マジカルウィッチアカデミー   (GPさんのレビュー)   評価: 8.5 
▼ タイトル マジカルウィッチアカデミー amazon associates
▼ ブランド アトリエかぐや TEAM HEARTBEAT
▼ ジャンル 魔法学院ハーレムADV
▼ 対応OS Win98/Me/2000/XP
▼ メディア DVD-ROM
▼ 定価 税込\9,240(税抜\8,800)
▼ 発売日 2005/02/25
▼ 購入   マジカルウィッチアカデミー /オリジナル特典 Getchu.com
【 CG観賞モード 】  あり
【 シーン観賞モード 】  あり
【 BGM観賞モード 】  あり
【 メッセージスキップ 】  あり(未読・既読判別あり)
【 メッセージ履歴機能 】  あり(音声リピートあり)
【 選択肢リターン機能 】  なし
【 オートモード 】  あり
【 ヒント機能 】  なし
【 セーブ数 】  200+1(クイックセーブ)個
【 エンディング数 】  8個
【 メディアレス起動 】  可


<ストーリー>
 魔法が常識として存在するファンタジー世界。
 主人公の少年、ツカサはとある事件がきっかけで「目を合わせただけで女性をエロエロに発情させてしまう」という魔法の力を手に入れてしまう。
 師匠の老魔術師の元でこの困った力を制御すべく魔術の勉強をしていたツカサは、ある日出会った絶世の美女魔術師・シルヴィアのはからいで女の子だらけの魔法学院に特別入学することになる。
 彼は学院で、この魔力を制御できるようになることを決意するのだが……。


<キャラクター>
シルヴィア・ヴェスパー(Sylvia Vesper)
 自他共に認めるスゴ腕の魔術師。だが、過去の経歴などは一切不明。
 自分の能力に絶対の自信を持ち、常に我が道を行くバイタリティ溢れる女傑。
 知的で妖艶な雰囲気を身に纏った美女。スタイルも抜群。
 一見すると唯我独尊、いいかげんで偉そうな態度を取っているが、裏では色々と学生たちの面倒を見てやるような姉御肌な一面を持っている。

アルシア・エルグラント(Alcia Elgrant)
 この大陸の南方、広大な森林地帯に位置する魔法王国の第二王女。
 現在はお目付役のジークフリードと共にこの学院に魔術の勉強に来ている。
 スタイルは良くけっこう巨乳。

シズナ・カドクラ(Shizuna Kadokura)
 学院の位置する大陸の遙か東方の島国からやってきた少女。
 国でも権勢を誇る名家、カドクラ家の出で、剣術と魔術を学んで一族に認められたいと考えている。
 白い肌、鍛えられ引き締まった細身でスレンダーな身体をしているが意外と胸はある。

ライラ(Lyra)
 この学院の元となった遺跡の中で封印されていた、太古の淫魔。
 人間離れしたプロポーション・豊満で妖艶な肢体は男を誘うためのもの。
 強力な魔力を持っているためツカサの『眼』の影響を受けない。
 ツカサに興味津々で、積極的に迫ってくる。

ミルフィ・ファスファー(Milfy Phosphor)
 年齢の割には小柄で幼い体つき。性格は明るくノリがいい。
 好奇心旺盛で行動力があり、物好きな学生たちのリーダー的存在。
 ツカサに好意を抱いていることを隠そうともせず積極的にアタックしてくる。

エクレール・バーネット(Eclair Burnet)
 2人の幼い子を持つ未亡人。夫は過去に戦争で亡くしている。
 学院では師匠兼保健医として学生たちの面倒を見ながら育児をしている。
 熟れた身体と豊満な胸・尻の肉感はまさにオトナの女性ならでは。
 褐色の肌は大陸北部の少数民族の血を引いているため。
 穏やかで母性を感じさせる温かな人柄から、学生たちにも人気が高い。

ツカサ・ストロビラントゥス
 この作品の主人公。外見は細身で華奢、容姿端麗。
 年齢よりもかなり幼く、少女と間違えられることもしばしば(ショタ系)。
 明るく前向きで真面目な性格。実はかなりの巨根の持ち主で超絶倫。
 とある事件が原因で「目を合わせただけで異性をエロエロに発情させてしまう」という魔法の力を持ってしまう。
 老魔術師ハスターガルの元で魔術の修行をしていた彼はある日、シルヴィアに魔法学院に招かれ、いつの間にか特別枠で入学することになった。


