夢幻廻廊    (ひびきさんのレビュー)   評価: 7.5 
▼ タイトル 夢幻廻廊
▼ ブランド ブラックサイク
▼ ジャンル ペットライフADV
▼ 対応OS Win98/Me/2000/XP
▼ メディア CD-ROM
▼ 定価 税込\9,240(税抜\8,800)
▼ 発売日 2005/09/16
▼ 購入 オリジナル特典 Getchu.com
【 CG観賞モード 】  あり
【 シーン観賞モード 】  あり
【 BGM観賞モード 】  あり
【 メッセージスキップ 】  あり(未読・既読判別あり)
【 メッセージ履歴機能 】  あり(音声リピートあり)
【 選択肢リターン機能 】  なし
【 オートモード 】  あり
【 ヒント機能 】  なし
【 セーブ数 】  120個
【 エンディング数 】  スタッフロールが流れるエンディングは1個
 その他デンディング1個・終焉シーンは10個
【 ディスクレス起動 】  可

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<ストーリー>
 ―――― とある、館の物語 ―――――
 目を覚ますと、そこは時代がかった大きなお屋敷の一室。
 何故か自分の名前も、何故ここにいるのかも思い出せない。
 「――――― そう、名前も無いのね」
 黒の喪服のようなドレスを着た一人の見目麗しき妖艶な婦人の姿があった。
 その深い暗黒色は、夜光虫が漂う深海の様でもあり、見つめていると盲目の深海魚のようになって、
 なすすべなく水底へ引きずり込まれてしまいそうな…
 「妾(わらわ)が、あなたを拾ったの」
 夫人の言葉を聞いて少年の瞳から唐突に涙が溢れ出した。
 少年には身寄りが無かった。
 身寄りだけではない、彼には何も無かった。
 この世で唯一、孤独だった。
 「ぼくを…ここに置いてください」
 気づけば少年は涙を流しながら婦人に懇願していた。
 婦人は代わらぬ微笑を浮かべながら言った。
 「あなたが望むのなら、‘かとる’として屋敷に置いてあげましょう」

 そして少年は体験する。

 屋敷の中で起こる様々な悦楽を。
 初めて味わう、存在の肯定を。
 虐げられる快楽を。
 生の悦びを…


<キャラクター紹介>
九条環(くじょうたまき/CV:海原エレナ)
 館に住む娘たちの母であり、九条家の主。
 常に笑みを絶やさない温和な性格で、その外見は非常に美しく、人外ともいえる気品と空気をその身にまとっている。
 主人公に対して、娘たちとの奇妙な行為を強要するが、その真意は計り知れない。

九条薫子(くじょうかおるこ/CV:金田めい)
 九条家4姉妹の長女。
 病弱で普段から床に臥せっていることが多い。
 その生活環境がゆえに、外界を知らず、世間知らず。
 様々な面で異常スレスレともとれる行為を見せるが、本人は無自覚で、常にのほほんとした天然さを振りまいている。

九条麗華(くじょうれいか/CV:みすみ)
 九条家4姉妹の次女。
 快活で男勝り、武道の心得もある凛々しい少女。
 ただし、怒りっぽくヒステリー。
 主人公に対しては、当初から高圧的な態度と行動で接し、彼を恐怖に落とし入れる。

九条祐美子(くじょうゆみこ/CV:まりもりん)
 九条家4姉妹の三女。
 姉妹の仲では最も美しく、常識的であり、明るく、落ち着きのある可憐な少女。
 普段から、病弱な長女に代わり、飼っているペットの世話をしたりしている。
 余所者である主人公に対しても最初から分け隔て無く優しく接してくれるのだが ――

九条奈菜香(くじょうななか/CV:ひかり)
 九条家4姉妹の四女。
 天真爛漫で明るく能天気。
 ワガママでいたずらっ子でもある。
 見た目も精神も、実年齢異常に幼く見えるが、その実、同年代よりも様々な面で知識や見識がある。
 その無邪気さから、残酷なことをすることもしばしば。(…というかフルタイム残酷^^;)

志乃(しの/CV:柴田蕗)
 九条家に仕えるメイド。
 気弱な眼鏡ッ娘であり、絵に描いたような不幸娘。巨乳。
 要領が悪く、ドジで、いつも「次にドジをしたら、家畜として扱う」と脅されている。
 似た立場にいる主人公に対して同情を示し始めるが、その一方で、時折本性らしき異常さの片鱗を見せることも。

