着せかえ フェティッシュ! (りっちさんのレビュー) | 評価: 8 |
▼ タイトル | 着せかえ フェティッシュ! | ||
▼ ブランド | EXA feat.戯画 | ||
▼ ジャンル | 着せかえコスプレADV | ||
▼ 対応OS | Win98/Me/2000/XP | ||
▼ メディア | CD-ROM | ||
▼ 定価 | 税込\9,240(税抜\8,800) | ||
▼ 発売日 | 2005/09/09 | ||
▼ 購入 | 着せかえフェティッシュ! / オリジナル特典 Getchu.com | ||
【 CG観賞モード 】 | あり | ||
【 シーン観賞モード 】 | あり | ||
【 BGM観賞モード 】 | あり | ||
【 メッセージスキップ 】 | あり(未読・既読判別あり) | ||
【 メッセージ履歴機能 】 | あり(音声リピートあり) | ||
【 選択肢リターン機能 】 | あり | ||
【 オートモード 】 | あり | ||
【 ヒント機能 】 | なし | ||
【 セーブ数 】 | 99個+選択肢オートセーブ10個 | ||
【 エンディング数 】 | 7個 | ||
【 ディスクレス起動 】 | 可 |
<ストーリー>
舞台は近未来、少子化の進む日本。
学生の確保、およびそれに伴う金銭的問題から、学校運営が困難となってきていた時代。
全国的に多くの学校が廃校、合併を迎えていく中、元々普通科のそれに比べて遥かに人数の少なかった、専門的な職種の人材育成を目的とする各学校は、より早い段階で深刻な事態を迎えることとなっていた。
その結果、これまで一つの種別ごとに作られていた学校の多くが施設の共有化を推し進めた、複合型養成学校へと形を変えていったのである。
岡本悠樹(おかもとゆうき)の通う私立陽琳学園は、そんな複合型養成学校のひとつ。
学生達は平時から当たり前に様々な専門職の衣装を着こなし、日々の生活を送っている。
幼馴染はメイドさん。クラスメイトは巫女にシスター。ナースな先輩にウエイトレスな後輩…etc。
そんな、若干特殊な空間の中で、けれど、至って自然に繰り広げられる青春劇。
どこか普通じゃない…だけどとても普通な学園モノ!
<キャラクター>
正統派やさぐれ幼馴染:松浦蜜柑(まつうら みかん)CV:戸沼 ゆず
家政科所属の一年生。主人公の幼馴染み。
学科用コスチュームはメイド服。これがなかなか可愛いデザインなので、その辺でも人気がある。
しかし、メイドさんなのに全然貞淑じゃなく、給仕用のステンレス製トレーで主人公をボコボコにしている。
学業成績は優秀で、進学コースの筈の普通科の生徒等を抑え、学年上位にするりと滑り込んでいる。
はぐれ巫女純情派:峯石秋(みねいし あき)CV:こむら 菜々
学園の二年生。神道科所属。学科用コスチュームは巫女服。
性格は生真面目で堅物なのだが、甘味が好物で割とよく釣られるので実は扱いやすい。
男の子にあまり免疫がなく、軽度のあがり症。
反面、何故か女の子にはよくもてる。本人はその気はないのだが、女好きするオーラを発散しているらしい。
ちなみに宗旨が全く異なるというのに美作とは仲がいい。腐れ縁らしい。
貧乳ナースな先輩さん:吉祥すずな(きっしょう すずな)CV:神村 ひな
学園の三年生。看護科所属。学科服は当然ナース服。
寡黙で無口。あまり喋らない。口より目で物を言うタイプ。
学業は優秀でナース適正は高いが、無口で寡黙な性格がナースへの道を険しくしている。
性格が全然異なる双子の妹(芹)がいる。
担任のせんせい:稲葉範子(いなば のりこ)CV:夏海 萌
主人公のクラス担任の女教師。
大人の色気を漂わせつつも、子供っぽいところもあったりなんかするお姉さん。
担当教科は現国だが、漢字が苦手であるらしく、時々すごい誤字を編み出す。
天然シスター:美作エリナ(みまさか えりな)CV:蓮香
本名、エリツィナ・アルカーチエヴナ・美作。ロシア系ハーフ。
ハーフだが海外生活が長かったので日本語が片言。
言葉遣いがあやしい癖に変なことをよく知っている。
ちなみに宗旨は全く違うのに秋に懐いている。腐れ縁らしい。
妹系ウエイトレス:桜七深(さくら ななみ)CV:ミル
家政科(家政B)所属の一年生。学科服はウェイトレス服。
得意科目は美術で、絵を描くのが得意。反面、運動神経が切れてるので体育は全般に苦手。
