お嬢様組曲   (GPさんのレビュー)   評価: 5.5 
▼ タイトル お嬢様組曲 amazon associates
▼ ブランド Symphony
▼ ジャンル ドキドキまふまふお嬢様学園ADV
▼ 対応OS Win98/Me/2000/XP
▼ メディア CD-ROM
▼ 定価 税込\9,240(税抜\8,800)
▼ 発売日 2005/04/22
▼ 購入   お嬢様組曲 /オリジナル特典 Getchu.com
【 CG観賞モード 】  あり
【 シーン観賞モード 】  あり
【 BGM観賞モード 】  あり
【 メッセージスキップ 】  あり(未読・既読判別あり)
【 メッセージ履歴機能 】  あり(音声リピートあり)
【 選択肢リターン機能 】  あり
【 オートモード 】  あり
【 ヒント機能 】  なし
【 セーブ数 】  100個
【 エンディング数 】  6個
【 メディアレス起動 】  不可


<ストーリー>
藤澤 姫名子(ふじさわ ひなこ)
 夢と現実に葛藤する少女。お嬢様組曲のメインヒロイン。
 気さくで人見知りせず、誰とでも仲良くなれるタイプ。

望月 司(もちづき つかさ)
 一大コンツェルンの大社長を父親に持つ、学園でも指折りの超お嬢様。
 その容姿に惹かれるファンは学園内にも多い。
 箱入り中の箱入りで、欲しい物は親から全て不自由なく与えられて育ってきた。

有栖摩 香津美(ありすま かつみ)
 有名な超お嬢様の一人。
 学園内での人気は上級生・下級生関わりなく凄まじく、取り巻きやらファンやらがぞろぞろといる。
 入学当時主人公も一目見て憧れてしまうが、実際に話してみるとイメージと全然違っている。

白河 沙絵(しらかわ さえ)
 素直で大変な努力家。
 物語開始直前まで香津美の家にやっかいになっていて、全てにおいて香津美を目標にしている。

一ノ瀬 舞鈴(いちのせ まりん)
 純粋無垢な、天使のような性格をしている。
 いつも笑顔を絶やさないその明るい性格から、香津美・司とは別種の人気者。
 かなりの甘えん坊で、少し寂しがりや。花が好き。
 年齢も気にせず、だっこやおんぶを要求してくる。
 何か興味をひくものを見つけると、それに向かって脇目もふらずに突っ走ってしまう。

西九条 小雪(にしくじょう こゆき)
 病弱でおとなしく、激しい運動などはできない。
 クラスでもおとなしいので、暗い性格と思われがちで取っつきにくい。
 やきもち焼きで、独占欲が強い。
 少し子供っぽいところがあり、そこを指摘されると怒る。
 かと思うと、年寄りじみた趣味を持っていたりもする。(散歩とか)

立川 薫(たちかわ かおる)
 男子校出身。
 この春受験を終えたばかりで、これまでの男子校の鬱憤を晴らすべく、これから通う事になる共学大学に夢と希望と下心を膨らませている。
 そして大学側の不手際によって峰桜女学園に流されるままに通う事になってしまうが、ヒロイン達と仲良くなっていき、居心地が良くなってしまう。
 基本的にいい加減な性格。


このホームページはSymphonyより一部文章を抜粋しています。
素材の著作権はSymphonyに帰属します。



<概要>
 Symphonyの処女作。
 事務の手違いでお嬢様女子校に通うことになった主人公立川薫と、生徒である六人のお嬢様との恋愛を描いた「どきどきまふまふお嬢様恋愛AVG」

<システム補足>
 素晴らしいシステム…と言いたいところですが、いかんせん不具合が多すぎます。
 特に酷かったのが音声の抜け落ち。
 小雪ルートのラストシーンで小雪の声が抜けていたのはいくらなんでもあんまりです(つД`)
 これからプレーする方は、修正ファイルを必ずあててからプレーしましょう。
 ボイスの抜け及び不具合から・シナリオの誤字脱字、「前の選択肢に戻る」機能の不具合、特定箇所でのエラー、ボイス音量のが反映されない等々数々の不具合が解消されます…。
 04/28 GW商戦での埋没を避けたかったのかな?


