プリンセスうぃっちぃず    (GPさんのレビュー)   評価: 9 
▼ タイトル プリンセスうぃっちぃず amazon associates
▼ ブランド ぱじゃまソフト
▼ ジャンル ドキワク魔女っ娘バトルADV
▼ 対応OS Win98/Me/2000/XP
▼ メディア DVD-ROM
▼ 定価 税込\9,240(税抜\8,800)
▼ 発売日 2005/05/27
▼ 購入   プリンセスうぃっちぃず 初回版 / プリンセスうぃっちぃず 通常版
【 CG観賞モード 】  あり
【 シーン観賞モード 】  あり
【 BGM観賞モード 】  あり
【 メッセージスキップ 】  あり(未読・既読判別あり)
【 メッセージ履歴機能 】  あり(マウスホイール対応、音声リピートあり)
【 選択肢リターン機能 】  なし
【 オートモード 】  あり
【 ヒント機能 】  なし
【 セーブ数 】  72+1(クイック)個
【 エンディング数 】  6個
【 メディアレス起動 】  可(初回のみチェックあり)


<ストーリー>
 主人公・御堂真樹は、世界を救うようなヒーロー憧れる、夢見がちでちょっとスケベな学生。
 そんな彼の前に、学園の女子ばかりが、何者かに襲われるという事件が起きる。
 「俺の出番だ!」と使命感に燃える真樹。
 「事件を解決すれば、女の子にモテモテ」という下心もあったり。

 真樹は宝物の日本刀を手に取り、調査へ向かう。そこで目にしたのは巨大なドラゴンと戦う一人の美少女、クルル。
 クルルは魔法を使い、鮮やかにドラゴンを一蹴。
 その姿に運命の出会いを感じた真樹は、クルルに生涯で1000回目の告白。
 勢いでハプニング的なキスをしてしまい、なぜかその魔力を奪ってしまう。
 魔法の使えなくなったクルルだったが、魔力を得た真樹と、二人三脚でなんとかドラゴンを倒す事に成功する。

 魔物と戦う力を失ってしまったクルルに対し真樹は、対魔物組織「魔女っ娘委員会」を、学園内に設立する事を提案。
 魔女っ娘ヒロインを集め、共に未知なる魔物と戦う、華やかでドキドキワクワクの冒険活劇が幕を開けたのだった。


このホームページはぱじゃまソフトより一部文章を抜粋しています。
素材の著作権はぱじゃまソフトに帰属します。



<概要>
 ぱじゃまソフトの話題作。
 ヒーローに憧れる主人公御堂真樹がクルル、委員長、林檎、かれんの四人の魔女っ娘とともに、人間界や魔女界の平和を乱す存在と戦ってゆく冒険活劇。
 ストーリーの合間に入るカードバトルが大きな特徴。


<システム補足>
 詳しくは上記参照^^;
 上記以外ではWindow/フルスクリーン両対応で、Window時の画面サイズは800×600。
 やはり大きいと見やすいので、この大きさは好印象^^;
 あとセーブはサムネイルありで分かりやすく…ないです(つД`)
 サムネイル画像が小さいので、何が映ってるのか分かり難いのです…。

 派手な演出が多いので、それなりの高スペックが必要です。
 特にHDDはフルで5GBも必要なので、プレー前に整理しておきましょう。
 大きなバグも無く、一通りのことが出来ますが、全体的に動作やレスポンスが重く、スキップもあまり早くないのが残念です。


<音楽・音声>
 全40曲で、場面場面できちんと使い分けているのは好印象。
 魔女っ娘の変身シーンのBGMをクルル、委員長、林檎、かれんで、それぞれ違うものを用意していたのは芸が細かい。
 筆者が気づいたのはクリア後ですが^^;

 主人公以外はフルボイス。ということは男性キャラもあり。
 有名どころから、知識不足からちょっと聞いたことが無い声優さんもいますが、実力は十分。
 みなさん担当キャラをしっかりと演じていらっしゃいました。

 気になったのは淫語。
 ピー音があることにはあるのですが、小さくて気にならない程度なのは好印象。
 上記はいいのだけれども、問題はピー音が入ったり入らなかったりする点。
 ただの入れ忘れなのかどうかのか…。
 回収はこっちが問題なのでは…と思えなくもないですが、今となってはピー音解禁だし真相は闇の中。