麻耶(まや/CV:阿倉優)
 九条家に仕えているメイド。
 非常に機械的且つ冷静で、主人公に対しては教育係的存在。
 その素性には何やら隠された秘密があるらしく、そのことに触れられる際、彼女の態度は一変する。

たろ(CV:森藍子)
 記憶喪失状態で路頭に迷い、孤独感と虚無感に苛まされる、本編の主人公。
 九条家で働く際、環によって‘たろ’と名づけられた。
 この世界で行き着く先に彼が見出すものとは…。


このホームページはブラックサイクより一部文章を抜粋しています。
素材の著作権はブラックサイクに帰属します。



<ゲームの概要・最初に>
 主人公の視点でテキストが進む、謎に満ちたゲーム。
 主人公は1日に1回、‘いっぷ’と呼ばれる様々な儀式を強要されます。
 何度も何度も‘いっぷ’をされるうちに、一つの終焉を迎えますが、この世界は何度も何度も「繰り返します」。
 一つの結末を見るたびに、そしてまた始めるその度に、少しずつ「変化」していきます。
 ある者は壊れ、そしてある者は目覚め…。

 主人公の視点でテキストが進むので、そこには主人公の気弱な性格が滲み出ています。
 「これじゃあ主人公も調教されるよな」
 「こんなに主人公も堕ちてきたわけだ」
 と感じることができます。
 また、主人公が感じた疑問や謎は、そのままプレイヤーの疑問となるようなテキストになっています。
 この辺は非常に優秀なテキストですが、「不条理なゲームだな」と感じてしまうかもしれません。
 そのように感じるプレイヤーもいれば、「この謎はどんな風に解き明かされるんだ!?早く続きを読みたい!」と感じるプレイヤーもいることでしょう。
 …私は後者でしたけど^^;


<購入理由>
 原画を担当している椎咲雛樹氏のCGが大好きなので^^;
 過去のcycの作品も気に入っています。


<システム補足>
 インストール形態はフルインストールのみで、約602MB必要です。
 一度インストールしたら、次からはCDを挿入しなくてもOKです。
 シーン、CG、音楽鑑賞等、一般に必要なものは標準装備。
 他に、「闇の声異聞録」、「ゴア・スクリーミングショウ」のPR映像もインストールされます。

 初回特典として、ネタバレ資料館やウィンドウズシステムボイス等が入ったCD-ROMがついています。
 他に、未収録曲も入ったオリジナルサウンドトラックCDが特典としてつく場合もあります。


<音楽・音声>
 主人公を含めて登場人物全員フルボイスです。
 特筆すべきは海原エレナさん。
 妖艶な熟女を、実に艶っぽく、そして謎めいた風に演じています。
 主人公にも声があるのですが、幼く気弱な性格が非常に上手に出ています。

 オープニングとエンディングには、歌入りの主題歌が挿入されています。
 使われている曲は、全部で18曲です。
 こちらはあまり印象に残らず。


<原画・CGなど>
 原画は 椎咲雛樹さん。
 Nailや過去のcycの作品で原画を担当なさっている方です。
 萌えるCGもありますが、それは後々出てくる狂気じみたキャラとのギャップを引き立たせる為に使っているものだとも思えます。

 主人公ですが、女の子のような外見で気弱な感じが、CGからも伝わってきます。
 誰でも思いますよね、「このカワイイ犬耳をつけたメイド服の瞳が大きい子が主人公(男)?」って^^;

 主人公が抱きしめられているCGとか、ロリッ娘とプロレスごっこしているCGとか、エッチシーン以外のCGが多かったのは嬉しかったです^^;

 狂気じみた本作ですが、安心していいのか分かりませんが、あまりにエグい場面にはCGがありませんでした。


<エッチシーン等>
 和姦はありますが、数える程度。
 そのほとんどは、主人公やメイドが虐げられたり、殴られたり、苦痛を与えられたりするものです。
 鞭攻めなんかは日常茶飯事で標準装備!
 強制的にクンニさせられたかと思えば小便を引っ掛けられるし、エスカレートすると腕を折られたり…。
 とにかく、痛ぶられ、虐げられ、殴られ、人間としての尊厳をこれでもか、というほど奪われる事にストーリーが費やされております。
 エッチシーンも例外ではありません。
 「エロい」と感じるよりも、よくもここまで凄惨な描写をしたものだなぁと、感服させられる場面の方が多かったです。

