僕は天使じゃないよ (ベネ!さんのレビュー) | 評価: 7.5 |
▼ タイトル | 僕は天使じゃないよ | |
▼ ブランド | 130cm | |
▼ ジャンル | 懐古調SMノベル | |
▼ 対応OS | Win98/Me/2000/XP | |
▼ メディア | DVD-ROM | |
▼ 定価 | 税込\7,140(税抜\6,800) | |
▼ 発売日 | 2005/04/28 | |
▼ 購入 | 僕は天使じゃないよ /オリジナル特典 Getchu.com | |
【 CG観賞モード 】 | あり | |
【 シーン観賞モード 】 | なし | |
【 BGM観賞モード 】 | あり | |
【 メッセージスキップ 】 | あり(未読・既読判別なしあり) | |
【 メッセージ履歴機能 】 | あり(マウスホイール対応、音声リピートなし) | |
【 選択肢リターン機能 】 | なし(但しシーンごとにもどれる) | |
【 オートモード 】 | あり | |
【 ヒント機能 】 | なし | |
【 セーブ数 】 | 32個 | |
【 エンディング数 】 | 18個 | |
【 メディアレス起動 】 | 可 |
<あらすじ>
舞台は倒錯した性を売り物にする秘密の倶楽部『マスカレヱド』。
そこで主人公は柘榴という不思議な女と知り合い、過激な倒錯の世界を体験します。
主人公はあししげくに異常なパーティへと赴き、新たな世界を開いてゆきます。
また主人公は同時に身分を隠して孤児院で働く清楚な少女、百合乃とも通じています。
最初は無垢な百合乃も次第に羞恥を中心とした歪んだ性への素養を見せはじめます。
主人公は二重生活を送りながら正反対の少女と深い倒錯へと耽ります。
本作は『檸檬』『かなりあ』に引き続き、大正時代を舞台にした物語。
ただし前二作品に較べると時代は下り、昭和初期といったほうが正しいかもしれません。
関東大震災以降の日本は大不況、戦争…と、大正ロマンの華やかな雰囲気から、失意と絶望の闇の時代へと沈みこんでゆきます。
『僕は天使じゃないよ』はそんな時代の物語です。
<キャラクター紹介>
丘 百合乃 (おか ゆりの)
孤児院ロザリオ園のシスターであるが、彼女自身もこの園で育った孤児である。
八年前、現院長である修道女に捨て子として拾われている。
不幸な出自にも関わらず、百合乃は心優しく美しい少女に育つ。
敬虔なクリスチャンとなった彼女は、成長後も園に残って奉仕活動を行っている。
孤児に注がれる深い愛情は人々の心を打ち、いつしか『孤児院のマリア』なる評判を得るに至る。
柘榴 (ざくろ)
マスカレヱドに現れる、虚しく乾いた瞳をした刺青(しせい)の女。
柘榴と呼ばれていること、その背に見事な龍の刺青のあること。
それ以外はすべてが謎。その国籍すら不明である。
芳野 翠子 (よしの みどりこ)
マスカレヱドに現れる豪奢な身なりの妖艶な美女。
銀座の高級カフェーのホステスだがパトロン探しに困ってる様子はない。
自らその魅力を自覚し、愚かな男たちを振り回すことを楽しんでいる。
マスカレヱドにはパトロンの一人の連れとして登場した。
ローザ
金髪碧眼の西洋人の娘ローザは翠子の連れとしてマスカレヱドに登場した。
黒いドレスに身を包んだ、まるで人形のように可憐な美少女の登場にマスカレヱドはにわかに色めきたつ。
しかし歓呼の声はすぐに戦慄の沈黙に塗り替えられてしまう。
無遠慮に触れたうかつな紳士の頬をローザの爪が引き裂いたからである。
客はそこで初めて少女の凶暴性に気づいたのである。
田辺 小梅 (たなべ こうめ)
市蔵の身の回りの世話をしてくれる盲目の無口な侍女。
まだ若いがきちんと家事はこなす。
いつも静かに微笑んでいる娘。
北見 市蔵 (きたみ いちぞう)
本編の主人公。裕福な家の長男に生まれる。
もともと豊かな旧家だったが入り婿の父が起業した会社が戦争で大儲けし、ますます資産が増えていった。
母は既に他界。父親を嫌って家を出た後、現在もダラダラと隠遁生活を続けている。
このホームページは130cmより一部文章を抜粋しています。
素材の著作権は130cmに帰属します。
<購入動機>
清純な百合乃と人生の底を知っている柘榴との二律背反生活。
その上で闇を捨てきれない主人公は百合乃も汚していく、それに百合乃も呼応して…というダーク性に期待しました。
CG(さっぽろももこさん)も良さそうですしね。
<システム>
システムは良い部分と悪い部分が…。
良い部分
・好きなシーンから始めることが出来る(ただしHシーンのことではなく、通常のシーンのこと)
・フルスクリーン・Window。Window時は800×600で大きめ
・セーブにシーンタイトルも表示されて分かりやすい
・メディアレス起動可
悪い部分
・シーン鑑賞モードがない!