このホームページはアトリエかぐや TEAM HEARTBEATより一部文章を抜粋しています。
素材の著作権はアトリエかぐや TEAM HEARTBEATに帰属します。



<概要>
 魔法が存在するファンタジー世界を舞台に、目を合わせただけで相手を発情させるという、なんともエロゲとしては分かりやすい力を持つ少年ツカサと、彼に好意を寄せるヒロインとのドタバタでHな毎日を描いたADV。


<システム補足>
 さすがアトリエかぐや、3/20時点で修正ファイルはなし。
 ここ2年半くらい修正ファイルを出していませんね。

 システム周りは上記参照^^;
 一通りの機能は揃っています。
 メッセージスキップも早く、セーブ時のサムネイル表示と場面の簡単な状況がコメントとして表示されるので、とてもプレイしやすいです

 HDDがフルインストールで2.25GB必要と相当な容量を食いますのでHDDの整理はお早めに^^;
 フルインストール後はDVDレス起動可能で助かります^^;


<音楽、音声>
 全25曲+ヴォーカル曲が1曲。
 場面を優しく盛り上げる良いBGMだと思います。

 主人公以外はフルボイス。
 キスやフェラの音、淫語等エロ方面に加え、性格変化とか人格交換のような演技の難しい場面でも、きちんと演じ分けられていたのは驚嘆の一言。
 さすがアトリエかぐや、人気実力共に兼ね備えた声優さんを起用し、妥協がありません。
 感心した(ありがたかった)のは音声の切り方。
 普通キャラがしゃべっているときにクリックするとそこで音声は途切れてしまいますが、このゲームはクリックすると次のテキストにいくだけで音声は途切れません。
 次のしゃべるシーンで初めて前の音声が途切れて、次の音声へと移ります。
 是非この機能を標準装備に^^;

 主人公のツカサは何故かハーレムルートのみ声があってあとはありません。
 彼はいわゆる「ショタ」。
 当然やられ役となる訳ですが、そういうシーンの好きなプレーヤーは多いと思われるので、どうせならショタという個性を伸ばすためにフルボイスにした方が良かったのではないかと…。
 キャラ別な音声ON/OFF機能をつければ良いと思いますしね。


<CG>
 原画はM&Mさん。
 「魔法世界でのドタバタコメディ」というと、萌え〜な絵を想像してしまいますがそこはアトリエかぐやさん、可愛いだけでなくしっかりエロい!
 ご覧ください、ヒロインたちの肉感的でエロい肢体を^^;
 しかも今回からウィンドウサイズが800×600に!
 嬉しい限りです^^;

 枚数は差分抜き117枚(差分込みで約730枚)。
 無論大半がエロ。差分の枚数も多く、Hの細かな動きもある程度丁寧に(特に精液描写)描けていたのは好感が持てます。


<内容>
 主人公ツカサは開始からモテモテ。
 いや、そんな生易しい状況ではなくヒロインに狙われているという言葉が正しいです^^;
 ヒロインはもちろん、学院中の女性がツカサのハートと股間を我が物にしようと猛烈なアタックと誘惑を繰り返します。
 本作では部屋を覗かれるのもツカサであり、セクハラトークに顔を赤らめるのも、襲われるのも彼であります。
 常にエロと隣り合わせ、いつ襲われるかわからないので入浴や睡眠中も安心できないハードボイルドな毎日を送っています。
 こんな設定の作品のエロが薄いはずはなく、とってもエロエロな作品となっています^^;

 さて、本作のエロでまず目を引くのは連続射精!
 ツカサはそこらの純愛エロゲー主人公では束になってもかなわないまさに「絶倫」と呼ぶに相応しい男です。
 初Hで9連発、その後も一度のHで2発3発は朝飯前、5発で標準、最高7人の女の子に合計12発!
 男性のアレのことをよく「拳銃」だの「マグナム」だのいいますが、彼のアレは本当に拳銃並みの装填数を持っています。
 (簡単メモ知識:本物の拳銃は自動式で10〜16発)
 精液にそれほど興味のない筆者でも凄いと感じられたのですから、こだわる方にはたまらないでしょう。

 行為内容はふたなり、女性化のような魔法を使った特殊プレイ、コスプレや足コキのようなフェチなプレイもありますが、メインは挿入、愛撫、フェラ、パイズリと(エロゲーにおいては)オーソドックスなプレイ。
 魔法世界のなんでもあり設定におけるフェティッシュさやアブノーマルさを求めた方にはやや物足りないかもしれません。
 しかし!エロが薄いわけで勿論なく、むしろ超濃厚。
 ノーマルなプレイの範囲で最大限のエロさを誇ります。
 しかも受身系完全和姦!ラブラブで(主人公が)襲われます^^;