<CG>
 原画はかんなぎれいさん。
 相変わらず綺麗で可愛くてH(^^;)な、魅力的な絵を描かれます。
 目パチや表情がころころ変わるのは見ていて楽しいです。
 しかも、単純な静止画だけでなく背景が動いたり、横に長かったりと一工夫されたものが多いのも好印象。
 また派手なエフェクトも多用されていて、演出面は非常に充実しています。

 ただ残念なのはCG数…。
 差分抜きで60枚前後とボリュームの割りに少なめなのは非常に惜しいです。
 コメディの前半はそれほど気にならなかったのですが、シリアスな後半になると特に目立ちます。
 贅沢な注文ではあるけれどせめてう20枚くらい欲しいなぁと…。


<内容>
 男というのは、平和のために不思議な力で戦う正義の女の子にさえエロスを感じてしまう、非常に悲しい生き物であります。
 そんな性(さが)を知ってか知らずか、特撮ものやアニメ、ゲームなどにおける戦う女性は、たとえ子供向けであったとしても妙に格好がH。
 コスチュームは何故かミニスカートやレオタードのようなきわどいものが多いし、中には変身前にすっぽんぽんになるキューティーハ○ーとかセーラームー○なんてのもいます。
 本作「プリンセスうぃっちいず」もそんな戦う女の子の話。
 クルル、委員長、林檎、かれんの四人の少女が魔女っ娘に変身し、悪と戦っていきます。
 当然変身シーンは裸^^;
 Hな展開も満載、そんな男の性を満たしてくれる通称「プリっち」、果たしてどんな作品でしょうか^^;

 さて、本作の一番の特徴は所々入るカードゲーム式の戦闘。
 敵の攻撃パターンを読んで、こちらの攻撃手段を決めるだけですが、いざやってみるとこれがなかなかに楽しいです。
 全ヒットを狙って運に頼るか、論理的に考えて確実なヒットを狙うか、自分なりの戦法を組み立てることができ、以外に奥深く、そして自分の読みが当たり敵に大ダメージを与えたときの爽快感は、派手な演出もあいまって格別です。
 全編とおして20回前後しか戦闘が無いので、決して作品のメインというわけではないですが、ちゃんと遊べる要素を組み込んでいるのは好印象。
 エロ「ゲー」である以上、ゲーム要素は必要ですね^^;

 ストーリーは前半はハイテンションな学園コメディ。
 クルル、委員長、林檎、かれんの四人の魔女っ娘は皆可愛いし、主人公もおバカでスケベだけど明るく前向きでとってもいい奴。
 リリアン先生とか則男のようなサブキャラもインパクトあり、そんな魅力的なキャラクターたちと、上質なテキスト、さらには手の込んだ演出によるハイテンションな学園コメディは非常に面白いです。
 さらにこのストーリーに加えて本作はエロまで充実しているから驚き(詳しくは後述)。

 面白いストーリー、魅力的なキャラクター、単純だけど奥深いカードゲーム、濃厚なエロ、とエロゲーにおける重要要素が本作ではことごとく高水準。
 「どれか一つがすごい」というのはたくさんありますが、「どれもすごい」というのは非常に稀有な存在でしょう。
 前半部分は完璧といっていいくらいの大傑作です。

 ただ問題は後半…。
 本作は主に3つのシナリオがあり(クリアするたびに新しいシナリオにいける)、どれも前半は学園が舞台、後半は魔女の世界が舞台になります。
 で、この魔女界編が中々の曲者です。
 前半ではコメディ一直線だったのに後半になるといきなりシリアスになります。
 話が世界の存続云々になり、今まではおちゃらけていたヒロインが急に真面目になり、さらには残酷描写まででてくるという見事な豹変ぶり…。
 これには賛否両論分かれるでしょう。

 ちなみに筆者の個人的な見解は完全な「否」。
 正直な話、本作には最後まで前半のようなコメディで通して欲しかったと思っています。
 確かに本作はファンタジーですし、ただのコメディで終わらせるには惜しい大作ではあります。
 ただいくらなんでもこの展開は急すぎます。
 学園でワイワイやっていたヒロインたちが、魔女界に来た途端に急にシリアスになって、中には平然と人を殺すようなシーンまであるのは、いくらなんでもやりすぎかと…。。
 どうしてもこういうことをやりたいのなら、せめて前半から伏線を張って欲しいのですが、そういうのも一切無し。
 学園編と魔女界編のつながりが悪すぎますね…。