・強制スキップのみ
・音声再生なし
ゲームはクリアする度に選択肢が増えていく、雫・痕・螺旋回廊のような(古^^;)パターンのAVG。
上記の好きなシーンから始められる機能もあって、難易度は低目かと。
<音声>
音声は素晴らしかったです。
ちさとさん以外は知りませんでしたが、キャラクターを上手く演じているというか、キャラクター通りの声でした。
エロゲーで通常シーンの声が上手いなーと感じたのは久しぶりでした。
Hシーンでも上手く演じられていて、特に百合乃のくぐった声は、今までにない感じで良かったと思います。
<CG>
CGはさっぽろももこさん。
結構(良い意味で)独特というか、好感が持てます。
ゲームの雰囲気に合っているかと。
でも…、イベント絵と立ちのギャップが…。
<感想>
無垢な存在の百合乃と、痛みしか感じることが出来ない(SMになる)柘榴との二律背反の物語。
最初に行っておきますが、ダークです、重いです、暗いです(>_<)
ハッピーエンドは?っていう感じの終り方ですが、ヒロインはその中でも幸せを見つけていく…という考えさせられる作品です。
昭和初期になぞらえて非常に雰囲気を出した作りになっています。
個人的に残念だったのは、百合乃と柘榴との相反する生活に苦悩する主人公と銘打っておきながら、その二律背反性が上手く出せてなかったこと。
百合乃との関係の深まりなど、もう一工夫欲しかったです。
いきなり関係深まって見えた感があります。
百合乃が恥じらいを見せつつ溺れていく、その辺の描写が細かく欲しかったですね。
そうすればもっと感情移入できたでしょう。
その間のシナリオ(描写)をちょっとはしょりすぎの感があります。
百合乃のキャラクター構成ですと、そこが売りだと思うのですけどねー^^;
ストーリーも百合乃と柘榴、実際は分岐で分けています。
無理に分けなくても、一緒にしても良かったと思います。
メインストーリーとしての骨格に百合乃と柘榴の二律背反性をもたせ、その上で分岐があれば良かったのですが、そこまでは至らなかった模様。
クリアーしていけば、どんどん分岐点が増えていくのですが、これだけ分岐をもたせた目的がちょっとわからないです。
ただ、分岐作りたかっただけじゃないのかな〜って印象が強いです。
それに類することですが、昭和初期の会話の歯切れ良さは上手く出ていました。
しかし、サイコ性・ダーク性を、もう少しミックス出来ればなお良かったかと。
重い、ダークな話しなのですが、さくさく(あっさりと言うべきか)進んでいくので、いまいちその雰囲気が出し切れていません。
歯切れ良くテンポ良く進むと言うシナリオ性の背反性をもう少し上手く表現して欲しかったです。
結局、良い設定なのにキャラクターを上手く出し切れなかったという感じがします。
雰囲気については見事で、語り口調も工夫していました。
CGも音声も素晴らしく、ボリュームは…、もうちょっと頑張って欲しかったかな^^;
でも、上記は良かったのですが、キャラクターに対する執着が弱かった点が減点ですね。
もったいない作品です。
<Hシーン>