特に水泳には幾つもトラウマを持っている。
いつもにこにこしていて人当たりがよく、皆に好かれる明るい妹タイプ。
正統派いたずら好きお姉さん:松浦紫暮(まつうら しぐれ)CV:さやか ゆい
蜜柑の姉で、悠樹の幼馴染。別の学校に通っている三年生。
偏屈な妹とは正反対に明るくて包容力のあるタイプだが、悪戯好き。
ちなみに悠樹は昔、彼女に告白して振られた過去があったりする。
なのになんで仲良くしてるの?というと、そこら辺には深ーい事情があるのでありました。
不良音楽教師放課後個人レッスン:与座撫子(よざ なでしこ)CV:羽音 摩美
名前とは裏腹に、かなりしとやかさとかけ離れたところにいる不良女教師。
美人だしスタイルも結構良いのに、言動が男じみているためあまり色気を感じないという勿体無い人。
学園一の酒豪と自称しているが、かなりお酒には弱い。癖に飲むのが好き。
双子の、破壊的な方:吉祥芹(きっしょう せり)CV:山本 華
すずなの双子の妹。学科は家政B。空手黒帯。
普段は髪型を変えているが、長さはすずなと同じくらいなので、お互いがお互いの真似をはじめると本当に区別がつかなくなる。
身長などのデータは、すずなとほとんど同じだが、ほんの僅かだけ芹の方が胸が小さいらしく、コンプレックスを感じている。
ふくいいんちょ:新宮もみじ(あらみや もみじ)CV:本田 みか
クラスの副委員長。生徒会役員もしている。悠樹と同様に、数少ない普通科の生徒。
潔癖症で、薄い百合趣味。秋にラブラブ。
毒舌家で思いやりのない性格で物事割り切って考えて現実的でお金に厳しくて…でも面倒見はいい。
岡本悠樹(おかもと・ゆうき)
主人公。普通科所属の二年生。学力、体力共に平均的な高校生。
何故かこれだけバラエティに富んだ幾つもの学科がある学園において普通科に通う変り種。しかも帰宅部。
未だ将来に対して特にやりたい事などを見出すこともできないまま、学園生活を送っている
このホームページはEXA feat.戯画より一部文章を抜粋しています。
素材の著作権はEXA feat.戯画に帰属します。
<概要>
舞台はありとあらゆる専門学科を無節操に吸収した私立陽琳学園。
そこではメイドとか巫女とかの学科服があり、1つの教室で色んな服装の生徒が授業を受けている、というのが“日常”。
そこで繰り広げられる明るく楽しい学園生活。
梅雨期から始まり夏休みを経て10月の学園祭へ、学生生活一番の旬で繰り広げられる恋の物語。
<購入動機>
体験版をやってみて、気に入ったから。
僕は基本的にこのパターンです。
<システム補足>
おまけはクリア前でも閲覧可能。
CG鑑賞モードに入ると、一覧画面で表情ポーズとかの差分が連続表示されます。
ただしCGに漏れもありますが…。
新しく曲が始まった際に、曲名を数秒右上に表示する機能があります。
選択肢リターンに加え、スキップもあり。もちろん未読・既読判別可。
マウスを右隅に置くとセーブ、ロード用のバーが表示され、クリック左でセーブ、右でロード。
その際の確認の有無、バーを使うかとかの設定を細かく設定できます。
バーでセーブ確認なしにして、思わず上書きしてしまった、とかの便利すぎる故の失敗に注意。
人物ごとに文字の色が違う(設定変更可能)、などシステム的にはすごく充実しています。
テキストウィンドウには顔も表示され、もちろん表情も変わります。
Enterキーで読み進むのは1単位、押しっぱなしでは進みはしません。
ディスクレス起動可、しかし数10回ごとにCDの認証が必要との事。
(私はまだなったことはありません)
なお修正ファイルがあります。当てておきましょう。
<音楽・音声>
主題歌、お気に入りです(体験版でOPデモと共に聞けます)。
雰囲気にも合っていて、単体で聞いても素晴らしいできだと思います。
BGMも、ほとんどが明るい曲で、爽快でした。
特にお気に入りなのが、「夏芽」。ワクワク心弾む曲です。
また、ここぞという時のオルゴールVer も良い感じです。
音声はメインとサブの女性のみフルボイス。
CVは発売前はHPにクレジットなしでしたが、発売後に追加されました。
そんなに声優さんについて詳しくは無いですが、あまり見かけない方たちです。
そのうち3人がこれでデビューのようです。
新レーベルということで、声優さんも新しい人を、となったのでしょうか?