 ただ一つ気になったのは全ヒロイン最初から飛ばしすぎていた点。
 本作のHは、どれをとっても寿司でいえば大トロ、フランス料理ならメインディッシュの、尺の長い重量級のエロばかりです。
 シルヴィアやライラはともかく、アルシアとかシズナなんかは最初はもう少し大人しい感じでも良かったかもしれません。
 (実際はシズナの場合処女喪失でいきなり5連発とかですし…)
 彼女達はエロに対して純情ですし、微笑ましいイベントもありました。
 そんな設定を活かすためにも、最初は軽いHにして段々濃厚にしていくという形にすると他のキャラとの差別化が図れるし、後の濃厚なHも際立ってよかったのではないでしょうか。
 まぁ、あまりに贅沢な注文ですけどね^^;
 同じ値段で大トロをたくさん出してくれる寿司屋に対して「安い赤身やイカも出せ」と文句言っているようなものですから^^;

 ハーレムですがもちろんあります。
 一つの構図でいっぺんに全員を描かずに、2人、3人と分けて描いたのは良かったと思います。
 人数が多いとゴチャゴチャして何が何だかわからなくなりますが、一度に描く人数を抑えてそういうのをを防ぐ配慮は評価できます。

 エロ重視の作品は「ただHするだけ」になりがちですが本作はそんなことはありません。
 ヒロインは「エロい」という共通点を持ちつつも、それ以外にもしっかり個性がある点は好印象。
 ジークやイリスなどサブキャラも濃いのが揃っています。
 そんな個性的なキャラ達とのドタバタコメディは非常に面白く、シナリオ面でも十分に評価できます。
 イベント間のつながりが多少悪いかもしれませんが、コメディですしメインはあくまでエロなので気にする程のことではないでしょう。

 いくらエロ重視でもストーリーやキャラは大事です。
 特にキャラは愛着が持てればそれだけHも見ごたえもあります。
 その点本作はエロだけでなく、キャラクターやストーリーにも魅力を持たせていた、非常に素晴らしい作品と言えるでしょう。


<10点満点での総合評価>
 8.5点
 プレイはノーマルながら特濃のエロ、さらにはストーリーやキャラクターにも配慮の行き届いたエロ重視系のお手本となる作品。
 メーカーファン、和姦好き、エロの薄い純愛作品に飽きた方、とにかくエロを求めたい方等にお奨めです。


お気に入りのキャラ:ミルフィ…好意むき出しで迫ってくるし、エロも積極的でしかも可愛い^^;
最後に一言:「かぐやさんはハズレがなく安心して買えます。次回作も期待しています♪」
TITANSより一言:「HDDに残る作品。マジ買っとけ^^;」









   バージニア    (たろんなーどさんのレビュー)   評価: 3.5 
▼ タイトル バージニア〜真実の未来(ほんとうのせかい)〜 amazon associates
▼ ブランド unicorn-a
▼ ジャンル ファンタジーアドベンチャー
▼ 対応OS Win98/Me/2000/XP
▼ メディア CD-ROM
▼ 定価 税込\9,240(税抜\8,800)
▼ 発売日 2005/03/25
▼ 購入   バージニア / オリジナル特典 Getchu.com
【 CG観賞モード 】  あり
【 シーン観賞モード 】  あり
【 BGM観賞モード 】  あり
【 メッセージスキップ 】  あり(未読・既読判別あり)
【 メッセージ履歴機能 】  あり(バックログでの音声再生あり)
【 選択肢リターン機能 】  なし
【 オートモード 】  あり
【 ヒント機能 】  なし
【 セーブ数 】  100個
【 エンディング数 】  6個(BADEND除く)
【 メディアレス起動 】  不可


<あ・ら・す・じ>
 魔法の結界に守られた王国、グリンナーズ。
 主人公ダースはグリンナーズで若くして王立騎士団の隊長となる。
 その最初の任務の一環として生まれ故郷、タラスへと錦を飾る。
 しかし、そこで彼が見たものは、謎の集団によって破壊される故郷だった……。