<内容>
 男なら誰もが一度は夢を見る「お嬢様、お姫様とのロマンス」。
 スーパーマリ○だって助けるのがピーチ「姫」だからマリオもプレーヤーも燃えるのであって、あれが「町娘ピーチ」だったら、クッパ城に行く気も半減ってものです。
 「お嬢様、お姫様」というのはそれだけで非常に魅力的なものであります。

 で、そんなお嬢様ばかりを集めた本作のできなのですが…はっきり言って全体的なレベルは低いです。
 シナリオはそこそこ、キャラクター描写は足りない、イベントのつながりは悪い、山場の盛り上げ方や演出も今一歩。
 うーん…まずい批判の嵐だ…。

 一番の問題は肝心な「お嬢様」の描写が足りないところです。
 もともと「○○オンリーゲーム」というのは「やりすぎ」くらいに「○○」を前面に押し出した方が良い結果を生み出します。
 ちょっと…とか、少し…とかの程度の妹萌えが欲しいなら妹ゲーなんて買いません。
 そう銘打ってある以上デイープな妹萌えを望むのです。
 本作も「お嬢様ドキドキまふまふAVG」と銘打っているのですから、「これでもか」ってくらいお嬢様を出していいんです、いや出さなければいけません。
 世間知らずな行動、かけ離れた金銭感覚、礼儀正しいのに妙に貫禄を感じさせる執事、主人公と身分の違いに悩む恋…。
 こういったベタベタなお嬢様のイメージが溢れてなければいけないのですが、本作はそういった設定や描写があるにはありますが、「お嬢様オンリーゲー」という割には全くもって描写不足です。

 その中でも個人的に特に不満に思ったのは「家柄や身分の違い」の設定の少なさ
 普通お嬢様キャラとのシナリオといえば、まずそれが話題になり、メインテーマになるものですが、本作では姫名子シナリオでそういった身分の違いが少し話に絡むだけで、他のキャラのシナリオでは、お嬢様であるヒロインと庶民の主人公が、身分の差に苦しむことなくあっさりとくっついてしまいます。
 これはお嬢様のシナリオとしては物足りないです。
 確かに、憲法で平等が保障された現代では、お嬢様だからといって即身分の違いが恋愛の障害になるわけじゃありません。
 現実にはそういったことを気にせずスムーズに恋愛を成就させた方々の方が多いとは思います。
 しかしこれはエロゲー、それも「手違いで男一人だけでお嬢様女子校に入学!」なんていうご都合主義設定なのですから、そもそもそんなリアリティは最初から考えなくていいのです。
 やっぱり「身分の違いに悩む主人公とヒロイン」というのがお嬢様キャラの特徴であり見所なのですから、そこをもっと強調すべきでしょう。
 (これが陵辱ゲーならそういうお姫様・お嬢様を堕とすという楽しみがある訳だが…)

 「○○オンリー」の作品はいかに○○を前面に出すかが、印象と評価を決めると思うのですが、本作はそういった視点が今一歩欠けていました。
 それでいてキャラクター自体やシナリオ自体も特筆するものは無く、結果、平凡な作品になってしまっています。


<CG>
 原画は「立見ねおん」さんと、「えつる」さんと、「酒月ほまれ」さんの三人。
 可愛いらしい、いかにも萌えを狙った絵です。
 本作の雰囲気にも合ってますし、思惑通り萌え要素十分です^^;


<エロ>
 「乙女の恥じらいモード」というのがあります。
 Hシーンにおける中出し、外出しの選択や、チュパ音の大きさの調整、喘ぎ声が「吐息」「普通」「興奮」の三種から選べるというものです。
 発想自体はいいと思いますが変化に乏しいのが残念。
 特に喘ぎ声!「興奮」でもただ「あんあん」喘いでいるだけでは、あまりに物足りないです。
 ですから「興奮」では無修正で「おち○○ん」や「お××こ」(ここでは一応伏せますが当然無修正。もうソフ倫OKだし)の連発と、どうせやるならこれくらいして欲しいです。

 行為自体は短い薄いとエロに期待してはいけません。
 まぁ、発売前にコンシューマー移植が決まっているくらいですから…。
 コンシューマー移植が悪いことだとは思いませんが、もう少し「エロ」ゲーメーカーとしてのポリシーと節操を持って頂きたいものです。


<10点満点での総合評価>
 5.5点
 お嬢様オンリーゲームでありながら、お嬢様の魅力を出し切れず、しかもキャラクターもシナリオもエロもレベルの高くない、実に微妙な作品。
 お嬢様の魅力を味わいたいなら他の作品もあるし…。
 うーん…。