Hシーンについては、あまりエロくないです。
あっという間に初めて、前戯なく挿入、あっという間に終ります。
見ているこっちがあっけに取られます。
また、百合乃の羞恥がメインのゲーム(ですよね?)ですが、その羞恥に至るまでの過程が非常に弱いです。
はっきり言って、羞恥というか、百合乃がいきなり全快の痴女めいて見えました。
聖女が、序盤で痴女めいて見えたらおしまいです。
主人公のいう事だから仕方なく行う…、でもそれは百合乃にとって、本当に恥ずかしいこと…。
それに反して開放感からか、感じてしまう自分がいる。
信仰との狭間でのたうつ苦悩。
そうした微妙な心情の機微を大切にして欲しかったです。
そのために、後半のマスカレィドとの絡みも色あせて見えました。
シーン自体はいいシーンが何点かあったのですが…、いきなり堕ちるというか感じられては…。
<10点満点での総合評価>
7.5点
結構悪く言ってしまいましたが、私はツボにはまりました。
雰囲気とコスト(税抜\6,800)を加味して…。
でも、はっきりとは人様にお薦め出来るってほどじゃなくて、人を選ぶと思います。
ゲームをプレイしたという爽快感よりも、尾を引く…頭の片隅から離れない、考えさせられる作品です。
お気に入りのキャラ:百合乃…やっぱり百合乃
最後に一言:「キャラのイメージをもっと深くして作って欲しかったですね。」
学園怪傑くるり! (たろんなーどさんのレビュー) | 評価: 7.5 |
▼ タイトル | 学園怪傑くるり! | |
▼ ブランド | Troy | |
▼ ジャンル | 学園恋愛借金返済ADV | |
▼ 対応OS | Win98/Me/2000/XP | |
▼ メディア | CD-ROM | |
▼ 定価 | 税込\9,240(税抜\8,800) | |
▼ 発売日 | 2005/04/28 | |
【 CG観賞モード 】 | あり | |
【 シーン観賞モード 】 | あり | |
【 BGM観賞モード 】 | あり | |
【 メッセージスキップ 】 | あり(未読・既読判別あり) | |
【 メッセージ履歴機能 】 | あり(バックログでの音声再生なし) | |
【 選択肢リターン機能 】 | なし | |
【 オートモード 】 | あり | |
【 ヒント機能 】 | なし | |
【 セーブ数 】 | 54個 | |
【 エンディング数 】 | 12個(BADEND含む) | |
【 メディアレス起動 】 | 可 |
<あ・ら・す・じ>
学園のトラブルメーカーで有名な熱血少年『転堂くるり』。
そんな彼に突如襲いかかる不幸……
父親が宝探しに出かけてしまい、くるりに残された借金はなんと一千万円!
返すしかないが、あいにく学園はアルバイト禁止。
それを見かねた校長先生は、彼にこう囁きます。
『お前……この学園で[人助け]をして働かないか?』
天性のトラブルメーカーであるくるりに『トラブルバスター』の勧誘。
だが、背に腹は代えられない。こうして生まれた『学園怪傑くるり』。
果たして、くるりは平穏無事な生活を取り戻せるのか!?
