十次元立方体サイファー    (GPさんのレビュー)   評価: 8.5 
▼ タイトル 十次元立方体サイファー 蒼き月の水底
▼ ブランド アーベルソフトウェア
▼ ジャンル 大人向け頭脳ミステリーADV
▼ 対応OS Win98/Me/2000/XP
▼ メディア CD-ROM / DVD-ROM
▼ 定価 税込\9,240(税抜\8,800)
▼ 発売日 2004/12/24
▼ 購入   十次元立方体サイファーCD / 十次元立方体サイファーDVD
【 CG観賞モード 】  あり
【 シーン観賞モード 】  あり
【 BGM観賞モード 】  あり
【 メッセージスキップ 】  あり(未読・既読判別なし)
【 メッセージ履歴機能 】  あり
【 選択肢リターン機能 】  なし
【 オートモード 】  なし
【 ヒント機能 】  あり
【 セーブ数 】  50個
【 エンディング数 】  2+α(多数のバッドエンド)個


<ストーリー>
 昭和の時代を色濃く残す館、<月光館>(げっこうかん)──
 この館において、とある大企業の実験が行われることになった。
 閉鎖空間における心理変化の観察…被験者にはいくつかのルールが課せられたが、誰もが簡単で高額なアルバイトと、思っていた。
 しかし、一人、また一人と消えていくメンバー達…。
 そして無作為で選ばれたはずだった男女に、奇妙な共通点が判明していく…。

 ストーリー予測不可能、見る者を物語へ引きずり込む圧倒的魔力。
 プレイヤー自らが考え、行動しなくては、真のエンディングにはたどり着けない。
 周りの風景、人物の台詞、何気ない表情の変化…。
 微かな兆しを見逃すと、待っているのは<死>あるのみ!


このホームページはアーベルソフトウェアより一部文章を抜粋しています。
素材の著作権はアーベルソフトウェアに帰属します。



<概要>
 「ミステリート 〜不可逆世界の探偵紳士〜」(以下ミステリート)に続くアーベルソフトウェア(以下Abel)のミステリーシリーズ(いつの間にシリーズになった?)第二弾。
 昭和の面影を残す「月光館」で、製薬会社の臨床試験に参加した男女による凄惨で不可思議な事件を描くミステリーADV。


<システム補足>
 修正ファイルがあります。
 細かなバグを直してあるようです。

 今作では、なんとシーン鑑賞機能とCG鑑賞機能がついてます!
 10年前ならともかく、2004年の暮れに発売された作品なら当然ですが、前作ミステリートにはついてなかったので、妙に有難味を感じるのは筆者だけでしょうか^^;?
 ディスクの起動に時間がかかる点や、本当に必要最低限な調節機能は相変わらずですが、この進化は大きいです。
 ただ、オートモードやスキップの既読・未読判定はありません。
 本作は片手間にプレーするような作品ではないので前者は無くてもあまり困らないでしょうが、多数のバッドエンドがあり、何度もやり直しをするような作品なので後者が無いのは痛いでしょう。
 セーブは主人公の自室でしかできません。

 本作は根本的にはコマンド総当り式であり、それは「しらみつぶしにコマンドを選べばいつかは当たる」ということです。
 よって「直前でセーブしてコマンド総当り」ということをむやみにさせない為にセーブの場所を限定してるのでしょう。
 (単に作り手が面倒がった可能性も…)
 とはいっても、いつでもやめられないのは不便なのもまた事実。
 ですから、自室でのセーブの他にオートセーブ機能をつければ、良かったのではないでしょうか。
 これならいつでも中断できるし、コマンド総当りにもならないし、良いと思うのですが…。


<音楽・音声>
 曲数は回想モードがないのでわかりません。
 サウンドトラック(2005年1月13日発売予定)には40曲とありますけど、そんなにあったかなぁ…?
 全体的に静かで暗めの曲調が多いです。
 一つ一つのクオリティは高く、場面場面でしっかり使い分けてあったのは好感が持てます。

 音声はありません。
 フルボイス版をリメイクするためではなくポリシ−なのだと信じています!