お気に入りのキャラ:南裕理先輩…何故彼女が攻略出来ないんだ!?Symphonyさんの意地悪っ!
最後に一言:「うーん…、次回作に期待ですな…。」









   君に燈る灯   (ひびきさんのレビュー)   評価: 7 
▼ タイトル 君に燈る灯
▼ ブランド emu
▼ ジャンル 純愛アドベンチャー
▼ 対応OS Win98/Me/2000/XP
▼ メディア DVD-ROM
▼ 定価 税込\9,240(税抜\8,800)
▼ 発売日 2005/03/18
【 CG観賞モード 】  あり
【 シーン観賞モード 】  あり
【 BGM観賞モード 】  あり
【 メッセージスキップ 】  あり(未読・既読判別あり)
【 メッセージ履歴機能 】  あり(音声リピートあり、マウスホイール対応あり)
【 選択肢リターン機能 】  なし
【 オートモード 】  あり
【 ヒント機能 】  なし
【 セーブ数 】  60個
【 エンディング数 】  3個(BADエンド含まず)
【 メディアレス起動 】  可


<ストーリー>
 主人公・明津海斗は、ふと都会暮らしの何もかもが嫌になり、数年仕事をしていた会社を辞め、バック一つで北海道の地……『小樽』へやって来た。
 「俺はなにがしたいのだろう…」
 この街に来た理由は何もなく、「たまたま」フェリーが到着した場所が『小樽』だっただけであった…。
 見知らぬこの地に、当然当てがあるはずも無く、ここで生活をする為に仕事を探す主人公。
 その目の前に現れた不思議な少女3人……。
 この出会いが、主人公の運命を左右する事になる…。


<キャラクター紹介>
長船飛来(おさふねあすな/CV:鳩野比奈)
 悲しげに海を見つめている少女。
 喜怒哀楽の感情が乏しく、人形のような雰囲気を漂わせる。
 とある事をきっかけに主人公と一緒に暮らすことになる。
 一人になることを極端に嫌う。

神楽羽衣音(かぐらはいね/CV:中瀬ひな)
 古いオルゴール店でアルバイトしている少女。
 主人公に美化した元恋人の面影を重ね、強引に振り回す。
 やがて知ることになる真実は彼女を傷つけていく…。

河邨心羽(かわぬらことは/CV:夏目みく)
 イルカが大好きで、いつも水族館にいる少女。
 大人しく、人と話す事を苦手としている。
 いつも明るい表情だが、どこか寂しさを漂わせる。
 主人公と接するうちに彼女の中でなにかが変化していく。

 ※他の女性キャラには、真宮鈴さん、御園生メイさんが声を当てています。
 また、鳩野比奈さんが音響ディレクターを担当しています。


このホームページはemuより一部文章を抜粋しています。
素材の著作権はemuに帰属します。



<購入理由>
 「君に燈る灯」という題名と、このCG…絶対に純愛なゲームに決まっています。ええ、そうですとも。
 荒れた心ににそんな純愛ゲームをしてみたくなったのです、はい。


<ゲームの概要>
 選択肢を選び読み進めていくADVです。
 最初に選んだ選択肢により、3人いるヒロインの内、どのヒロインのルートになるかが決まり、それ以降はずっと一本道になります。
 個別ルートでは、1人のヒロインしか出てくることはなく、他のヒロインは出てきません。
 個別ルートでも結構な数の選択肢はありますが、エンディングに到達するために正解の選択肢を辿っていかなくてはいけません。
 ですから、最後にバッドエンドになるかハッピーエンドになるか以外、全く分岐しません。
 しかし一本道ということをマイナスとして感じないような良いシナリオでした。
 テキストに変なクセも無く、読み易く内容がスッと頭に入ってきます。


<システム補足>
 最小インストールでは、約240MB、フルインストールだと約480MB必要です。
 フルインストールすれば、メディアレス起動も可能になります。
 (´-`).。oO(それにしてもインストール時、1番最後にインストールするファイルの名前が「ed.mpg」ってのは…。
        エンディングにムービーがあるだろうということと、始める前からメディアプレイヤーでエンディング
        ムービーを見れちゃうんじゃん?と邪推してしまいました。
        しかもこのed.mpgの大きさが166MB…って、本編は318メガということですね…。)

