌辱作品が好きな方は希望の灯が見えてくる分岐点となるシナリオです。
 それにしても、堕とす技が明日香と同じとは…もう一工夫欲しかった。(^_^;)

 紗月視点では、本来は一番の安全牌という感じだったと思います。
 みなとは確かに危険分子ではあるものの、今更あの頃に戻れるはずもなく余裕を持って傍観していたら意外にも遼が揺れ出した…。
 内心、予想以上に焦ったターゲットではなかったでしょうか。
 実は心の奥底で一番あの頃に戻りたいと無意識に願っていたのは、他ならぬ紗月だったのかも知れませんね…。

 砂が水を吸収するが如
 えちぃシーンは、合計8回。
 シチュエーションは、公園、ロッカー室x3、教室x2、リビングx2、等々…。
 バリエーションは、自慰、手コキx2、フェラx6、正常位x2、後背位x2、騎上位、側位、座位、アナルx3、放尿、3P、輪姦x2、等々…。
 アイテムは、バイブ、アナルビーズ、太郎(笑)、ディルドー、首輪、縄x2、目隠し、等々…。
 みなとは一番のネンネではあるのですが、いざコトを始めるとその順応力は群を抜きます。
 特にアナル関係の適応力は、まるで現実離れした人間の様に感応していきます。
 …【いや、架空の世界なのだが…(-_-;)】
 もう一つ特徴的なのは、コスプレ度合いが高めなところでしょうか。

 中音域ボイス
 CVは「青川ナガレ」さん。
 私は初めての方(たぶん)ですが、何と言うか、通常ボイスとえちぃボイスにギャップのある方ですねぇ(^_^;)
 通常ボイスは、萌え系でしっとりした煮え切らない感じの音声なのですが、えちぃシーンになると妙に無機質と言うか、イコライザーで言うと高音域と低音域のレベルが低く中音域だけレベルが高いような音声の持ち主です。
 こういう声質は初めてなので、なかなかに耳に残りますね。
 あと、ちょっと気になったのが、えちぃシーンにおけるテキストと音声が合っていない事。
 仮にテキストが20字として、音声が10〜15字くらいで終わってしまうシーンが時折あります。
 長けりゃ良いという訳ではありませんが、でもちょっとリズムが合わなかったですね。
 ウーーーン、あまり慣れてないのかしらん?


長谷部 留美
 髪の色は、ブラウン。
 髪の型は、ロング。
 瞳の色は、プラム。

 親身な担任の先生
 留美は、最近転任してきた美術担当&クラス担任の先生。
 最近頻繁に発生する「リタイア」に心を痛め、何とか生徒達の力になろうと日々行動しています。
 そして「リタイア」の原因は紗月が絡んでいるところまで当たりをつけます。
 紗月の情報が欲しい留美は、弟の遼からのコンタクトについこれ幸いと乗ってしまいますが…。

 癒しのプリースト
 留美は、面倒見が良くて、落ち着いていて、少し年の離れた優しいお姉さんという感じです。
 もしくは、お母さんとお姉さんの中間といったところでしょうか。
 RPG風に言えば「癒しのプリースト」。
 失ったエネルギーを回復してくれる、一般的な男が理想とする女性ですね。

 遼視点では、遼の心の中に有る不可侵のものが表現されます。
 幾度となく調教を受けても心根が変わらない留美に苛立ちを覚える遼ですが、同時にその精神の強さについ自分の弱い部分をさらけ出してしまう遼。
 見方は色々あると思いますが、このシナリオは遼の自立の第一歩を描きたかったように思えます。
 もっとも、その代償は高かったのですが。
 ちなみに留美を堕とす技は、アトリエかぐやのお約束という感じですねぇ…(^_^;)

 紗月視点では、明日香の次に危険人物と意識していたと思います。
 明日香がいわば恋愛対象者としての危険性を孕んでいるとしたら、留美は新しい家族になり得る危険性を持っていると肌で感じていたのではないでしょうか。
 自分の地位を脅かす存在。
 表面上は自分の回りを嗅ぎまわっている厄介者と公言していますが、実は遼を自立させてしまう危険性を切実に感じていたのかも知れません。

 成熟ボディ
 えちぃシーンは、合計7回。
 シチュエーションは、旧校舎x3、教室x2、ステージ、校庭、職員室、ロッカー、等々…。
 バリエーションは、自慰、手コキ、フェラx4、パイズリ、正常位x2、後背位x2、騎上位、座位、アナルx4、散歩、放尿、輪姦x3、ショタ、等々…。
 アイテムは、拘束具、筆、ローターx2、バイブx2、拘束服、首輪&鎖、縄、目隠し、サラダ、ワイン、等々…。
 留美は本作の登場キャラの中では一番プロポーションが良いですね。
 教壇に立つ姿のヒップラインがかなりポイント高いです。
 オッパイの見せ方も色々なバリエーションがあって目を楽しませてくれます。
 えちぃシーンは一番少ないものの、バランスは一番取れていますね。
 ウーーーン、お嫁さんにしたい(^^)

 サービス精神旺盛ボイス
 CVは「飯田空」さん。
 ベテランさんですが、不思議と私はあまり縁がなかった声優さんです。
 でもって、今回じっくりと聴かせていただいた訳ですが…。
 …前述の「青川ナガレ」さんとは反対に、えちぃシーンで興が乗ってくるとテキストの字数以上の演技をされる方ですね。
 例えば「アーッ」という台詞が「アー、アーッ、アァーーッ」と拡大解釈されるみたいな。(^^)
 台詞のやや呂律が回らなくなるたどたどしさも良い感じ。
 強烈な印象は受けませんでしたが、安定感は感じました。