 ちなみに淫語ですが、放送禁止用語にはピー音が入りますが、0.5文字分くらいにピー音がかぶさっている、といった感じです。

 また、本作の登場人物のほとんどは「お嬢様」なので、「おまんこ」「おちんぽ」の代わりに、「お性器」「おペニス」「お精子」等の言葉が出てきました。
 お嬢様の感じは出ていますが、ちょっと笑えます^^;


<感想>
 主人公‘たろ’が、「人間としての尊厳を奪われ、家畜として精神を調教されていく」事を事細かに描写されているのが、本編のゲームです。
 外界から遮断された「九条家というお屋敷」で常識外の出来事を体験する主人公。
 九条家から脱出して‘たろ’が日常に戻る場面もありますが、そんなのは一時のこと。
 日常に戻った‘たろ’は、ちょっとした拍子にまた記憶喪失になり、九条家に拾われ、また同じ調教を受けることになります。

 …‘たろ’が同じ調教を受ける際に、記憶が消えているからといっても、体や本能は、受けた調教のことを覚えています。
 その為、少しずつ少しずつ、人間の誇りを失っていきます
 そしてまた九条家から脱出しますが、‘たろ’は、
 「お屋敷の外の人間は、ボクには構ってくれなくて寂しい。でも、お屋敷のお嬢様たちはボクを虐めてくださった」
 と、虐げられることで自分の存在を認識できる⇒虐げられることの日常を進んで欲するようになる⇒お屋敷から脱出しても自ら戻ってくる⇒記憶喪失⇒調教を受け、肉体や魂が家畜として堕ちていく…というプロセスを辿ります。

 …さて、
 長女薫子 …病弱。一般常識に欠け、世間知らずで天然系。
 次女麗華 …気性が荒々しく、すぐに鞭等を使って暴力を振るう男勝り。
 三女祐美子…最初は主人公に対して優しく、気品がある。
 四女奈菜香…無邪気故に残酷なことも無邪気にこなしてしまう女の子。

 誰が一番怖そうに思いますか?
 …この質問に対して、迷い無く「次女は選択肢から外れるな」と思った方は、狂気ゲームをプレイ慣れしている方だと思います^^;

 というわけで、キャラ別感想…。
 次女麗華
 最初から主人公を忌み嫌い、「汚い」「ケダモノ」と罵り、何かというと主人公を縄で吊るし上げ、鞭で殴る少女。
 ペニスバンドで犯してみたり、主人公の腕の骨を折ったり、尿道カテーテル突っ込んだり…
 肉体的な苦痛を与えるという意味ではエキスパートな少女。
 ただし、自分の根本的な考えでは、そのような調教を好きでやっているわけではなさそうです。

 四女奈菜香
 子供扱いされるのが大嫌いなロリッ娘。
 ‘たろ’とゲームをしたり、プロレスごっこをしたり、楽しく主人公と接します。
 性には興味津々なお年頃で、積極的に‘たろ’のペニスを見たり触ったりします。
 だが、少々知識に乏しく、‘たろ’にキャメルクラッチをかけながら自分の股間を‘たろ’に擦りながらオナニーするとか、たろ’に電気アンマーをかけてもらってイッちゃうとか、少々ズレている感のするお嬢様。
 ただ、一度怒ると、メイドの乳首に針を刺した上に辛子を塗りたくる…といった荒業も。