 システム的には、特に足りないと思ったものはなく、快適にゲームが出来ました。


<音声>
 女性キャラはフルボイスです。
 このゲーム女性キャラの台詞がとても少ないのですが、それは儚いヒロイン達の性格を反映している故のものです。
 その少なく儚い演技、また、そんな儚いキャラが時々漏らす笑顔の声をしっかりと演技してくれています。

 メインヒロイン以外のキャラでは、御園生メイさんの活躍に耳がいきました。
 ちょい役の女の子から、物語の1番の核となる最重要な脇役の声も当てています。
 こんなに重要な役を任されるのですから、これからの活躍に期待したいところです。


<音楽>
 非常に良い味を出していて、ゲームの雰囲気を盛り上げています。
 ゲームのクライマックスなど心が動かされる場面に、雰囲気あるメロディーや音で構成された音楽が聴こえてくると、シナリオ・CG等の相乗効果によってその何倍にも心に響く物になると思います。
 このゲームには、そんな場面と音楽が、自分には2つ以上ありました。
 その一つがエンディング場面とボーカル曲なので、ゲームが終わったときの清々しさったらなかったです。


<効果音>
 そして、このゲームを盛り上げているものの一つとして、効果音の素晴らしさが挙げられます。
 特に、寄せては返す海の波の効果音。
 イヤホンで聴くと右から左から、ザー、ちゃぷんちゃぷんという音がリアルに聞えてきます。
 しかも、ループ的にそれが流れているといった印象はなく、非常に自然に「冬の海」を耳から感じ取ることが出来ました。
 また、海といえば、主人公が海に飛び込み潜る場面もありますが、その場面でも、自分の息が泡となり吐き出される「ブクブクブク」という音もリアルです。
 もちろん、海の音だけでなく、バスのエンジン音、料理の場面では野菜を炒める音、鍋で煮込む音、色々な効果音が出てきます。
 非常にゲームの雰囲気を盛り上げ、とても好感が持てました。


<原画・CGなど>
 原画は 甲斐さん。
 CGは素晴らしく綺麗です。
 嫌味な絵では無く、爽やかな印象を受けます。
 色が淡く、特に「青」の色が印象的です。
 メッセージウインドウの色も、青なのですが、海を模していて、波や太陽光を反射している感じが現れています。
 しかもあまり読みにくくなく、非常に綺麗な印象を受けました。

 ヒロインの肌の色も白く透き通っていて良いです。
 肌や表情からも「儚い」という感じが現れています。
 そんな儚いヒロイン達が見せる笑顔を堪能しましょう。


<エッチシーン>
 純愛ゲームですから、エッチシーン自体は薄いです。
 登録されるエッチシーンは全部で7シーンと少なめ。
 が、エッチシーンが終わった後、相手の女の子が自分の横で寄り添うCGがあり、これは良かったです。
 ゲームにて、セックスの後、相手の女の子が隣にいる安堵感、余韻を感じ取れたのは非常に久しぶりのような感じがしました。

 …ただ、主人公がヒロインとキスをする場面ですが、もうちょっと「初々しさ」が欲しかったなぁと…。
 雰囲気が良くなったら、いきなりチューとか、お嬢様が戸惑いも無くほっぺにチュウ、とかだったので…。

 なお、発射シーンでは、画面が結構白くフラッシュします。
 目が疲れる…。


<感想>
 このゲームの一番のセールスポイントは、ずばり「雰囲気」だと思います。
 3人のヒロインは、それぞれとても儚く、脆く、繊細で、ともすると崩れてしまいそうな性格をしています。
 皆、悲しい過去や現在を背負っており、小樽といった港町に癒しを求めています。
 ですから、ヒロイン達の台詞も少なく、可笑しさを誘う展開もありませんが、儚いけれども愛おしいヒロインの雰囲気を非常に良く醸し出していると思います。
 そこには、饒舌という単語は必要なく、都会の喧騒等とも無縁で、「静」という雰囲気がゲームを支配しています。
 それ故に、波の音からカモメの鳴き声に至るまで非常にクリアーに聞え、「バス一台だけのエンジン音」が聞えてくると、逆に今まで道路に車なんて通ってなかった、と実感させられたりします。
 ゆったりとして、時間に急かされる事無く、そこには癒しの空間が広がっています。
 そんな癒しの中で、ヒロインはぽつりぽつりと自分の境遇を吐露したり、束の間の自由を少しだけ楽しんだり、逆に止まったような時間であるが故に、動き出している現実から目を背けようとしたり…。