<CG>
 原画はすぎやま現象さん。
 愛くるしい、どちらかと言うとロリっぽいタッチが特徴的。
 緊迫したミステリーの本作の雰囲気を考えるとやや好き嫌いが分かれそうです。
 絵自体のクオリティは高いですし、凄惨な雰囲気、人物の表の顔と裏の顔のギャップといった本作の要素はしっかり描けているので、問題は無いのですが、プレイヤーによっては慣れるのに少々時間がかかるかもしれません。


<内容>
 ゲーム形式はマップ移動型のADV。
 根本的な構造は昔からある、いわゆる「コマンド総当り式」と言われるモノです。
 しかし、本作の場合は秒単位のリアルタイムで進行する「動的タイムリンク」、それと暗号等の各種謎解きを加えることによって、単純なADVとは一味違ったモノにしてあります。

 「動的タイムリンク」は試みとしては非常に面白いものだと思います。
 時間制限をつけることにより捜査や謎解きに緊張感が高まります。
 ただ本作の場合、難易度のバランスがそれほどきつくないので、あまり「時間のやりくりに追われる」といったことは、ほぼありません。
 個人的にはもっとバランスをきつくして、時間のやりくりに追われるような難易度にした方がこのシステムをより味わうことが出来たと思います。
 まぁ、それだとストーリーをじっくり楽しめない恐れもあるので、一概には言えませんが…。
 Abelの作品は余計な選択肢も楽しみの一つで、時間制限をきつくするとそういうのも楽しめないので、この辺はプレーヤーによって見解は分かれるでしょう。

 本作のシナリオは「ミステリートの脚本家」となっています。
 公式サイトには姓が「ミステリートの」、名が「脚本家」といった冗談みたいな記事がありましたが(本気だったりして?)、いったい誰なんでしょうか?
 Abelといえば、エロゲー界屈指の名シナリオライター菅野ひろゆきさんの会社ですが、本作も同氏によるものなのでしょうか?
 因みにミステリートのページには「シナリオ 菅野ひろゆき」とは明言されてません。
 もっとも独特なテキスト、大胆な展開、「見る⇒パンツ」「さわる⇒胸」といった余計な選択肢まで凝ってる遊び心(この手の選択肢は95パーセント無駄に終わりますがそれでもついつい選んでしまうのは悲しい性です)といった要素は健在なので、本作も菅野ひろゆきさんの作品に連ねて問題はなさそうです。

 ストーリーは月光館という閉鎖空間を舞台にミステリータッチで進行します。
 独特な構造をした月光館、不可解な臨床試験、一癖も二癖もある登場人物の怪しげな行動と、次から次へと謎の起こるシナリオは非常に良く出来ています。
 大きなことが起こるのはシナリオ後半なのですが、前半からイベントのたびに怪しげな点が発見され、登場人物たちにだんだんと不安が渦巻いていくテンポの良さと、雰囲気作りでプレイヤーを飽きさせないストーリーは素晴らしいものと言えるでしょう。

 ただ問題はラストの展開。
 今までのAbelの作品にも言えることですが、本作のラストは非常に好き嫌いが分かれるでしょう。
 前半であれだけ張ってあった伏線のいくつかが未消化で終わったり、今までの話が“パー”になるようなあまりに大胆なエンディングだったりと、賛否両論な展開です。

 本作は2通りのシナリオがあります。(通称「赤」ルート、「青」ルートと言われるらしいです)
 二つは前半はほぼ同じですが、後半の展開がガラリと変わります。
 伏線のつなげ方や意外性は「青」の方が凄いので、話としては「青」の方が面白いとは思います。
 シナリオ重視作品でネタバレすると面白さ半減の為、詳しくは語れませんが、正直「青」の最後はミステリーとしては反則な気がします。
 ミステリーとしては「赤」の方が良く出来ていると言えるでしょう。
 とはいえどちらが良いか、好きかはプレーヤー次第です。
 それこそ十人十色の結論がでると思います。
 因みに個人的には「赤」シナリオ。
 筆者は最初から本作を「ミステリー」という意識を強く持ってプレーしていたので、ミステリーとしては反則な手を使った「青」正直好きになれませんでした。
 喩えるなら姉ゲーをプレーしてたら妹とエンディングを迎えたような気持ちと言えるでしょうか…。
 その妹は非常に魅力的なキャラですけど、やはり姉ゲーとしては不満足…わかりにくい喩えだ…。

 ちょっと気になったのが二つのシナリオの分岐の方法。
 インストール時にランダムでどちらのルートかが決まり、もう一方をプレーするには、もう一方のルートが出てくるまで(どちらのルートかはOP画面でわかる)初期化か、再インストールを繰り返す、という独特な方法です。
 これだともう一方のルートに気づかないプレーヤーがかなり出てくるでしょう。
 クリアしたら自動的にもう一方のルートに切り替えるか、あるいはもう一方に行くための方法を教えるべきです。
 (一応ヒントらしきものはあるのですが…)
 ストーリー本編の謎解きはいくらでも分かり難くしても構いませんが、こんなところで分かり難くしてもしょうがないと思うのですが…。
 いったいどういう意図でこうしたのでしょうか?