 同行していた王女マリーヴェルテ、幼なじみの魔道士ティエルらと共に主人公は謎の武装集団の追跡をすることになる。
 主人公の故郷と同じように襲われる忍者の里や獣人の村、見えない敵の正体。
 主人公達に同道することになる獣人の少女アリーナ、忍者の里の娘ユミ、戦闘用人造人間ブリレンスら。
 やがて主人公の前に現れたのは、意外な敵の正体であった。


<キャラクター紹介>
ティエル CV:紫苑 みやび
 主人公の故郷、タラスで修行を続ける魔道士。
 主人公ダースにとっては幼なじみでもあり、頭の上がらない姉的存在。
 主人公が王都に出てから久々の再会となる。

ヴェルテ(マリーヴェルテ) CV:韮井 叶
 主人公が仕えるグリンナーズ王国の王女。
 剣技に優れ、お忍びで主人公達に同行する。
 誇り高い性格だが、国と国民を愛し、国民からの人気も高い。

アリーナ CV:金松 由香
 獣人族の村で生活している獣人族の少女。
 外見的には耳と尻尾がある以外普通の少女だが、獣人の力で高い戦闘力を持つ。
 性格的には飽きっぽくて移り気、十分に子供っぽい。

ユミ CV:南見 ちはる
 忍者の村のエリート……のはずだがドジでおっちょこちょいな少女。
 内気でおどおどしているが、とある秘密を抱えている。

ブリレンス CV:一色 ヒカル
 ゼヒテルによって作られた戦闘用ホムンクルス。
 外見は華奢で無感情な少女だが、独特の武器を使い、戦闘力は高い。
 「感情」を設定されていないはずの彼女だが、その瞳には何を映しているのか?

ゼヒテル CV:山咲 真紀
 王国でも屈指の天才と言われる女科学者。
 ブリレンスを「開発」するなど魔法と科学の両立する世界で真実を探求する。
 頭の回転は速いが、科学の発展の為なら犠牲もいとわないマッドサイエンティスト。

ダース 主人公・リネーム不可
 王国騎士団で若くして隊長となったタラス出身の青年。
 ほぼ独学で身につけたという剣技は、我流ながらかなりの冴えを見せる。


このホームページはunicorn-aより一部文章を抜粋しています。
素材の著作権はunicorn-aに帰属します。



<システム周り>(ver.1.00)
 基本的には選択肢型AVGにRPG風のコマンド戦闘が挿入されるような感じです。
 とはいえ、レベルアップなど目に見える成長要素などはありませんが…。

 この手のAVG+RPG(風)をプレイするたびに思うことですが、戦闘シーンで「攻撃」を連打しているだけで勝ててしまうのなら、戦闘フェイズは不必要な気がします。
 まぁ、これに関しては個人的な好みもあるかとは思いますので、一概には言えませんが…。
 分岐は選択肢で分岐するのに加え、戦闘で負けることで凌辱シーン+BADENDという分岐。
 それ以外の詳しいシステム周りは上記参照。

 必要なものは揃っていると思いますが、イマイチ使いにくい点も。
 例えば、音量調整をキャラごとに行えるのは良いのですが、一括で調整できない…とか、ウィンドウスクリーンで起動させてもOPムービーだけは強制フルスクリーンだったりなど、今ひとつ使いにくいです。
 全体として、必要な要素は全て装備していますが、操作性はもう少し頑張りましょう…といった感じです。

 ゲームシステム的には上でも書いた戦闘シーンの単調さが気になりました。
 一応、必殺技や魔法などもありますが、エフェクトも地味ですし、基本的にはダメージが増加するのみなので、イマイチ爽快感がないです。
 また、1回の戦闘シーンに8〜10ターン掛かる戦闘シーンも多く、味方キャラも8人なんて戦闘もざらですので、ひたすら単純攻撃が続くところを見ることに。
 一応、コマンド入力に関しては「終了」を選択すればそのターンは「攻撃」を自動選択してくれますが、エフェクトが省略されない為、以外に戦闘シーンに時間が掛かります。
 そういった面がゲームの流れを阻害している感も受けます。
 まぁ、剣を持っているのにパンチ攻撃をしてくる敵もいたりして、微妙に面白いトコもありましたが^^;
 正直、戦闘シーンはスキップ出来るとありがたかったですね。

 そのことが如実に出ているのが、上で書いたバッドエンドでのシーン回想です。
 基本的に敵が弱いので、負けるためには防御を選択し続けてHPをちょっとずつ削られるのを見ているだけですが、シーンによっては5分以上かかってしまったりして、非常に面倒な感を受けます。
 もっとも、凌辱シーンがあるだけのバッドエンドを見たくない方は問題ないと思いますが、シーン回想をコンプしようとするとそういった苦労をすることになります。

