School Days -スクールデイズ-  (GPさん&虚空つづみさんのレビュー)   評価: 8〜9 
▼ タイトル School Days -スクールデイズ- amazon associates
▼ ブランド オーバーフロー
▼ ジャンル ノンストップアニメーションAVG
▼ 対応OS Win98/Me/2000/XP
▼ メディア DVD-ROM
▼ 定価 税込\9,240(税抜\8,800)
▼ 発売日 2005/04/28
▼ 購入   School Days -スクールデイズ- / オリジナル特典 Getchu.com
【 CG観賞モード 】  なし
【 シーン観賞モード 】  ありといえばありで、なしといえばなし
【 BGM観賞モード 】  なし
【 メッセージスキップ 】  あり(未読・既読判別なし)
【 メッセージ履歴機能 】  あり(アップデート後可能に)
【 選択肢リターン機能 】  なし
【 オートモード 】  なし
【 ヒント機能 】  なし
【 セーブ数 】  100個
【 エンディング数 】  43個(ただし重複する話もあり)もしくは20個?
【 メディアレス起動 】  不可


<あらすじ>
 好きな子を携帯の待ち受け画面にして、3週間隠し通したら想いが叶うんだって

 主人公『伊藤 誠(いとう まこと)』が、隣のクラスの『桂 言葉(かつら ことのは)』を見つけたのは2学期の始めだった。
 彼女は、同じ沿線から通っていて、いつも同じ時刻の電車に乗り、本を読む。
 それに気が付いてから、誠は、単調な毎日の通学が少しだけ楽しみになった。

 別に付き合いたいとか、気づいて欲しいわけじゃない。
 遠くから眺めていられるだけで、その日がちょっとはマシになるような気がしたんだ。
 流行のおまじないなんか信じているわけじゃないけど…

 ある日、隣の席になった『西園寺 世界(さいおんじ せかい)』に待ち受け画面に映った言葉の写真を見られ、察しのいい彼女は誠の密かな想いを知る事になる。

 誰にも言わないと約束させる傍ら、突然応援されることになった誠。
 それは何か作戦じみていて、平凡で曇った毎日がとたん鮮明な色を持ち始めた。

 始めは強引に誘われた3人のランチタイムから。
 次第に打ち解け誠と言葉が急接近する中、世界は物思いにふけることが多くなった。

 夕焼けのホームで、初めてデートに誘った言葉を待つ誠。
 そこに、学校帰りの世界がやってくる。
 順調に進んだ作戦、誠は世界に感謝しなんでもお礼をすると約束した。

 呆然としたままホームで立ちすくむ誠。
 電車の中、世界の手にした携帯には誠の写真の待ち受け画面。
 委員会が終わり、嬉しそうな表情で駅へと急ぐ言葉。
 三者三様の表情で物語が始まる。


このホームページはオーバーフローより一部文章を抜粋しています。
素材の著作権はオーバーフローに帰属します。



GPさんのレビュー
<概要>
 全編アニメーションという話題作。
 ある学園を舞台に、主人公伊藤誠と恋人の桂言葉(「かつらことのは」と読みます)、友人西園寺世界(さいおんじせかい)の三人を中心とした錯綜する恋愛関係を描いた作品。


<システム補足>
 CPU:Pentium4 1GHz以上(推奨:2GHz以上)
 メインメモリ:256MB以上(推奨:512MB以上)
 ビデオカード:DirectX9対応でVRAM64MB以上
 必要HDD容量約7.6GBと恐ろしいくらいのハイスペックを要します
 プレー前のスペックチェックとHDD整理はお忘れなく。

 システムですが、不具合は多い、ロードは遅いは、回想モードは使いにくいはと、はっきり言って駄目駄目です。
 本作は分岐が多く、難易度も高いので、本当はお節介なくらい色々出来てちょうど良いくらいですが、実際に本作で出来ることといえば、音量調整と、男のあえぎ声の有無の選択、ウィンドウとフルスクリーン切り替え、あとはセーブとロードだけ。
 …必要最低限のものすら揃っていません。
 早送りの既読・未読(この場合は既観・未観とでも言いましょうか)判定、セーブ名のコメント(分岐が多いので「第〜話」だけでは何が何だかわからない)、オートセーブ、Hシーン専用の回想等、ゲームの性質上これくらいは欲しいところです。

 修正ファイルがあります。
 総計100MBをこえる前代未聞の大きさですが、当てないとまともにクリア出来ないので必ず当てましょう。
 それにしても、発売日の一週間前に修正ファイルを出したり、それが無ければクリアできなかったりと、もはやそれは未完成品というのでは?


