アルゴノーツ (たろんなーどさんのレビュー) | 評価: 4.5 |
▼ タイトル | アルゴノーツ | |
▼ ブランド | フェアリーテール | |
▼ ジャンル | ADV | |
▼ 対応OS | Win98/Me/2000/XP | |
▼ メディア | CD-ROM | |
▼ 定価 | 税込\9,240(税抜\8,800) | |
▼ 発売日 | 2005/02/25 | |
【 CG観賞モード 】 | あり | |
【 シーン観賞モード 】 | あり | |
【 BGM観賞モード 】 | あり | |
【 メッセージスキップ 】 | あり(未読・既読判別あり) | |
【 メッセージ履歴機能 】 | あり(バックログでの音声再生あり) | |
【 選択肢リターン機能 】 | なし | |
【 オートモード 】 | あり | |
【 ヒント機能 】 | なし | |
【 セーブ数 】 | 50個 | |
【 エンディング数 】 | 5個 | |
【メディアレス起動】 | 不可 |
<あ・ら・す・じ>
人々が帰るべき母星を失って幾星霜。
木星圏に浮かぶコロニー、サードポリスこそが人々の故郷となっていた。
サードポリスでは基本的に少年少女とも、教育保護プログラム修了前は親以外の第三者と直接接する事は禁じられており、教師ですら映像の向こうの人物であった。
アルゴキャンプ。
それは卒業を間近に控えた彼らの体験航海。
アルゴキャンプに選ばれた少年少女たちは卒業を前に彼らだけで一つの目的の為、木星へと旅立つ。
主人公ナオキはアルゴキャンプに選ばれ、5人の女性たちと共にアルゴキャンプへと参加することになる。
アルゴキャンプとは……アルゴ号とは……謎を残しつつ彼らは旅立つのだった。
彼らの航海の先に待ち受けるものは……。
<キャラクター紹介>
アイ CV:春日アン
アルゴキャンプの参加メンバーでは女性グループのリーダー格。
宇宙船乗りになる夢を持ち、クルーザー級の仮免許を持つ。
明るく勝気な性格で、行動的だが、反面暴走しがちなことも。
ヒカル CV:ダイナマイト☆亜美
今回のアルゴキャンプきっての秀才で、機械類などに詳しい。
その為、アルゴ号のブリッジで計器などを操作する事になる。
理知的にものを考えがちで、見ようによってはやや後ろ向きな性格。
アヤメ CV:羽高なる
今回のアルゴキャンプ参加メンバーの最年長でお姉さん格。
農場の出身で、自らもそういった技術に詳しく、料理や家事なども得意。
おっとりしていて優しいが、ややそそっかしい部分も有る。
ノン CV:大野まりな
アルゴキャンプ参加メンバーの中ではムードメーカー的存在。
ヒカルとは以前からの(直接あったことは無いが)知り合いで、妙にウマが合う。
ややちゃらんぽらんで食いしん坊。特技もないとは本人の談。
チセ CV:金松由花
アルゴキャンプに参加しているメンバーでは最年少の少女。
しかし、学んだことはすぐに実行できる天才肌の少女でもある。
やや引っ込み思案で内気。一番年が下なこともあり、おどおどしている。
トマーニ CV:大波こなみ
アルゴ号に襲い掛かってきた宇宙海賊の少女。
当然ながらサードポリスの出身ではなく、育ちのせいかややガサツ。
とある事情によりアルゴキャンプに同行することになる。
アオバ ナオキ 主人公・リネーム不可
今回のアルゴキャンプでは唯一の少年で、リーダーに選ばれている。
かつて宇宙船乗りだった父を持ち、宇宙に対する憧れを持っているが、その夢は既にあきらめている。
やや優柔不断で、初めて触れ合う異性に戸惑うことも。
このホームページはフェアリーテールより一部文章を抜粋しています。
素材の著作権はフェアリーテールに帰属します。
<音声>
主人公以外フルボイス。キャストは上記の通り。
他に脇役担当として植木亨氏が出演されています。
さすが人気実力共に兼ね備えた方々、実力を存分に発揮されています。