 三女祐美子
 ヴァイオリンの心得がある、優雅で美しく気品のあるお嬢様。
 ‘たろ’と一緒に散歩したり、‘たろ’を優しく抱きしめてくれたり、‘たろ’への気配りも忘れず、一見家族として接してくれます。
 ただし、家族として接する、ということは「犬や猫を可愛がるかのような感覚で主人公と接する」ということ。
 「‘たろ’、ご飯抜きになっちゃったの?かわいそうね…。そうだ、あたしがご馳走を作ってあげる。誰にも言っちゃダメよ?」
 と極上の笑みと共に気を利かせてくれるわけです。
 お腹を空かせた主人公の期待が「良かった!お嬢様の手料理が食べられるかも!」
 と最高潮に高まったところで祐美子お嬢様が持ってきてくれたものとは、犬の餌皿に大量に盛られた生ゴミ。
 …しかもこの生ゴミを描写するテキストとCGがエグ!
 「腐臭漂う生ゴミには、よく見ると蛆がたかっています!それに今ゴキブリが走っていきました…。
  祐美子お嬢様はこれをボクに食べろというんです」
 満面の笑みで腐った生ゴミを差し出す祐美子お嬢様…。
 生ゴミの中には、使用後のコンドームまで入っているのがイヤ過ぎます。
 「ごめんね、’たろ’。探したんだけど、ドッグフードも残飯も無かったのよ。
  あとは人間用の食べ物しかなかったから、これで我慢してね」
 …このような台詞に、「悪気は全く無いが‘たろ’を心の底から家畜として見ている」節々が見えます。
 「‘たろ’は汚らわしくありません!家に上がるときはちゃんと足を拭いていますし、
 それに触った後はちゃんと手を洗えばいいだけじゃないですか!」
 この台詞にはかなりダメージを受けましたね。
 最初の方に「お嬢様」としての祐美子がたっぷり描写されていただけに、これはキツかったです…。

 長女薫子
 一見病弱で世間知らずの、薄幸の美少女。
 自分の裸を見られても平然としている、無知さ。
 料理をすれば、包丁を持っている方の手を怪我することができるという、お嬢様特有の不器用さを標準装備^^;

 ‘たろ’とは仲良くなりたい、と心の底から思っています。
 ただし、嫉妬心と独占欲が異常な程に強く、最初は甘いクッキーなどを‘たろ’に食べさせてくれたりと、普通に接していますが、‘たろ’がトイレに行くときでさえも着いてきて、じっと鑑賞するあたりから「?」感覚が頭をもたげてきます。

 ‘たろ’がメイドと仲良くしようものなら、たちまち激怒。
 性感帯をおかしくさせる薬物を笑顔のまま無邪気に乱用。
 生理の秘部を舐めさせ、更には何日も履いたままの靴下を舐めさせる始末。
 「私だけを想って…その靴下の匂いを嗅ぎながら、お射精して…
 私の靴下の匂い無しでは お射精できなくなるような体にさせてあげますわ。
 他の女の方といるときも、私の靴下の匂いを嗅ぎながらお射精するのですよ…
 毎晩寝る前には私の靴下を舐めながら私を想ってお射精してから寝るんですのよ…よろしくて?」と…。
 …麗華が肉体を痛ぶる調教なら、薫子は精神をこれでもか、というくらい痛めつける調教を施します。
 テキストの描写はかなり秀逸だと想いました。

 …というふうな感じの調教を受け続け、精神、魂までも家畜と成り下がっていく主人公
 最後には、「お前は、男として見られていないんだぞ!それどころか人間としても見られていない!
 家畜同然の扱いを受けて平気なのか!」
 と麗華に言われても、
 「変なお嬢様。ボクはヒト科の家畜類なんだからそんなことは当たり前じゃない。
 家畜のボクに対してそんな気遣いをするなんてバカなお嬢様だなぁ」
 とさえ思ってしまう程、徹底的に家畜にされます。
 主人公の堕ちていく過程や、お嬢様たちの秘めたる狂気、外界から遮断されたお屋敷の謎をとても秀逸に表しているゲームと思います。

 ただし、主人公や各キャラの背景など、謎や描写されていない場面もしばしば出てきます。
 こういったことに対して、感覚的に受け入れられる方は大丈夫でしょうけど、「え、この場面の描写はないの?」と理屈で捉えようとする方には、少々納得がいかないかも…。
 外伝や追加シナリオ、ファンディスクが出てもおかしくないようなストーリーでした。
 賞賛の声が多ければ、「MinDeaD BlooD」や「闇の声」みたいに続編が発売される…のかな?^^;


<10点満点での総合評価>
 7.5点
 狂った屋敷、雰囲気が非常に良く表されていると思いました。
 狂気や残虐さでは、レベルが高いゲームではないのでしょうか。
 ただし、Nailで椎咲雛樹さんの絵を知った方がそれと同じ期待感で購入すると、とんでもない事になります^^;