<音楽・音声>
 回想モードが無いので曲数はわかりません。
 どの曲もクオリティは高いものの劇中であまり効果的な使い方がなされていないのが残念。
 (アニメなのであまり流れてこない)
 歌は全6曲もあります。
 エロゲー界の歌姫(オープニング/KIRIKO、エンディング/栗林みな実、桃井はるこ、橋本みゆき、いとうかなこ、rino、YURIA等)による歌はどれも名曲ぞろいです。

 School Days ヴォーカルアルバムも発売されています。
 1トラック目にKIRIKO「Still I Love You 〜みつめるよりは幸せ〜」
 2トラック目にyozuca*「BYE-BYE TEARS」
 3トラック目に橋本みゆき「hello,my happiness」
 4トラック目にYURIA「シークレット ザウルス」
 5トラック目に桃井はるこ「Let me Love you」
 6トラック目に栗林みな実「あなたが…いない」
 7トラック目にrino「二人のクリスマス」
 8トラック目にKIRIKO「Still I Love You 〜みつめるよりは幸せ〜(Surge MIX)」
 9トラック目にいとうかなこ「悲しみの向こうへ」
 値段が上がってもよいので、これを初回限定版としてつけて欲しかった!orz

 音声は当然ながらフルボイス。
 主人公の友人以外は(彼はちょっとわざとらしすぎ)問題なしです。


<エロ>
 行為内容は何の特徴もありませんが、やはりアニメの力は大きいです。
 普通のAVGでは何も感じないような普通のHでも、それがアニメになると格段にエロくなるのです。
 本作はストーリー重視の作品ですが、思い切ってエロ目的のみで買っても損は無いでしょう。
 ただ…と回想シーンが使いにくいのがネックですが…。


<内容>
 エロゲーというものが生まれて約20年。
 コンシューマーゲームやコンピューター自体が日進月歩で発展していく今日において、そろそろエロゲーにも変革が求められるころでしょう。
 その中で特に注目されているのが「3D」と「アニメーション」。
 とくにアニメーションはかなり昔から色々なメーカーが取り組んでいきました。
 本作「School Days」も全編フルアニメーションという意欲作、はたして出来はいかがなものでしょうか?

 何はともあれ、アニメーションの出来ですが、素晴らしく綺麗です
 テレビアニメやOVAのレベルに匹敵する…(たぶん^^;)くらいあります。
 ちょっと使い回しが多いのが残念ですが、これは容量の関係から仕方ないでしょう。
 アニメのクオリティはかなり高いです。

 ゲーム形式は選択肢式のAVG。
 全6話構成で、選択肢によって話が分岐します。
 単純な形式ですが、見た目はアニメが流れるテレビ番組やOVA。
 しかし選択肢によってガラっと変わる展開、アニメとゲームが非常に上手く融合出来ています。
 返す返すこれで操作性が良ければ言うこと無しなのですが…。

 ストーリーはタイトルどおり学園モノです。
 主人公伊藤誠と恋人桂言葉、そして二人の友人であり二人の仲をまとめた西園寺世界による三角関係に加えて、その他のキャラの恋愛事情がからんでいくという至って王道の設定。
 そうなれば展開も甘酸っぱくて、ちょっぴりほろ苦いラブコメ…になると思いきや、実際のストーリーはそんな生易しいものではありません。
 本作はラブコメというよりは、むしろ奥様方の観るお昼のメロドラマに近い、嫉妬に満ちたドロドロの愛憎劇なのです。

