ANGEL TYPE   (GPさんのレビュー)   評価: 7 
▼ タイトル ANGEL TYPE amazon associates
▼ ブランド minori feat.Aeris
▼ ジャンル インタラクティブノベル
▼ 対応OS Win98/Me/2000/XP
▼ メディア DVD-ROM
▼ 定価 税込\8,190(税抜\7,800)
▼ 発売日 2005/03/25
▼ 購入   ANGEL TYPE /オリジナル特典 Getchu.com
【 CG観賞モード 】  あり
【 シーン観賞モード 】  あり
【 BGM観賞モード 】  あり
【 メッセージスキップ 】  あり(未読・既読判別あり)
【 メッセージ履歴機能 】  あり(音声リピートあり)
【 選択肢リターン機能 】  あり
【 オートモード 】  あり
【 ヒント機能 】  なし
【 セーブ数 】  90+1(オート)+9(クイック)個
【 エンディング数 】  7個
【 メディアレス起動 】  可


<ストーリー>
 定時制の学園に通う主人公は、何気なく過ごす日常の中、微かな孤独を感じていた。
 そんな彼が、周囲からは人あたりも良く、性格の良い人物として見られることが多いのは、その内面からの反動を“明るさ”として振る舞いに出しているからだろう。
 やがて、そんな日々の中で、彼は3人の少女と出会う。
 唯一の親友である猫と共に、他人など全く意識しないかのように奔放に生きる“佐倉 詩希(さくら しき)”、いつも元気で明るく、海が大好きな女の子“柚月 未憂(ゆづき みゆう)”、そして主人公とは昔からの知り合いで、彼女が編入した定時制学園で再会する事となった“川原 砂緒(かわはら すなお)”。
 彼女達とふれあう中、世の中と自分との間に言い知れぬ違和感を感じていた主人公の心に、少しずつ変化が生まれてくる。
 「自分として生きること」への思いと共に。


<キャラクター>
川原 砂緒(かわはら すなお)
 定時制の学園に通う2年生の女の子。
 違う学園の音楽科にいたが、ある日コンクールで演奏に失敗した時から突然楽器(ピアノ)が弾けなくなり、そのショックから不登校となる。
 その後学校を変え、今の定時制の学校に移ってきた。
 そこで古い知り合いでもある主人公と再び再会する。
 出来のいい妹の存在も、彼女のトラウマ(コンクールで失敗した記憶)を増幅させていると思われる。

佐倉 詩希(さくら しき)
 自由奔放な日々を送る少女。唯一の家族である猫とともに生活している。
 他人と接することに慣れていない子、よくいえば純粋な子。
 両親とも事故で死別して、その保険金で生活している。友達らしい人間はいない。
 学園はよく休むが成績は悪くなく、それなりにやっている模様。

柚月 未憂(ゆづき みゆう)
 海と星が大好きな少女。いつも元気でまるで人見知りをしない。
 現在は優しい祖父母と共に暮らしている。先天性の病気のため昼間は活動できないため定時制の学校に通っている。
 犬や猫といった生き物がとても好きだが、自分は飼えない為、猫がいる詩希を羨ましく思っている。


藤代 尚(ふじしろ なお)
 本編の主人公。定時制学園の2年生。その前は全日制に在学していた(数ヶ月の空白期間あり)。
 友人といえる人間はほとんどいない。両親は見限っているのか放任主義なのか、二人とも違う場所に。
 まじめで、特に問題を起こす生徒とは思えない感じ。周囲の反応もよく、人柄のいい人物だと思われている。
 だが本当は人一倍孤独感を抱えていて、対外的に(それなりに)明るく見えるのはそれの反動。
 成績もよく真面目な彼が全日制から移ってきたのは、たくさんの生徒の中にいることに耐えられなくなったから。
 ある種の精神的な病と思われる。


このホームページはminori feat.Aerisより一部文章を抜粋しています。
素材の著作権はminori feat.Aerisに帰属します。



<概要>
 メーカーが解散してお蔵入りになった作品をminori完成させた純愛インタラクティブ・ノベル。
 定時制の学園を舞台に、人とのつながりを恐れる主人公と、問題を抱えたヒロインがお互いの出会いを通して悩んでいく姿を描いた作品。


<システム補足>
 上記参照、一通り揃ったシステム。
 バックログが文章だけでなく音楽や立ち絵、背景までも戻るのは珍しいですね。
 でも新鮮&便利で好感触^^;
 セーブ数も多く、サムネイル表示もあり、分かりやすいです。