キャスティングはキャラに合っていると思いますし、演技もごく自然で良好です。
サブキャラはメイン格の方が2役、3役でやっていますが、きちんと演じ分けられていて良い感じです。
<音楽>
全17曲。うちボーカル曲は1曲。ED曲「Hikari-no-Michi」(Vo.西村史子)
音楽の担当はチーム名にもなっているぱんだはうすのPANDA氏。
曲作りに定評のあるPANDA氏が手がける曲だけあって、素晴らしい出来ですね。
ボーカル曲も独特のジャズ的音作りがマッチしたゲームの占めに相応しい曲。
ボーカルの方も独特のビブラートさせる高音部が音自体と合っていて、いい曲だと思います。
BGMもレベルが高いですね。
古いゲーム音楽の雰囲気を残しつつ、映画とジャズの味を加えたかのような独特の味は、一聴してPANDA氏の曲だなぁ、と言う感じです。
ピアノ中心の旋律は相変らず良い仕事されてます、としか言い用がありません。
また、船内のメインテーマ「starshipARGO」や戦闘シーンの「A.L.E.R.T」などはナツカシのSFアドベンチャーのBGMそのまんまと言う風で良かったです。
反面、人によってはやや落ち着き過ぎていると感じる方もいらっしゃるまもしれませんが、これはある意味この方の味ではないでしょうか。
「今風」のゲーム音楽と言う感じではないですから、好き嫌いは分かれるかもしれません。
<システム周り>(ver.1.00)
修正ファイルがあります。
CGモードに登録されないCGが登録されるようにするとのことですので、あてましょう。
基本的にはマップ移動型+選択肢分岐型AVG。
なお、選択肢は「周りを見る」「建物を見る」などのコマンド総当り式が多く採用されています。
昔のAVGでは定番でしたが、最近では余り見ない形式ですね。
詳しいシステム周りは上記参照。
マップ移動シーンではキャラアイコンなどのヒントは表示されませんので、最大12箇所の移動場所をひたすらSAVE&ROADが要求されます。
気の短い方には向かないかもしれない、ナツカシの味です。
CGコンプしようと思うとSAVE&ROADは必須です。
また、上で分岐と書いていますが、基本的には途中が分岐するもののエンディングは一つです。
各キャラ毎のエンディングすらないのは寂しい限り。
また、章立てになっていまして、全11章構成。
システム周りは必要なものは揃っていますし、それほど使いにくいとは思いませんでした。
ただ、スキップで文章自体は高速で飛ばしてくれたものの、一部画面効果はONにしているとスキップしてくれないのがチョット気になりました。
まぁ、それ以前に「フェアリーテール(F&C)」の作品なのにゲームの基本システムが「ぱんだはうす」そのままなのは気になりましたが^^;
それ以外は特に使いにくいこともなく、動作も軽快でした。
ボリューム的には1stプレイは4〜6時間程度。+SAVE&ROAD&スキップ活用3時間程度でコンプ可能です。
ま、一本道ゲーなので仕方ないですが、今日日8.800円定価としてはやや厳しいボリュームかもしれません。
個人的にはダラダラ長いよりは短くまとまっていた方がいいと言うのが持論ですが、このゲームの場合描写が今ひとつ足りないシーンが多くてボリューム不足をモロに感じてしまい、その点は残念です。
<CG>
キャラクターデザイン/原画はH漫画家みぶなつき氏。
独特の柔かい雰囲気が好き嫌いの分かれそうな絵柄だと思います。
全体に言えば「地味なアニメ顔」と言う雰囲気。人によってはちょっと下膨れ風に見えるかもしれません。
全体的にしっくりとまとまっていますが、まとまりすぎてて地味に感じてしまうのかもしれません。
私個人的には好きな絵ですし、丁寧な絵はデッサンなどの崩れもありません。
絵柄自体が好みに合えばツボにはまるかも…。
塗りはややアニメ調ですが、絵柄にあわせてか光沢はカナリ抑え目で、水彩とカラーイラストの中間のようなぼかし方や、色の濃淡の付け方はなかなかに良い感じです。