 つながりだけでなくシナリオの出来自体も魔女界編は今一歩。
 ファンタジーモノの面白さというのは第一に、その作品独自の世界観に触れることにありますが、本作は設定の説明がどれも淡白。
 「ここは○○という場所で、○○といういわれがあります」みたいな記述があるだけで、実際に登場人物が深く探索してみるようなことが無く、その世界の空気がいまいち伝わりません。
 また設定やネーミングがあまりにベタすぎるのも個人的にはマイナス要因。
 光と闇の魔女だの、世界樹だの、火・水・雷の三精霊だのFFやドラクエなんかで散々見飽きた単語ばかりで、作品独自の設定はほとんどありません。
 どうせやるならもうちょっとひねって欲しかったです。
 (学園編もベタベタではありますが、上手くそれをコメディ要素と絡めて笑いに昇華させていました。)

 これは個人的ですが、魔女界編になるとヒロインの林檎とかれんの影が薄くなるのも残念。
 詳しくはネタバレゆえ語れませんが、魔女界編の設定ではどうしてもクルルと委員長にスポットが当たることが多くなり、林檎とかれんは、出番の数自体は減りませんが、ポジションが脇役になってしまい、いまいち目立たなくなります。
 個別ルートもあるにはありますが、どちらも30分程度のおまけがあるだけ。
 学園編ではクルルや委員長と同等の魅力と出番があっただけに、残念でなりません。
 委員長大好きな筆者がそう感じたのだから林檎、かれんが一番という方はさらに不満に感じるでしょう。
 設定上、この二人をヒロインとして活躍させるのは難しいけれどもう少し何とかして欲しかったと思います。


<エロ>
 数は少ないものの、エロも非常に優秀です。
 個人的に最もお気に入りなのが、かれんに手コキされ、フィニッシュはトップレス状態のクルル、林檎、委員長の三人に好きなように精液をぶっかける「魔女ッ娘のおっぱいに射精大会」というもの^^;
 「パティシエなにゃんこ」をつくったメーカーから、こんなソフトさ〜くるクレージュやアトリエかぐやのようなエロエロで素敵な発想がでてくるのは驚き。
 そのほかのシーンもかなり濃厚なものが多く、ストーリー、ゲーム性重視の純愛作品の中では突出したエロさを誇ります。

 ただし、魔女っ娘コスチュームでのHが一回もありません。
 「魔女っ娘バトルADV」なんてジャンルで、ヒロイン全員が魔女っ娘なのにもかかわらずです。
 まぁ、筆者自身は(…)、別に気にもなりませんでしたが(つД`)
 魔女っ子のコスチュームは悪い奴と戦うための(クスン)、正義の衣装ですから(アレレ…)、そんな姿に欲情するはずも無く(目カラ汗?)、その姿でのHなんか無くても(シクシク…)、全然(涙?)平気…なわけ無いでしょう!!!゜・。゚(´口`゚)・゚。゜・
 な、なんで魔女ッ娘衣装でのHが一つもないんだよ!
 買った人間の半分以上は期待してるはずなのに!
 ぱじゃまソフトさんの意地悪ぅ〜!


<10点満点での総合評価>
 9点
 魔女界編について色々文句を言いましたが、総合的にみれば間違いなく傑作。
 ストーリー、キャラクター、ゲーム性、エロ、どれか一つでなく全てにおいてレベルの高い出来なのは非常に素晴らしい。
 本当の意味で「エロゲー」とよべる数少ない作品だと思います。
 これを書いている時点(2005年6月6日現在)では自主回収中ゆえ、やや入手困難ですが、未プレーの方は是非やって欲しい、2005年を代表する作品だと思います。