<内容>
 このゲームは元々Aerisというブランドの処女作なのですが、発売する前にメーカーが解散してしまいお蔵入りになっていました。
 それを2005年になってminoriが完成させたのが本作です。

 本作でまず目を引くのは、この独特の雰囲気
 エロゲー特有のいやらしさや、いかがわしさを全く感じさせない繊細さと清らかさ
 そもそもパッケージからして、エロゲーらしくなく、他作品が乳丸出しで精液まみれな姿を晒したパッケージ(無論こちらの方がエロゲーの正しい姿)の中、本作は純白のドレスを身にまとった3人の少女で、エロの描写なんてどこにもありません。
 お店に行っても、本作の置いてある空間だけ空気の澱みが少ないような錯覚さえ覚えます。

 内容についても、心が綺麗ないい人たちなのに皆どこか儚さをかんじさせるキャラクター、詩的で哲学的なテキスト、静かで優しい音楽、女の子の裸が出てくるのか本気で心配になってくるような清らかで、どこか幻想的で儚い空気が漂っています。

 それでいて設定は妙にリアル
 例えばヒロインの川原砂緒。
 主人公と同じマンションに住む幼馴染、となればエロゲーでは毎朝起こしに来るのが普通ですが、彼女の場合なんとマンションの階が違うので主人公とは5年間会っていなくて近況も知らない、という設定。
 また彼女の妹にしても、普通エロゲーの姉妹は、主人公と3Pエッチをしちゃうくらい仲のいいものですが(^^;)、川原姉妹の場合「ここ最近、話もしていない」と、現実的。
 他のキャラやストーリーもこんな感じで、少なくとも普通のご都合主義エロゲーよりは相当リアリティがあります。
 これ以上は筆者の文章力では表しきれないので、実際プレーしていただくほかありませんが、この清らかでどこか幻想的で、それでいてリアルな設定を持つ雰囲気はエロゲーにおいては唯一無二とまではいかなくても、非常に独特、一度味わってみる価値はあります。

 ただ、このゲーム、確かに設定や雰囲気作りは素晴らしいのですが正直「それだけ」なんです…。
 この後発展すべき肝心のストーリーが今一歩なんです。

 本作はコンプリートまで5、6時間と、はっきりいって短いです。
 ヒロイン一人あたり約1時間半くらい(ヒロインは4人)、しかも下手にバッドエンドルートなんて作っているから実際はもっと短いでしょう。
 短いからといって特に矛盾がある訳ではありません。
 純愛モノの一連の流れはどれも一応描かれています。
 が、一つ一つが圧倒的に物足りません。
 特に告白のシーンなんて、それに至る過程があまりにも短いので、感動云々よりも「あんたらいつの間に惚れたんだ?」という思いの方が強かったくらいです。
 しかも、最初から最後まであまりに淡々と話が進むので、テーマである「人とのつながり」についても説得力はいまいち
 これだけ話が短く淡々としていると、なまじテーマがありふれたものだったり、主人公が前半で色々難しいことを考えたりしているぶん、陳腐な印象になってしまいました。
 これだけの設定と雰囲気を作ったのですから、もっと腰据えてじっくり話を展開させるべきだったではないでしょうか?
 個人的には倍のボリュームがあっても良かったと思います。


<サウンド>
 17曲+歌が3曲。
 作品にあった優しく落ち着いた曲調が多く、挿入歌である「Catharsis」の使うタイミングはなかなか巧いです。
 未憂ルートのラストで流れたときは正直グッときました。


<CG>
 原画は八樹隼一郎さん。
 繊細なタッチと淡い色調は性的な臭いを全く感じさせません
 間違ってもエロゲーに使われそうもない清楚で美しい絵ですが、本作にはぴったり。
 むしろ本作の独特な雰囲気はこの絵による所が大きいです。
 これだけ絵と作品が合致した例は少ないと思います。


<エロ>
 作品の繊細で清らかなイメージを、そのまま濡れ場においても引き継いでいる感じで、エロくなりようがありません
 むしろ神聖で美しい行為にすら思えます。(まぁ、本来セックスは新しい命をつむぐ神聖な行為なのですが)
 特に詩希とか未憂シナリオでは、感動的な場面でHしているので、出てくるのは涙だけ。
 間違っても他の体液---・(゚Д゚)・∵゜ターン
 …エロに期待してはいけません。
 エロゲーでエロを期待しないというのは本末転倒でしょうが、本作に限ってはそれも不問。
 むしろHシーンにおいても作品の雰囲気を壊さなかったことを評価すべきでしょう。