 ボリューム的にはそれほどでもなく1stプレイが6〜8時間程度で、コンプまでは20時間前後といったところでしょうか。
 とはいえ、これは戦闘シーンも含めてですので、テキストのボリュームはそれほどでもなく、個人的にはちょうどいいくらいの分量だと思いました。


<音声>
 女性のみフルボイス。キャストは上記参照。
 演義に関しては問題なく、むしろレベル高いと言えますね。
 ゼヒテル役の方はちょっと癖のあるしゃべり方と言うか、喋るスピードに独特の抑揚をかけるので一見アレ?って思いましたが、マッドサイエンティストという雰囲気には妙にハマっていて、慣れるとテキストボックス3画面分以上の長尺セリフが多いこととあいまって、一番印象に残ります。
 というわけで、「マッドな」ゼヒテルや王道「舌足らずボイス」のアリーナ始め、キャストも基本的にはゲームに合っていますし、概ね好印象です。

 ただ、上でも少し書いたように「狙いすぎ」というか、全体に演技がオーバーな感じを少し受けましたので、そういうわざとらしさが好きではない方には今ひとつかもしれません。


<音楽>
 全16曲、ボーカル曲はありません。
 全体に落ち着いた雰囲気ながら、王道のファンタジー系ゲーム音楽と言う感じで、きわめてオーソドックスな出来。
 コミカルなシーンにかかる音楽だけはコミカルと言うよりは軽快でさわやかと言う感じで、少しイメージが違うかとも思いましたが、それ以外は問題なくシーンにも合っていました。
 これが売りという特徴も無いですが、安心して聞ける音だと思います。


<CG>
 原画はヨネ氏。
 顔の造形などはややシンプルですが、絵柄自体はオーソドックスだと思います。
 どちらかといえば、表情のつけ方などは漫画的な部分もあり、あまりエロゲーの絵と言う感じでは無いですので、そういった点は好みが分かれるかもしれません。
 ただ、同じくヨネ氏が手がけた「家飛−カットビ!−」の時もそうですが、顔と体のバランスが悪い絵が幾つか見受けられます。
 また、安定感のなさも相変らずでアングルや表情によっては微妙に別なキャラに見えてしまうこともあります。 

 塗りはどちらかといえばシンプルな感じですね。
 ややアニメ調であっさりしているのでもう少し陰影をつけてもいい気もしますが、原画の絵にはあっているのかな、と。
 ただ、絵の線もシンプル、塗りもシンプルなので、少しベタっとした感じで見えてしまい、絵が平面的に見えてしまうのも確かだと思います。

 背景はそれに比べると陰影の付け方もしっかりしていて良い感じですね。
 ただ、全体に光沢抑え目で地味目なので、アニメ絵&塗りなキャラクターの立ち絵、イベント絵とは浮いて見えてしまうことも…。
 立ち絵のバリエーションは割合多く、フードをかぶって変装するシーンなどもきちんと立ち絵に反映されており、悪くないと思います。
 また、立ち絵には目パチ口パクが効果として付けられています。

 イベント絵の総数は、差分を除いて、90枚弱です。


<Hシーン>
 数的には、各キャラ純愛1、バッドエンドの凌辱1、3Pや触手などが2、3個づつと言ったところでしょうか。
 ただし、当然ながら3Pなどはかぶる部分もありますので、総数は28程度。
 また、純愛1、凌辱1以外の部分は、シチュエーション的にはペッティング、3Pやオナニー、レズ等色々ありますが、尺も短めですし、最後まで行かないシーンも多いので、オマケ程度に捉えていた方がいいかと思います。

 メインとなる各キャラ2づつ配置されているHシーンもそれほど濃いと言う感じは受けず。
 純愛Hシーンはヒロインのセリフやあえぎは少なめで、折角の声優陣を活かしきれていない感じを受けるのは残念です。
 シーン自体短めですし、話的には常にエンディングでと言う感じになります。
 その為、前のシーンから少し時系列的に空いてしまう為、感情移入もしにくいのです。
 シナリオ的にも必然と言うよりは、なんとなく入れたようなものもあり、実用性とシナリオ上の必然性とどちらの観点から見てもやや厳しい評価とならざるを得ないです。