<お気に入りのキャラ>
 委員長
 規則や風紀にうるさい典型的な真面目っ子とみせかけて、パピリン仮面なんて変な格好であらわれたり、没収した主人公のエロ本をこっそり読んで自慰にふけったり、それで旗色が悪くなると口笛吹いてごまかしたりと、そんなお茶目でHな彼女が一番^^;
 でも結局彼女の本名って一回も出てきませんでしたよね。
 なんか可哀想(つД`)


最後に一言:「回収理由は女子”高”生という記述だそうだけど…それくらいねー…。」









   カルタグラ〜ツキ狂イノ病〜  (ゲレゲレさん&ひびきさんのレビュー)   評価: 8〜8.5 
▼ タイトル カルタグラ〜ツキ狂イノ病〜
Copyright Innocent Grey/gungnir All Rights Reserved.
▼ ブランド Innocent Grey
▼ ジャンル 和風サイコミステリィADV
▼ 対応OS Win98/Me/2000/XP
▼ メディア DVD-ROM
▼ 定価 税込\9,240(税抜\8,800)
▼ 発売日 2005/04/28
▼ 購入   カルタグラ / オリジナル特典 Getchu.com
【 CG観賞モード 】  あり
【 シーン観賞モード 】  あり
【 BGM観賞モード 】  あり
【 メッセージスキップ 】  あり(未読・既読判別あり)
【 メッセージ履歴機能 】  あり(マウスホイール対応、音声リピートあり)
【 選択肢リターン機能 】  なし
【 オートモード 】  あり
【 ヒント機能 】  なし
【 セーブ数 】  60個(クイックセーブ・ロードあり)
【 エンディング数 】  7個
【 メディアレス起動 】  可

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<ストーリー>
 終戦から六年が過ぎた日本。逗子行きの列車に一人の男の姿があった。
 『高城秋五』――、かつて警視庁に籍を置いていた男。
 かつての上司『有島一磨』から、良家息女−『上月由良』− の失踪事件を頼まれる。
 長沙・満州・警視庁を通して上司として世話になった有島の頼みを、断ることはできない。
 失踪事件のあった上月家で、かつて逢瀬を交わした恋人――『上月由良』と同じ顔を持つ少女『上月和菜』と出会う。
 そして彼女から、消えた双子の姉を捜し出して欲しいと懇願される。
 だが由良の父親である上月慶一郎は、秋五に告げた。
 「あの娘は、本当は死んでいるんですよ……」

 そんな中、同時に奇妙な事件が起きる。
 『上野連続バラバラ殺人事件――』
 日本では類を見ないこの事件を、かつての上司『有島一磨』が担当していた。
 交錯する虚構と真実。戦後間もない上野の町を舞台にして、今、惨劇の幕が開く――。


<キャラクター紹介>
上月和菜(こうづきかずな/CV:秋城柚月)
 良家のお嬢様。
 だが、舞台女優を目指し、東京で活動をしている少女。
 姉を忘れられず、ある目撃情報をきっかけに、両親の反対を押し切って秋五(主人公)に姉の捜索を依頼する。
 楚々とした外見とは裏腹に活発で明るい性格を持ち、その性格がまた暴走しやすく、周囲に混乱を引き起こすこともしばしば。

(りん/CV:吉沢悠亜)
 遊郭『雪白』で働く女性。
 娼婦の身の上を感じさせない明るく屈託のない性格。
 しかし、もちろん色っぽい仕草もお手の物。
 秋五とは特に仲がよい。
 つーか人差し指を口元に持っていって悩むポーズに萌え!
 こちらをからかう様にイタズラっぽく覗き込む表情にも萌え!

乙羽(おとは/CV:北都南)
 遊郭『雪白』で働く女性。凛とは同年代で仲が良い。
 仕事に厳しい面もあり、初音など下の者に辛くあたることもある。

雨雀(うじゃく/CV:奥田香織)
 遊郭『雪白』の経営者。
 元々吉原の遊女だったが、現在は引退して経営のみを行っている。
 姉御肌で面倒見がよく、色っぽさも抜群。
 上野界隈の娼館の元締めを任されていて、常に忙しい。
 また、情報採集の腕も確かなもの。

初音(はつね/CV:雅姫乃)
 秋五が間借りする遊郭「雪白」で下働きをしている少女。
 ある事情で身寄りをなくし、幼いころから雪白で暮らしていた。
 秋五によくなついていて、進んで朝夕の食事や身の回りの世話をしてくれている。

