天ツ澪-あまつみよ-    (タスマンさんのレビュー)   評価: 8.5 
▼ タイトル 天ツ澪-あまつみよ-
▼ ブランド 創美研究所
▼ ジャンル ファンディスク
▼ 対応OS Win98/Me/2000/XP
▼ メディア CD-ROM
▼ 定価 税込\6,090(税抜\5,800)
▼ 発売日 2004/10/08
【 CG観賞モード 】  あり
【 シーン観賞モード 】  あり
【 BGM観賞モード 】  なし
【 メッセージスキップ 】  あり(未読・既読判別あり)
【 メッセージ履歴機能 】  あり(音声リピートなし)
【 選択肢リターン機能 】  なし
【 オートモード 】  なし
【 ヒント機能 】  なし
【 セーブ数 】  20+1個
【 エンディング数 】  3個


<ストーリー>
 主人公、岡野一樹は教育実習生。
 彼は十数年ぶりに物語の舞台となる瑠川町にやって来た。
 一樹はそこで3人の少女達に出会う。古くから龍神にまつわる伝承があるこの町。
 そして龍神の力を受け継ぐ少女。
 一樹の好奇心は一つの事件の引き金となり、彼自身の命は残りわずかとなってしまう。
 教師になりたいという一樹の目標。彼を慕う生徒達の抱える悩み。
 そして、日を追う毎に減っていく残された時間。
 彼は何を感じ、そして考え、行動するのか。未来は幾つもの可能性。
 一樹と3人の少女達の物語は、緩やかな時の流れに沿って動き始める──。


<ヒロイン紹介>
沢口 遙凪(さわぐち はるな)
 商店街にある喫茶店の娘。
 店に出向くと二階から彼女の奏でる穏やかなピアノの音を時折耳にすることが出来る。
 三人の中では一番頑固者で、日頃から地道な努力を重ねている。
 呑気モノの一樹に反感を抱くことがある。

立花 加代(たちばな かよ)
 主人公の住むアパートの大家の娘。病弱で引っ込み思案なところがある。
 有紀や遥凪が友人でいてくれる事、一樹がすぐ側にいる今の状況がとても大切なものだと考えてる。

仁科 雪乃(にしな ゆきの)
 瑠川町で「龍神さま」として大切にされている少女。
 とてもお人好しでおっちょこちょい。損ばかりをしているが明るい少女。
 ある事件をきっかけに主人公が住んでいるアパートの隣の部屋に引っ越してくる。


このホームページは創美研究所より一部文章を抜粋しています。
素材の著作権は創美研究所に帰属します。



<購入動機>
 ちょっと古いので、新品でも結構安く置いてあって、なんだか良さ気な雰囲気を感じたので買ってみました。
 箱絵が見るからに和風な感じを漂わせています。
 最初はそういうベタな所が好きでした^^;
 店頭買いだったので、この時点では何の前情報も全然得ていませんでした。


<音楽>
 まず音楽ですが、全体を通して、ゲームにありがちな電子音のキラキラしたキャッチーな曲風とは異なり、あまり自己主張をしない地味な曲が多いです。
 どの曲も音数が少なく、とてもアコースティックな感じのする…まぁ実際は多少音源モジュラー等も使用しているのでしょうが、かなり生な音を意識した、繊細なつくりとなっています。
 ただ、そういった曲風のせいか、最初のうちは特に耳障りでもない代わりに、耳にも残らず、何とも感じませんでした。
 しかし、何回か聴いているうちに、とても物語に染み込んでいくというか、凄く上手い具合に鳴るべき所で鳴るべき曲が鳴っているように感じました。
 クライマックスに向けて気持ちを高ぶらせるような大曲はありませんが、作品の雰囲気に合ったあくまでも派手過ぎない、穏やかで静かだけど、深く作り込まれた優しい雰囲気の曲が多かったです。
 その辺りも、この作品の実は非常に確立された世界観の、大切な要素のうちの一つだと思います。
 結局、最終的にはサントラが出たら買おうと思うまでに達してしまいました。
 まぁ…出ませんdねしたけど^^;

 主題歌はOPに一曲あります。
 こちらは普通のポップな感じの曲でした。


<音声>
 3人のヒロイン以外には残念ながら音声はありません。
 どの方も演技の方は特に問題はなかったように思います。
 個人的には、特に雪乃役の方がとても良い感じで、はまり役だと思いました。
 何となく宏典さんの声を聞いてみたい気もしますが^^;


<シナリオ>
 全体を通して、自分はこの物語の雰囲気が非常に好きだったので、中だるみもせずまったりと最後まで楽しめました。
 自然描写などが多く、派手なイベントなどは一切起こらないままに、ただほのぼのと進む話ですので、そもそもの雰囲気を楽しめない方には、微妙に苦しいかもしれません。
 途中、やや舌っ足らずな表現も多少見受けられましたが、それでも必要な演出は十ニ分にこなせていたように思います。

