群青の空を越えて     (たろんなーどさんのレビュー)   評価: 8 
▼ タイトル 群青の空を越えて 群青の空を越えて 初回版
▼ ブランド light
▼ ジャンル ADV
▼ 対応OS Win98/Me/2000/XP
▼ メディア DVD-ROM
▼ 定価 税込\9,240(税抜\8,800)
▼ 発売日 2005/09/30
▼ 購入 群青の空を越えて 通常版 / オリジナル特典 Getchu.com
【 CG観賞モード 】  あり
【 シーン観賞モード 】  あり
【 BGM観賞モード 】  なし
【 メッセージスキップ 】  あり(未読・既読判別あり)
【 メッセージ履歴機能 】  あり(バックログでの音声再生あり)
【 選択肢リターン機能 】  なし
【 オートモード 】  あり
【 ヒント機能 】  なし
【 セーブ数 】  80個+オートセーブ10個+クイックセーブ10個
【 エンディング数 】  6個
【 ディスクレス起動 】  可

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<あ・ら・す・じ>
 関東が独立国として関西以西と戦うそんな架空の日本、近未来。

 それはたった一つの論文が発端だった。
 一介の学者、萩野憲二が提唱した「円経済圏構想」。
 それは政治・軍事・経済各分野のまとまりをそれぞれ違った大きさの単位で構成する多重的な汎国家的地域構想であり、日本はそれを受け入れ各地方が独立的な行政府として分裂。
 そうして新しい広域の疎結合の単位として生まれ変わるはずの日本は、「円経済圏構想」の提唱者萩野憲二の暗殺、そして関東の旧来の国家としての独立宣言によって混迷の時を迎えることになる。

 独立した関東に対して反発した関西・西日本との間に武装闘争が勃発。
 EUや米国、アラブ世界の思惑と介入もあり、関東と関西は富士川、糸魚川を中心として中立地帯に国連軍をはさんでにらみ合う状態に陥って数年が起っていた。

 萩野憲二の息子である萩野社は関東側に所属し筑波航空学校生徒として飛行予備生徒になり、戦闘機に乗り戦場へと赴くようになる。
 おりしも筑波航空学校で行われる文化祭で、社は友人らとチェーホフの「かもめ」という芝居を行うことになる。

 しかし、海の向こうのアメリカ合衆国では大統領選挙が近づき、それに伴い関東と関西の関係も大きな変化を迎えようとしていた。
 国際情勢は数年間の膠着状態を維持することを許さなかったのだ。


<キャラクター紹介>
水木 若菜(みずき わかな)CV:榊原 ゆい
 筑波航空学校二種予備管制生徒。主人公萩野社のクラスメート。
 航空管制官として航空機への指示を出す為の教育を受けている。
 両親が萩野憲二に心酔しており、その息子の社を快く思っていない。

日下部 加奈子(くさかべ かなこ)CV:阿玖深 音
 筑波航空学校付属校生徒。水木俊治の元クラスメート。
 パイロットで予備生徒だった兄を関東独立闘争で失っている。
 そのせいもあり両親が不仲であり、現在は一人暮らしをしている。

渋沢 美樹(しぶさわ みき)CV:上坂 莉緒
 関東航空部隊筑波先頭航空団一尉。主人公達グリペン乗りの教官。
 かつての自己で視力が弱っており、前線航空管制官をしていた。
 独立闘争の際、恋人日下部諒を戦闘で失っている。

澤村 夕紀(さわむら ゆき)CV:安倍 有紀
 筑波航空学校に取材を申し込んでいるフリーの報道カメラマン。
 前線での経験も多く、戦争そのものに対して賛成はしていない。
 若いながら関西の事情にも詳しく、広いコネを持っている。

萩野 社(はぎの やしろ)CV:小池 竹蔵
 筑波航空学校一種飛行予備生徒。関東独立のきっかけとなった萩野憲二の息子。
 JAS39グリペンという戦闘機を駆り、予備生徒として戦闘に参加することになる。
 父親に対するコンプレックスと義務感から戦闘機パイロットとして志願した。

水木 俊治(みずき としはる)CV:中里 真沙
 筑波航空学校飛行予備生徒。若菜の弟で主人公社と戦闘機乗りとして編隊を組む。
 最年少のパイロットとして選ばれた天才肌で真面目な少年。
 社のコトを尊敬しており、僚機として信頼している。