<エロ>
 「泣き叫ぶヒロイン、狂気と肉欲に彩られた阿鼻叫喚の陵辱劇」
 作品が作品だけにこんなエロかと思いきや(筆者だけ?)意外や意外、ほとんど和姦。
 音声は無いですし、テキストも描写もあっさり気味なので楽しむようなHではありませんが、ミステリートのようなエロゲー屈指の極薄エロ、ということはありません。
 ちゃんと18禁にするだけのことはあります。
 まぁ…期待するほどのものでもありませんが…。


<10点満点での総合評価>
 8.5点
 いまいち不便なシステムや賛否両論なラストは評価の分かれるところでしょう。
 しかし、テンポの良い展開で終始プレーヤーを飽きさせないストーリーは素晴らしいものと言えます。
 レビューではちょっと批判を重点的に書いてしまいましたが(愛です^^;)、菅野作品ファンの方、ミステリーゲーム好きな方、普通の恋愛エロゲーに飽きた方等にお薦めな作品です。


お気に入りのキャラ:日向真琴…まさか彼女がああなるとは…おぉっと、これはネタバレですので言えません^^;
最後に一言:「次のAbel作品はSFモノがイイな〜^^;」









   Peace@Pieces    (GPさんのレビュー)   評価: 6.5 
▼ タイトル Peace@Pieces(ピース・ア・ピーシーズ) amazon associates
▼ ブランド ユニゾンシフト
▼ ジャンル 学園恋愛甘甘コメディ萌シチュエーションえっちあどべんちゃー
▼ 対応OS Win98/Me/2000/XP
▼ メディア DVD-ROM
▼ 定価 税込\9,240(税抜\8,800)
▼ 発売日 2004/12/23
▼ 購入   Peace@Pieces / オリジナル特典 Getchu.com
【 CG観賞モード 】  あり
【 シーン観賞モード 】  あり
【 BGM観賞モード 】  あり
【 メッセージスキップ 】  あり(未読・既読判別あり)
【 メッセージ履歴機能 】  あり(音声リピートあり)
【 選択肢リターン機能 】  なし
【 オートモード 】  あり
【 ヒント機能 】  なし
【 セーブ数 】  100個
【 エンディング数 】  6個
【 ディスクレス起動 】  可能


<ストーリー>
 元女子校だったため、男子が極端に少ない私立遊華総合学園に新米教師として勤務している主人公、村上久斗。
 「先生、これ、私の気持ち…です」とか言って何かあばんちゅーるなことが起こるかもしれない〜と心の中でこっそりと期待しながら、それなりに教師としての評価も得ていた彼のクラスに一人の女生徒、百瀬ヒカルが転校してくる。
 普通の生徒と何ら変わりのない女の子と思っていた彼女は、実は現世に実習にきていた死神の候補生で、その夜 魂を無に返すために放った銃の弾を、間違って主人公に命中させてしまう。
 これがきっかけで眠っていた能力が目覚め、主人公は死神や魂が見えるようになってしまった。
 主人公はヒカルから死神候補生の存在と、この学校が死神の育成・実習に使われる場所のひとつである事を知り、「自分が撃った以上責任をもって経過を見なければいけない」と言われ、生徒であるヒカルと同居する事になる。
 機械いじりの好きな生徒、ナギ。
 下級生クラスの女の子、まりりん。
 いつも掃除をしている教会のシスター、杏も同じく死神候補生だとわかり、それに同じく受け持ちクラスにいる幼馴染の誉も交えて、落ちこぼれ候補生であるヒカルやナギを一人前の死神にさせるために奮闘するはめに。
 また、死神候補生としての活動の他にも、プレイボーイのいとこや生徒会お邪魔娘三人組が体育祭や文化祭で様々な事件を起こし、ちょっと不思議で甘いドタバタな学園ドラマを繰り広げる事になる。