 そんなヒロインと主人公は迷ったときに海を見に行って癒されたり、逆に海で自殺しようとしたヒロインを助けたところから物語が始まったり…。
 この物語において「海」の占めるウェイトは非常に大きなものです。
 港町の雰囲気とヒロイン達の雰囲気がとてもユニゾンしているといった感じです。

 ストーリー展開ですが、平穏なまま流れるわけでは決してなく、ヒロイン達はかなり辛い問題に直面します。
 虐待によるPTSD、命を脅かすような病気、ずっと信じていた人からの裏切り…。
 それに傷つき、何とか克服しようと立ち向かう訳ですが、ある程度気持ちの整理が付いたときに、あの「海」を見に行き、勇気をもらい、次のステップにして行くのです。
 ホントに「海」の果たす役割は大きいです。

 そして、この辛い問題なのですが、これを克服すること、対面することにシナリオの大半が使われます。
 ですから、ご都合主義的に解決するわけでもなければ、短絡的に終わる訳でもないのです。

 冬の港町、潮の香り、雪、静けさ、等の雰囲気がとても似合います。
 小さな、でもとても繊細でキレイな愛の物語です。


<10点満点での総合評価>
 7点
 評価が難しいです。
 雰囲気的にはもっと高得点を出したいのですが、いかんせんボリュームが少ないです。
 …といっても、このゲームにボリュームをつけるべきか?
 と自問したところ、それは贅肉のように、必要の無いものだ…という結論に達しましたけど…。


お気に入りのキャラ:河邨心羽…儚いのはお嬢様キャラの特権です^^;
最後に一言:「一人になりたいような時に、どうぞ。」









   ゆのはな    (GPさんのレビュー)   評価: 8 
▼ タイトル ゆのはな
▼ ブランド PULLTOP
▼ ジャンル 賽銭おねだりADV
▼ 対応OS Win98/Me/2000/XP
▼ メディア DVD-ROM
▼ 定価 税込\7,875(税抜\7,500)
▼ 発売日 2005/03/25
【 CG観賞モード 】  あり
【 シーン観賞モード 】  あり
【 BGM観賞モード 】  あり
【 メッセージスキップ 】  あり(未読・既読判別あり)
【 メッセージ履歴機能 】  あり(音声リピートあり、マウスホイール対応)
【 選択肢リターン機能 】  なし
【 オートモード 】  あり
【 ヒント機能 】  なし
【 セーブ数 】  56+3(オート)+1(クイック)個
【 エンディング数 】  5個
【 メディアレス起動 】  可


<ストーリー>
 ――物語の季節は冬。
 大学が冬休みに入り、あても無くバイク旅行に出掛けた『草津拓也(くさつたくや)』は、片田舎にある『ゆのはな町』を訪れた矢先に交通事故を起してしまう。
 道端にひっそりと建っていた古びた祠にバイクごと突っ込み、意識を失ってしまう拓也。
 再び目を覚ました時、視界に飛び込んできたのは、仰向けに倒れた自分を、宙に浮かんだまま覗き込む、奇妙な格好をした少女の姿だった。
 「あ、お目覚めですね。ご無事のようで何よりです」
 ゆっくりと身を起した拓也に微笑みかける、不思議な格好をした少女は、自らを土地の守り神である『ゆのは』だと名乗る。
 突然のことで呆気に取られている拓也に対して、ゆのはは土地神としての力を使って、瀕死の重傷を負っていた拓也を治療したことを語る。
 「いえいえ、お礼を言われるほどのことではありません。その代わりと言っては何ですが、壊れた祠の修理代を負担して頂けないでしょうか」
 訳が分からないまま、とにかく礼を言おうとした拓也を制して、どこからともなく取り出した電卓で見積もりを始めるゆのは。
 「ぴっぽっぱ、これなら235万円といったところでしょうか。こんなの命の値段だと思えばぜーんぜんおトクですよね♪」
 あくまで笑顔のまま、ゆのはは賽銭箱の形をした貯金箱を拓也に突き出してくる。
 ――こうして半ば強制的に、『命の恩人』であるゆのはの要求を聞くことになった拓也は、『ゆのはな商店街』の中でバイトに明け暮れる日々を送る羽目になった。