<10点満点での総合評価>
 7点
 独特な雰囲気作り、なによりお蔵入りになった作品をこうして綺麗にまとめたことは非常に評価出来るものの、シナリオのボリューム不足とあまりに淡々としすぎているのは減点対象。
 シナリオにもう少し厚みがあればもっとよい作品になったでしょう。


お気に入りのキャラ:佐倉詩希…自由奔放に生きながらどこか寂しさや儚さを感じさせるキャラ設定は非常にGood。
最後に一言:「ボリュームアップしてリメイクで出しません?これで終わらせるには惜しすぎます。」









   オンリーワン2〜美人カジノディーラー瞳〜    (ひびきさんのレビュー)   評価: 6 
▼ タイトル オンリーワン2〜美人カジノディーラー瞳〜性のルーレット〜
▼ ブランド GLOBE
▼ ジャンル ADV
▼ 対応OS Win98/Me/2000/XP
▼ メディア CD-ROM
▼ 定価 税込\5,040(税抜\4,800)
▼ 発売日 2005/02/18
▼ 購入   オンリーワン2 / オリジナル特典 Getchu.com
【 CG観賞モード 】  あり
【 シーン観賞モード 】  あり
【 BGM観賞モード 】  あり
【 メッセージスキップ 】  あり(未読・既読判別あり)
【 メッセージ履歴機能 】  あり(音声リピートあり)
【 選択肢リターン機能 】  なし
【 オートモード 】  あり
【 ヒント機能 】  なし
【 セーブ数 】  90個
【 エンディング数 】  2個
【メディアレス起動】  可


<ストーリー>
 観光地近くのカジノ『テスタメント』でNo,1ディーラー兼バーテンダーとして働く黒澤 瞳(くろさわ・ひとみ)。
 ある日、帰宅する際に運転していた車が、男性とぶつかりそうになる。
 幸いにも接触は避けられたが、男性は意識を失って道路に倒れ付していた。
 介抱する瞳だが、明らかに男性は『行き倒れ』風の風体をしており、打ち捨てるわけにもいかず、男性を自宅へと連れて帰る。
 男性は目を覚ますが、そこで彼に記憶が全く無いことが判明。
 男性の身元を証明するようなものも無かった。
 仕方なしに、瞳は彼の同居を許可。
 彼に「健太」という名前を与え、同居生活が始まる。

 やがて、健太は凛々しく堂々とした瞳に惹かれ、彼女と同じ職場であるカジノ『テスタメント』でボーイとして働き出す。
 普段、他人と接していても、どこか一歩引いている感のある瞳。
 しかしなぜか、健太にだけはそんな態度を見せることは少なかった。
 やがて健太は、『テスタメント』での日常で、瞳の隠された心情に気づいていく……。


<キャラクター紹介>
黒澤 瞳(cv:白井綾乃)
 カジノ「テスタメント」でバーテン兼ディーラーとして働く女性。
 身体は、出る所は出て、引っ込む所は引っ込むという理想の体型を持ち、更にその身体を強調するような制服を着ている。
 どこかドライな印象を持つ彼女。
 ボーイッシュな反面、大人の女性としての魅力を兼ね備え、「テスタメント」の最強ディーラーの地位を築く。
 本人はそれをあまり望んではいないようだが…?

健太(仮)
 本編の男性主人公。
 記憶を失っていて、自分の名前さえも思い出せない状態。
 瞳に徐々に惹かれていき、「テスタメント」で働く事になる。

ルージュ(ボイス音声無し)
 金髪で扇情的な女性。
 凄腕のギャンブラーで、それ故余裕を持った言動と相手を挑発する様は悪役そのもの。
 瞳に勝負を挑みにテスタメントに現れる。