このホームページはTYPE-MOONより一部文章を抜粋しています。
素材の著作権はTYPE-MOONに帰属します。



システム周り>(ver.1.00)
 修正ファイルがあります。
 グラフィックボード関連による不具合のようで、私のところでは特に不具合などは見受けられませんでした。
 対応グラフィックボードなどは公式HP上にありますので、そちらをご参考ください。

 基本的には選択肢型のAVG。
 システム周りの詳しい情報は上記を参照。
 全体的に少し重めな気もしますが、デザイン自体はすっきりしていて使いやすいですね。
 ボイス周りもキャラ毎のON/OFFをはじめ、男性の声はHシーンだけカットするということも出来、細かいところにも気が配ってあり見事だと思います。

 ただし、シーン回想だけはちょっとフシギなトコロもあり。
 Hシーンだけでなく、キャラ毎のイベント場面も登録されますが、キャラによってはエンディングが登録されなかったり、登録されるシーンの取捨選択が謎です。
 まぁ、Hシーン自体は全部登録されるのでそれほど問題ないと思いますが…。

 それ以外ではlightお約束のanother storyモードが付属しています。
 付属のツールでゲーム内の素材を使ってSSや外伝を作成し、公式HPで公表したり他人の作ったSSや外伝をプレイするというモードです。
 ただ、このゲームって外伝とか作りにくい気もするんですけどね^^;
 まぁ、ゲーム内容に関らず、こういうモードがあるのは面白い試みだと思います。

 ゲーム内容に関してはキャラクター毎のEDをクリアするとトゥルールートが開けるタイプです。
 選択肢数は少なく、キャラ名だったりするので、ゲーム難易度自体は高くはありません。
 少ないながらBADENDもありますが、割合分かりやすいですし、選択後すぐだったりするので、特に詰まることは無く難易度は非常に低いと言えるでしょう。

 ゲームのプレイ時間はボイスを全て聞くと1ルート10〜15時間程度。
 とはいえ、主人公までフルボイス&長尺の台詞が多いのでそのせいでもあり、ゲームボリューム自体はプレイしやすい程度にまとまっているのではないでしょうか。


<音声>
 主人公を含み、男性女性ともフルボイス。
 上記以外に、草柳順子、平井達也、秋山樹、本山美奈、富士爆発、滑川菊太郎、伊藤瞳子、山中荘一、桐生大地、松田美奈、ヘルシー太郎、五反田正人、山川亜弥の各氏が出演されています。
 声優数の多さに比例するように当然ながら端役も含めたフルボイスで、演技の方も全く問題ありません。
 どちらかと言えば自然体な演技が多く不自然さは感じませんでした。
 しかも、キャラクターが演劇をやるその中での台詞、というようなシチュエーションも上手く演技されており、音声のレベルは質量ともに十分過ぎるほどです。

 下にも書いていますが、専門用語や英語、劇の台詞など難しい台詞を感情や演技と言う要素も入れて演じられている声優の方にはプロの魂を感じました。
 キャスティングの方も問題なく合っていて非常に自然に聞くことが出来ました。


<音楽>
 全31曲。内ボーカル曲2曲。
 OP曲「アララト」、ED曲「tell me nursery」(Vo.WHITE-LIPS)どちらもやや静かな曲調ながらゲーム内容には合っていました。
 特にOPは上手くゲームの雰囲気に合っていてとても良かったです。

 BGM自体はオーソドックスですが、ゲームのBGMとしては良い出来だと思います。
 ただし、使用場所が今ひとつというか、ゲーム全体の重さに比べると、やや音が軽いかなと言う印象が受けました。
 BGMが場面を盛り上げる……とまでは言えない気がするのが残念なところ。
 (勿論邪魔もしていませんけどね^^;)


<CG>
 原画は黒鷲氏。
 表情などのつけ方がやや独特です。
 また、表情はいまいち安定しておらず、アングルや絵によっては同じキャラには見えにくいことも。
 とはいえ、ゲーム内容には合っている絵ではないでしょうか。
 立ち絵などもポーズ変化は大きくて良いのですが、特に目の形が表情によって大きく変わるため、今ひとつ安定感無く感じられてしまいます。