お気に入りのキャラ:薫子…狂気に満ち満ちたゲームにぴったりのキャラクターだったと思います。
最後に一言:「狂った世界をどうぞ♪」









   痴漢者トーマスII     (ひびきさんのレビュー)   評価: 6.5 
▼ タイトル 痴漢者トーマスII 痴漢者トーマスII
▼ ブランド ザウス【吟醸】
▼ ジャンル 魂を揺さぶる痴漢道アドベンチャー
▼ 対応OS Win98/Me/2000/XP
▼ メディア CD-ROM
▼ 定価 税込\9,240(税抜\8,800)
▼ 発売日 2005/09/02
▼ 購入 オリジナル特典 Getchu.com
【 CG観賞モード 】  あり
【 シーン観賞モード 】  あり(エンディング回想もあり)
【 BGM観賞モード 】  あり
【 メッセージスキップ 】  あり(未読・既読判別あり)
【 メッセージ履歴機能 】  あり(音声リピートあり)
【 選択肢リターン機能 】  なし
【 オートモード 】  あり
【 ヒント機能 】  なし
【 セーブ数 】  50個
【 エンディング数 】  1個
【 ディスクレス起動 】  不可

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<ストーリー>
 燃えろ魂!唸れよ拳!極めろ究極の痴漢奥義!
 熱き男のロマンが蘇る!

 アメリカ西部、荒涼たる砂漠にかつて、一人の漢(おとこ)が立っていた。
 漢の名は闘馬筋雄(とうま・すじお)。
 己の生きる道をカウボーイと見定めていた筋雄だったが、ビザ失効後の不在滞在が発覚し、あえなく日本へと強制送還されてしまう。
 カウボーイの道を閉ざされ、途方にくれて町を彷徨う毎日…。
 ある日、電車で痴漢を目撃した筋雄は、それを止めようとして逆に痴漢と間違われてしまう。
 あわや逮捕かと思われた刹那、筋雄を救った漢こそ先代トーマスであった。
 先代から「痴漢道」を説かれた筋雄は、その熱い想いに共感。
 カウボーイとして牛を追うのではなく、女たちを追う「痴漢道」に邁進することを固く心に誓うのだ。
 そしてここに、二代目トーマスが誕生する!!


<キャラクター紹介>
猪熊明日香(いのくまあすか/CV:安玖深音)
 姉御肌だが、内面は傷つきやすいところがあり、泣き虫で寂しがりやな一面も。
 お化けなどの怪奇現象が苦手。
 本人に自覚は無いがマゾ。

新宮司かぐや(しんぐうじかぐや/CV:蓮香)
 普段は物静かで典型的な大和撫子。
 ただし負けず嫌いで正義感抜群の性格。

妻木志小百合(つまきしさゆり/CV:かわしまりの)
 オットリ、のんびり、天然系人妻。
 熟れきった肉体をもてあまし気味。

妻木志姫乃(つまきしひめの/CV:榎津まお)
 シッカリ者少女で、小百合の娘。
 小百合と正反対の性格で、沈着冷静。
 が、子ども扱いされるのを極端に嫌う。
 なので、「これはオトナの行為なんだよ」と主人公に説得されてオトナの階段を上って行くハメに^^;

カナ(CV:吉川華生)
 ネコ耳をつけた不思議少女。
 実は宇宙から来た少女で、「感情」等を学習中

尾積知菜(おずみちな/CV:成瀬未亜)
 応援団長を務める、楽天家な女子学生。
 いつも元気で、好奇心旺盛で無邪気な性格。
 アタマはあまり良くないほう。
 学ランを着て、カッコいいものに憧れ、自分もカッコ良くなろうとすればするほど可愛くなってしまっている、ある意味天然系女子学生^^;

氷堂美琴(ひょうどうみこと/CV:金田まひる)
 戦隊モノに憧れて育ち、弱きを助け強気を憎む、正義感溢れる女性。
 強そうに見えるが、実はメチャメチャ弱い。
 正義を守るためなら、身体を許すことも…?