ただ、絵柄とのあわせ技一本で相当地味に見えてしまいます。
とはいえ、影の付け方などは丁寧ですし、仕事自体は良い感じに思えます。
好き嫌いは絵柄ともども相当分かれてしまいそうですね。
背景などは丁寧に描写されています。
メカや星空などもきちんと書き込まれていますし、立ち絵やイベント絵の絵柄にあわせた抑え目な塗りは上手くフィットしていて良い感じではないかと思います。
ただ、このゲームで気になったのは立ち絵がほとんど表情の変化のみで、ポーズ変化しないことです。
みぶなつき氏の絵柄は表情がコロコロ変わるというよりは余り変わらない方ですし、ポーズ変化もほとんどないので、立ち絵シーンが続くと非常に地味さに拍車が掛かります。
もうちょっと立ち絵のバリエーションが欲しかったですね。
そういえば、イベント絵CGの差分も少なめです。
そういう意味ではCG面で少しボリューム不足を感じました。
CG総数は差分を除き60枚程。
<Hシーン>
なんかひさびさにこのフレーズを書く気がしますが、一言で言えば「Hシーンには期待しないで下さい」と。
メイン攻略キャラは各2シーンづつ。
1シーンは主人公との和姦H。もう一つは触手に無理矢理と言う感じ。
梱包用ストラップみたいな触手はチョット新鮮でしたがシーンとしてはどちらも短め。
触手シーン自体も本番までは行かないような感じですし、和姦Hの方も短い+唐突な告白⇒即Hと言う流れの為情緒もなく、残念ながら実用には厳しいかと。
みぶなつき氏の表情などは何気にそこはかとなくHな雰囲気があるだけに残念。
絵と声が好きならばそれなりに期待できますが、それでも実用には遠いかと…。
まぁ、フェアリーテール作品にココを期待している人も余りいないかと思いますけど^^;
<感想>
地味なゲームです。
そんな感想しか思い浮かびません。
設定はSFとしてなかなか良い感じですが……。
サードポリスと言う宇宙コロニー育ちと言うシチュエーションや家族以外の他人と触れ合ったことがないという設定が軽く扱われて普通のSFジュヴナイル作品になってしまっているのがまず残念なところです。
基本的なシナリオはSF的にはきわめてオーソドックスなテーマで、悪くないと思います。
しかし、前半〜中盤に張られた伏線が最後の11話だけで回収されるため、怖ろしく駆け足な展開で、説明不足で無理矢理な展開に見えてしまいます。
この配分でしたら、前半10話+後半3〜4話くらいだとバランスが良かったように思えます。
そう意味ではシナリオには期待できないところです。
また、上で書いたようにHシーンにも期待できないことから、もうこれはF&Cお得意(かどうかは知りませんが)のキャラ萌えで勝負したいところです。
しかし、これにおいても基本的に一本道シナリオで、キャラ毎の出番は飛び飛び&個別エンディング、シナリオが無いというところから勝負しようと言うのは厳しいのではないかと。
そういう意味でイマイチ売りの分からないゲームです。
確かにSF的ガジェット(要素)は多かったですし、なかなか楽しめました。
しかし、その「設定」を活かしきれていないと言うか、設定に寄りかかりすぎてシナリオ展開に丁寧さを欠く印象を受けます。
キャラ造形自体はオーソドックスの粋を出ないとはいえ、それだけに普通に良いと思いましたし、声優さんの演技は良好でしたので、せめて各キャラシナリオ&エンディングだけでも付けておいてくれれば大分評価は変わったと思います。
マトモな分岐は誰と海に行くかと、誰とHするか位ですので、全然好きになった過程等が見えないのもつらいところです。
個別シナリオを加え、クライマックスをもう少し丁寧に描写し、各シーンももう少し設定を生かすような方法で書き直せば良作かもしれませんが、それってほとんど1から作り直しって事ですかね^^;
テキストは幾つか誤変換があったものの落ち着いた丁寧な出来。