ノワール
 ルージュの弟。
 やはり嫌味な性格で、姉のルージュと一緒になって人を挑発する。
 誰よりも姉を愛している。

此那幡恵(cv:春日アン)
 前作ヒロイン。ちょい役で登場します。

小暮なおみ(cv:青山ゆかり)
 前々作ヒロイン。やはりちょい役で登場します。


このホームページはGLOBEより一部文章を抜粋しています。
素材の著作権はGLOBEに帰属します。



<購入理由>
 「オンリーワン」との題名のタイトルの由来は、「ヒロイン一人の魅力を存分に味わってもらうため、メインヒロインをあえて一人にして、そのヒロインだけに焦点を絞ってみた」というゲームらしいです。
 そんなゲームのヒロインのボイスは今回、あの白井綾乃さん!
 ということで声買いです^^;
 OHPで、バニーコスプレエッチシーンのサンプルCGを見て購入に踏み切りました^^;


<ゲームの概要>
 オーソドックスなADVです。
 このゲーム、副題は「性のルーレット」ですが、ルーレットは一切出てきません^^;
 勝負種目はセブンスタッドのポーカーのみですが、カードゲームのような要素も一切なし。
 そういった勝負の駆け引きのような選択肢も一切出てきません。

 大筋のストーリーは一本道ですが、選ぶ選択肢によって見ることができるエッチシーンが変化する…といった感じのゲームです。


<システム補足>
 詳しくは上記参照^^;
 インストール形態はフルインストールで、約340MB必要です。
 一度インストールしたら、次からはCDを挿入しなくてもOKです。
 メッセージスキップも結構早く、右クリック一発でウインドウ消去、セーブやロード確認時はカーソルが「はい/いいえ」の「いいえ」(「はい」のすぐ近く)に移動するなど、快適にプレイできました。


<音楽・音声>
 瞳と過去の「オンリーワン2」に出演した女性キャラのみボイスありとなっています。
 後のキャラはボイスなし…。
 って、ルージュにもボイス無しですか!?
 敵役のヒロインにもボイスは欲しかったです(つД`)

 とまぁ嘆いてもしょうがないので…。
 何といっても目玉は白井綾乃さん演じる黒澤瞳というキャラです。
 どこかクールなお姉さんキャラといった感じですが、決して冷徹でもなければ、エッチを事務的に終わらせようとするキャラでもない。
 飽くまで主人公に対して「お姉さん」という感じで接してくれます。
 「痴女」まではいかないけれど、「多少淫乱だけどクールなお姉さん」といった所です。
 甘くベッタリではなく、少々クールだけども、それは「世間の酸いも甘いも噛み分けてきた大人の余裕」といった感じの演技です。
 素晴らしいですね^^;

 BGMは全部で13曲。
 序盤〜中盤あたりでは、あまり印象には残りませんでしたが、ラスト勝負では臨場感を引き立たせてくれる音楽が使われていて、良かったです。
 なお、歌入りの曲が1曲あります。
 こちらは普通かな…。


<原画・CGなど>
 原画は ジェントル佐々木さん。
 CGは、多少色使いが少ないかな…?と思いました。
 立ち絵のCGは、表情やポーズに気を使ってくれていて、良かったです。
 出てくる女性キャラは、
 瞳=ディーラーだけあって凛としている
 ルージュ=勝気でつり目
 なおみ=分厚い眼鏡をかけている娘
 恵=ロリ
 というわけで、「艶のある女性」が登場しないのは悲しいところでした。


<エッチシーン>
 エッチシーンは全部で13。
 1場面だけルージュとノワールの姉弟エッチがありましたが(本番は無し)、これはボイス無し…残念。
 というわけで、エッチシーンで語るのは白井綾乃さん演じる黒澤瞳嬢のみとなります。

 ほとんどが純愛エッチです。
 しかしルートによってはレイプも出てきます。
 1対1で、全て主人公と瞳のエッチシーン。
 寝取られや3P、レズなどもありません。
 物足りない…と思いきや、アナル攻めやアナル攻められ、ソフトSMから傷跡が残るほどの鞭攻めなども出てきます。

 序盤は瞳がリードしていますが、中盤以降は主人公がじらしたり主導権を握ったりしていきます。

 で…。
 白井綾乃さんと言えば言及を避けられないのが、チュパ音と叫び声^^;
 もちろん今作でもしっかりと聴かせてくれます。
 エロいですねぇー(o゜▽゜)o
 涎や口の音だけでなく、鼻息までも的確に使っていてくれて、しかもこの鼻息が色っぽい!(*ノ▽ノ)
 涎をぐちゅぐちゅ聴かせる演技は、必聴です!