 逆に気になった点は、他所でも色々な方が指摘している様に、誤字脱字が多かったという点でしょうか。
 まぁ自分の場合、プレイ前には既にレビューという前情報を得ていたので、それ程許せなくもなかったわけですが…。
 あとは雪乃の言葉遣い(語尾とか)など、ごくたまに不自然に感じるときがありました。
 それくらいですかね。

 (ネタバレ開始)物語の結末に関して、攻略キャラによっては特定の女性キャラの扱いが、ややぞんざいになる点があります。
 やはり全ての女性キャラと同じような結末を同時に迎えるということも無理な話で、まぁ仕方のない事なのかなぁとも思いはしましたが、やはり気になりました。
 欲を言えば、もう少しでもこの点を何とかして欲しかったです。
 いくらなんでも、雪乃が不憫すぎます。
(ネタバレ終了。)


<グラフィック>
 原画はタケシマサトシさんです。
 派手さが代わりに、とてもやわらかなタッチで味のある絵を描く方です。
 例えるなら、油絵と言うよりは水彩画に近い感じで(?)、このゲームにはとても合っていたと、個人的には思います。
 けど枚数が若干少なかったのがタマにキズ。
 あと遙凪は立絵よりイベント絵の方が可愛い気がしました^^;


<エロ>
 なんか思った以上に凄かったです。
 実は自分はエロさは求めていない口なんで^^;
 絵柄・キャラクター考えると、もうちょっと薄くても良かったのではないでしょうか…。
 まぁ、喜ぶ方はたくさんいても、残念がる方は少ないでしょうけど^^;


<感想>
 総合的に見て地味ではありますが、この完成された世界観を演出するには、やはりそれなりに時間をかけて作り込む必要があったと思います。
 延期されたと言うのも、何となく分かるような気がします。
 (恐らく)これは非常に深く作り手の好みが現れた作品だと思われます。
 何かと評価の厳しいこのゲームですが、自分にとってはあまり出会うことのない、かなりの良作となりました。

 ということで、万人にはお勧めできませんが、田舎ののどかな空気を味わいながら、ゆっくりしたいという方にはお勧めします。
 まぁセールスは思うように売れなかったようで、残念です。
 実は、自分は初めてプレイした創美研究所の作品がこれでして、ホント、良いと思った瞬間活動休止とは(つД`)
 残念ですね。ぜひ復活してもらいたいブランドです。
 でも会社解散じゃ、まず無理だろうな………。


<10点満点での総合評価>
 86点!!!
 誤字脱字とかなかったら、もっと良いのに…。
 あと何でエンドクレジットに作曲者とか出ないんだろ。
 せめてBGM観賞モードは付けといて欲しかったです。…残念!


お気に入りのキャラ:雪乃&宏典さん
最後に一言:「マスター渋過ぎーっ!!」









   です☆めた    (たろんなーどさんのレビュー)   評価: 6 
▼ タイトル です☆めた
▼ ブランド sincere
▼ ジャンル 半熟ヴァンパイアADV
▼ 対応OS Win98/Me/2000/XP
▼ メディア CD-ROM
▼ 定価 税込\6,825(税抜\6,500)
▼ 発売日 2004/11/26
【 CG観賞モード 】  あり
【 シーン観賞モード 】  あり
【 BGM観賞モード 】  あり
【 メッセージスキップ 】  あり(未読・既読判別あり)
【 メッセージ履歴機能 】  あり(バックログでの音声再生あり)
【 選択肢リターン機能 】  なし
【 オートモード 】  あり
【 ヒント機能 】  なし
【 セーブ数 】  100個+クイックセーブ1個+オートセーブ4個
【 エンディング数 】  20個(BADEND含む)
【ディスクレス起動】  可


<あ・ら・す・じ>
 主人公はとっても厭世的な少年。見た目はショタ。
 「世の中なんてへへん」といったスタンスの下、偶然入手した魔導書で魔界の住人を呼び出し「血の契約」で吸血鬼と化そうとします。
 契約とは、まず吸血鬼に血を与え、後に自分が吸血鬼の血を吸うという形式。
 ですが契約は半ばで途絶してしまいます。

 ……なぜって、血ってあんまし美味しくないっていうか、実はすっげえ不味かったから。

 呆れた吸血鬼は、ともかく「人の血を吸わない事にはほどなく死ぬ」と言い残し、彼の前から姿を消します。
 (※あとでちょろちょろ出てはきますが…)
 血は異性のものに限り、美味に感じるのは処女の血とのこと。

 彼は、契約不全のため半人半魔の身となり、吸血鬼の持つ弱点(十字架、ニンニク、日の光、清流……等々)はそのままに、しかし吸血鬼の持つ便利な超能力(獣化、魅了…等々)は一切使えないというていたらく。
 悪いとこだけ受け継いだ、愚鈍なゾンビも同然の身です。
 かろうじて心臓は動いていますが、心肺機能はおじいちゃん以下。
 びっくりしたら死ねそうです。
 訂正、死にます。
 そのくせ、打撃などには強いという特性を持っています(心肺機能がほとんど停止しており、痛覚などもあんまりない為)。

 結果、旨いの不味いのは言ってらんないとばかりに、血を求めることになります。
 さまざまな女の子に出会っては血を吸おうとし、出会っては血を吸おうとし。
 はてさて、主人公は無事女の子の血で命長らえることが出来るのでしょうか?