主人公のモノローグ調で、やや説明口調なのが気になる部分もありますが、まぁ、コマンド総当りのAVGですし、そこら辺は仕方の無い部分かも…。
結論から言えば余りオススメできる要素が無いです。
SF好きでSFなら地雷覚悟でも突撃すると言う方以外にはオススメしにくいです。
絵は塗りも含めてみぶなつき氏の色が強く出ていて、オリジナリティがありますし、みぶなつき氏のファンなら突撃可能かも…。
とはいえ、何と言うか、音楽だけは突出して素晴らしいです。
安ければサントラ目当てに買ってもいいような作品ですね^^;
まぁ、これは違うんでしょうけど、この音楽を作りたいためにゲームを作った、そういわれても信じてしまうほどゲームの出来はイマイチ、かつ音の出来は良かったです。
<10点満点での総合評価>
4.5点
SFならなんでも良い!と言う人(私とか)以外には地雷ゾーン。
4点くらいが妥当かもしれませんが、みぶなつき氏絵と音楽ボーナスでちょっと加点。
お気に入りのキャラ:チセ
最後に一言:「名前だけF&C、中身ぱんだはうす。何故これがフェアリテール18周年作品なのだろう?」
悪注入-君に捧げる悪意の魂- (たろんなーどさんのレビュー) | 評価: 6 |
▼ タイトル | 悪注入-君に捧げる悪意の魂- | |
▼ ブランド | 祭企画 | |
▼ ジャンル | 一日一悪ADV | |
▼ 対応OS | Win98/Me/2000/XP | |
▼ メディア | DVD-ROM | |
▼ 定価 | 税込\9,240(税抜\8,800) | |
▼ 発売日 | 2004/12/10 | |
▼ 購入 | 悪注入 /オリジナル特典 Getchu.com | |
【 CG観賞モード 】 | あり | |
【 シーン観賞モード 】 | あり | |
【 BGM観賞モード 】 | あり | |
【 メッセージスキップ 】 | あり(未読・既読判別あり) | |
【 メッセージ履歴機能 】 | あり(バックログでの音声再生なし) | |
【 選択肢リターン機能 】 | なし | |
【 オートモード 】 | あり(修正ファイルを導入した場合) | |
【 ヒント機能 】 | なし | |
【 セーブ数 】 | 30個+クイックセーブ1個 | |
【 エンディング数 】 | 12個(BADEND含む) | |
【メディアレス起動】 | 可 |
<あ・ら・す・じ>
地響きとともに何かが落ちてきた。
隕石か何かだと思って好奇心の赴くまま向かった先には、見知らぬ女の子が横たわ
っていた!
放っておけず、仕方が無く家に連れ帰り、看病する主人公。
翌日、その女の子から事情を聞いた所によると、自分は悪いことが出来ない新米悪
魔(リリム)で、食料である「負の感情」を奪えないという。
「どうすればいいのか?」という主人公の問いに、逡巡しながらも「悪いことをし
て下さい」とお願いする新米悪魔。
そして得た「負の感情」をエッチを通して自分に注いで欲しいとお願いする。
主人公の優しさに恋をしてしまう悪魔と、この娘の為に悪事を重ねていくと決めた
主人公。
背徳の幸せに包まれながら日々を進む主人公達だったが、「負の感情」を得る為に
凌辱された女の子達との関係の縺れや良心の呵責など、多くの問題を抱えていた。
そして物語は思いもよらない方向へと進んでゆく・・・・・・。
<キャラクター紹介>
ミリオム CV:みる
主人公のが近くの公園で発見した新米悪魔(リリム)。
悪事を主食とするが、気が弱く悪事が出来ない為飢えて行き倒れていた。
気が弱くて臆病、引っ込み思案で心優しいゴスロリ悪魔。
袋田 牧恵(ふくろだ まきえ) CV:みわ梢子
主人公のクラスメートでチア部に所属する学園のアイドル的存在。
活発で明るい性格だが、反面優柔不断で流されやすい。
主人公の想い人だったが、主人公の告白をすっぽかす。
津山 希由子(つやま きゆこ) CV:川瀬 ゆづき