しかし、皆さん良い感じにできていると感じました。
心の揺れとかだけでなく、風邪を引いての鼻声なんてのもしっかり演じていました。
特に蜜柑役の戸沼ゆずさんなど、ここからメジャーに羽ばたいて欲しいな、と思います。
<感想>
エロゲ的日常の学生生活、そして夏休みに実る恋。
ラブラブな毎日の中で、影を落とす出来事。
それをお助けキャラの協力もあり、頑張って乗り越えてハッピーエンドへ。
そんなお約束な展開ですが、王道ゆえの安心感、しっかりした起承転結、そしてこのシナリオ故の良さとで、心地良くプレーできました。
しかし…。
私は主人公にはヒロインをGETできるだけの魅力がないと駄目、と考えてしまう性質です。
明るく楽しくバカをやっていて、それなりのハンサムが、ここぞという時にいいとこ見せる。
これならモテるな、とは思いますが、その辺がシナリオによっては弱く感じました。
このままでは単にご都合主義の2流シナリオになってしまいます。
しかし、主人公の過去が落とす陰とかがきっちりと語られるシナリオでは、主人公を素直に認められました。
また、それがなくとも、クライマックスでよくぞやったというのがあったりもします。
やはりルートによって優劣の差があるかなと…。
なお攻略に関しては、八方美人ではなく、一点集中型となります。
楽しい夏休みのために補習を回避…すると個別シナリオに入ることなくバッドエンドです。
そして男友達とのおまぬーなやりとりにフラグがあったりと、フラグは厳しく感じました。
残念な点として、蜜柑の姉、紫暮さんが攻略不可能なサブキャラなこと。
こんなに魅力的なキャラを攻略できないなんて勿体無さ過ぎます。
また、タイトルこそ着せかえフェティッシュ(フェティッシュ=フェティシズムにおける対象物。異性の衣類・装身具・毛髪等)ですが、フェチズムとあまり関係ありません。
学科服でHをすることがあったり、学園祭のコスプレコンテスト用の衣装でHをしちゃったり、という程度です。
Hはラブラブ和姦。
タイトル通り、色んなコスチュームでプレーできます。
<10点満点での総合評価>
8点
気に入ったので贔屓も含めますが、良作と言えるかと思います。
テキストも思ったより良くて、今年一番笑わせて頂きました。
もっと広告展開とかしておけば、もっと話題になったのになぁと思える作品でした。
お気に入りのキャラ:蜜柑…お約束ではありますが、幼馴染って好きです^^;
最後に一言:「某キャラのシナリオ、事前に想像するものとは大違いの深さです。」
終末の過ごし方 (ゲレゲレさんのレビュー) | 評価: 9 |
▼ タイトル | 終末の過ごし方 / 終末の過ごし方DVD | |
▼ ブランド | アボガドパワーズ | |
▼ ジャンル | AVG | |
▼ 対応OS | Win95/98 / Win98/Me/2000/Xp | |
▼ メディア | CD-ROM / DVD-ROM | |
▼ 定価 | 税込\8,190(税抜\7,800) / 税込\7,140(税抜\6,800) | |
▼ 発売日 | 1999/04/09 / 2003/04/24 | |
▼ 購入 | 終末の過ごし方 / オリジナル特典 Getchu.com | |
【 CG観賞モード 】 | あり | |
【 シーン観賞モード 】 | あり | |
【 BGM観賞モード 】 | あり | |
【 メッセージスキップ 】 | あり(既読メッセージを瞬間表示) | |
【 メッセージ履歴機能 】 | なし | |
【 選択肢リターン機能 】 | なし | |
【 戦闘オートモード 】 | なし | |
【 ヒント機能 】 | なし | |
【 セーブ数 】 | 7個 | |
【 エンディング数 】 | 5個(さらにサブキャラのエンディングが2パターン) | |
【 ディスクレス起動 】 | 可 |
<ストーリー>
――次の週末に人類は滅亡だ。
<CD-ROM版からの追加&変更点>
・音師 『矢野雅士』氏の手により、全ての曲をリマスタリング、高音質化!