 まずメインヒロインの言葉がいじめられっこという設定なので、いじめのシーンが結構でてきます。
 また、ほとんどのキャラクターに二面性があり、同じ人物でも「いい奴」のときと「嫌な奴」のときのギャップが激しいです。
 どのキャラも嫌な奴のときは本気で嫌な奴です。
 この辺の生々しさは非常に上手く表現できていますが、そんなキャラによる嫉妬入り乱れるドロドロの人間関係は決して万人向けとは言えないでしょう。

 さらに言うと、このゲーム、展開によっては血を見ます
 ネタバレゆえ詳しくは語れませんが、あるルートに行くと冗談抜きで嫉妬による死者がでます。
 それも結構高確率で…。
 さすがにここまで来ると賛否両論分かれると思います。
 特にパッケージの見た目から、甘酸っぱいラブコメを期待していた方には正直ついていけないかもしれません。
 この辺はプレーヤーによって十人十色の結論が出るでしょう。

 私はこういうドロドロの嫉妬物語は大、大、大好きです!
 ですので、こういう展開(内容)は思わずディスプレイ前でスタンディングオベーションをしたくなるくらいの素晴らしさ!
 (´-`).。oO(一時話題になった昼メロ「牡丹と薔薇」をわざわざビデオにとって全編見ていた位ですから^^;)
 その為 ○○が嫉妬に狂って××にナイフを突きつけたときなんか、ドキドキ・ワクワクで見てました^^;

 …ごほん…、そんな私の嗜好は置いておいて、ストーリーについて2つほど苦言を。
 1つは全体的に淡々と進みすぎる点。
 本作のアニメーションは確かに綺麗ですが、演出面はいまいちアニメの良さが活かされていません。
 その為、全体的に静かで淡々としています。
 バッドエンドルートではその淡々とした雰囲気が逆に不気味さを際立たせていて良いのですが、ハッピーエンドがいまいちハッピーになりきれないのが残念。
 バッドエンドはどぎついのが多いので、それと対比する為にもハッピーエンドはもう少し明るくしても良かったと思います。

 もう1つは登場人物の心情描写がいまいちな点。
 アニメは確かに見た目の面では非常に優れていますが、キャラの内面描写はどうしてもテキストのある普通のAVGには劣ります。
 特に主人公誠の心情変化。
 こういう男―女―女の三角関係は愛される男(本作なら)の心情の機微が一番の見所になるのですが、テキストのない本作ではいまいちそれが伝わりにくいです。
 それを補うために感情値メーター(の気持ちが言葉世界のどっちに傾いているかがわかる)があるのでしょうが、感情値と実際の行動と展開が一致していないことがしばしばあり、が何を考えているのか余計わからなくなってしまいます。
 この辺はもう少し何とかして欲しかったと思います。

 この作品、好き嫌いがものすごく分かれるのは事実ですが、それだけ三角関係の生々しさを秀逸に描いたとも言えます。
 何よりルートによって展開ががらっと変わるので先が読めません。
 ドロドロとしたのがある程度平気なら、かなり面白く感じ、お薦めな作品だと思います。


<10点満点での総合評価>
 8点
 システムの使い勝手が悪すぎるのは減点対象、またドロドロの愛憎劇は賛否両論真っ二つでしょう。
 しかし、綺麗なアニメーション、ガラッとかわる展開、三角関係の生々しさを上手く描いたストーリー、そして何よりエロゲーではまだまだ未開発なアニメーション作品を、こうしてゲームと上手く融合させたのは評価に値します。
 人によってかなり上下するでしょうが私は8点で^^;


お気に入りのキャラ:清浦刹那…言葉も世界もいいですが、彼女の無表情でのVサインは最高に可愛いです^^;
最後に一言:「こういうドロドロ路線は好きです♪」




虚空つづみさんのレビュー
<キャラクター>
桂 言葉(かつら ことのは)CV:遠野そよぎ
 1年4組で誠や世界とは隣のクラス。
 大人しく引っ込み思案な性格。美人で巨乳。家はかなり裕福。
 クラスの女子からは嫌われていて、なかなか友達ができず寂しい思いをしている。
 物語が進むにつれて、激しく(ええ、それはもう激しく)性格が変化。