主人公のクラスの担任で新婚ホヤホヤ、只今妊娠中。
明るく穏やかで生徒の受けが良い優秀な教師。
その為、男女を問わず彼女のファンは多い。
山代 柚紀(やましろ ゆき) CV:山久悠
主人公と同じマンションに住む山代家の娘で女子学園に通う少女。
趣味はアニメで、口癖は「おにゃあ」、主人公の事は「お兄ちゃん」と呼ぶ。
主人公にいつでもくっ付いており、子供っぽい性格のヲタク少女。
和倉 創太(わくら そうた) 主人公・リネーム可
柚紀と同じマンションに住み、牧恵はクラスメート。
母親を早くに亡くし、現在はほぼ天涯孤独の一人暮らし。
ミリオムのために、悪事を行う。
塩浸 唐太(しおひた からた) CV:だいすけ
主人公の学校の科学教師で、シモネタを連発する教師。
当然のごとく生徒の受けは悪いが本人のやる気もない。
榊原 鋭章(さかきばら としあき) CV:一一
主人公のクラスメートで典型的なヲタク。趣味はエロゲ。
昔いじめられていた時助けられてから主人公に付きまとう。
このホームページは祭企画より一部文章を抜粋しています。
素材の著作権は祭企画に帰属します。
<システム周り>(ver.1.1)
修正ファイルがあります。
追加機能でオートモード、男性ボイスON/OFF機能などが実装されますので、是非当てましょう。
基本的には選択肢型のAVG。詳しくは上記参照。
上で書いたように、修正ファイルを当てないとやや欠点の目立つシステムです。
基本的な装備はちゃんとありますが、SAVE&ROAD画面から右ク リックで復帰できなかったり、ボイスリピート機能がないのは残念なところ。
コンフィグ項目もやや少なめで、システム周りは少し寂しい感じです。
まぁ、ボタン一発でクイックセーブ&即終了という緊急脱出?ボタンがある辺りは
、便利といえば便利かもしれません。
プレイ難易度は標準〜やや高め程度。
即死選択肢が多いですが、二つ続けて同じバッド直行の選択肢があったり、選択ミスが分かるのが2日後とかなので、少し迷います。
とはいえ、悪事のバランスを量る天秤をひっくり返さないように注意していれば進めますし、逆に言うと完全に選択肢で分岐するので、分かりやすい部分もあるでしょう。
まぁ、選択肢数もそれほど多くないので、そこまでコンプには困らないかと。
ゲーム内容ですが、基本的には上手く悪事をこなしてミリオムを養っていくという基本的に一本道な内容。
他キャラエンドはほぼ脇道のバッド扱い。
良い感じの壊れ方を見せてくれるエンディングもあり、楽しめますが、分岐後すぐにエンディング…と言う感じです。
プレイ時間は声を聞けばコンプまで25〜30時間前後と言うところでしょう。
<音楽>
全16曲、うちボーカル曲1曲。OP曲「ボクはキミのために」(Vo.Rita)
ボーカル曲はやや古い感じを受けるもののポップスとしてはごくノーマルで良い感
じです。
高音の伸ばし方が綺麗一辺倒ではなく、少し掠れさせる様なボーカルも、曲と歌詞に合っていて良い感じだと思いました。
歌詞が余りにもストレートすぎて余韻などがないのはチョット残念ですがね^^;
BGMは比較的オーソドックスなゲーム音楽と言う風で、取り立てて特記する事もなく、目立ちすぎず場面に合っていました。
ただ、塩浸のテーマ?「Peligroso Amor」は独特の怪しさが出ていた良かったですね、一押しです。
<音声>
主人公以外(男性も含め)フルボイス。キャストは上記の通り。
全体的にキャストは合っており、癖の強いキャラに、はまっていると思います。
反面、演技的な部分ではキャラやシチュの濃さについていけていないかな、と言う方もいらっしゃいました。
特に「壊れっぷり」が少し大人しめだったかな、と。
もっとも、そういうシーンはそう多くないですし、全体としては良好だとは思います。
特に男性キャラなどはHシーンでは思わず音声をOFFにしたくなるくらい怪しいキャラを好演(一応褒め言葉^^;)していましたし、日常シーンは非常にいい感じでした。