<キャラクター紹介>
桃瀬 穂奈(ももせ ほな)CV:天野みずき
神天学園2年。主人公くるりになにかと世話を焼く幼馴染でクラスメート。
成績優秀で運動神経も有り、クラスでも頼りにされている。
明るい性格だが、「未来視」を持つ為に悩むことも多い。
転堂 くるみ(てんどう くるみ)CV:計名さや香
神天学園2年。お兄ちゃんLOVEな義理の妹だが、両親の事情で現在は別居中。
勉強の方はイマイチだが、家庭的でしっかりしており、何かと兄の世話を焼きたがる。
そのために、くるりに近づいてくる女性にはなにかと敵対心を燃やす困った一面も。
水上 伊織(みなかみ いおり)CV:一色ヒカル
神天学園の教員で、主人公のクラスの担任も務める。22歳。
アニメ、漫画好きでノリがよく子供っぽさと姉御肌の同居する性格で人気が高い。
ほぼ理科室に住んでおり、怪しげな実験で学園施設を破壊するのが玉に瑕。
爽山 青香(そうやま あおか)Cv一色ヒカル
神天学園の3年生で主人公の先輩に当たる無口で無表情な少女。
会話が苦手でいつもスケッチブックを持ち歩いているが、喋れないわけではない。
トラックをも受け止める怪力をもっており、加減できないため長い裾で隠している
春海 まひよ(はるみ まひよ)CV:金田まひる
神天学園の1年生。くるみのクラスメートにして、マスコット的存在。
外見どおりの子供っぽい性格で無邪気に振舞っている。
普通の人には見えない何かが見えるらしく、何も無いところで会話している。
朝霧 絵里(あさぎり えり)CV:佐本二厘
神天学園2年生。金持ちの家に生まれたお嬢様でくるり、穂奈の幼なじみ。
幼い頃に事故で視力を失ってから2人とは疎遠となっており、学園でも孤立しがち。
引っ込み思案でほとんど他人とコミュニケーションをとらず飼い犬のワッフルにだけ心を開いている。
芝崎 風実(しばさき ふうみ)CV:福本コヒロ
神天学園の3年生。主に図書室に生息している眼鏡の先輩。
落ち着いた雰囲気とゆったりとした喋り方の電波系少女。
とはいえ、本好きで知識量はずば抜けており、主人公に助言することも多い。
転堂 くるり(てんどう くるり)主人公・リネーム不可
神天学園の2年生。本編の主人公にして「学園怪傑」。
青香ほどではないが常人離れした筋力を持ち、運動神経は抜群。
よく言えば直情径行の正義漢で、悪く言えば単純バカの熱血漢。
このホームページはTroyより一部文章を抜粋しています。
素材の著作権はTroyに帰属します。
<システム周り>(ver.1.02)
修正ファイルがあります。
一部キャラのシナリオで割と致命的なバグがあるので必ず当てましょう。
基本的には選択肢+好感度分岐のAVG。
選択肢以外にマップ移動形式の分岐もあり、平日は「学園怪傑」として1日3件の依頼を受けて借金を返していきますが、目当てのヒロインが持ってくる依頼を中心に受けていけば好感度が上がっていくような感じです。
ただし、好感度判定の優先度が低かったりする(感じを受ける)ヒロインも居ますので、同時攻略はあまりお薦め出来ません。
(イベントの関係上最初の1週間以降は難しいかと)
上記の依頼には誰の依頼か明記されますし、選択肢も基本的には分かりやすいので難易度は低めですね。
いくつか即死選択肢もありますが、すぐにゲームオーバーになるので分かりやすいですし、AVGとしては簡単なのではないでしょうか。
ただし、油断すると、一千万円返しそびれたりするので注意しましょう。
攻略キャラによっては3日くらい強制イベントで依頼を受けられない日が続いたりしますので、ご返済は計画的にお願い致します^^;
詳しいシステム周りは上記参照。
基本的な部分は一応完備していますが、ちょっと使いにくい気がします。
特に、音声待ちをしないオートモードは微妙な感じ。
ハンズフリーが要求されるシーン(Hシーンとか)は大抵音声を聞きたい時が多いでしょうし、音声待ちのON/OFFは是非つけて欲しいところです。
また、バックログの音声再生も無く、声には余り重要性をおいていないのかな、と。
各種回想の内、シーン回想のみはグラフィック鑑賞からでないとは入れないのも微妙に使いにくい感じも受けました。
上記以外は問題なく使えるレベルですが、上記が問題かなぁと^^;
ゲームのプレイ時間は1stプレイが声を聞いて15時間前後。
喋りの少ない青香だとだいぶ減ります。