西園寺 世界(さいおんじ せかい)CV:柚木かなめ
 1年3組で、誠のクラスメイト。
 明るい性格で、クラスのムードメーカー的存在。
 やや小うるさい一面もあって、男の子とつき合った経験は無いようだ。
 同じクラスの“清浦 刹那(きようら せつな)”とは幼馴染み。

伊藤 誠(いとう まこと)CV:平井達矢
 1年3組。主人公。
 恋愛に奥手で、遠くから言葉を見ているだけで良かった彼…だったのですが、言葉と世界の間で気持ちが揺れ動くうちに『モテモテ』状態に。
 親友の澤永よりはHが上手いらしい。

加藤 乙女(かとう おとめ)CV:松永雪希
 1年4組で、言葉のクラスメイト。バスケ部所属。
 誠とは同じ学校出身で親友でもあり、その頃から密かに恋心を抱いていた。
 4組のリーダー格存在でもあり、誠とつき合うようになった言葉に嫉妬し、イジメの矛先を持って行くようになる。

黒田 光(くろだ ひかる)CV:一色ヒカル
 世界の友人&クラスメイトの1年3組。
 世界と誠がつき合っていると思っていたため、誠をあまり快く思ってない。
 誠の親友“澤永 泰介(さわなが たいすけ)”に、恋心を持っているような、いないような?

甘露寺 七海(かんろじ ななみ)CV:藤村美緒
 これまた世界の友人&クラスメイトの1年3組。
 乙女と同じく、バスケ部所属。
 上級生の“花山院”という彼氏がいるが、かなりマニアなオタクのため、それが悩みの種らしい。

清浦 刹那(きようら せつな)CV:山本華
 世界の幼馴染み、1年3組。
 寡黙で表情豊かでないが、世界にとっては理解し合える存在、である。
 世界が落ち込んだときなどは、重要な役割を持っているキャラ。
 『ぶい!』が決まりポーズ。


<購入動機>
 最初に、美少女ゲー雑誌に情報が載ったのは、2003年8月頃だったと思います。
 フルアニメーションということで、チェックしてたのですが、その後パッタリと情報が出なかったので、まったく忘れていました。
 2004年12月頃になって、雑誌で特集記事が組まれ、ちょうど販促ムービーがあったので見てみたら、意外にもアニメーションの出来が良さそうなので購入決定です。
 まぁ、それ以外にも、切ない恋物語をプレイしてみたいな〜という欲求も、購入の一因かな^^;


<システム>
 修正ファイルがあります。
 というより、パッチを当てないと、途中でエラーが出て止まります。
 また、修正ファイルのバージョンによって、物語の展開が微妙に変化するという仕様。
 …デバッグしっかりやってくださいね(;´Д`)

 (2005/05/15時点での修正ファイル)
 Ver1.01 不具合解消
 Ver1.02 上記、不具合解消&世界のおっぱい修正
 Ver1.07 シナリオ修正?、一部グラフィックボードへの対処、機能追加等
 手順は、Ver1.01またはVer1.02を当てた後、Ver1.07インストする…面倒ですな(;´Д`)

 動作環境ですが、スムーズに動かすためには、非常に高いPC性能を要求します。
 CPU:Pentium4 1GHz 以上(推奨 2GHz 以上)
 メモリ:256MB以上(推奨 512MB以上)
 ビデオカード:640×480以上フルカラー、VRAM 64MB 以上
 必要ハードディスクの空き容量:8GB
 DirectX9.0c
 WindowsMediaPlayer が 9 または 10
 ノートパソコンでの動作は非保証
 最新式PCなら大丈夫でしょうけど、Win98時代のPCだと厳しいかもしれません。

 さてさて、実際のゲームシステムについて。
 物語は、第一話「告白」からスタートし、第六話が最終話となります。
 各話において、主人公の会話・行動について選択肢(1択または2択)があり、これによって物語が枝葉のように分岐していきます。