<キャラクター>
ゆのは
 『ゆのはな町』に棲む自称"土地神さま"。
 巫女装束のような珍妙な格好をしているが霊感の無い者には普通の服装に見える。
 名目上は拓也の妹ということになっており、監視と称して何かと付きまとってくる。

伊東わかば(いとう わかば)
 商店街の中にある、銭湯『華の湯』の孫娘。
 両親は仕事の関係で海外に在住していて、祖母のみつ枝と二人暮で暮らし。
 いかにも女の子な外見ではあるが、受付から清掃まで銭湯の仕事は何でもこなす。
 普段は番台に座って本を読んでいることが多い。
 誰にでも優しく穏やかな性格で、ほんわかとした微笑みがトレードマーク。
 その場にいるだけで、周囲の空気を和ませてしまう存在。

桂沢穂波(かつらざわ ほなみ)
 商店街の中にある喫茶店『白摘茶房(しろつめさぼう)』の娘。
 『白摘茶房』では、ウエイトレスの手伝いをしている。
 母親の榛名(はるな)とは、母娘というより姉妹のような接し方をしており、憧憬の念を抱いている。
 店を閉めた後に、榛名の炒れてくれたコーヒーを飲みながら雑談することが楽しみ。
 口数が少ないためにクールな印象を与えがちだが、実は好奇心旺盛な性格。

高尾 椿(たかお つばき)
 商店街の中にある酒屋『高尾酒店』の娘。
 わかばとは幼馴染にあたり、子供の頃から近所のお姉さんとして頼られている。
 喧嘩っ早い上に言葉遣いも乱暴だが、サバサバしてきっぷの良い姐さん。
 気の強さは祖父譲りで、バイトに来た拓也を容赦なくコキ使う。
 母親を幼い頃に失っており、気の弱い父を助けて店を切り回している。
 基本的に困っている者を見ると放っておけない世話焼きタイプなので、 何だかんだと言いながらも拓也とゆのはの面倒を見てやっている。
 ゆのはとは何故か波長が合うらしく、それが拓也にとっては悩みの種となっている。

宇奈月 由真(うなづきゆま)
 ゆのはな町に古くからある旧家の一人娘。
 良くも悪くも自分に正直な性格であり、思ったことは何でもはっきりと口にする。
 思い込みが激しく、勝手に空想(妄想)を膨らませて暴走することも多々あり。
 生意気な上に毒舌家だが、空回りすることの方が多いので皆から適当にあしらわれている。


このホームページはPULLTOPより一部文章を抜粋しています。
素材の著作権はPULLTOPに帰属します。



<概要>
 お金にあくどい守銭奴な神様「ゆのは姫」に命を助けられた主人公草津拓也は、壊してしまった祠の代金を稼ぐために「ゆのは町」で、アルバイトをすることに。
 そんな主人公とゆのはのと、ゆのはな町の住人との心温まる日常を描いたほのぼのコメディ。


<システム補足>
 詳しくは上記参照。
 ほぼ完璧に近い内容で文句の付け所がありません。
 上記以外では、サムネイル画像&テキスト付きのセーブ、キャラの音声ON・OFF機能など。
 ウインドウモードでの画面サイズは800×600。
 これならフルスクリーンにしても粗さは目立ちません。

 ディスクレス起動可能とはいえ、必要HDDが2GBと普通のADVのわりに少々大きめなのが難点。
 でもそれだけボリュームがあると思えば^^;


<サウンド>
 21曲+歌が2曲。
 ほのぼのと優しいメロディは本作にぴったりで、癒されます。
 クライマックス時に流れる「満ちる季節」が個人的なお気に入り。

 音声は主人公とチョイキャラ以外はフルボイス。
 どのキャラクターもその特性をつかんだ良い演技です。
 聞いていた癒され、笑わされ、ほのぼのとさせられます。
 とくにサブキャラの渋蔵とみつ枝の二人は最高にハマリ役、声優さんの演技に乾杯。


<CG・ビジュアル>
 原画は藤原々々さん。
 一枚絵の枚数は差分抜き75枚(CG60枚+ミニCG15枚)とボリュームの割にやや少なめですが、その代わり立絵の種類は豊富。
 セリフのたびにコロコロ変わるゆのはの表情は非常に可愛いです^^;