このホームページはユニゾンシフトより一部文章を抜粋しています。
素材の著作権はユニゾンシフトに帰属します。



<概要>
 ある事件をきっかけに自分の教え子たちが死神候補生(=ピーシーズ)だと知ってしまった主人公と、死神候補生であるヒロインたちによる学園コメディ。


<システム補足>
 修正ファイルがあります。

 細かい設定は出来ませんが、必要最低限なモノは揃ったシンプルなシステムです。
 特に不自由を感じることはありませんでした。
 ただ、本作は共通シーンが多いので、メッセージスキップのスピードがもう少し速いとプレーが快適だったと思います。
 ディスクレス起動は可能です。


<音楽・音声>
 全26曲(そのうち歌は3曲)。
 一曲一曲のクオリティはかなりのものです。
 本作は前半と後半でガラっと雰囲気は変わりますが、それに合わせて音楽もしっかり使い分けてあったのには好感が持てます。
 個人的にはOPテーマの「ぴーす@ぴーしーず」がお気に入りです。

 音声は主人公以外はフルボイス。
 どのキャラも上手で、ゲームの雰囲気を壊すことなく演技されていました。


<CG>
 原画はいとうのいぢさん。イラスト調のややラフで独特なラインが特徴的です。
 ロリ入っていますが、クオリティは高く万人受けする絵柄ではないかと。筆者はこういう感じは好きですし^^;

 塗りも原画にあった淡い色調が基本。
 非常に綺麗ですが、緻密な背景とのギャップが気になる人には気になるかもしれません。

 上記の通り背景は丁寧で綺麗です。
 どちらかというと手を抜かれがちですが、良く仕上げられてるなと感心。


<内容>
 「学園恋愛甘甘コメディ萌シチュエーションえっちあどべんちゃー」。
 舌噛みそうな本作のジャンル。10回連続早口で言うと、とっても空虚な気持ちになれます^^;
 しかし実態は単純なADV。共通ルートで選択肢を選んでその後にヒロインの個別シナリオに進みます。

 ストーリーは前半、中盤と後半でがらりと変わります。
 前半、中盤はドタバタな学園コメディ。
 ヒカルをはじめとする個性的なキャラクターが繰り広げるコメディはなかなかなものです。
 本作の宣伝文句「学園恋愛甘甘…(長いので以下略^^;)」のうち、「学園」、「コメディ」の要素はしっかり満たしています。
 ただその他の「恋愛」「甘甘」「萌シチュエーション」はそれほど強調されていません。
 主人公とヒロインの恋愛過程があまり丁寧に描かれてなく、また主人公は一応ヒカルと同棲ということのなってますが、ヒカルのシナリオですらほとんど自宅のシーンは少なく、舞台はほとんど学園。
 シチュエーションもいわゆるお約束な萌えシーン(お風呂場で偶然遭遇とかやきもちとか)は少ないです。
 「甘甘」とか「萌え」などは確かに強調しすぎると鼻についてしまったり、設定が不自然になる恐れもあるので、本作くらいが丁度いいのかもしれませんが、個人的にはせっかく「学園恋愛甘甘〜」などと銘打つならもっと強調してもよかったと思います。

 あとちょっと気になったのがイベント間のつながり。
 一つのイベントが終わった後、間髪いれずに次の日になって別のイベントが始まったりとやや唐突でした。
 日付の概念を入れて、場面転換時に「何月何日」と表示するだけで随分違ったと思うのですが…。

 問題は後半の個別シナリオ。
 がらりと変わってシリアスなストーリーになります。
 前半コメディ⇒後半シリアスという流れは別に珍しいことではありませんし、ヒロインのヒカルたちは死神なのですから「死」に関するシリアスなストーリーはある意味本作では必然とも言えます。
 ただ、この後半にはいくつか問題点があります。
 まず展開が急すぎること。(ヒカル、ナギ、杏シナリオで顕著)
 ハツカネズミの霊相手に悪戦苦闘していたヒカル達がいきなり世界を崩壊させる存在と戦うなんて、いくらなんでも急すぎやしませんか?
 ラダ○ームでスライムと戦ってたらいきなり竜王の城にワープしたようなものです。
 ロー○姫助けたりロ○の印を手に入れたりといった過程が本作では全部抜けています。
 (古い喩えですがエロゲーをプレー出来る世代ならわかるはず^^;)