 この選択肢、実は「時間制限」が設けられていて、「どっちを選ぼうかな〜」などと迷っていると、時間切れで、そのまま話が進んでしまうことも。
 と言うのが、このゲーム、基本的にオートモードで進行するんですね。
 なので、いちいちマウスをクリックしなくて済むのですが、ぼ〜っと見てると、不意に選択肢が出て「え?え?どっちにすればいいの?」と慌てることも…。

 雰囲気としては、アニメのビデオを見ているようなゲームと言ったら分かりやすいでしょうか。
 一応、スキップ機能ありなのですが、『ビデオの早回し』みたいなもので、あまり速くないです。

 エンディング数は20個だと思うのですが、確認する機能が備わってないですし、選択肢によっては後日談が加えられたりする場合もあるので、おそらくこれぐらいだろうと…。

 セーブがやや特殊で、一応話の途中でもセーブは出来ます。
 しかし、そのセーブポイントをロードしても台詞や場面の途中から再開されたりします。
 分かりやすく言えば、『ビデオのポーズ状態』を記録したようなものかと。
 回想シーン機能が無いので、特定の場面をセーブしようとしたら、こうゆうのは面倒ですね。
 また各話のエンド後で「セーブしますか?」と確認してくれるのですが、リプレイ機能でこのセーブポイントをロードすると、第1話からそのポイントまでの流れをずーっと見させられます。
 有用とは思えないんですけどねぇ。

 とにかく、システム周辺については改善して欲しいです。


<音楽>
 タイトルメニューにBGMモードが無いので、何曲あるのかは不明。
 ただ、ヴォーカル曲はやけに豪華です。
 パッケ書きによると「業界を代表する歌姫たちによるスーパーコラボレーション!」だそうで、
 唄っておられるのは、KIRIKO、栗林みな実、桃井はるこ、yuzuca*、橋本みゆき、いとうかなこ、rino、YURIA の8名。
 各話のオープニングとエンディング、あるいは後夜祭などのシーンで唄が流れるのですが、これが結構いい感じ♪
 甘い雰囲気あり、哀しいのもあり…演出効果を高めてますねぇ。


<音声>
 全キャラ音声ありなのですが、オプション設定にて『男性のあえぎ声 OFF』という機能がついてます。
 「男のあえぎ声なんて聞きたくないわっ!」という人には便利そうに見えますが、この機能を使っていても所々にて聞こえる箇所があります。
 意味ないのでは…。

 出演されてる声優さんについては上記キャラを参照。
 実力のある方々ばかりなので、演技については文句の付けどころは無いかと。
 個人的には、言葉役の遠野そよぎさんがすごく良く演じられてるなぁ、と思ってます。
 言葉なんて最初はオドオドしてますけど、中盤から積極的になってきて、最後の「キャハハハハ‥」。
 素人目にも、こうゆうのは難しい役柄なんじゃないでしょうか。
 とにかく、性格の変貌が激しいですからねぇ。


<CG>
 キャラデザインはごとうじゅんじさん。
 1枚絵は無く全部アニメーションです。
 全部で何時間分あるのかは分かりませんが、とあるスタッフインタビュー記事によると「絵コンテだけ積み重ねると身の丈ほどある」とか…。
 とにかく量的には多いです。

 絵柄についてですが、よくあるような『セル画風』ではありません。
 セル画にいろんなデジタル効果(煙や光効果など)を加えて、絵に自然な感じを出してます。
 ただ全体的に暗色が多いので、なんとなく暗い感じもします。
 物語が秋〜冬なので、意図的にそうした様にも見受けられます。

 男性キャラは服装も地味で変化に乏しいのですが、女性キャラは服装(制服、私服)や小物も豊富で表情豊かです。
 携帯電話なんて画面描写がやけに細かく感じました。

 不満点としては、
 ・口パクと音声が合っていない
 ・手足の動き、胸の揺れ方等で不自然な所がある
 ・通行人、電車内での第三者など背景の人物が少ない
 その他色々ですが、細かいところは気にしないようにしましょう^^;


<Hシーン>
 主に、言葉世界とその他女性という感じで、ハーレムとか陵辱は皆無に等しいかと。
 (まぁ3Pとかスワッピングはありますけど^^;)
 尺は標準かやや短めで、場所は学校(屋上や教室)か自宅がほとんど。
 女性キャラのほとんどは処女…のハズなのですが、最初からあえぎまくってます^^;
 う〜ん、誠くんのHテクは天性なんでしょうか…と思ったりしました^^;
 そう言えば、とある場面で「誠の方が、澤永より上手」って、とある女性キャラの台詞ありましたね。
 アンタ、初体験でそんなこと言うなよっ!