 ただ、背景や戦闘機の絵に関しては文句無く細密でレベルが高いですね。
 塗りも細かく、光の加減なども綺麗ですし、世界設定に一役買っています。
 私もとある事情で筑波に、しかもゲームの舞台となった学校のモデルになった大学に行ったことがあるのですが、余りにもきちんと描写されていて、ぱっと見ただけで直ぐにわかりました。
 またコックピット内や航空機の絵なども多く、背景枚数は非常に満足できる数でした。

 CG枚数は差分を含まず84枚。
 差分も用意されていますし、枚数不足は感じませんでした。
 ただし、イベント絵には少しテキストとシチュエーションが違ったりする絵があるのも残念なところ。

 また、戦闘機の発進シーンやミサイル発射シーンなどの一部はポリゴンでムービー化されています。
 綺麗なのは綺麗なのですが、こちらも微妙に装備が文中と違っていたりするのは残念なところ。


<Hシーン>
 各キャラクター1〜3程度。
 基本的には主人公との1対1、ノーマルな合意Hオンリーです。
 変わったところではキャラによってはアナルがあるくらいでしょうか。

 ただし、展開的にはエロゲー的にはやや珍しく、リアリティを重視した展開になっています。
 主人公は基本的に初めてなので、うまくいきませんし、Hシーンでのコンドーム装着率もかなり高いです^^;
 まぁ、そのあたりは好みが分かれるところだとは思いますが、個人的にはエロゲー的ファンタジーよりはなんとなくエロティックな感を受けますし、そうではなくても他のゲームとの差異という意味では非常に高く評価できるのではないでしょうか。
 エロゲーでまで失敗して凹むというシチュを見たくない人も多い気もしますけどね^^;
 とはいってもエロゲーはエロゲー。
 現実とは違いきちんとパイズリとか、現実では出来難いシュチュエーションもありますのでご安心下さい。

 声とシチュエーションはそう言った感じでツボに入れば割合エロさが出ていると思いますが、反面、絵とテキストには余り期待してはいけません
 テキスト描写が少ないので、せっかくのボイスもあまりエロさを感じません。
 また、Hシーンの途中でテキストが主人公視点からヒロイン視点に変わったりするので、そのあたりは好みが分かれるところでしょう。

 個人的には、これはこれで十分良いのではないかと思います。
 しかし、冷静に考えれば今ひとつ…なのかな?
 基本的には、上の描写や表現がツボに入らなければHシーンに関してはお勧めできません。


<感想>
 なんとなく世界設定的にゲーム内での日本の状況が清末〜第二次大戦終了くらいの中国史に似ているなぁと感じました。
 理想と現実、列強の干渉、地方軍閥と統一への動き。
 そんな中で魯迅やアグネス・スメドレーなどの直接的な文献も結構ありますし、ちょっぴりチェックしてみるのも良いかもしれません。
 主人公たちの考え方や思考に感情移入しやすくなるでしょう。
 まぁ、面倒くさいのでそのままプレイ^^;

 と言うわけでそんなフクザツな内戦状態に陥った日本のお話。
 今までの印象から、lightのゲームはいつも長すぎる印象があったのですが、適度なボリュームでプレイしやすくなってます。
 何より内容が個人的には非常にツボでした。
 きちんと「ヒーロー」ではない「兵士の戦い」を描いているのは好感が持てます。
 戦闘機モノって、特にハリウッド映画なんかではそうだと思いますが、主人公などが結局のところ単なるヒーロー、敵は徹底的に悪役ってことが多いと思います。
 しかし、このゲームにおいては戦争の重さもきちんと取り上げられており、主人公もそう言った意味でのアメリカ的ヒーローではありません。
 近代戦をネタにした話で、しかもエロゲーで銃剣突撃なんてのもあります。
 駒として使い捨てられる一兵卒の立場を、しかも学徒兵と言う立場で徹底的に書いているのはAVGとして貴重ではないでしょうか。
 そしてなにより、このゲームを架空戦記モノとして、エロゲーとして説得力を持たせる作品世界内のリアリティが、その立場をより強調します。
 確かに世界設定やシナリオ内容には現実にはありえないフィクションとしての設定、展開があるでしょう。
 個人的には特に学生達が熱烈に支持する「円経済圏理論」にそこまでの魅力があるように思えません。
 しかし、エロゲー内の架空の経済理論にそこまで文句を言っては罰が当たるというもの。
 しかも、提唱者萩野憲二は格段のカリスマを持っていたということになっているので、致命的とも言えません。
 実際、そういった絶対的なムーブメントを持った思想や主張が、客観的に見ればそれほど魅力的ではないことが多々あるというのは、2005年衆議院選挙の郵政民営化でも分かることでしょう。