志摩鳥穂乃香(しまとりほのか/CV:西田こむぎ)
 明るく温和で奥手な女子学生、口癖は「あの〜」「あのあの〜」。


このホームページはザウス【吟醸】より一部文章を抜粋しています。
素材の著作権はザウス【吟醸】に帰属します。



注意
 注:モレスト<Molest>‐〔遠まわしに〕(女性・子供に)性的な乱暴〔いたずら〕をする。
   モレスター<Molester> - 痴漢をする者。

 以上の事を踏まえて読んで頂けるとスムーズに分かると思います。


<購入動機>
 某18禁ゲーム会社WEBラジオのCMに影響され、買いました。
 おバカなノリに期待して^^;


<ゲームの概要>
 「痴漢ゲーム」と名はうっていても、その題名を見て分かるとおり、このゲームはシリアスなんてもののカケラもない「ギャグ・サクセスストーリー」です。
 「痴漢ゲーム」というよりも「特撮戦隊モノ」をパロったネタや空気を随所に散りばめた、魂揺さぶる熱い痴漢道ゲームです。
 …以上、褒め言葉でした(本当)

 前作にあった、マップ移動やゲーム性は無くなっていますが、テンポ良いゲームに仕上がっていると思います。
 まぁ、前作はSLG、今作はADVですからねヽ(´∇`)/


<システム補足>
 インストール形態はフルインストールのみで、約770MB必要です。
 一度インストールしても、ゲーム起動時にはCDを挿入しなくてはなりません。

 また、Disk2には、資料集「万寿夫の部屋」が付属されています。
 壁紙や必殺技&アイテム資料集+ザウスのインターネット配信ラジオ「それいけ!トーマス(仮)」の第1〜13回+万寿夫の部屋限定版 があります。
 結構お得です♪


<音楽・音声>
 ♪モレスタアァァー! トォオオオーマァアアース!!!!!!
 Break out! Break out! Break out!
 邪魔する奴はガンガガ〜ン!
 フルパワー エレクショ〜ン♪
 (間奏)
 Victory! 与えるより奪うモノ〜
 Fighter! 迷いの性燃やし尽くせ〜
 Target! Rock on!
 L・O・V・E モレスター♪

 …いくら書いても飽きないですが、この辺にしておきます^^;
 これが本ゲーム主題歌「それ行け!トーマス」の歌詞であります。
 見ての通り、とても熱い歌に仕上がっており、そのまま特撮戦隊番組の主題歌になっても違和感無く受け入れられてしまうんじゃないか、と思ってしまう歌です。

 ずっとアタマの中に残ってしまう歌詞。
 アツいリズム。
 それらが全て合わさると、何故かギャグに感じてしまうのですから不思議です^^;
 しかもこの歌が、3番まであるという念入様。
 18禁ゲームで、まさか男性声優さんのヴォーカルで感銘を受ける歌があったとは…。
 良い歌です(o゜▽゜)o

 主人公以外はフルボイス。
 今回は万寿夫もフルボイスです^^;
 出演は今をトキメクBL声優(違)一条和矢さん!
 有名な声優さんが多く、安心して聴けるのではないでしょうか。
 また、本作には様々な男性キャラも登場し、皆個性豊か…というかここまで個性をつけすぎると、逆に悪ノリが過ぎると言えなくも無いくらい個性が強いです^^;
 オカマのマッサージ師やら怪しい漢方役店長や、死神のような風体のブルセラショップ店長。

 だがしか〜し!
 それらを全て薄く感じさせてしまう者。
 それほどまでに強烈なインパクトを持っている者。
 それが、一条和矢さん演じる先代トーマス!
 そして、二代目トーマス事闘馬筋雄!
 「痴漢者とは、日々己の技術に磨きをかけ、鍛錬を怠らず、戦場に立てば全力で女に当たる者!
  そんな痴漢者に、痴漢道という修羅の道を突き進む者に、お前のような中身が無い男が勝てるものか!」

 どうです、この強烈なまでにおバカインパクトのある台詞は^^;
 このようなストーリー、空気を支えるには先代トーマスのキャラの声は必要でありましょう。

 ちなみに、一人一人のキャラごとに、声のon/off機能がついています。
 が、是非先代トーマスの声はon にしておきましょう^^;


<原画・CGなど>
 原画は みかみたかしさん、小山まりもさん。
 淡い色使いが目立ち、上手な絵だと思います。
 ノーブラの服越しに乳首が立っている絵など、良いですね。
 胸は大きいですけど、ロリテイストな顔立ちが目立つCGだったと思います。