 さて、オーバーフローと言えば、妊婦さんで有名なのですが、本作品に登場するキャラたちも例外ではなく、ほとんど避妊しようとはしません。
 よって、誠くんの行動(すなわちHシーンでの選択肢)次第で、妊婦さん登場〜というエンドもあります。
 ハラボテHとかは無いのですが、『中から液が…』というのが好きな人には良いかも。

 液の量はやや多めです。
 また下半身の毛もあります。


<感想>
 発売前の予想では、このゲームは「純愛ゲー」に属するハズ…だったのですが、話が進んでいく内に、まったく違うことを思い知らされました。

 このゲームに似合うキーワードは不安・嫉妬・独占欲・孤立・狂気…などなど。
 絵に描いたような恋愛ゲーには存在し得ない、人間の「悪い所でもあり弱い所」が前面に出てきます。
 ネタバレになりますが、要は、を巡る言葉世界三角関係が発端なんです。
 ただ最初は、言葉世界も積極的に相手を排除しようとはせず、友達関係を保っています。
 (特に言葉は学内での友人が少ないので、を紹介してくれた世界を信頼してます)
 これが段々とへの気持ちが高ぶるにつれ、この関係に悩むようになってきます。
 いつまでたっても定まらないの気持ちへの不安などが絡まって、やがて「は私の方が好きのハズ!」と思いこむ。
 その辺の心理描写が非常に良くできていて、ゲームという空想産物にも関わらず現実味のあるものになっています。

 特に言葉は、イジメという不遇から初めて恋人を得たという幸せに辿り着いたのですが、それが崩壊してしまったときの彼女の気持ちが…。
 私も過去いろんなゲームをやりましたけど、ここまで「痛く・辛く・恐ろしい」場面は初めてです。
 ゲームなんてハッピーエンドだけあれば良いんだ、なんて浅薄な考え方を持ってる方々には、是非ともこのシーンをやって欲しいですね。
 確かに絵はグロいかもしれませんけど、私はこの行動をとった言葉に対して、哀れみや同情以上のモノを感じて涙してしまいました(つД`)

 涙シーンと言えば、もうひとつ。
 このゲームではサブキャラたちが良い役割を持っていて、特に世界と幼馴染みである刹那は、世界が悲しむことがないよう、細々と世話を焼きます。
 とあるエンドでは、空港で刹那が涙をこぼしながらVポーズを出すんですが…。
 その前の話と相まって、これも涙なしには語れない、とてもいい場面だと思いました。

 というわけで、単にエロ目的じゃなく、多少痛くても人間ドラマを見たいという人にお薦めです。
 ただし、PCスペックが高くて、話長いのに平気で、血を見ても大丈夫な方限定^^;

 ここから先は、不満と言うより個人的な怒り。
 伊藤誠くん。
 おめぇ、態度ハッキリしろやーー!!ヽ(`□´)ノ
 モテモテなのは結構だが、約束は破るわ、一方的に別れるわ、酷すぎっ。
 「君が望む永遠」の主人公『鳴海孝之』に代わって、「キングオブむかついた主人公」の栄誉を授けます。


<10点満点での評価>
 9点
 人によっては評価に大きく差が生じると思います。
 バグとかシステム周りのコトもありますし、エロ重視に人もいるでしょうから。
 でも私としては、非常に痛いけど思い切ったシナリオだったということでこの得点とします。


<お気に入りのキャラ>
桂言葉
 刹那がいい〜という方が多いでしょうが、私は言葉のほうがお気に入り。
 この娘、家庭円満で裕福なのに、学校では不遇すぎます。
 キャラの扱い方についてメーカーを小一時間問い詰めたいです…。