 比較的ロリ絵ですが、萌え要素も十分であり、受け入れやすい絵柄だと思います。
 これは個人差がありますのでPULLTOPにて確認してみるのも良いかと。


<内容>
 いきなりですが、世の中やっぱりお金です。えぇー日本は資本主義ですから。
 たしかに金ではどうにもならないこともあります。
 だけど大抵のことは金で何とかなります。
 生きていく為の食べ物や、水だってお金が要ります。
 金さえ払えば内臓も買え、難しい病気の治療も出来たりと、ある程度なら命も買えます。
 なんだかんだで自殺の原因は金銭関係が一番多いですし…。
 そんな命ですらある程度何とかしてしまうお金、ましてや愛だの信頼だのなんてお金でどうとでも…。

 これ以上語るとエロゲーレビューでなくなる上に、筆者が世を拗ねたヒネクレ者という誤解をされかねないので、本題にいきます。
 さて、本作はそんな「お金」にあくどい神様が出てくる「お賽銭おねだりAVG」。
 製作はPULLTOPですし、一見多少遊べる要素のありそうな感じですが、実際はマップ移動型の普通のADV。
 それも移動場所が3つしかないのでゲーム要素は皆無です。

 ストーリーは、田舎町「ゆのはな町」を舞台にしたほのぼのコメディ。
 コメディのネタとしては、知的なネタから下ネタ、マニアックなパロディまで幅広く、エロゲーとしては比較的万人向けといえるでしょう。

 特筆すべきはキャラクター。
 熱血単純バカな主人公とお金にあくどい神様のゆのはをはじめとする、ゆのはな町の住人は非常に個性的です。
 特に、熱血スーパージジィの渋蔵、妄想少女の由真などの脇役陣は主人公やヒロイン以上にインパクト大!
 何か特別なイベントが起こる訳ではないですが、そんな個性的なゆのはな町の人々と、主人公やゆのはとの日常は楽しく、非常に質の高いコメディです。

 また、登場人物が皆心優しい「いい人」です。
 ただ一人ゆのはだけがいい人たちを悪どく騙くらかしている訳ですが、騙し取っているのは飴だのアイスだのと可愛いもの、それに彼女にも実は悲しい過去があったりと、なんだかんだで優しいところがあったりして結局いい娘。むしろすごく可愛いです。
 本作はそんないい人達によって終始明るくほのぼのとしていて、ゲーム全体の雰囲気が非常に良く、エロゲなのに心洗われます
 パッケージ裏に「ねぇ、一緒にあったまろ」というフレーズがありますが、そんな言葉がまさにがぴったりな上質なほのぼのコメディで「癒し系」なエロゲーです。
 世の中金だ、なんて思っている荒んだ(実際はそこまで荒んでませんよ、いや、本当ですって)筆者の心も癒されました^^;

 ただ、一つ苦言を呈するとすれば、話が長いです。
 話の期間は1ヵ月なのですが、1日も飛ばさずにストーリーが続くので1周4時間くらい、コンプリートまで15時間前後で、ヒロインが4人しかいないほのぼのコメディとしては長めです。
 長いこと自体は構わないのですが、何か特別大きなことが起きるわけではなく、終始ほのぼのとしているので、人によってはやや冗長に感じて、ダレてくるかもしれません。
 もう2、3割話を短くするか、総プレー時間はそのままで一人一人のシナリオを短くし、もう一人ヒロインを追加するか、いずれにせよもう少し冗長さを感じさせない工夫があるともっと良かったと思います。
 まぁ、短くて説明不足になるよりは何倍もマシですが…。


<エロ>
 薄くは無いけど、それほど濃くもありません。
 内容自体もそれほど凄いことをやっている訳ではありません。
 ただ、それまでのほのぼのとして、ほとんどいやらしさを感じさせないストーリーやキャラクターと、Hシーンとのギャップがあり、思った以上に見ごたえはありました。


<10点満点での総合評価>
 8点
 どの要素も高いレベルでまとめられた上質なコメディ。
 終始ほのぼのとした優しい雰囲気は万人にお薦めです。


お気に入りのキャラ:ゆのは姫…コロコロ変わる表情、意地っ張りな態度、時々見せるしおらしい仕草は最高です。
最後に一言:「とっても癒されるゲームです。是非♪」