2人め以降も比較的個別イベントが多いため、8時間以上は必要では無いかと。
上で書いたように1日最低依頼のための3つの選択肢があることも含め、ゲーム期間は割合長く感じますが、個別イベントも序盤から割合挿入されますので、そこまで中弛みすることなく終盤までプレイすることが出来ます。
<音声>
女性のみフルボイス、キャストは上記の通り。
最近良く名前を聞く、「旬」の声優が多い印象を受けます。
演技力は問題なく上手いですし、キャスト的にもはまってます。
テンポの良い掛け合いにも綺麗には合っていますし、コメディ部分でもその力量が推し量れます。
特に一色ヒカル氏は、きちんとメリハリをつけつつキャラの根本部分を外さない演技をされており、さすがの力量を見せています。
<音楽>
全18曲。うちボーカル曲は1曲OP曲「スマイリング〜勇気の欠片〜」(Vo.真理絵)
ゲームの雰囲気が出ているテンポの良い曲調がいい感じだと思います。
ボーカルはちょっと音の幅が狭い気もしますが、歌詞や曲には合っているかと。
BGMは全体的に言えばポップでテンポの良い曲が多く、ゲームの雰囲気を盛り上げます。
このゲームの「雰囲気」を上手く伝えており、場面にも合っていると思います。
ただ、エンディングだけはOPのスローなピアノインストVer.ですが、普通にOPそのまままのボーカルVer.の方が良かった気がします。
エンディング周りのテンポやシナリオの流れからはテンポの良いノーマルVer.の方が…という感じは受けました。
それも含めて全体的にOP曲のインストVer.が多用されるのは気になりました。
上で書いたようにゲームの雰囲気に合っているので基本的にはハマっているのですが、いろんな場面で使われすぎて単調な印象を受けるのは残念なところ。
せめてもう少しアレンジで幅を広げるなどして欲しかった気もします。
また、小さなことですが、効果音も豊富にあって、コメディとして楽しさを補強してくれます。
残念ながらHシーンにおいては無いですが、種類も色々あり、オチにお寺の鐘?風の音を重ねたりと工夫が見えていい感じです。
ただ、犬のうなり声はあんまり犬に聞こえなかったにはご愛嬌^^;
<CG>
原画はさいとうつかさ氏。
どちらかと言えばコミカルな絵柄で、漫画的な表情の付け方が特徴的ですね。
絵柄的には可愛い感じがして好印象です。
全体的にバランスが細く、顔と体のバランスが悪くも見受けられますが、絵柄から見れば比較的オーソドックスなのかな、とも思います。
イベント絵、立ち絵とも絵柄に安定感がありますし、塗りも含めて高レベルですね。
また、このゲームにおいては非常にポーズ変化の多く、表情のくるくる変わる立ち絵が非常に良い感じです。
日常会話のドタバタを上手く魅せて、会話を楽しく演出していますし、絵自体も魅力的な立ち絵に仕上がっています。
こういう会話メインのゲームにおける立ち絵の重要性を再認識いたしました。
主人公の泣き顔は「いなかっ○大将」ばりの涙ですし、コミカルさを引き出すのに一役買っていますね^^;
背景CGも上手く魅せており、細かい書き込みと言うよりは雰囲気をつかむような感じですね。
ただし、若干塗りが単調な感も受けました。
また、枚数も学園内は充実していますが、学園外のデートスポットなどあまり使われないところは使いまわし感満点なのも残念なところ。
といより、場所名じたいが「デートスポット」ですからね……。
イベントCG総数は差分を含まず70枚。
攻略キャラ一人当たりで言えば10枚強で、Hシーンを除くと4〜8枚程度。
ゲーム期間の長さを考えると通常イベントのイベントCGには正直不足を感じました。
ここはイベントCGつけて欲しいなぁ……と言う場面が結構ありましたから。
コミカルでポーズ変化の多い立ち絵でカバーしているとはいえ、そういう面ではもう少し増やして欲しかったかな、と思う面もあります。
特に「へるぷみー」は是非にイベントCGにして欲しかったところ。
(プレイしていないと分からない話でスミマセン)
<Hシーン>
各キャラ2個程度。総数は16。
基本的にはノーマルな和姦オンリー。
シチュエーション的にも特に変わったものは無く、未遂のレズとアナルがあるくらいでしょうか。
それ以外はペッティング(+フェラなど)から本番というオーソドックスな流れ。
シーンの長さはそれなりにありますが、余りエロと言う感じがしないのは絵柄のせいでしょうか。