小雪(こゆき/CV:北都南)・(せり/CV:サトウユキ)
 2人とも遊郭『雪白』で働いてはいるものの、仕事を休みがち。
 不穏な言動も目立つが…

高城七七(たかしろなな/CV:一色ヒカル)
 秋五の妹。私立華陽学園に通う。
 博覧強記の天才少女だが、少々人を見下した言動。
 上野の猟奇連続殺人事件にただならぬ興味を持ち、秋五の制止を全く無視し、深く首を突っ込む。
 一人称「ボク」の眼鏡ッ娘。

蒼木冬史(あおきとうじ/CV:森井花音)
 上野界隈を拠点とする組織『死の腕』の幹部を努める女性。
 秋五とは警察官時代からの古い付き合いで、互いに気を許した親友同士。
 その運動能力は凄まじく、隻腕というハンデを感じさせない強さを誇っている。

祠草時子(しぐさときこ/CV:緋倉怜)
 上野の貧民街を彷徨する謎の女性。
 連続殺人の容疑者として、一度は拘留されるのだが……。

綾崎楼子(あやさきたかこ/CV:井村屋ほのか)
 私立華陽学園に通う少女。七七の同級生。
 曾祖母が白人だったため、髪の毛がブロンドがかっている。
 秋五の警察時代のある事件で知り合い、一目惚れ、その想いを今も健気に持ち続けている。

深水薫(ふかみずかおる/CV:サトウユキ)
 七七が通っている学園の教師。
 カトリック系の学園のため、シスターの衣装を身に着けている。


このホームページはInnocent Greyより一部文章を抜粋しています。
素材の著作権はInnocent Greyに帰属します。



ゲレゲレさんのレビュー
<購入動機>
 狂気ゲームは珍しいですし、デモを見て雰囲気が気に入ったから。
 こういう本格的なゲームは好きですしね^^;


<音楽・音声>
 音楽は、単体で聞いたときのインパクトは弱いですが、ゲーム中では雰囲気をよく表していて、作品に合っていると思います。
 特にOPの歌は透明感があり、歌詞もテーマをよく表現しています。

 音声は、どの方もキャラの個性を引き出していて、上手です。
 人気・実力共にある方らしく、本作を盛り上げています。
 この作品は男性キャラにも音声があるのですが、これが大正解で、思わず聞き入ってしまいます。
 通常の18禁ではおまけ的な存在な、男性陣の演技がしっかりしているのは好感が持てました。
 こういう本格的なゲームな分、音声・音楽の部分は重要で、十分クリアしていると思います。


<キャラクター>
 男女ともよく作りこまれています。
 主人公の妹「七七」のように、ちょっと受け入れられなそうなキャラもいますが、行動原理や言動が一貫しているので、むしろこの作りこみように感心しました。
 しかしそれゆえに、主人公のキャラの弱さが目立っている印象があります。
 おそらく、感情移入しやすいようにという配慮からの性格付けだと思います。
 しかし、むしろ他キャラの、背景を持った言動や行動から浮いていて、せっかくの雰囲気が白けてしまう場面が少なからずありました。
 しかも、終盤でいきなり頭が切れるようになる、といった「ご都合」や、従軍経験も警察勤務の経験もあるのに警察の尋問にあっさりと屈するなど、経歴的な「不自然さ」も感じました。
 この主人公のキャラがなかったなら、より雰囲気のあるゲームになったのではないかと思います。


<感想>
 昭和の戦後が舞台になっているのですが、それを設定だけで終わらせず、流れに組み込んでいるあたり、本当に時間をかけて作りこんでいるなという感じがしました。
 また、絵・音楽・キャラクターが一体となって、美しさ・おどろおどろしさという正反対の性格をうまく表現しており、作品の枠組みとしての完成度は非常に高いです。
 加えて、伏線をうまく張っているので、推理ゲームとしてもなかなかの出来だと思います。

 ただ、それらを前提に厳しく評価すると、本作のテーマである「ツキ狂イノ病」や「狂気にいたる愛」といったものがほとんど前面に出てこないのは大きなマイナス点です。
 より詳しく言うと、肝心のTrue Endで推理や事件背景の説明に終始してしまっていて、「狂気」の部分が弱いのです。
 それどころか、それは事件の本質にあまり関係ないような気さえしました。
 このように、本作の重要な柱であるはずのものが本編と遊離してしまっていること、そして前述の主人公のキャラ、この二つが大きな欠点だと思いました。