 しかし、キャラクター描写や口調、さらにはHシーンなどにおいて「エロゲー的虚構」をできる限り廃し、キャラクターレベルでのリアリティを重視することで、プレイヤーにとってかつて通ってきたであろう「学生」という登場人物の立場に説得力が与えられています。
 だからこそ、学徒兵がグリペンという第一線の戦闘機を操縦するという虚構、そして学徒兵が関東政府を支えるという虚構にもゲーム内での説得力を持たせることができているのではないでしょうか。

 ゲーム内において戦争の展開自体は主人公の戦いとはまた別な場所で、アメリカやEUといった超大国のパワーバランスで結末が大きく変化することになります。
 勿論、現実はそれほど簡単かといえばそうではないですが、それでも結局のところ、海の向こうの大統領選挙が戦争の帰趨を決める一番のファクターだったりするあたりは、現代の戦争モノとして、そして戦争をゲームにしたマルチエンディングとしてうまく描写されているなぁ、と思いました。
 そう言った自分の戦いで戦局がどうなるわけではなくても、それぞれに戦う理由があるというキャラクターの想いの強さは世界観とうまくリンクしているのではないでしょうか。

 また、純粋にシナリオとしても非常にまとまっていて完成度は高いです。
 このゲームの登場人物(少なくとも名前と立ち絵を持つレベルの人物)は思想や立場は違っても基本的にみな純粋で理想に生きる夢想家として描かれています。
 しかし、だからこそお互いが間違っている訳でも悪い訳でも無くても、殺し合いをしなくてはならない戦争を描いているあたりは非常に高く評価しても良いでしょう。
 このバランスが戦争、キャラクター、エロゲー的魅力と言う意味ではちょうどいいかと。

 ただ、人によっては割合展開が物足りなく感じるところもあるかもしれません。
 エンディングによってはこのあと、どうなるかわからないと言う終わり方をします。
 それは戦争をネタにしているシナリオとしては必然かもしれませんが、ゲームとしてはバランスを欠くように見えるとも言えます。
 また、シナリオ経過もどちらかといえば戦争よりで、主人公とヒロインが恋人同士になってもそういった描写は少なめです。
 まぁ、そのあたりは、悲しいけど、これって戦争なのよね、と言うことで^^;

 テキストに関しては、ほとんど誤変換などもなかったですし、割合読みやすかったと思います。
 とはいえ、本格ミリタリーと言うコトで、専門用語は多めです。
 戦闘機の交信などは英語に日本語のルビを振る事で解決していますが、出てくる航空機や兵器の説明はあまり無いのでその辺り分かりにくい部分もあるのかな、と。
 ソーティとかAWACSといった辺りの用語は説明無しに出されていますし、旧日本軍の将軍、井上成美や大西瀧次郎を身の処し方の例に出されても分かる方が何人いるのかと……。
 そういった意味で全体に言葉遣いや台詞回しは専門用語が多く、また必要な部分しか説明はされていないので、わかる人にはわかるけど、わからない人にはさっぱりでしょう^^;
 まぁ、雰囲気はつかめるかなとは思います。
 しかも、上で買いたルビに関しては、英語表記の上に漢字で小さくルビを振ったりされているので、モニタによっては字がつぶれて見難いときもあるのではないでしょうか。

 また、このライターの特徴なのか、ゲームの文体に小説らしさを出したい技法なのか、テキスト周りでの特徴として視点が主人公だけに限らず、さまざまなキャラ視点で物語が展開します。
 もちろん、主人公が一学徒兵である以上、戦争全体を見渡すには、また別な視点を入れる必要があります。
 とはいえ、例えば1つのHシーン内でも主人公視点とヒロイン視点が切り替わったりと、割合こまめに視点が変わるので、整理するのは大変です。
 個人的にはそういった主人公以外の心理描写を積み重ねていくことで、上に書いたようなキャラクターとしてのリアリティを構築するのには非常に役立っており、また、説明くさくならずに世界設定のバックボーンや思想について表現されていてよいと思いましたが、主人公に感情移入しにくいのは確かだと思います。