 あと本作は特殊な立ち絵が入ったり、デフォルメの効いたイラストが入ったり、ボリュームの割りにCG数が多かったりと、結構演出に凝った作品なのですが、そういったものが後半にはほとんど見られません。
 どうせシリアスにするなら、テキストに徹底的にこだわるとか、CGをたくさん見せるとかもっとクオリティをアップさせるべきなのに、本作の場合、既存の立絵と普通のセリフだけ。
 凝ってたのは音楽くらいで、前半のコメディ部分の方がよほどそういった配慮がなされています。
 (シナリオ自体、後半は短くあっさり終わりますし、使われるCGも少ないです)

 シナリオを根本から覆しちゃいますが…正直な話、「学園恋愛甘甘〜」などと銘打ってる以上、いっそのこと最後まで前半のようなドタバタコメディで突っ走ってしまった方が良かったと個人的には思います。
 もし、シリアスな展開にしたいのなら、世界の崩壊のようなスケールの大きな話でなく、もう少し小さな話(たとえば人一人の死とか)に留めておくか(まりりんや誉のシナリオはそうなのですが)、あるいは後半につながる伏線を前半からもっと張っておいて、すんなり後半に入れるような配慮が必要だったと思います。
 そして、いくら基本はコメディとはいえ、クライマックスはやはりシリアスな後半なのだから、テキスト、CG、演出等少なくとも前半並みのクオリティは保つべきだったと思います。


<キャラクター>
 攻略ヒロインは全部で五人。
 基本はコメディらしい設定ですが、その裏ではそれぞれ暗い過去があり、なかなか個性的なヒロインが揃っています。
 サブキャラは完全にコメディ要員(デス先生は除きますが)なので、とにかく濃ゆい人間で占められています。


<エロ>
 全部和姦で、いたって普通のHです。
 Hの理由の大半が、「死神としての力を補充するため」というもので、ヒロインと結ばれてからというのが少なく、その前の過程である為「学園恋愛甘甘〜」のうちの「恋愛」「甘甘」と「えっち」があまりかみ合っていなかったのが残念。
 もし「死神の力を補充するため」というのを活かしたければ「死神ならではの」シチュエーションやプレイを入れるか(具体的にどう、こうとはいえませんが)、あるいは単純にもっとエロくする(淫魔とかサキュバスのように)等の工夫があればもっと良かったかと。


<10点満点での総合評価>
 6.5点
 キャラ等の基本設定は悪くないのですが、前半の恋愛要素や、コメディからシリアスへと至る流れ、シリアス部分のストーリー等に対する配慮が足りず、全体的に中途半端な印象を受けました。
 よって絵や音楽の出来は良かったのですが、全体としてやや厳しめですが6.5点ということで。


お気に入りのキャラ:…あのポソポソとした口調がなんとも言えません。
最後に一言:「学園恋愛甘甘コメディ萌シチュエーションえっちADV…長いジャンル名だ…。」









   新体操(真)    (ひびきさんのレビュー)   評価: 6 
▼ タイトル 新体操(真) amazon associates
▼ ブランド ぱんだはうす
▼ ジャンル 新体操陵辱ADV
▼ 対応OS Win98/Me/2000/XP
▼ メディア CD-ROM
▼ 定価 税込\9,240(税抜\8,800)
▼ 発売日 2004/10/29
▼ 購入   新体操(真) /オリジナル特典 Getchu.com
【 CG観賞モード 】  あり
【 シーン観賞モード 】  あり
【 BGM観賞モード 】  あり
【 メッセージスキップ 】  あり(未読・既読判別あり)
【 メッセージ履歴機能 】  あり(音声リピートあり、ホイール対応)
【 選択肢リターン機能 】  なし
【 オートモード 】  あり
【 ヒント機能 】  なし
【 セーブ数 】  50個
【 エンディング数 】  7個
【メディアレス起動】  不可