 凌辱シーンは主人公の目の前で複数キャラにヒロインが犯されるというシチュエーションはなかなか良いと思いますが、こちらも尺が短めなのは残念なところ。
 また、根本的に、こちらのシーンは見るのが面倒と言うこともあります。
 正直手間に見合うとは思えないわけですが…。

 ま〜、Hシーンは数や絵ほどには期待してはイケナイと言うことで^^;
 ボイスが良いので絵がツボに入れば短めでも良いと言う方以外には厳しいかと。
 正直、この部分を「売り」にするのは厳しいですね。 


<感想>
 このゲームの世界観では「長寿と不老の祝福」と言うものに国全体が包まれているそうで、主人公60歳以上らしいです…。
 ということはそれと同年代のヒロインたちも軒並み…ってことですね…^^;
 いや、まぁ、だからどうしたと言われればそれまでですが、チョットツボでした。

 さて、肝心のゲーム本編のシナリオですが、構成的にはなかなか面白いといえるかもしれません。
 割合多くのヒロインが現れますが、それぞれの立ち位置が全く違うために、最終的に現れるシナリオ的な問題、ファンタジーでのいわゆる「世界の危機」と言う奴ですが、これに対しての立場が違い、最終的には対立軸になってしまうという感じの構成です。
 (分かりやすいネタバレ)対立軸の関連でヒロイン同士が殺しあう展開(終了)

 そのため、いわゆる世間的にはノーマルエンドやバッドエンドとされるような終わり方が多いです。
 なので、物語でくらい幸せな終わり方を見たいという方には全くお勧め出来ません。
 もっとも、私個人としてはそれはどうでもいいことで、むしろそう言ったことが緻密に描写されていれば名作と呼ぶに相応しいと思います。
 しかし、これに対して説得力に欠ける面があるのも残念なところ。

 一つにはヒロイン同士の関係性が、個対個の粋を脱していないこと。
 最終的な対立軸である、出自や育ちによる誤解などといった描写がなく、後半の展開が分かりにくいです。
 また、どのルートに通っても同じような展開になるのもそれに拍車をかけています。
 大きな対立軸のどちらに乗っても展開がほぼ同じと言うのは……。

 また、それぞれのキャラクターイベントもそれほど多くなく、個性として経つところまでいっていないようにも思えます。
 割合一つ一つのイベントが大きな展開の共通パートにぶつ切りで挿入されるような感じなので、全体を通した一貫した姿勢というのが見えません
 説明不足と言うか、イベントごとに比較的キャラの立ち位置や他キャラに対するスタンスが大きく変わっていたりして混乱を招きやすいと思います。

 結局、キャラごとにスタンスやシナリオの立脚点が違う割に、シナリオ自体は似たような展開と共通パートが多いことで反発しあっているような気がします。
 シナリオ展開を絞るなら、キャラクターは比較的同じ立ち位置のほうが良かったと思いますし、反面キャラ毎の立ち位置を広げるならば手抜きせずにそれぞれのシナリオをきちんと構築すべきではなかったでしょうか?

 結局、シナリオ的にもシステム的にも何処に力点をおきたいのか判らない作品となっています。
 科学と魔法の並立という世界観は(ありがちとはいえ)設定としては魅力的ですが、それを生かす世界とシナリオを構築出来ず、キャラクター造形はオーソドックスながらまとまっているとはいえ、その魅力を生かすシーンやテキストが足りず、Hシーンも数とシチュのバリエーションはあってもそれぞれの長さや濃さは今ひとつ、戦闘シーンは結局単純作業の繰り返しでゲーム性を挿入できずと、どの要素においても中途半端に終わっている気がします。

 どういうゲームが作りたかったのかは残念ながら窺い知る事が出来ませんが、どこかきちんとゲームとしての「力点」をはっきりして、そこを重視したつくりにすれば良かったのではないかな、と思います。

 う〜ん、微妙に薦め難いゲームではあるのですが、あえて言うならこういう魔法と科学の両立みたいな世界観が好きならば、世界観はソコソコ魅力的です。
 声優さんもいい感じだとは思います。
 それ以外では……タマには地雷も踏んでみたいという人にオススメ?


<10点満点での総合評価>
 3.5点
 シナリオ派の方にも、Hシーン重視の方にも、ゲーム性重視の方にもお勧め出来ません……。


お気に入りのキャラ:ゼヒテル…マッドサイエンティストな喋りはなれるといい感じです。
最後に一言:「Q'tronがシナリオを手がけるエロゲーって毎回主人公のキャラ立ちが微妙な気が…。」