 そして、叫び声。
 レイプされる瞳の声。
 単に黄色い高音を出すのではなく、しゃがれた声も同時に出すというハイレベルな技。
 どちらの声も半々に出ている、この声は好きです。
 「イヤー!!」と「キャー!!」と「ギャー!!」を足して3で割ったような声、というか何というか…。
 とにかく白井綾乃さん大活躍です。
 …ベタ褒めですがファンなんで^^;

 放送禁止の淫語は何回か出てきて、消しのピー音の長さは普通…かな?


<感想>
 話の展開としては、主人公(記憶喪失)が浜辺で一文無しで倒れているところを瞳に拾われて、取りあえず瞳が自分の家に連れ帰り介抱し、何の因果か一緒に住むことになり、そのまま肉体関係を持つ…という、非常に使い古されたパターンでゲームは始まります。
 使い古されているだけに、逆に最近は見かけなかったこのパターンが、レトロ的な親しみを感じさせなくも無いですね^^;

 このゲーム、展開が早く、あれよあれよと進んでいくのは良いのですが、その描かれている過程が弱いと感じました。
 主人公健太がカジノで雑用係として頑張っていると思っていたら、すぐにそのカジノのディーラーになってしまう…。
 瞳が健太の態度に拗ねたと思いきや、謝ればすぐに体を重ねてしまう…。
 相手に煽られればすぐに逆上してしまう等々…。
 もうちょっと深く描いて欲しかったです。

 それを一番感じたのは後半。
 18禁ゲームストーリーの核としては定番になっている、「アイデンティティの迷い」というのが題材となって持ち上がるのですが、迷うのも早ければ、解決すべく行動するのも早い、そしてそれを吹っ切るのも早い、といった感じでした。
 そりゃサクサク進むのは良いですけど、サクサク感と題材の重さを両立させていない、といった感じがしました。

 だがしかし!
 これらの不満を一挙に吹っ飛ばすのが一番最後の勝負です。
 ちゃんとしたテーブルのCG、リアルタイムで映される瞳とルージュの険しい表情、更には観客の表情。
 一枚ずつ配られるトランプの絵柄のCG。
 打って変わって吹っ切れたようにカッコよくなり、余裕を持った主人公の立ち振る舞いと言動。
 今までずっと憎々しく腕も超一流の敵役ルージュを余裕の笑みで手玉に取り、今までとは逆に挑発し煽っていく様はカタルシスを感じること必至です。

 なお、敵役のルージュですが、彼女は本当に敵役にピッタリというほどの憎々しい性格と嫌味な性格を兼ね備えたキャラです。
 そういった意味では非常に完成されたキャラだと思います。
 それだけにボイスが無いのは非常に悔やまれます。
 ここまで設定がちゃんとしたキャラならば、生かそうと思えばゲームに厚みをいくらでも加える事ができると思います。
 その気がない主人公を誘惑⇒逆レイプ⇒射精管理とか^^;
 勝負に負けた途端彼女への陵辱の嵐が待っているとか^^;

 プレイヤーの感情をストーリーに没頭させるのに貢献しているのは、実を言うとこのルージュの憎々しさ、性格の悪さもかなり手伝っている、と思います。
 そういう意味ではこのゲームの中心を構成していると言っても過言ではないキャラです。
 だったら、その台詞など、思いっきり毒々しい演技を、声を聞かせて欲しかったと思いました。


<10点満点での総合評価>
 6点
 ストーリー展開が早いのは良いんですが、偏り過ぎている、という感じを受けました。
 かといってエッチシーンも多いとは言いがたいし…。
 まぁ、コストパフォーマンスを引き合いに出せば、良い作品だとは思いますけどね^^;


お気に入りのキャラ:黒澤瞳…まぁこのキャラだけに焦点を当てたゲームですしね^^;
最後に一言:「フルボイスで発売して欲しかったです。」









   やきたてクロワッサン    (GPさんのレビュー)   評価: 3 
▼ タイトル やきたてクロワッサン
▼ ブランド 戯画
▼ ジャンル 姉×姉×姉アドベンチャー
▼ 対応OS Win98/Me/2000/XP
▼ メディア CD-ROM
▼ 定価 税込\9,240(税抜\8,800)
▼ 発売日 2005/02/25
【 CG観賞モード 】  あり
【 シーン観賞モード 】  あり
【 BGM観賞モード 】  あり
【 メッセージスキップ 】  あり(未読・既読判別あり)
【 メッセージ履歴機能 】  あり(音声リピートあり)
【 選択肢リターン機能 】  なし
【 オートモード 】  あり
【 ヒント機能 】  なし
【 セーブ数 】  60+4(クイックセーブ)個
【 エンディング数 】  8個
【 メディアレス起動 】  不可