 とはいえ、全体としてよくできているのは確かです。
 デモや体験版で良いなと思ったら、是非プレイすることをお薦めします。


<10点満点での総合評価>
 8点
 主人公の設定に若干“?”を感じましたが、それでも最近のヘタレ主人公と比べるのが失礼なくらいしっかりとしています。
 また、狂気の部分は難しい問題かもしれません。
 あまり前面に押し出すとプレイヤーは引いてしまうでしょうし…。
 ただ、値段に以上に買って満足した作品でした。最近では珍しいです。
 雰囲気を味わってみたい方は、是非にプレイしてみてください。


お気に入りのキャラ:有島警部…渋すぎです!
最後に一言:「狂気を扱う場合は見せ方が命ですね。」





ひびきさんのレビュー
<購入理由>
 −それは妄執と狂気に至る愛−
 このテーマに突き動かされ、購入しました。
 絵も気に入りましたし^^;


<最初に>
 CGの綺麗さ、登場人物の個性、物語の読みやすさ。
 可笑しさを誘う台詞等も多々ありますが、それに引きずられる事の無い、残虐でミステリアスな事件とテーマ。
 評価したい箇所数は多いです。


<ゲームの概要>
 プレイヤーは主人公・高城秋五となって、上野で発生した連続猟奇事件と上月家息女失踪事件という、複雑に交錯するふたつの事件の真相に迫ります。
 物語が進行するうちに、プレイヤーが選択を迫られる場面が出現します。
 ここでの選択によって、登場キャラクター達のそれからの運命が決まります。
 慎重に選択して、事件の謎を解き明かしてください。
 また、物語中での重要な場面では、主人公以外の視点が挿入されます。
 この場面は縦書き+ノベル形式で表示されて、新たな事実や秘密が語られる場合もあります。


<システム補足>
 インストール形態はフルインストールのみ。約1.7GB必要です。
 一度インストールしたら、次からはDVD挿入しなくてもOKです。
 セーブは常時可能で、サムネイル生成の他、コメントも自分で入れることができ、便利かと。
 誤字脱字が少しありましたが、それほど気にはなりませんでした。

 また、OHPで修正ファイルが出ています。
 オープニング後に強制終了してしまう事への修正らしいですが、筆者は別に当てなくてもきちんとクリアできました。

 1度選んだ選択肢は選択肢の色が変わるのは親切で良いですね。
 CG鑑賞やシーン鑑賞は、エンディングを見るまで選択することは出来ません。


<音楽・音声>
 主人公以外はフルボイスです。
 女性キャラ・男性キャラのどちらかを消したりするon/off機能もあります。
 キャラ別にon/off機能もあります。

 一色ヒカルさん、北都南さんといった有名すぎるほど有名な方も出演なさっていますが、それ以上に和菜役の秋城柚月さん、凛役の吉沢悠亜さん、雨雀役の奥田香織さんが大活躍!
 また、男性キャラの演技も見逃せないところ。
 全体的に低く渋い声の方が多いです。
 ニヒルな役、キザったらしい役、威厳がある役などなど。
 エッチシーン以外は男性キャラの声はonにしましょう(⌒▽⌒)ノ”

 BGMは全部で23曲。うち1曲「恋獄」がボーカル入りです。
 音楽は、その場面場面に合わせて作られているので、単独で聴いた場合云々よりも、場面を盛り上げるのにとても役立っています。
 決して派手な作りでもないですけど、不気味に液体の滴る音等がBGM内に組み込まれていたりと考えて作られています。
 文章や緊張感を邪魔しないように、逆に盛り上げるよう、そんなBGMが数多くありました。

 また、効果音ですが、これは素晴らしいです。
 全編的に場面は雪なのですが、雪を「サク、サク」と踏みしめる音、スコップで掘る音、他にも殺人場面などで血が勢い良く迸る「ぐちゃっ」という音等もリアルに出てきて雰囲気を盛り上げます。