・前作で256色だったCGがフルカラーに変更!
・バストアップのアンチエイリアシング処理に対応!
・価格がCD-ROM版から1000円安くなり、新価格6,800に!
・原画集『終末の過ごし方 オフィシャルアートワークス』の復刻改訂版(A4サイズ、112ページ)が同梱。
このホームページはアボガドパワーズより一部文章を抜粋しています。
素材の著作権はアボガドパワーズに帰属します。
<概要>
主人公は普通の高校生である。
終末宣言の混乱により両親とは別離し、交通手段は途絶、通信手段も壊滅に近い状態で終末の原因もわからない。
そんな彼が学校に通い続けながら最後の一週間で何ができるか、何をするのか、そして何が残るのか…。
その様を淡々と、しかしどこか優しく描く作品。
<購入動機>
大槻氏のシナリオと刺身定食氏の絵に引かれて。
<音楽・音声>
音声はなし。
当時は音声あるほうが珍しかったですし…。
DVD版でも音声は無し。
しかしこの作品においては、音声は無い方が良いかもしれない。
音楽は雰囲気に合った名曲が多いです。
特に「操り人形のワルツ」は題名ともに素晴らしい出来。
難点はCD音源での再生時にノイズの入る曲があること…残念。
<画像>
原画は小池定路さん。
淡いパステル調の絵で、雰囲気に良く合っています。
優しく穏やかに…、そんな絵です。
ちなみに女性陣はみんな眼鏡っ子^^;
<状況設定>
終末まで一週間、主人公は行く意味の無くなった学校に通い続けます。
通信・交通は半壊 or 全壊状態ですが、食糧難の様子はありません。
また伝染病などといった話も出てきません。
恐らく「完全な終末的状況」を回避するための設定でしょう。
これがあるために生存競争と言った状況は(少なくとも作中には)出てきませんし、主人公のように終末の実感が湧かずに、それまでのような日常を続けている人間がいてもあまり不自然さがないです(もちろん彼ら自身は理性で自分たちの行動[例えば登校]の無意味さを知ってはいますが…)。
また、前述のように終末の理由はわかりません。
これは登場人物たちの知識の限界を示すとともに、「危機を救うための行動」を起こさない、起こせない必然性を与えています。
ただ、そうなった一番の理由は、「設定することにあまり意味が無いから」でしょう。
このゲームにおいては終末的状況という舞台設定とそこでの「過ごし方」こそが重要なのであり、状況の解明は普通の高校生たる主人公にとって非現実的(あるいは不可能)であり、蛇足だからです。
<演出的特徴>
モノローグシーン以外は主人公も第三者的に描写されています。
また、主人公知裕を中心としながらも、サブ主人公のような重久、多弘の「過ごし方」も描かれています。
演劇的演出あり。
しかし序盤だけなので、どういう意図で入れたかは不明。
「客観的に眺める」という視点を強調しているのかもしれません。
ラジオのDJという形で、より広い範囲の終末状況を描写しています。
この中で暴動を起こす人々や自警団との衝突と言った行動する「過ごし方」が紹介され、結果知裕たちの過ごし方を浮き彫りにする効果をあげています。
<本作のテーマ・主張>
本作は、その名のとおり「終末」においてどのように「過ごす」(=生きる)のかをテーマとしています。
こういった終末モノは、主人公が危機に立ち向かって世界を救うというのが定番ですが、本作では終末的状況になじめない(どうすればいいのか戸惑いを覚えている)人間を主人公に据えている事に特徴があります。
本来なら、展開の都合上、ここから一念発起でもして行動を起こすところでしょうが、この作品の主人公の場合それはありません。
あくまで「日常的」な生活を最後まで続けます。
普通ならばこのように話が大きく展開しないのは物語としてマイナス要因でしょう。
しかしあえて、本作は非常事態の中の(あたかも終末などないような)「日常的」生活を描いているのです(これは行動や暴動を起こす人々が、ラジオ放送という形によりあくまで背景として扱われていることから明らかである)。
このような理解のもとにゲームを進めると、途中でふと気付くことがあります。
それは「終末的状況に立ち向かい危機を救う」という一般的な物語類型が、あくまで一つの「終末の過ごし方」に過ぎない、ということです。