まぁ、ココに期待するゲームではないと思いますが…。
音声は優秀ですので、そちらに期待して頂くのが正解でしょう。
<感想>
個人的にはプレイしていて「会話が楽しい」ゲームだと思いました。
それはヒロインの性格と会話のテンポによるところが多いのかな、と。
ヒロインの性格付けははやや極端に走っているとはいえ、非常にオーソドックスです。
そう言った中では主人公の性格付けがいいアクセントになっています。
一昔前の少年漫画のような外見どおり、熱血単純馬鹿な行動派と言うキャラ立てがアクセントになって、日常のイベントを単調で画一化されないようにしています。
オーソドックスでお約束のキャラ立ても、ちょっとした工夫で大いなるマンネリズムからの脱却に成功していると言えるのではないでしょうか。
もっとも、この手法自体は決して珍しいものではありませんが、お約束を踏み外さない程度の適度な脱線と言うバランス感覚が絶妙だったので特に好感を覚えました。
シナリオ展開においても同様にそう言った工夫は感じられます。
ヒロインごとのシナリオの流れはきわめてオーソドックスですが、背景世界としての「神天学園」及びそれにまつわる設定はなかなかインパクトがあります。
まぁ、その展開が説明全くなしの唐突なファンタジー路線なので、純粋に現代学園モノとして期待してプレイされている方にはちょっと何じゃコリャ感が漂うかもしれませんし、そういう意味も含めて展開の整合性には疑問が残る部分もあります。
しかし反面、オーソドックスなヒロインのシナリオを彩るスパイスとしてみれば、各ヒロインごとに「学園」そのものが持つ設定を少しずつ関わらせることでうまく味付けしているのではないでしょうか。
学生数12000、警察、消防も関れない完全な閉鎖空間としての自治組織「神天学園」及びそれにまつわる設定は、結局最後まで消化されきっているとは言えませんので、そういう意味での不満は残ります。
しかし、「そういう設定なのだな」と受け入れることが出来れば、キャラクター萌えのバックグラウンドとしては充分効果的ではないかと思います。
まぁ、これはあくまで私の推定ですが、キャラクター達のもつ特殊能力、怪力であったり、未来視であったりといった能力に、整合性を持って説明する為に学園の設定が組み上げられたのではないでしょうか。
また、もしそうでないとしても、結果的にも能力説明の為の設定なっていますので、そういう意味でもこのゲームの背景設定はキャラクター達のキャラ立てと魅力向上が主目的となっています。
とはいえ、主人公の最初の主目的である「借金返済」が後半はアクセント程度になってしまうのはちょっと好き嫌いが分かれるところかもしれません。
結論から言えば、シナリオそのものの展開や怪傑、怪盗が活躍するような謎解き、学園の謎とは、などといって要素を楽しむというような意味では今ひとつですが、そう言ったものを「世界観」として受け入れて、その上で動き回るキャラクター達の魅力を楽しむという意味ではなかなかに良作だと思います。
そういう意味では比較的「キャラ萌えゲー」として認識してよいのかな、と思います。
そして、そういった設定を踏まえたキャラクターは、実に生き生きとしていて好感を持てます。
ステレオタイプながらアクセントのある性格付けと、キャラクターの役割を上手く割り振った会話のテンポの両面から補強されており、上手くバランスが取れています。
テキストも誤字誤変換などもほとんど無く、テンポ良く読めたかと思います。
特に会話のシーンでは比較的キャラクターの立場をはっきりさせることで上手く掛け合い漫才的な流れを作っています。
コメディとしてはラブコメというよりはスラップスティックさを重視したドタバタ劇と言う感じになっていますね。
ただし、地の文章、ト書きに関してはややテンポ重視が過ぎ、言葉足らずの説明不足に感じる部分もありました。
間違いではないのですが、少し考えてしまって返ってテンポを損なう部分もあったのかな、と思います。
また、1日しか経過していないのに、日々などと複数形になっていたりという細かい部分では気になることもありましたが、全般としては読みやすい文章であったと思います。
結論から言えば、オーソドックスにキャラ萌えゲーとしては良作。
ただし、それ以上でもそれ以下でもないので、シナリオやエロに関しては標準レベルでしょう。