<ストーリー>
 幼い頃に母と姉を亡くした少年の主人公は、ある日父の転勤から発した再婚話のため叔母とその娘の三姉妹達と同居する事になる。
 そこは、叔母の経営する小さなカフェテリアで、三姉妹は日々学園に通いながら叔母の仕事の手伝いをしていた。
 主人公はかつての従姉妹、ゆくゆくは姉というところにちょっと引っかかりが無い訳では無かったが、新しい姉予定の三姉妹たちも彼とうち解けていく。
 が、実は彼女達はそれぞれに主人公を良くも悪くも狙っていた。

 その内、主人公と関係を持つようになる姉妹、それにより残りの二人は彼女に嫉妬にも似た気持ちを抱くようになる。
 その間に、主人公はある気持ちを抱くようになる。
 「この人と何処かで会ったことがある様な気がする」
 「………僕の初恋の人?」


<キャラクター紹介>
秋園 小雪(あきぞの こゆき) CV:真宮 鈴
 秋園家の三女。純介と同じ学園に通っている。
 あまりお姉さんに見えないが、1コ年上。
 明るく元気なその姿は、周りにも明るい雰囲気を与えてくれる。
 …が、ドジなのがたまに傷。
 お店で失敗して、美月に怒られてしまう事も…。

秋園 美月(あきぞの みつき) CV:中瀬 ひな
 秋園家の次女。純介と同じ学園の大学部に通ってる女子大生。
 気が強く思った事はすぐに口に出してしまう性格で、純介をからかって楽しむ事もしばしば…。
 小雪と言い争って、悠花にたしなめられる事も多いが、誰よりも姉妹の事を大切に思っている。

秋園 悠花(あきぞの ゆうか) CV:鳩野 比奈
 秋園家の長女。
 純介の通う学園の保険医で、保健室にいる事が多い。
 少し生真面目だけど、優しい性格の持ち主。
 三人の中で一番お姉さんらしいお姉さん。
 そのせいか、個性の強い妹達をまとめるため、いつも気苦労を強いられている。

平石 あづみ(ひらいし あづみ) CV:京極 秋
 秋園家のお隣に住んでいる女性。
 面倒見がよく、暖かな雰囲気をもっている。
 夫に先立たれてしまったため、幼稚園に通う息子を、女手ひとつで育ててきた。

窪谷 葉子(くぼたに ようこ) CV:榎津 まお
 純介のクラスメイトで、風紀委員をしてる女の子。
 その役職に負けず、しっかりした性格の持ち主で、曲がった事が大嫌い。
 学園の風紀を守るため、日夜奔走している…らしい。

沙頼(さらい) CV:一色  ヒカル
 保健室で出会った、保険係の女の子。
 純介の事を先輩と呼び慕って(?)くる。

久慈原 純介(くじはら じゅんすけ) 【主人公】
 幼い頃、交通事故で母親と姉を亡くしてしまい父と二人で暮らしてきた少年。
 社交的で明るい性格の男の子で成績優秀だがちょっとシスコン気味(本人に自覚は無い)。
 これは幼い頃に姉を亡くしてしまった事に起因している。


このホームページは戯画より一部文章を抜粋しています。
素材の著作権は戯画に帰属します。



<概要>
 父親の再婚により突然できた3人のお姉さんと主人公の、パン屋「Autumn leaf」での生活を描いた戯画のADV。


<システム補足>
 修正ファイルがあります。
 スクリプトを修正だそうです…っていうか発売日に出すとは対応が良いのか悪いのか…。

 システムについては上記参照。
 一通り揃っており不満はありません。
 画面もフルスクリーンとWindow(800×600)の両対応。
 筆者はWindow画面派ですが、やはり大きい絵はいいものです^^;
 セーブ数も多く、問題はないかと。


<CG>
 原画は泉りとるさんと草壁レイさん。
 非常に綺麗で可愛く萌える絵でもあります^^;
 制服も可愛くて(CGとは関係ない^^;?)一般受けする絵ではないかと。
 ただ一部体のラインが崩れている絵が見受けられたのが残念です。