<CG>
原画はくろねこ氏。
やや線の少ないシンプルな絵柄ですが、なかなか可愛い感じの絵柄を描かれる方です。
ただ、体のラインなどもややシンプルで、少し肉感的と言う感じがしないのは残念なところです。
特に巨乳キャラの胸はチョット丸すぎてボールみたいです^^;
とはいえ、絵柄自体は安定していますし、特に表情の付け方はHシーン含めて上手いと思います。
「壊れた」キャラも含めて、シンプルながら魅力的な表情を描かれています。
少しタッチが古めの印象も受けましたが基本的に癖がなく、受け入れやすい絵柄と言えるでしょう。
塗りも同じくややシンプル。
べたっとしたと言うか、どちらかといえばアニメ塗りと呼ばれるような原色を強調するような塗りで、少し色遣いの合わせ方がうるさいかな?という絵もありました。
とはいえ、光の加減などは丁寧ですし、悪くないのかと。
背景は比較的オーソドックス。
塗りも他の絵と同じように調和が取れており、きちんと背景しています。
ただ、背景の人物は今ひとつかな、と言う感じも受けました。
CG総数は差分を含まず71枚。
枚数自体は決して少なくないですし、差分も割合豊富ですが、ほぼ毎日Hシーンがあるミリオムに使い回しが少し多かったのが気になるところです。
とはいえ、エンディング以外はほぼHシーンCGですし、不足は感じませんでした。
<Hシーン>
Hシーンの総数は40程度。
そのうち半分はミリオムとの和姦。
もう半分はミリオムの為に他キャラの凌辱ですが、一応和姦も全キャラに実装されております。
シチュエーションはミリオムとのHシーンは完全1対1の和姦で変わったシチュはほとんどありません。
反面それ以外のキャラは強姦、野外輪姦、白墨オナニー、撮影、羞恥、痴漢、コスプレ、3P、アナルからスカトロ、主人公がヒロインに掘られるのまで色々取り揃えております^^;
声優さんは頑張っておられますが、尺はやや短め。
意外と言うか、メインなので当然と言うか、ミリオムとのシーンは短いながらも前後の描写も丁寧できちんと和姦として雰囲気を出しております。
凌辱のほうもキャラクターの壊れていく様とシチュエーションが上手くクロスしており、非常に背徳的な雰囲気はあるものの、シーンがかなり短いものもあったりして
、実用度的にはムラのあるところです。
全体的にはテキスト、絵よりも雰囲気と前後の流れで持っていくタイプのシーンです。
ただ…、ヒロインが堕ちるのが早いのはチョット気になりましたが…。
シチュエーション的には良いものが多いので、その点勿体無かったですね。
<感想>
毎朝律儀にトイレに行く描写が入る悪魔ってどうなんでしょう?
いや、別に悪いというわけではないですが、ゲーム中の描写でほとんど食べない(人間の食べ物を食べるとお腹が痛くなる)のにいったい何が出ているのやら…^^;
ゲームのシナリオ自体は「悪注入」というタイトルがそのまま内容を表すストレー
トなゲームです。
悪魔は悪事を食べて生きる⇒でも本人は性格的に悪事ができない⇒主人公が変わり悪事を行う⇒それで食べさせるという基本線。
とはいえ、それは悪魔のすること、そしてエロゲのすること。
人のした悪事を食べる為には18禁な行為が必要になってくるわけです^^;
そういう設定がある時点でもはや実用重視、シナリオ・設定を気にしたら負けと言うオーラが漂ってきます。
しかし、個人的には根本の設定と、それを生かしたシナリオ展開はありかな、と思いました。
主人公は基本的にはミリオムを生き延びさせるべく他の女性に対して陵辱行為を行うというのが基本線ですが、ある日突然振ってきた悪魔を主人公がかばう(というか育てる?)理由に関しては、やや薄いかなとも思いますが、きちんと示されています。
全体として最初はその為に半ば嫌々やっていた様な悪事を次第にエスカレートさせつつ、それでも後悔をしてしまうような描写は段階を踏んでおり、主人公が自ら望みつつも悪魔に堕落させられているような感覚を共有出来るように描写されているのは好感を持ちました。