<原画・CGなど>
 原画は杉菜水姫さん。
 ミンクの「蒐集者〜コレクター〜」の原画を担当した方です。
 CGは素晴らしく綺麗!
 白い肌と黒髪の大和撫子に魅力を感じる方は、迷わずOHPに行ってサンプルを見てきてください。
 また、キャラクターの表情も良いです。
 コメディーモノの様に大袈裟すぎるほどには表情は変わらないものの、そんな中でもキャラの意中を的確に表現している表情は見ものです。
 特に雨雀の表情は見もの!
 煙管を斜めに構え困ったような顔をする立ち絵は、今にも
 「やれやれ、しょうがないわねぇ」
 と今にも言いそうですが、そこを元来の姉御気質が何とかしてくれるんじゃないか、と期待させてしまうような表情があります。
 ここまで雄弁な表情も珍しいです。
 …のみならず、怒りの形相、狂気に歪んだ顔も素晴らしい。
 女性キャラでも、血走った眼を片方だけ開き相手を睨みつけているCG等ありますから、この辺の陰陽の使い分けは見事と言うしかない。

 また、本作で特徴あるところといえば、グロさ。
 四肢や首が切断された死体や、眼球を錐で抉る時のCGがモザイク無しで出てきます。
 この辺は、見慣れている方(?)には普通ですが、耐性が無い方はご注意を…。


<戦闘シーン>
 ナイフやトンファー等を駆使する場面がありますが、鋭く振っている様が描かれています。
 真っ黒な画面に刃物が走る軌跡が、光となってプレイヤーに襲い掛かります。
 これにより、戦闘シーンの緊張感が動的に表現されています。
 決して「アニメ」ではないのですが、この表現と刃物が交錯する金属音により、戦闘シーンは良く表現されているのではないでしょうか。
 …ただ、出来が良いだけにもう少し戦闘が長かったらなぁ…。


<エッチシーン>
 登録されるエッチシーンは全部で15個。
 そのほとんどが和姦です。
 遊郭を舞台にしているのですが、寝取られ場面が無いのは、筆者には嬉しかったです。
 上記の様に、綺麗なCGと声優さんの抜群の演技力は、エッチシーンでも例外ではないので、エロいです。
 透き通った喘ぎ声や、艶めいた誘い、白い肌、堪能しましょう^^;

 淫語関係では、ピー音で修正されるような放送禁止用語は出てきませんでした。
 まぁ時代考証、ということで…。

 また、後背位か正常位かを選べたり、中出し/外出しなどの選択肢もあります。


<感想>
 冒頭、雪の中、女性が女性をスコップで埋める場面から始まります。
 そんな猟奇的な事件やスリルや惨劇、謎が終始物語に付きまとっているのですが、それだけだと暗くなりがちです。
 が、底抜けに明るい魅力的な女性キャラにより、適度な安堵感や癒しが与えられる訳です。
 ですから、スリルがあっても暗すぎません。
 かと言って女性の性格が巻き起こす可笑しさにスリルが消させる訳でもありませんから、これはシナリオライターの方に感謝をしたいですね。

 また、猟奇殺人の真犯人などの謎解きでも、結末は「終わった」と思ったら新たな真実が見つかったり、ストレートに終わらないところも良いです。

 …ですが、TRUE ENDを見ても何故か腑に落ちないものもありました。
 それは、この物語、「悪をこの手で裁く」場面が弱いのです。
 折角残酷な場面もあるのですから、真犯人もそれ相応の仕打ちを受けるべきかと。


<キャラ別感想>
上月和菜(こうづきかずな/CV:秋城柚月)
 18禁ゲームによく出てくる、「人の話をあまり聞かず、1人で突っ走ってしまう底抜けに明るく、元気な頑張り屋さん」というキャラ。
 全編に出てきて、物語を暗くさせないキャラなので、好印象です。
 慌てふためいた演技もなかなかです。

(りん/CV:吉沢悠亜)
 CG上は、白い肌、長い黒髪、小さくてもきちんと自己顕示している朱の唇。
 表情は良く変わりますが、絶えずこちらの目を見て話します。
 ちょっと下から覗きこむような目、屈託の無い笑顔、明るく威勢の良い喋り方、周りへの気遣い、そして色々な言動や気遣いの中に「主人公を好いている」故の物欲しそうなオネダリしそうな、そういった可愛い仕草が魅力的。
 大和撫子っていうのはこういうキャラを言うんだね!と思わず感涙に咽びます
 マイフェイバリットキャラです!
 お気に入りです…お気に入りなんだけど…・゚・(ノД`)・゚・
 彼女の外伝ストーリー入りファンディスク希望。