  英雄×魔王     (ばんちょさんのレビュー)  評価: 6.5 
▼ タイトル 英雄×魔王
▼ ブランド エスクード
▼ ジャンル 世界征服SLG+ADV
▼ 対応OS Win98/2000/Me/XP
▼ メディア CD-ROM
▼ 定価 税込\9,240(税抜\8,800)
▼ 発売日 2005/05/27
▼ 購入 
/ オリジナル特典なら Getchu.com
 あり
【CG観賞モード 】
【 シーン観賞モード 】  あり
【 BGM観賞モード 】  あり
【 メッセージスキップ 】  あり(既読・未読判別あり)
【 メッセージ履歴機能 】  あり(音声リピートあり)
【 選択肢リターン機能 】  なし
【 オートモード 】  あり
【 ヒント機能 】  あり(クリア後にメニューとして)
【 セーブ数 】  105個(8×13ページ+クイックセーブ1)
【 エンディング数 】  ?個


<商品紹介>
 俺の子種で世界を変える!
 次々に女魔族を服従させ、Hをして子ども(兵)を増やし、世界征服をするというバカバカしくもエロそうなゲーム内容。
 誰もが一度は思うであろう、世界の支配者になってやりたい放題したいという願望を叶えるゲーム。
 また王道RPGの世界では、いつも勇者に魔王が倒されているが、敵側が主人公になることで、正義の味方である勇者を倒すことができる。
 なんと兵は自分の子ども!服従させた女魔族を指揮官とし、繁殖した自分の子どもたちを兵として各地を侵略し、世界を変えていくのだ。


<ストーリー>
 そこは人間と魔族が存在するファンタジー世界。
 長い間、均衡を保ってきた両者の関係も月日が経つにつれ 次第に魔族が優位に立つようになっていた。
 フィーリス城の主、フェルザーもその魔族の1人である。
 人間嫌いの彼は周辺の町を破壊したり、側近であるじいさんの髪の毛を抜いたりと、気ままな毎日を過ごしていた。

 ところがある日、うさ晴らしのため一暴れしに行った町で人間たちのこざかしい妨害にあってしまう。
 フェルザーは抵抗しても無駄だということをいまだ理解していない人間に腹を立て、完全に自分の支配下に置くべく、ついに立ち上がる!
 まず手始めに、すべての人間たちに真の恐怖を植え付けようと計画するが手下の兵はまるで役に立たたず、人間にまで負けるというトホホな有様。
 フェルザーはごく少数での戦いに追い込まれることに。

 だがそのとき、城に攻め込んできた女魔族を捕まえてエッチしたところ、偶然生まれた子が手下に比べて優れていることが判明。
 さらに母親の特徴を強く受け継いでいたことから、女魔族をたくさん服従させて繁殖すれば、様々なタイプの兵を増やすことができると側近から助言され、はりきって実行に移す。
 かくして、史上最大の侵略と繁殖が開始されることになるのだが他の地域を支配する魔族や人間たちがこれを黙って見過ごすはずもなく、次々に攻撃をしかけてくるのだ。

 はたしてフェルザーは、行く手に立ちはだかる魔族や人間を倒し世界を恐怖のドン底に突き落とすことができるのだろうか?



このホームページはエスクードより一部文章を抜粋しています。
素材の著作権はエスクードに帰属します。



<購入動機>
 今回の原画家さんを同人ソフトで知っていたので。
 要は絵買いですな^^;


<ゲーム内容>
 プレイヤーは魔王となり、世界征服を目指すSLG+ADVゲームです。
 SLGと聞くと難解なシステムを浮かべがちですがコマンドは単純で8つ程しかなく、とても遊びやすくなっています。

 基本的には各地を制圧していく訳ですが、各地にポイントとなる地点が設定されていて、規定ターン内にそこまで制圧する必要があるので、のんびり地固めして侵攻、というのは出来ません。
 しかし、それほど慌てなくても進めるくらいの難易度ですので、心配は要りません。