反面、そのせいもあり、主人公は実用重視のゲームとしては好感を持てないタ
イプと言えるかもしれません。
というよりも、弱者に対する虐め、やってしまったことに対しての後悔、ミリオムに対する保護というようなシナリオ上、重要な要素がカナリ針小棒大に描かれているように感じ、感情や性格の起伏が激しすぎて人格が破綻しているのではないかと思えるほどです。
もっとも、これに関しても一応の理由付けはしてあるのですが…。
また、主人公の悪事に協力することになる人物たち(塩浸、榊原)が同じような傷を受けていることが暗示されており、それぞれの生き方の対比という意味では面白かっ
たと思います。
それぞれのキャラクターの持つ、世間への対応、立ち位置の違いから、世界と主人公の関わりの歪みを描写しているのは上手いなぁと。
つまり、この人格破綻も主人公の重要なキャラクターとしてある訳ですが、実際には感情移入がしにくいことは確かで、そういう意味では賛否両論分かれるでしょう。
上で書いたような、悪と善の間で行き来する二律背反がテーマである以上、そういった部分はある程度仕方ないですが、心理描写と行為の描写にムラがあり、唐突に思えるようでは失敗ではないかと思います。
個人的感想としては、試みとしては面白かったと思いますが、主人公描写に丁寧さを欠く為に、意図して書いたであろう主人公の人格自体が持つ「欠点」が、そのままシナリオ自体の取っ付き難さと唐突さと感じさせてしまうのは残念なところです。
同様にテキスト自体も非常に癖が強く、好き嫌いが別れるところだと思います。
コメディ自体も上で書いたように、そのキャラの人格自体や弱さ等を攻撃するような笑いの取り方もあり、あまりいい気持ちにはならないことは確かです。
個人的には18禁のゲームですし、こういったのはありだと思いますが、こちらも多分駄目な人は多いのではないかな、と思います。
またギャグの基本は繰り返しとばかりに毎朝繰り返されるトイレネタと「エンブリヨ水産の冷凍食品」ネタなど、くどい描写も好き嫌いが別れるかと…
。
そういった感じでシナリオもテキストも癖が強く、悪注入だけにアクの強さが鼻に
つく作品ではあります。
逆にこの癖の強さは18禁というかエロゲーというジャンルでしか味わえないものだと思いますので、そういった癖の強さをゲテモノ料理的感覚で楽しむことができれば逆に良い作品となります。
そういう意味では、Hシーンの実用度よりも、登場人物たちのインモラルぶりに期待してプレイするべきゲームかと。
とはいえ、歪んだ価値観のもたらす歪んだ人々と、世界という描写をもっと丁寧にして頂ければ良作だと思いますが、現状のままではシナリオ的にも実用度的にも中途半端な感覚は否めず、ただ唐突さとアクの強さだけが目立ってしまっています。
そういう意味では素材は悪くないのに組み合わせで悪いところが目立っている残念な作品と言えます。
ただ、メインヒロインであるミリオムとの生活は丁寧に描写されており、このヒロインが気に入れば最後まで十分に楽しめると思います。
実際、丁寧な描写とキャラ立て、声優さんの好演もあり、魅力的に仕上がっています。
そういう意味では、悪を為す凌辱ゲームとしてよりも、ゴスロリ悪魔っ娘とのラブラブ同棲を期待した方が良いかもしれません^^;
「悪魔」という設定を生かすためのスパイスが他キャラを陵辱と言う設定。
そう考えればなかなか悪くないと思えるゲームです。
<10点満点での総合評価>
6点
中途半端な感覚が否めない作品。
ツボに入らないときつい上に、ストライクゾーンはかなり狭いです。
お気に入りのキャラ:ミリオム…基本的には「ミリオム」ゲー。なのでこのキャラがダメだと厳しいかと。
最後に一言:「クセが強いだけにハマれば意外に強力かも。個人的には結構楽しめました。」