乙羽(おとは/CV:北都南)
 一言で言うと「一見嫌な奴」。
 下の者には辛く当たり、男性の上客には媚びる、主人公にはなびかない、そんなキャラです。
 北都南さんがそういったキャラを声で堂々と表現されています。
 いいところはちっとも無いキャラなのですが、雨雀が言うには、不幸と悲しみの連続で、人生に堕ちてしまった、という事。
 そう考えると、自分の有能さを誇示する事で刹那的に手に入れる自己満足、「遊郭」としてでも自分を必要としてくれる人へは捨てられたくない弱さ、そんな儚くも悲しく弱いキャラなのかもしれませんね。
 彼女の外伝ストーリー入りファンディスク希望(またかい^^;)

雨雀(うじゃく/CV:奥田香織)
 遊郭『雪白』の経営者であり「姉御」。
 性格から仕草から経営手腕等の駆け引き、全てにおいて「姉御」^^;
 世話好き、でもシメる所はきっちりシメる、そんな感じです。
 しかし、初音の話では、「雨雀様は小さい頃私を拾ってくれました。
 雨雀様は満足に食べるものがなくても、
 幼い自分には栄養のあるものを食べさせてくれました。
 そして私が立派に遊郭で働けるよう、元手をかけて教育もしてくださりました。
 ですから、雨雀様のご恩に報いるために、私は秋五様の告白を受け入れることは出来ません…」
 と言わせるほど。
 しかし、その話を聞くと、
 「水臭いじゃないですか。私はあの子には幸せになってほしいんですよ。
 身請け代も要りませんから、さっさと一緒になってください」
 と軽々言い、主人公に堅気の仕事まで世話をする。
 もう、参りました…アンタは「姉御」ですよ。
 「姉御」の中の「姉御」。
 クイーンオブ姉御!
 …でもやっぱりそんな性格の背景にはどんな過去があるのでしょうか。
 彼女の外伝ストー(以下略)。

高城七七(たかしろなな/CV:一色ヒカル)
 ムカつくキャラ…この性格が。
 スラスラと謎を解き明かし、警察でも見つけられない秘密などを、独自の方法や知識の多さで暴く…それは良い。
 が、常に人を見下した態度を取り、窮地でも飄々としており、人の感情を逆撫でするような言動もしばしば。
 ていうか常に人の感情を逆撫でしてるし…。
 人が殺されているのに、その事件自身を楽しんでるとは何事か。
 自分の理論を勿体ぶって披露したお陰で殺された人物だっているだろうに。
 彼女が徹底的に陵辱される外伝的ストーリー入りファンディスク希望。
 と、まんまとライターの罠に嵌った私…。

八木沼刑事(CV:原田友貴/注:男性です)
 キザで嫌味ッたらしく、TPOを考えない非常識な言動もかなり目立つ刑事。
 上司の目の前でも平気で人権を考えないような台詞を吐く。
 ゲームの中のキャラという事を考えてもここまでムカつくのも珍しいのは、テキストと供に中の人の演技が素晴らしいからでしょうか。
 が、それは序章。
 1回だけ、とんでもなくカッコ良い場面があります。
 いつも通りキザったらしく嫌味なのですが、その性格が主人公の敵に向けられるときがあるのです!
 全てはこの時、この場面の為に長々と伏線が張ってたのではないかと思うほど衝撃的にカッコ良かったです。


<10点満点での総合評価>
 8.5点
 雰囲気、CG、音関係は文句無く素晴らしい。
 シナリオも人間くささがあって優秀(泣いたり、高城七七というキャラがムカついたり)。
 こういったストーリーでは、悪は完全に成敗された方が良いですが、これもまた無常。


お気に入りのキャラ:…明るく、ノリが良いです。色々な過去や悲しみを隠していたであろうキャラクターの一人です。
最後に一言:「ファンディスク希望!」