<内容>
 近頃ようやく台頭してきた「姉ゲー」。
 妹、ロリゲーに比べればまだまだマイナーですが、「優しいお姉さんに甘えたい」「凛々しいお姉さまにリードされたい」と願うエロゲーファンは確実に増えています。(無論筆者もその一人)
 そんな中で、リリースされた本作「やきたてクロワッサン」。
 「姉×姉×姉 3姉妹アドベンチャー」と、姉好きにはたまらないジャンル名を打ち立てた本作は姉萌えゲーの金字塔となるのか?
 と、発売前までは期待していましたが結果はあえなく撃沈…。
 結論から言うと、姉萌えどころか普通の萌えすらない、エロやストーリーはもっとありえない作品でした。

 まず秋園家3姉妹。
 設定は全員お姉さんですが彼女たちに姉萌え要素は皆無!
 一口に姉萌えといっても、家族の暖かさを感じたい、甘えたい、振り回されたい、Hでやさしくリードされたい、罵倒されながら責められたい、姉弟の背徳感を味わいたいな…ど筆者が思いつくだけでも色々ありますが、本作の3姉妹にはことごとくそんな要素がありません。
 姉という必要性は?姉じゃなくてもいいじゃない?という疑問符がつきまくりです。
 姉ゲーはそんなに甘いもんじゃないですよ!と…。

 では普通の萌えならあるのかというと、それすらもほとんどありません。
 現実世界、空想世界、異性同姓問わず、人物に魅力を感じるにはある程度の時間が必要です。
 しかし本作の必要HDD容量、箱には1.2GBとありますが実際は400MB程度、同梱のサウンドトラックより少ないです。
 しかもそのうち100MBはOPムービー。
 そうなると可能性は二つ。
 「メーカーのデータ圧縮技術が優秀」か「ボリュームが薄い」のどちらかですが、悲しいことに後者、既読スキップ使えばクリアまで4時間かかりません。
 つまり、キャラに萌える前にゲームが終わってしまうのです。
 そりゃー長時間=良い作品とは限りません。
 中には密度の濃い作品もありますが、これは容量に比例して薄い…。

 しかもその内容といったらどうでもいい雑談ばかりで、少し話したらすぐ次の日。
 プレー時間が短いならせめて怒涛のイベント攻めがあるかと思いきや、そんなものも皆無。
 これで萌えろというほうが無理です。

 輪をかけて酷いのがサブヒロイン(あづみ、葉子、沙頼)。
 個別シナリオはスキップ無しでも20分。出会って、2〜3回話してHして終わりです。
 いくらなんでも、サブ“ヒロイン”が可哀想です。=ユーザーも悲しくなってきます。
 内容も彼女達がメインの三姉妹の話に絡んでくるかと思いきや(姉×姉×姉アドベンチャーですから)、独立しておりまったく絡みません。

 エロもこのプレー時間で全27シーンも用意したことは評価します。
 ただ、もうちょっと中身が何とかならなかったのでしょうか?
 短い、テキストは淡白、姉ゲーなのに姉の必要性なし(姉弟の背徳感とか「お姉さんが教えてあげる」というようなものは一切なし)。
 Hに至る過程の描写も皆無で、即H。
 これがHメインのゲームならまだしも、そうではないですし…。
 何の前触れもなく即Hして即終了。
 当然Hの極薄です。

 これで定価が2.800円くらいでしたら「まぁ、安いしね」でまだ納得(我慢)もできますが、しっかり8.800円作品。
 戯画の名作「バルドフォース」や「ショコラ」に失礼な料金設定と言えます。
 と、言うか値段に対し納得がいかん!


<音楽>
 主題歌は「ふぉーちゅ☆ブレッド」。
 歌詞中に「お寝坊さんな君のほっぺにおはようのキス」「どんなお菓子より甘いふわふわシュガーな心」とか言うフレーズが出てくるのですが、そんな作品にぴったりなシチュエーションを歌ったのなら本編でもそういうイベント見せて欲しいです。
 そういうのが萌えに繋がると思うのですが…。


<10点満点での総合評価>
 3点
 シナリオは薄い、姉萌えは無し、普通の萌えも無し、エロは薄いと、あまりな作品。
 お奨めしにくい作品です。


お気に入りのキャラ:秋月美月…彼女にはまだ多少のお姉さんらしさがありました。
最後に一言:「やはり、姉ゲーの時代はまだまだ先のようです…。」