<ストーリー>
 闇の新体操事件から二年。
 行方不明の姉を追って一人の少年が白河女学園にやってくる。
 少年の名前は羽丘ふぶき。羽丘ミクの弟である。
 しかし、ふぶきを待っていたのは、闇の新体操に惑わされ肉助の子をみごもった姉の姿だった。
 トモミの罠にかかり、ミクの目の前で犯されるふぶき。
 そればかりかミクとまでも。
 禁じられた行為に、ふぶきの純粋な心はズタズタに引き裂かれる。
 そして姉を救い出すため闇の新体操に身を沈めていく。


<キャラクター>
羽丘 ふぶき(はねおか ふぶき)(CV:笠原 准)
 主人公。みく(前作ヒロイン)の弟。
 一見、女の子と見間違えてしまうような外見。
 音信不通の姉を探すため、女装をして白河学園にやってくる。
 大人しい性格だが、姉のためには見境がなくなることがある。
 女性的な静かな性格と、男性的な荒々しい性格を併せ持ち、それが加虐と被虐になって現れる。

藤宮 小雪(ふじみや こゆき)(CV:木村 あやか)
 ふぶきのクラスメイト。
 みくやトモミ同様、新体操部に所属する。
 姉の面影をもった愛らしく清純な小雪にふぶきは惹かれる。
 トモミにより闇の新体操の選手として目をつけられている。
 痴漢に会っていたのを助けたことがきっかけで深まる友情。
 小雪を守りたいと思うふぶきではあったが……。
 ミクを救うため小雪を犯さなければならなくなる。

竹本 育子(たけもと いくこ)(CV:保波 凜)
 正義感が強く真っ直ぐした人間。ふぶきのクラスメイト。
 みんなトモミのバカ騒ぎを見てみぬフリだが、育子は立ち向かっていく。
 男兄弟の中で育ったため強者(男)に対抗心がある。
 男嫌い。逆に自分にある女の弱さを嫌っている。
 クラス委員。

乃々原 水姫(ののはら みずき)(CV:いたばしじゅん)
 新体操部部長。
 トモミに対抗すべく徒党を組んでいる連中のリーダー(に祭り上げられている)。
 だが、気真面目で規律と気品を重んじる人。
 また、トモミと違いカリスマと人望もある。
 トモミの部下であるふぶきは敵対関係になる。
 新体操選手としては優秀だが、二年の終わりから胸が大きくなったため悩んでいる。

天鹿(テンルゥ)(CV:金田まひる)
 中国からの留学生。
 湖北省で雑技を極め、さらにそれが活かせる新体操でも名を馳せる。
 新体操で有名な白河学園へとやってきたが、他にも何か目的があるような素振りを見せる。
 悪戯好きなチビで、ふぶきのクラスメイト。
 ひょんなことから、ふぶきが男であること知り、それをネタにふぶきにつきまとい色々脅す。

白河 トモミ(しらかわ ともみ)(CV:大波こなみ)
 白河学園の理事長の孫娘。ミクの同級生。
 学園の支配者にして相変わらず女王様。
 孤独さゆえ傲慢でわがまま。
 自分を疎外する対象には何にでも嫉妬するが、とりわけミクに対しては根深いものがある。
 闇の新体操を本格的に開催し、孤独感を満たそうとしている。

羽丘 みく(はねおか みく)(CV:樋口まゆ)
 ふぶきの姉。前作のヒロイン。
 2年前の闇の新体操事件で肉助の子を身籠もり、今はトモミに囚われている。
 弟思いの心優しい少女。


このホームページはぱんだはうすより一部文章を抜粋しています。
素材の著作権はぱんだはうすに帰属します。



<ゲームの概要>
 前半はマップ移動形式ADV。
 女の子と会話などして好感度をあげたり、弱みを握ったりして陵辱。
 女の子を堕落させたら「闇の調教」という感じになります。
 純粋な調教ゲームと比べると選べるコマンドは少なく、調教レベルも3段階と比較的少ないので、ADVの方に比率が高いのかな?と感じました。


<システム補足>
 インストール形態はフルインストールのみで、約700MB必要です。
 ディスクレス起動は出来なくなっており、不便。

 システム周りは上記参照。
 一通り揃っており、足りないと感じることはありませんでした。


<音楽・音声>
 主人公含めてフルボイス。
 ちなみに男性キャラについてはon/off機能がついているので、女性キャラのみ音声を出すことも可能です。
 主人公は「女の子っぽい」という設定なので、中性的な声です。