 特筆すべきは「リボルバーバトルシステム」という戦闘システムで、
 1.リーダーユニットの選択
 2.他キャラの並び順を決定
 3.リボルバー銃の弾倉のようなリングを左右に回転させ戦闘させるキャラを選択
 4.選択されたキャラは1対1で戦闘
 5.どちらかのリーダーユニットが倒されるまで3と4を繰り返す
 という手順で進められます。

 戦闘に際しては「3すくみの法則」があり、3つの属性(剣・弓・魔法)に、ぶつかる属性間での有利不利が設定されているので、相手の属性を読み取りつつ自分が有利になるように戦略(キャラのぶつけ方やセット順)を考える必要があります。
 また「SPゲージ」というのがあり、一定量のポイントが貯まると特殊能力や強力な技が使えたりします。
 一発逆転を狙ったり、決め技として使用したりと何かと便利です。

 この戦闘システムのおかげで、シンプルではありますが適度に緊張感のある戦闘が楽しめます。

 戦闘に使うキャラには指揮官クラス(自分やヒロイン等)と一般兵クラス(自分の子供)があります。
 一般兵はヒロインと「繁殖」を行う事で増やす事が出来、戦闘属性はヒロインに左右されます。
 ある程度計画性を持って行わないと、一般兵の不足が発生しますので注意が必要です。


<音楽>
 「魔王の世界征服」というと、おどろおどろしい音楽が使われているように思われますが、シナリオ的にほのぼのとしたパートもあるので、案外そういう印象は受けません。
 また勇者の登場シーンなどは勇ましい音楽が使われているのですが、プレイヤーの立場上「来たか来たかこの雑魚が^^;」という心情で聴いてしまったりします。


<音声>
 この手のゲームには珍しく、シナリオに絡むキャラはフルボイスです。(主人公除く)
 ヒロイン達の声は、それぞれのキャラの個性が出ていて勿論良いのですが、個人的には主人公の側近のガモフの声が、「とぼけたぢぢぃ」風味を醸し出していて楽しめました。


<感想>
 殆どのゲームで人間の敵となる「魔王」という立場でのプレイ。
 自分の思うまま好き勝手やる魔王ですが、それ以上に「人間」の浅ましさ、身勝手さがクローズアップされていて、それぞれの立場によって「正義」の基準が変わる、面白いシナリオだと感じました。

 エッチシーンについては、基本的には押し倒す系統ですが強い陵辱色は無いので、重苦しさはあまり感じられませんでした。
 しかしSLGパートの「繁殖」がある関係で、作業的にこなす印象が拭えないのは残念な所です。

 それほど構えずに遊べるSLGパート、シンプルながらユニークで面白い戦闘システム、また良く作られたシナリオなど、良い点は色々とあります。
 が、残念な事にシナリオの作りに対し、シーンの描画関係が非常に寂しく感じられる場面が多々ありました。
 エッチシーンでは背景の止め絵から延々とテキストを読まされ、中盤過ぎくらいにようやくそれらしい絵が出てきたかと思いきや、殆ど構図が変わらずに終了したり、「繁殖」では絵のバリエーションが全くありません。
 勇者との対峙シーンやポイントポイントのシーンでは、殆どがテキストのみで進行し、特別な絵が挿入される事がとても少なく、臨場感や高揚感に非常に欠けます。

 これがノベル形式の作品であれば、テキスト主体の進行であったとしても違和感は感じないのですが、このゲームのスタイルやシナリオの内容からすると、もっとCGをスパスパと差し込むドラマティックな演出を盛り込んだ方が、よりこの作品にのめり込む事が出来たのではないか、と思わずにおれません。


<10点満点での総合評価>
 6.5点
 CG、シナリオ、音楽、ボイス、それぞれはとてもクオリティの高いものですが、そのまとめ方が少々物足りない印象です。
 それでも繰り返し遊んでみたくなるのは、システムの作りが良いからでしょう^^;


おすすめキャラ:アレット…ぼけぼけ具合が何とも堪りません。
          セレス…優等生キャラをいびり倒す楽しみがあります。
最後に一言:「堅苦しい事を考えずに、思うままにプレイしてみてください^^;」