高宮 紗月 with ハーレム
 髪の色は、ブラック。
 髪の型は、ロング。
 瞳の色は、ブルーグレー。

 只一人の家族
 紗月は、遼の姉であり唯一の家族です。
 両親が死んだ後、したたかな親戚連中から高宮家を守ってきました。
 そして自らの半身とも言える遼との「永遠」を夢見て、ある計画を進行させます。
 でも、その実現には4人の邪魔者が立ちはだかっていた…。

 闇の巫女
 当初紗月は裏で遼を思いのまま操り、自らの欲望を満たすような負のイメージが先行するため、あまり好印象は受けません。
 RPG風に言えば「闇の巫女」。
 ただ、多くのRPGのお約束と同様に、後半ではその印象も変わっていきます。

 楽園。
 多くの人間が一度は望むもの。
 そして誰もがそんなものはこの世に存在しないと絶望するもの。
 それが大人になる事と言うのであれば、それを望み続ける一番大人っぽく見える紗月は、実は一番純粋な子供の魂を持ち続けているのかも知れません。
 そして子供故に残虐な行為も実行する。
 エゴイストの塊。
 ある意味、エゴと純粋は同義なのかも知れません。

 でも果たして紗月は、本当に4人を単なる障害物として排除したかっただけなのか?
 無意識のうちに、遼を奪い取られる危険を本能的に感じたのではないのか?
 それ故に早めに危険を取り除く賭けに出たのではないのか?
 個人的にはそういう印象を時折受けました。
 そしてその事に気付いた紗月もまた、ハーレムという妥協の道を選んだように思います。
 凌辱路線から純愛路線への変遷は、言い換えれば紗月が子供から大人になった、あるいは純粋から不純になったターニングポイントではないでしょうか。

 この作品名は「牝奴隷」と書いて「メドレイ」と読みます。
 メドレー:混合曲、混声歌。
 色々な牝奴隷を調教することでやがて自立の道を歩み始める遼と同様に、紗月もようやく現実的な世界に足を降ろしたのかも知れません。

 純愛系主体
 えちぃシーンは、合計8回。
 シチュエーションは、リビング、放送室、ステージ、旧校舎、遼の部屋x2、トイレ、公園、等々…。
 バリエーションは、手コキ、アナルx3、フェラx4、クンニ、後背位x2、正常位x4、騎上位x2、等々…。
 設定上当然と言えば当然ですが、紗月のえちぃシーンは純愛系主体です。
 ですので、バリエーションは少ないです。
 アイテムを一切使わないのも特徴的です。
 まぁ、事実上の主人公だからと言ってしまえばそれまでですが、ちょっと不公平ですね(^^)

 後ろ髪引かれるスルメボイス
 CVは「榎津まお」さん。
 個人的には「裏入学」以来2回目の登場です。
 「裏入学」では噛めば噛むほど味が出るスルメのような声質と書きましたが、相変わらずの声質で後ろ髪を引かれます。
 この声で「行かないで〜」と言われたらそこから動けなくなる、みたいな(^^)
 もっとも、今回の役柄は通常ボイスでは落ち着いた感じで演技されてましたので、主にえちぃシーンでの堪能となりましたが。
 「人形の館」にも出演されているようなので、そのうちプレイしたいと思います。
 …【↑まだ未プレイ(積みゲ)状態の奴】


<総評>
 一言でいうと「凌辱スライダー」という感じです。
 凌辱ストレートを投げたつもりのボールが、途中で純愛カーブに変化したような作品です。
 プレイする人によって、評価が極端に分かれそうな作品ですね。

 シナリオはあまり期待していなかったものの、結果的にはそれなりにまとまっています。
 エロはSM以外はなんでもありという感じで、かなりのパワーを感じます。
 原画・CGは好みもありますが、個人的には満点に近いです。
 音声も中々良いキャスティング、音楽は毛色が変わりましたが中々のものです。
 システムも堅実で相変わらずの安定感を感じます。
 演出面はちょっと寂しいですね。

 この作品をお薦めするとしたら、ちょっと対象が難しいかも。
 凌辱系であって純愛の匂いも持っている。
 凌辱系が好きな方は純愛は邪魔でしょうし、純愛系が好きな方にはシーンが強烈過ぎます。
 両方OKの方か、えちぃシーンだけ見ればOKという方あたりでしょうか。

 「DREIZEHN」が登場して凌辱系は今後そちらに持っていくのかと思いきや、今回は「TEAM HEARTBEAT」が凌辱系。
 「Berkshire Yorkshire」はどうやら当面お姉さん路線のようなので、次回の「TEAM HEARTBEAT」が何を持ってくるのか楽しみですね。
 今後も注目です。
 …【と言うか「DREIZEHN」はどした?(^^)】


<お気に入りのキャラ>
明日香 慶子 みなと 留美 紗月
シナリオ
性格
音声
萌え
CUP D F C E D
えっちぃ 10
合計 51 44 46 49 49
 と言う事で『明日香』です。


<10点満点での総合評価>
シナリオ アダムとイブ
原画 二重まぶた
CG 最高レベル
キャラ 一通り揃え
音声 好キャスティング
音楽 毛色が変わった
システム 安定稼動
演出 特になし
エロ パワー溢れる
ボリューム 10 総プレイ時間24時間
合計 81
 と、言う事で『8点』とします。

最後に一言:「アダムとイブなら失楽園を迎えるんだけどなぁ…(^_^;)」