 全体でいえば、エロゲーにおいて本格ミリタリーという意味で、きちんと世界観を構築しているという点はまず評価したいところです。
 そしてその中できちんとキャラクターが生きているという実感もあります。
 ただ、戦争をテーマにしている以上、メインクラスのキャラクターもあっさり死にますし、当然ながら暗くて重い話になっています
 キャラクターによっては微妙にハッピーエンドとは思えない終わり方をすることもあります。
 そういう意味で、エロゲーのシナリオにはどちらかといえば明るさ、笑いを求めている人には余り向かないでしょう。
 また、Hシーンも冷静に考えると質量ともに十分とは言いがたいので、こちらを目当てにするのも正直厳しいです。
 個人的にはエロゲー的ファンタジーとはまた違い、これはこれで十分エロティックだと思いましたが、そう思う人間は多分少数だと思います。

 しかし、こういった重くて暗いシナリオが嫌いでなければ…、そして戦争と言う題材そのものに嫌悪感がなければ、ゲームとしてまとまっており、キャラクターも生きている、読ませるテキストと、先が気になる訴求力は十分にあり、オススメできる作品です。
 ミリタリーネタとはいえ地上戦等だと、戦争の実感と言う意味ではより等身大に描写できると思いますが、流石に暗すぎると思いますし、航空戦というのはそう言った意味でバランスが良いのかもしれません。
 暗くなり過ぎない程度に話を重くし、きちんとミリタリー好き以外も受け入れられるレベルに話をまとめていて好感を持てます。
 個人的にはもう少し暗くてもいいのかな、とも思いましたけど^^;


<10点満点での総合評価>
 8点
 世界設定、キャラ立て、シナリオ展開の調和の取れた良作。
 こういうゲームを許容できるエロゲーというジャンルの懐の深さが私は大好きです。


お気に入りのキャラ:サーブJAS-39グリペン…個人的には現代戦闘機の中でも1,2を争うくらい美しい機体だと思います。
             着陸時に前翼をエアブレーキ代わりに立てるところなんてたまりません!
             まじめに言うと渋沢 美樹^^;
最後に一言:「「航空ファン」とか「ジェーン年鑑」を読んでいる身としては非常にツボでした。
        「エリア88」とか「ファントム無頼」とか好きな方もハマれると思います。」









   カスタム隷奴III     (成りじゃないよ誠だよさんのレビュー)   評価: 7 
▼ タイトル カスタム隷奴III
▼ ブランド KISS
▼ ジャンル EDIT型調教育成シミュレーション
▼ 対応OS Win98/Me/2000/XP
▼ メディア DVD-ROM
▼ 定価 税込\9,240(税抜\8,800)
▼ 発売日 2005/09/22
▼ 購入 オリジナル特典 Getchu.com
【 CG観賞モード 】  あり
【 シーン観賞モード 】  あり
【 BGM観賞モード 】  あり
【 メッセージスキップ 】  あり
【 メッセージ履歴機能 】  あり(音声リピートあり)
【 選択肢リターン機能 】  なし
【 オートモード 】  あり
【 ヒント機能 】  なし
【 セーブ数 】  100個
【 エンディング数 】  3個
【 ディスクレス起動 】  可


<ストーリー>
 主人公は記憶を失い、倒れている所をとある女性に救われた。
 そして女性は献身的に主人公を介抱し、時間の経過とともに二人は惹かれあっていった。
 −そして結婚−
 本来なら幸福なはずの時間は永くは続かなかった。妻が突然、失踪してしまったのだ。
 主人公は警察に相談をするが、手がかりの無さに進展せず、業を煮やした主人公は興信所に妻の捜索を依頼する。
 依頼をしてから2週間が経とうとしていたある日、興信所から連絡が入った。
 捜査報告書に目を通すと、人身売買を生業にしている組織の男達と一緒にいることを知る。
 いてもたってもいられない主人公は妻を救い出す為に行動を開始した…


このホームページはKISSより一部文章を抜粋しています。
素材の著作権はKISSに帰属します。



<購入理由>
 自分好みの体型のキャラを調教できるコンセプトが好きで、期待していた続編なので即効予約して買いました。
 好きなアニメキャラに近づけたり、名前を入れて遊べます^^;


<システム&バグ?>
 修正ファイルが出ています。
 既に初回特典と化してますので、諦めてアップデートしましょう。

 サーチで、出る登録キャラは何体でも追加できます。
 新規作成のキャラと名前が同じなら1体しか登録できないよう、チェックを入れるか。(?)
 登録キャラは別プレイで調教したらCGと回想が、別登録になるので、どのキャラで調教したか探すのが大変です。
 初期登録キャラはCGと回想が共有出来る様にして欲しいです。