しかし、キャラクターの魅力とテキストのそれぞれに上手くアクセントがあって楽しく読むことが出来る工夫はされていますので、その部分に期待すればお勧め。
メリハリとアクセントの付け方の上手さが目に付おたゲームでした。
<10点満点での総合評価>
7.5点
王道の学園モノAVGとしては良作だと思います。
お気に入りのキャラ:水上伊織…髪型はアナーキーですが、一色ヒカルさんの上手い演技もあり良いキャラです。
最後に一言:「名作とまではいきませんが、エンターティメントとして綺麗にまとまっていた佳作と思います。」
痴漢遊戯 (oggbeeさんのレビュー) | 評価: 7 |
▼ タイトル | 痴漢遊戯 | |
▼ ブランド | MARRYBELL | |
▼ ジャンル | AVG | |
▼ 対応OS | Win98/Me/2000/XP | |
▼ メディア | CD-ROM | |
▼ 定価 | 税込\2,625(税抜\2,500) | |
▼ 発売日 | 2005/03/18 | |
【 CG観賞モード 】 | あり | |
【 シーン観賞モード 】 | あり | |
【 BGM観賞モード 】 | あり | |
【 メッセージスキップ 】 | あり(未読・既読判別あり) | |
【 メッセージ履歴機能 】 | あり | |
【 選択肢リターン機能 】 | なし | |
【 オートモード 】 | あり | |
【 ヒント機能 】 | なし | |
【 セーブ数 】 | 14個 | |
【 エンディング数 】 | --個 | |
【 メディアレス起動 】 | 可 |
<ストーリー>
大手民間企業各社の協賛のもと、ベイエリア開発事業の一環として、学園都市となった街、『新港コスモ=フロンティア』。
この街に郊外から乗り入れている3セク運営の鉄道『新港フロンティア線』は学園都市への通勤・通学者の毎日の足として利用されている。
最大6両編成の車両は、毎朝ラッシュでかなりの混雑を見せる。
この鉄道を利用する男「オズ」は、都市内の民間研究機関の研究所で研究員をしている。
職場ではクールを気取るオズだが、彼には特殊な性癖があった。
女性の肉体を撫で、揉み、弄りまわし、衆目の中で女性を辱め、露出羞恥の快楽に染めていくことに興奮する。
俗に言う「痴漢(行為)」である。
彼は、痴漢愛好者のためのサイト『OZ』を立ち上げ、『痴漢』に興味のある女性と「痴漢プレイ」を楽しんでいた。
「わたしを痴漢してください」
オズにコンタクトを取った女性「みなこ」。
長い黒髪が映える清楚な印象の容貌で、おくゆかしく奥手な印象の彼女も「痴漢」の世界に入っていく…。
<キャラクター紹介>
みなこ(CV:広森なずな)
普通の社会生活をおくるOL。
さっぱりとして、人見知りしない性格。ドライに見えるが、可愛らしいところもある。
ただ、人より少し刺激的なことが好きで、性的なことにも好奇心が強い。
酔った時に電車内で痴漢された事がきっかけで、その魅力に引き込まれていく。
桃果(CV:歌織)
聖マリーベル学園に通う女学生。自己中心的で、少しぶりっこ。つかみ所の無い性格。
痴漢される事が大好きで、朝・夕とサラリーマンに痴漢されて楽しんでいる。
群がられることで優越感を感じている。
しかし、彼女はもっと激しいことを望んでいる。
オズ
主人公。痴漢愛好者アングラサイト『OZ』の管理者。
「オズ」は本名ではなく、ネット上で使用するハンドルネーム。
「痴漢されたい願望」をもつ女の子を募るため『OZ』を立ち上げ、勇気とエロ気のある彼女たちとの痴漢プレイを重ねていく。
このホームページはMARRYBELLより一部文章を抜粋しています。
素材の著作権はMARRYBELLに帰属します。
<シナリオ>
痴漢愛好者アングラサイト『OZ』の管理者の主人公。
そこでは、痴漢に興味のある女性から連絡があり痴漢を楽しむ…。
上記がシナリオのおおまかな流れです。
シナリオはとにかく無駄な部分は省いている感じがします。
日常などはあっという間に終わります。
シナリオのほとんどはHシーンです。
とにかく、純粋にHシーンしか考えていないシナリオになっています。
シナリオはかなり短く、フルコンプに約1時間程度です。
<システム>
スキップ機能あり。
未読、既読の判別はしっかりしている感じがします。
スピードは特に問題はないです。
ノーマルでもかなりスキップは早い感じがしました。