<エッチシーン>
 子供の頃と、大人の頃では特撮戦隊番組を見る目も違ってきます。
 その最たるシーンの一つとして、お色気シーンが上げられます。

 わざわざ戦場でスカートを履き、ハイキックをするお姉さん。
 コスプレイヤーと見紛う程の派手&露出の敵女幹部の衣装。
 囚われとなり磔にされるピンク戦士。
 ゴールデンタイム等で放送される、お子様も注目している番組では、残念ながら、ウフフなシーンはここまで。
 我々の妄想は中途半端な状態で寸止めを食らっていた訳です。

 だがしか〜し!
 18禁ゲーム製作会社は分かっていました。
 そのようなピンクファイブに天誅を下したのです。
 具体的に言うと、ピンクの全身スーツ&ゴーグルに身を固めた変身ヒロインをヤッちゃう事ができるのです。

 というわけで、エッチシーンにおいて、コスプレ度は高め。
 体操服、学ラン、メイドの様なウェイトレス姿、スク水、ネコ耳、とそれだけ見たら痴漢ゲームだとは到底思えないシチュばかり。
 ついでに車内で全裸で本番まで済ませてしまうわけですが、痴漢「ゲーム」に今更ツッコムのは野暮ですね^^;

 と言っても、エロ度は結構高いのです。
 女性器を弄る音、合体時に動く際の「ぴちゃぴちゃ、ぐちゃぐちゃ」という音が装備されていて、これが結構エロいエロい。
 尺も短くなく、1ヒロインに3〜5のエッチシーンがありますから、分量も丁度良いかと。

 放送禁止用語の淫語については、出現頻度はあまり高くはありません。
 消しは、0.5文字くらいがピー音で消されるくらいです。
 また、エッチ中に、「中出し」「外出し」を問われますが、これは事前にコンフィグ画面にて、「常に中出しを選択」「常に外出しを選択」という項目もあります。

 ただし、抜きゲーになるか、と問われると「そうでもない」と言わざるを得ません。
 エッチシーンで女の子をイカせる時に、「必殺技」を叫ぶのですが、その時に画面一杯に主人公の劇画っぽい顔がドドーンと大写しになるのです。
 そして、必殺技を使用するときのお約束、これでもかという絶叫。
 「モレスターパワーマックス!諸行は無常!煩悩即解脱!いけ! モレスターノヴァ!」
 …正直、抜きゲーとしては萎えます(´・ω・`)


<感想>
 コミカルに始まり、そのままパロディやネタを撒き散らし、一本道のコミカルストーリーがドンドン突き進みます。
 まぁ、前述の通り、痴漢を疑似体験するゲームというよりも、痴漢という「道」を極めんとするADVという感じです。
 一本道なので、ゲーム性は薄いです。
 途中にミニゲームが入りますが、これによりストーリーが分岐することも無いですし、痴漢する相手を選べる訳でもないですから、悪く言えば、単なる一本道ADVにミニゲームが付属した、という感じです。
 それだけにエッチシーンはお手軽に楽しめるのが利点ですが、そのエッチシーンに、北斗の拳と見紛う程の劇画筋雄が力一杯「必殺技」の名称を咆哮する訳ですから、「使用」するにもちょっと躊躇してしまいます。

 このゲームは「痴漢ADV」ではなく「痴漢道ADV」な訳です。
 という訳で、このゲームに求めるモノは、やはりコミカル路線の戦隊モノパロディストーリーなのではないでしょうか。
 随所に、「お前には男としての勇気、優しさ、力、そして何よりも!魂が足りない!」
 「痴漢戦隊! モレストファイブ!」
 「そんなものか! お前の正義を見せてみろ!」
 などという、やたらアツい台詞や雰囲気が流れますが、それが度を越してコミカルに感じてしまう訳です。
 そういった空気が好きな方には面白いと思います。


<10点満点での総合評価>
 6.5点
 エッチシーンも悪くは無いのですけど、やっぱり「エロ」よりも「喜劇」という方が近いです。
 特撮戦隊好きな方には、+0.5点で^^;
 WEBラジオが付いてきたのは嬉しかったです。


お気に入りのキャラ:妻木志小百合…天然系人妻は隙です^^;
最後に一言:「次回作は、筋雄もフルボイスになる…かな?」