 妻はCGも回想も無いので直前セーブで見ています。

 バッドエンドが301日以降なので、毎日終了を押してスキップしても、日付でクリックするまで止まり、起動画面も画面がフラッシュするので、非常に目が疲れます。
 その為、起動画面時は目を閉じています^^;

 またクリックでしかスキップできないので、演出のON・OFFも選べる様にして欲しいです。

 バッドエンドが301日(10ヶ月)以降なのは、プレイ的にみて甘く思います。
 私は初回で192日、最短で77日でした。
 プレイ期間としては半年でもよかったのではと思います。


<感想>
 調教物が好きな人には甘く感じるかもしれませんが、初めての人にも感情移入がしやすく、良作の部類に入ると思います。

 ただ、前作をやった人には物足りなさを感じるかもしれません。
 過激な調教が少ない無いので残念です。

 グラフィックは、前作より一段と綺麗になっています。
 パーツも組み合わせも初めは少ないですが、進めて行けば徐々に増えていきます。
 調教内容は数が減って絞り込んだ様に感じます。

 最初、学生と大人1種類(^^;?)ですが買収を進めていけば、4種類に増えます。

 サーチ機能で登録済みキャラを探せますが、同じ読みでも字体違いで出てくるキャラが変わります。
 キャラも組織貢献度を上げないと選べる数が少ないです。

 今回予約特典の学生用メイド服しかコスチュームプレイが無いので寂しいです。
 その予約約特典のメイド服ですが、調教前に必ず聞いてくるので、調教メニューの開いているところで選べるようにしてもらえれば、学生タイプで毎回選ぶ手間が省けます。
 また大人用も欲しかったです。
 水着跡を選べるのに水着コスチュームがないのも残念です。

 このゲーム、調教回数に制限があるので、1キャラで見れる調教が限られています。
 「このキャラはこの調教」と、決めるいくと良いでしょう。

 “2”比べて自由度が減っているように感じます。
 パターンの組み合わせが多ければ作るのやチェックが大変ですが、自分だけのキャラが作れるのが売りなのもっとこだわって欲しいです。
 ストーリーもあらすじみたいで主人公の経歴よりも、心理描写をもっと分かるよう細やかに書いて欲しかったです。


<評価>
 期待していただけに小さい不満が多く見られ、7点とします。
 4がでればまた買いたいと思うので、我侭な意見かもしれませんが反映して欲しいです。









   Fate/hollow ataraxia     (べるさんのレビュー)   評価: 8 
▼ タイトル Fate/hollow ataraxia(フェイト/ホロウ アタラクシア)
▼ ブランド TYPE-MOON
▼ ジャンル 伝記ヴィジュアルノベル&ファンディスク
▼ 対応OS Win98/Me/2000/XP
▼ メディア DVD-ROM
▼ 定価 税込\7,140(税抜\6,800)
▼ 発売日 2005/10/28
▼ 購入 Fate/hollow ataraxia / オリジナル特典 Getchu.com
【 CG観賞モード 】  あり
【 シーン観賞モード 】  あり
【 BGM観賞モード 】  なし
【 メッセージスキップ 】  あり(未読・既読判別あり)
【 メッセージ履歴機能 】  あり
【 選択肢リターン機能 】  なし
【 オートモード 】  あり
【 ヒント機能 】  あり
【 セーブ数 】  3個
【 エンディング数 】  1個
【 ディスクレス起動 】  不可


<ストーリー>
 聖杯戦争決着から半年後、いなくなったはずのサーヴァント達が再び現界していた。
 矛盾した日々を「不思議と思わない」不可思議な現状。
 繰り返す穏やかな日常と、進行していくもう一つの聖杯戦争。
 再び運命の幕は上がる。
 それは約束の四日間。
 その先にあるものは、虚無か平穏か。


このホームページはTYPE-MOONより一部文章を抜粋しています。
素材の著作権はTYPE-MOONに帰属します。



<購入動機>
 「Fate/stay night」を買っていた者で、「Fate/hollow ataraxia」を買わずにいられる者がいようか?いや、いまい。
 ということで早々に予約しました^^;