バックログ機能あり。
ホイールで話を進めることも可能です。
また、ホイールでもバックする事が可能で使いやすい機能になっています。
セーブ数:14個
多い気がしないこともないですが、少ないよりは多い方がいいでしょう。
特に攻略も難しい訳ではないので、5つぐらいあれば十分な感じがします。
他のシステムについては特に問題なし。
動作は軽い感じました。
また、画面はウィンドウ、フルスクリーンモード選択可能。
CG・回想・BGM鑑賞あり。(クリアする前から、BGM鑑賞は出来ます)
また、クリアするとカットインの有無の選択が出来る様になります。
<BGM>
全部で15曲、ボーカル曲はなし。
BGMは値段が値段なので、低レベルなBGMだと思っていたら、意外にも質は良いです。
全体的には高音が主体となったBGMですが、落ちつたBGMとなっています。
プレイ中、陰からシナリオをサポートをしている感じがしました。
<キャラ>
結構魅力的です。
ただ、日常から派生していくイベントなどはない為、日常からキャラの魅力は感じる事はなく、キャラの性格等、内面的な事は窺がえません。
そのせいか、感情移入しにくいです。
イベントがHシーンしかないので、キャラの魅力は絵からしか得られないと思います。
<CG>
どのキャラも色っぽく描かれています。
印象としては、可愛らしく、しかも肉感たっぷりに描かれていて、かなり豊満な女性に仕上がっています。
絵買いしても良いかもしれません。
背景は可もなく、不可もなくといった感じですが、しっかりと描けています。
立ち絵については、多少表情の変化あり。
日常イベントがほとんどないのに、立ち絵がある事自体疑問を感じますが、ゲーム中ではしっかり表情も変化してくれるのでいいかと。
顔が崩れる、構図がおかしくなる等のCGは存在せず、安定しています。
HCGは、かなりエロく描かれています。
胸、尻、太もも、各所のライン等艶っぽくて良かったです。
特に尻、太もものラインなどはかなり魅力的なCGになっています。
キャラ自体が、豊満に描かれていて、なおかつしっかり色気を出して描かれているので、かなり満足です。
また、印象なのが顔。
恥じらう顔が多く、これが結構初心(うぶ)な感じがして、Hシーンなどではぐっときました。
汁について、的確に描写されていて良かったです。
<Hシーン>
まず、この作品には陵辱シーンはありません。
全てのHが両者合意の元におこなわれています。
つまり、全て和姦です。
テキストは割りとサクサクシーンが進んでいく感じがありましたが、的確にシーンが描写されているし、会話も程々にあり、バランスよく描かれている印象を受けました。
シュチュエーションは痴漢をメインにしています。
それ程、変ったシュチュエーションもなく、少し物足りない感じもします。
もう少し、バリエーションがあってもよいかと…。
先ほど言ったように全てが合意の元なので、痴漢を期待されている方には若干、拍子抜けな感じを受けるかも…。
痴漢というよりは、電車の中でHを堪能していると思った方が良いです。
痴漢シーンは結構、愛撫をネッチこく描かれていて良い感じがするし、ヒロインの合意の元だけど、恥ずかしがっているシーンなどは、結構そそられるものがありました。
また、カットインは、シーンを上手く盛り上げる為に使用されていて良かったです。
CG、声優も標準レベルは越えていて、これで2500円は安いと感じました。
特に、CGは豊満な女性が描かれていて良かったです。
差分は少ないけど、上手い事、シーンを盛り上げています。
全体的にはHシーンはかなり満足は出来るのですが、何か決め手を欠いている感じもしました。
<総評>
手軽にHシーンを楽しみたい方にはお薦めです。
シナリオはあったようで、まったくありません。
日常に関しても、描写不足というよりも、余分な部分は省いたという感じがします。
とにかく、手軽にHシーンを楽しめるようになっています。
Hシーン自体は全て合意の元なので、痴漢をやっているという感じはあまり受けないかもしれません。
上でも言ってますが、フルコンプに約1時間程度な作品なので時間がない方にもお薦めです。
まぁ、値段を考えるとこれが限界でしょう。
シナリオ、CG、BGM、どれもとっても手抜き感がなく、コストパフォーマンスに高い作品と言えます。
特に、Hシーンは力が入っていて良かったです。