当たり前のことですが、人々は「救われるから行動を起こす」のではなく、「救われるかどうかわからないが行動を起こす」のです。
それがわかった時、初めて本作の主人公たちの行動の意味や価値が理解できるようになるでしょう。
つまり、終末という状況の中で、今まですれ違っていた幼馴染みと理解しあえたり、昔の彼女とよりを戻したりして、終末を二人で迎えるという「過ごし方」も、ラジオに出てくる「暴動を起こす人々」の「過ごし方」と同じくらい、あるいはそれ以上に価値あるものなのかもしれない、ということです。
終末の最後の瞬間まで、救いを信じて(あるいは不安のために)争いの中に身を投じ続けるのと、すれ違っていた人と心通い合って死ぬのはどちらが「幸せ」でしょう…。
私は後者の「過ごし方」にも充分に意味があると感じます。
ただし本作は「過ごし方」の違いに優劣を付けようとしているわけではありません。
おそらくは、「終末的状況に立ち向かい危機を救う」という物語類型が横行して、等身大の「過ごし方」が軽視される中で、実は「争いの中に身をおかず、ただ近くにいた人と心を通い合わせようとすることは必ずしも『逃げ』ではなく、充分に意味・価値のある『過ごし方』だ」ということを伝えたかったのだと思います。
なお、本作に「滅びの美学」といった評価をするのは誤りだと思います。
知裕は重久に終末へ居合わせたことの不運を嘆いており、決して状況を肯定したり陶酔したりはしてはいません。
また、重久は『終末が救いと感じるなら、それは(終末による)逃げだ』と言っています。
彼らは静かに死ぬことに美しさを感じて選び取っているわけではなく、彼らなりの制約の中で静かな「過ごし方」にいたっているのです。
そこには「滅び」に対する憧憬や美しい死へのロマンチシズムといったものは無いと言えるでしょう。
<10点満点での総合評価>
9点
テーマ性と雰囲気においては他の追随を許さない素晴らしいゲームだと思います。
お気に入りのキャラ:敷島緑…終末に一人図書館で本を読み続ける姿が哀れであり可愛くもある
最後に一言:「10年経っても色褪せない不朽の名作。」
Tick!Tack!-Limited Edition- (Houndさんのレビュー) | 評価: 7 |
▼ タイトル | Tick!Tack!-Limited Edition- | |
▼ ブランド | Navel | |
▼ ジャンル | 恋愛ADV | |
▼ 対応OS | Win98/Me/2000/XP | |
▼ メディア | DVD-ROM | |
▼ 定価 | 税込\8,190(税抜\7,800) | |
▼ 発売日 | 2005/09/16 | |
▼ 購入 | Tick!Tack! / オリジナル特典 Getchu.com | |
【 CG観賞モード 】 | あり | |
【 シーン観賞モード 】 | あり(エンディング回想もあり) | |
【 BGM観賞モード 】 | あり | |
【 メッセージスキップ 】 | あり(未読・既読判別あり) | |
【 メッセージ履歴機能 】 | あり(音声リピートあり) | |
【 選択肢リターン機能 】 | なし | |
【 オートモード 】 | あり(文字単位・ページ単位での調整可) | |
【 ヒント機能 】 | なし | |
【 セーブ数 】 | 89個+クイックセーブ3個(エクステンションセーブHD容量まで追加可能) | |
【 エンディング数 】 | 4個 (回想に登録されるもの) | |
【 ディスクレス起動 】 | 可 |
<ストーリー>
物語は、とある休日に始まる。
穏やかな昼下がり、ネリネの部屋でとある魔法のアイテムを見ていた稟達一行は、樹と麻弓の起こした騒動からそれを発動させてしまう。
そして、20年前の魔界へと送られてしまう稟、ネリネ、樹、麻弓の四人。
そこで二人の少女達と出会ったことが、歴史を大きく変えてしまった。
本来ならばネリネの母とならなければならなかった少女。
その少女と魔王との重大な語らいを一つ潰してしまったことにより、未来に変化が発生。
本来ならば結ばれるはずのない少女と魔王の間に、可能性を作ってしまう。
そして、その可能性による影響に巻き込まれてしまうネリネ。
このまま現代へと戻るわけにはいかない!