<シナリオ>
 前作の「聖杯戦争」から半年後。
 主人公の衛宮士郎が、街にふと立ち現れた正体不明の違和感を感じることから物語はスタートします。
 ここから、サーヴァントたちやクラスメイト、魔術師たちとの交流を経つつ、徐々に明らかになる「もう1つの聖杯戦争」を軸として、「約束の四日間」は展開していきます。


<システム>
 修正ファイルが出ております。

 プレイヤーは与えられた4日間の行動を選択することでストーリーを展開します。
 何度もプレイするうちにフラグが徐々に展開されていき、最終的に話の全体像が明らかになるという手法です。
 このあたりの位置づけはかつての月姫における歌月十夜と似ています。
 しかし今回はそこにもひと工夫が加えられており、ゲームのシャットダウン時には必ず進行状況がセーブされるようになりました。
 かつ、「チケット」(セーブスロットにあたるもの)が3つしかなく、それらがフラグの進行状況を共有してくれないため、必然的に「選択箇所の前でセーブをしてここを繰り返す」といったプレイが実質不可能になりました。
 別の見方をすれば「コレでプレイ時間を延長しているのか?」とも勘繰りたくなりますが、各時間軸における行動はスキップが可能なため、結果的にはあまりプレイ時間にも影響していない気がします。
 そういう意味では、「あくまでシナリオを楽しませたい」という配慮と言えるかもしれません。
 (面倒なのは間違いないですけど^^;)

 このメインのAVGにミニゲーム、オマケ要素などを加えて、このファンディスクは成立しています。


<音楽・音声>
 音楽は秀逸!
 飛ばしすぎず押さえるところはしっかり押さえる、BGMとして申し分のない音楽です。
 雰囲気を盛り上げ、臨場感を高める要素として素晴らしく貢献しています。

 が、他のTYPE-MOON作品の例に漏れず、今回も声はなし。
 せっかくメディアもDVDになったんだから、そろそろ入れてくれてもいいと思うのですが…。


<感想>
 良くも悪くもTYPE-MOONらしさが満載のゲームです。
 日常生活を描くシーンの軽妙さや萌え・燃え要素の散りばめ方、きっちりと練り込まれた設定、シュールな内容のミニゲーム(^^;など、TYPE-MOONの良さはしっかり出ていると思います。
 CG・立ち絵も概ねしっかり描かれており、この点のクオリティも十分だと思います。
 (桜の立ち絵で1つ「眼がおかしいかな」というのがありましたが、気になったのはそのくらいです)

 ただ一方で「まずさ」がゼロかと問われればそうでもないわけで…。
 まず真っ先に思い浮かぶのはエロの薄さでしょう。
 stay nightのときから指摘はされていましたが、本当にエッチシーンは浅薄です。
 このままエロを捨てたりとか、keyみたいなことも…(いっそ潔いとも言えますが^^;)。
 加えて、ボリュームはもうひとつ多くありません。
 フルコンプは20時間もあれば十分可能な感じです。
 値段がもう少し安ければ適正かもしれませんが、これで7140円は若干高い気もしないでもありません。

 それと、これは好みの問題ではあると思いますが、文体はいかにも奈須きのこ氏のテイストが強く、良く言えば客観的、悪く言えば妙に解剖学的なタッチです。
 筆者自身それが好きだからTYPE-MOONの作品も気に入っている訳ですし、否定する気は毛頭ないのですが、シーンによっては若干気になるところもありました。
 この手の文体や表現を気に入らない人は確かにいるかもなぁ、という感じです。
 文才があるのは間違いないですがクセもある…、そんなところでしょうか。


<10点満点での総合評価>
 8点
 9点くらいでも良いのですが、個人的に期待が大きかったので…。
 FDでこの値段が…というコストパフォーマンスを考えるとこの評価に。
 しかし「Fate/stay night」を買われた方は、「買って損なし、むしろ買え」という評価にはなります^^;
 「Fate/stay night」を買ってない人は、「Fate/stay nightを買ってから買え」ともなります。
 社会現象を巻き起こし、アニメにもなる作品ですから、未プレイの方は試しにやってみるもの良いでしょう。


お気に入りのキャラ:ライダー&キャスター…FDになって初めてキャラが生き生きと活きた2人。イイ感じでした^^;
最後に一言:「美少女AVGにおけるエロの位置付けは、もう少し考えたほうがいい気がします。」