 やっぱり注目の的は金田まひるさん♪
 そんなに「お子ちゃま」というキャラではないですが、生意気な感じを出してくれています。
 また、姉のみくですが、「儚い雰囲気の関西弁の娘」という設定です。
 関西弁のキャラだと、ともすると不自然な感じになるのですが、このキャラに限っては不自然とは思いませんでした。
 関西弁というとノリノリのキャラが喋るものだとずっと思っていたので、新鮮でした。
 他の方も違和感無く、安心して聴くことができました。

 音楽の方は、オープニングの音楽がピアノで始まるのですが、始まり方が「冬のソ○タ」のテーマ曲に似ていると思ってしまったのは私だけでしょうか^^;


<原画・CGなど>
 原画は、さとうさん。
 CGは、良く言えば色使いが淡い感じ。
 厳しく言えば濃淡があまり目立たない印象を受けました。
 新体操(仮)とほとんど変わっておりません。(まぁ、当然で変わったら大変ですけど^^;)
 ということで、「白い肌に映える濃紺のレオタード」等はあまり期待しないように^^;

 立ち絵は顔がドアップで表示されます。
 その為、主人公とヒロインの距離が狭く感じられました。


<エッチシーン>
 さすがに「新体操」をテーマにしているだけあって、登場キャラの体は柔らかいですね。
 アクロバティックな体勢は良いものです。
 ブリッジしながらバイブを入れる…なんてものから、大開脚での浣腸など、柔らかい四肢を上手に使っていると思います。
 …そう、このゲーム、浣腸やら放尿が結構出てくるんですよねぇ。
 純愛エッチよりも、陵辱が格段に多く出てきます。
 レズでお互いに浣腸とか、飲尿とか、変態プレイが目立ちました。
 ついでにいうと、このゲーム、汚物にモザイクがかかっていません。
 出てきた茶色いモノは「液体」状で描かれており、「固体」状ではないんですけどね。
 ですから、そんなにCG上ではエグくはなかったです。

 「新体操」ということで、レオタードに身を包まなければならない⇒貧乳というキャラがほとんど。
 一人だけ「胸が大きい」と嘆いているキャラもいますが、そんなに大きくもありませんでした。
 ですので、攻めはおっぱいよりも股間やアナルのほうに集中しているようです。

 リボンやフラフープを使った陵辱シーンもありましたが、「新体操ならではの道具」を使ったシーンはあまり多くはありませんでした。

 もちろん予想通り姉とのエッチも出てきます!♪
 しかし、臨月の姉とのエッチは…どうでしょう…、私はちょっと萎えました。

 淫語ですが、男性器女性器を指す俗語はどちらも音声付きで出てきて、しかもピー音は入りません。
 …といっても出てくる頻度はそんなに高くありませんけど…。
 まぁ、進歩しているということで^^;


<感想>
 全体的に暗い感じのストーリー展開だと思います。
 前作はコメディ色があったようですが、今回はほとんど無し。
 最愛の姉がトモミに囚われているので、いやいやながら「闇の新体操部」に手を貸さなければならない、自分が好きな相手をも陵辱しなくてはならない…。
 新体操部員を陵辱していくうちに本来の「最愛の姉を助ける」という目的がオボロゲになり、陵辱自体が主人公の目的となって行きます。
 この辺は良く書かれており、
 「小雪ちゃんが陵辱されて他の男のモノになってしまうくらいなら…僕が小雪ちゃんを陵辱する!…いいよね?小雪ちゃん」
 と段々と倫理や恋愛感に麻痺していき、異常心理に突入する展開。
 読んでいて欝になるくらいにドロドロしてる訳ではないですけど、ちょうど良いくらいの異常心理が描写されていました。

 しかし私は新体操ならではの、妖艶な演技等を期待していたのですが、残念ながらそんなのは皆無でした。

 最後に、大勢の観衆の目の前でステージを披露することになるんですが、そのほとんどがレズでお互いに浣腸で攻める…という風に、「艶」とは程遠い演技。
 艶やかなストリップとかを期待していたのだけど、変態プレイが多かったのに個人的に残念でした。


<10点満点での総合評価>
 6点
 あまり「新体操」という題材を生かしきれてない感じを受けました。


お気に入りのキャラ:天鹿…チュパ音が一番上手(だと思う)なので^^;
最後に一言:「浣腸や飲尿に耐性があるという人はお薦めかな^^;」