四人は歴史を元に戻すべく、一致団結することになる。
大きく揺れる歴史の天秤の中で繰り返される、不思議な出会い。
そこには稟の知らない歴史があった。
<キャラクター>
Sage(セージ)
フォーベシイ付きのメイド。この時点では、フォーベシイはまだ魔王ではなく魔殿下だった。
口より手が先に出るタイプだが、メイドとしての仕事に誇りを持っており、とにかく主人に奉仕したい。
フォーベシイが、自分の仕事を奪って家事をしてしまうのが悩み。
また、本気で放ったサンダーキックは岩をも砕く。
Ai(アイ)
フォーベシイの婚約者にして魔界の貴族。
穏やかで、いつもフォーベシイを見守ってくれており、オマケに気さくでオチャメ系。
基本は笑顔だが、拗ねたり照れたりそれなりに表情豊か。
思い込んだら純情一途なところがあり、積極的な面も。
インドア系だが意外に行動力有り。けれどどこか頼りない。
Nerine(ネリネ)
魔王フォーベシイの一人娘にして、おしとやかなお嬢様。通称リン。
頭脳明晰、魔力は莫大。その料理は被害甚大。たたし、服飾関係には並々ならぬ才能を発揮する。
一人の少女に対する負い目のために自分自身の想いを閉ざしていたが、稟に救われ、今ではその少女の想いと共に毎日を笑顔で過ごしている。
稟とは周囲がため息をつくほどの恋人関係にある。
Mayumi Thyme(麻弓=タイム)
稟とネリネのクラスメートにして悪友にしてトラブルメイカー。
人間と魔族両方の血を受け継いでいるものの、人間の血の方が濃いらしく、その魔力は微小。
好奇心旺盛で、思いついたら後先考えない特攻娘。カメラを片手に突っ走る。
樹と麻弓、二人が揃ったときの周囲の疲労度は並大抵のものではない。
なお、胸がないのはもはや個性。麻弓=タイムのシンボルともいえる。
Itjuki Midoriba(緑葉樹)
稟とネリネのクラスメートにして悪友の色情魔。
整った顔立ちに明るい笑顔。学園一ともいえる頭脳を持った好青年。口を開かなければ。
女性は決してこの男に近寄るべからず。
趣味はナンパ、特技はナンパ、という重度の女好きで、暇さえあれば街で女性に声をかけている。
興味を持っていないものに対してはとことん冷たいが、そうでないものに対しては結構面倒見がいい。
本当に困ったときには、その頭脳できっと助けてくれる……かもしれない。
このホームページはNavelより一部文章を抜粋しています。
素材の著作権はNavelに帰属します。
<購入動機>
前作にあたる「SHUFFLE!」をプレイして良かった為。
ファンディスク的な要素に期待して購入に踏み切りました。
<システム>
システムまわりは上記参照。
前作では動かせたメッセージバーが動かせません。
日常シーンでは問題ないですが、Hシーンの時に非常に邪魔です。
透過率も調整できないし、この上なく使いづらいです。
気にならない方ならともかく、気になる方には結構つらいかも…。
今回は移動シーンにて各キャラがムービーしますが、PCのスペックが低いと動作が遅くなってストレスを感じるかもしれません。
<CG>*()内の数字は差分を含んだ枚数
○ネリネ…24(125)
○セージ…13(72)
○アイ …12(57)
○その他…6(26)
原画は鈴平ひろさん。前作では名前のあった西又葵さんの名前が消えています。
ただ、原画に対しては言うことなし!
背景画も細かく綺麗でCGに関してはいうことありません。
若干CGが少なくて使い回しの場面が見られましたが…(特にHシーン時)
<音楽>
音楽は、OP曲・ED曲・挿入曲とも良い感じだと思います。
さほど印象には残りませんが、悪くはありません。
良い感じに聞いていられる、といった印象。
プレイ中の音楽に関しては、可も不可もないといった印象。
聴いていてスムーズにゲームにとけこめるかと。
「SHUFFLE!」の音楽が好みにあった人なら問題ないでしょう。
<音声>
音声は、全体的に声優の皆さんはレベルが高いです。
キャラにも合っており、聞き苦しい感じはありません。
以下にそれぞれのキャラクター毎の評価を記載しておきます。
○セージ[青山ゆかり]
上手いですね。感情もこもっているし、聞いていておかしな感じはしません。
Hシーンに関しても特に違和感はないです。
敢えて言えば日常との差があまりない気も…。
○アイ[三村祥子]
こちらも上手。アイのおだやかでのんびりとしたキャラクターを上手に演じています。
Hシーンでも上手く演じていますが、喘ぎ声の時もうちょっとゆっくり喋って欲しかったかな?
○ネリネ[松永雪希]
前作から変更なし。
前作で問題なかったと思われる方なら今回も問題なし。
Hシーンもゆっくりと喋ってくれて、良く感情が伝わってきます。
○フォーベシイ[司馬嵯峨之]
前作から変更なし。
いやー、今作の男性陣の声優さんはレベル高いですわ^^;
ちなみに彼がらみのHシーンがありますが、その時は音声はありません。
まあ男の喘ぎ声なんて誰も聞きたくないですよね。
○サイネリア[赤白杏奈]
物語を支える脇役の一人です。
この方も、雰囲気を壊すことなくいい仕事をしていると思います。
前作で言えば亜沙に近い雰囲気です。
○バーク[健ヤマト]
いや、ほんと男性陣の声優さんは上手い!聞いてて楽しいです。
良い味出していて、ゲームも盛り立てます。
○真弓=タイム[香取那須巳]
前作から変更なし。
個人的には「〜ですよ」の喋り方には違和感を感じます…。
○緑葉樹[小池竹蔵]
前作から変更なし。
前作同様、物語にかかせない存在として素晴らしい演技をしています。
<シナリオ>
簡単に説明すると、とある魔法の道具を暴発させてしまい、20年前の魔界にタイムスリップ。
その結果、フォーベシイとネリネの母親となる少女が結婚するための大切で重要な機会を失くしてしまう。
それによって歴史が変化して、その変化にネリネが巻き込まれてしまう、といった感じのお話。
基本的に物語の筋は通っているとは思います。
ただし、前作同様ご都合主義的な展開は変わっていません。
特に一部のエンディングでは、歴史が変わってしまったのに何でそんなに悔しくなさそうなの?主人公ポジティブ過ぎだし、その周囲も然り、と感じてしまいます。
歴史が変わってしまうことに対しての重みがほとんど感じられません。
シナリオに関しては、過度の期待は持たない方が懸命と思われます。
とまぁ、あまり良いこと書いてませんけど、なかなか感動できるシーンもあります。
個人的にはフォーベシイのプロポーズイベントが一番お気に入り。
全体の長さとしては長すぎず、短すぎず…。
敢えて言えば短い部類に入るかな?
分岐が多く何気に難易度が高めなので、コンプには時間がかかるかもしれません。
<Hシーン>
18禁ゲームですからね!一番大切な要素でしょう。
キャラ別にシーン数を見て見ると、
○ネリネ…4回 (これ以外に変化したネリネが2パターンあり、それぞれ3シーン毎あります)
○セージ…5回
○アイ …5回
○その他…2回(これに関して、一人はサイネリア、もう一人はご自身で確認して下さい。
前作をプレイしていればある程度予想はつくかも?)
内容については、実用性は声優陣のレベルが高いことはあり音声面での問題はなし。
テキストは、尺は十分で、内容も及第点といった感じ。
SEに関してはフェラ音、そして放尿音!があります。
はい、お好きな方はどうぞ^^;
メインの三人ともメイド服でのシーンがありますので、メイド好きな方にも合うかも。
他には、スク水・お風呂・3Pなどのシチュエーションがあります。
<総評>
基本的にファンディスクとしての期待をしておいた方が良いです。
それならば期待を裏切られる事はないでしょう。
まあFDにしてはコストパフォーマンスに不満が残る所なのですが…。
「前作で2回しかなかったネリネとのHシーンをたくさん見たい!」という方なら買って損はないかと。
この観点から考えてみても、やはりFD的な色合いが濃い作品と言えるのではないでしょうか。
<10点満点での総合評価>
7点
前作が気に入ったとの前提で、FDとしては8点。
ゲーム単体として見るなら7点といったところ。
ただし、メッセージバーが移動できなくなったのは減点。
せめて透過率の調整くらいは出来るようにしてほしかった…。
今後パッチが出て何らかの対策をしてくれれば減点なしだが、現時点では総合的に7点くらい。
パッチが出れば7.5点くらいですが、多分出ないだろうしなあ…。
お気に入りのキャラ:ネリネ…FDみたいなものですしね^^;
しかしアイも捨てがたい…大きいことは美しきかな^^;
最後に一言:「ネリネ以外のキャラのFDも出してくれれば嬉しいんだけど…。」