<キャラクター紹介>
長森 要(ながもり かなめ) CV:楠 鈴音
 尚が通っている学園でのクラスメイト。
 一見優等生風だが、実はかなりのドジで、落ち着きがない。
 主人公を学校に行かせようと時々主人公の部屋にやってくる。

領家 音央(りょうけ ねお) CV:木葉 楓
 悪魔崇拝信者の良家のお嬢様。
 ゴスロリファッションに身を包み、いつでも無口で無表情。
 ナイフを片手に深夜の町を徘徊している危ない少女。

ファラン CV:榎津まお
 公園に屋台を出す謎のクレープ売り。
 明るく天真爛漫で隙が多いが、悩みなどには鋭くイロイロと相談に乗ってくれる。
 主人公とは公園で出会うが、何かの秘密を持っている様子。

ルネ CV:一色ヒカル
 主人公が呼び出した女吸血鬼。実際にはかなり高位の魔神らしい。
 悪魔らしく他人の不幸を好み、主人公を堕落させようとする。
 主人公に呼び出されてからは地上を徘徊しているらしく、時々主人公の部屋にやって来る。

原田 諒子(はらだ りょうこ) CV:飯田 空
 尚が下宿しているアパートの大家さんで未亡人。
 一人娘のほのかを溺愛しており、主人公に対してもその遊び相手と言う認識。
 基本的にはおっとりした性格だが、娘の事に対しては性格が変わる。

原田 ほのか(はらだ ほのか) CV:茶谷やすら
 諒子の娘で、ほのかもまた母親に心配をかけないように頑張っている。
 いつも犬耳の頭飾りをつけており、色々と難しいことを言ってみたりするが大抵間違う。
 主人公の事をちょうどいい遊び相手位に思っているロリ体型の少女。

小日向 景(こひなた ひかり) CV:如月 葵
 音央に使える忠実なメイドの一人。音央には「けい」と呼ばれている。
 音央に対して姉のような認識で仕えているが、なぜかかなりの常識知らず。
 戦闘力はやたら高く、警護係も実質兼ねているほど。

勝間 尚(かつま なお)主人公・リネーム不可
 いじめられっ子のヒキコモリ少年。学生だがほとんど学校には行っていない。
 厭世的で現実の何もかもが嫌になっており、他人と関わる事に嫌悪感を持つ。
 いっそ、何もかも変えてしまえということで、吸血鬼を呼び出そうとする。


このホームページはsincereより一部文章を抜粋しています。
素材の著作権はsincereに帰属します。



<システム周り>(ver.1.00)
 修正ファイルがあります。
 誤字誤変換のチェックがメインですが、一部環境でムービーが再生されない問題の修正も。

 基本的にはオーソドックスな選択肢型のAVG。詳しくは上記参照。
 ややルート選択や好感度判定がシビアで、難易度は割合高いです。
 実際、ED見るまでに10回くらい攻略失敗したキャラもいました。
 そういう意味でプレイ時間は多少前後があると思いますが、1キャラごとに音声を全部聞いて5時間強程度ではないかと。

 システム周りは快適です。
 ディスクレス起動も可能ですし、取り立てて問題は無いかと思います。
 上記以外ではシーン鑑賞モードでエンディング鑑賞も可能です。
 反面、音楽鑑賞モードにエンディング曲がないのは残念なところ。

 相対的に使いやすく、問題は無いかと。
 ただ、修正ファイルを入れる前は音声とセリフの指定のずれが幾つかあったりしました。


<音声>
 主人公以外男性もフルボイス。キャストは上記の通り。
 男性声優のキャストは非公開となっています。

 メインキャラの音声に関してはほぼ文句のつけようのない出来ですね。
 キャスト自体もキャラクターと合っていますし、演技の方も皆さん文句なく巧いです。
 特に感情のアップダウンの演じ方とフェラシーンの気合の入り方は全員高レベルではないでしょうか。
 特に「ほのか」役の方はかなりのロリっぷりで非常にいい演技だと思います。
 18歳以上には全然思えないですけど……(^^;)

 ただ、気になったのは街中での“ひそひそ声”を本当に「ひそひそひそ……」って演技していることくらいでしょうか。
 おそらくはそういう演技指導なんでしょうが、微妙に違和感がありました。
 そういうところも含め、サブキャラ(特に男性声優)陣の演技はちょっとイマイチかもしれません。

 とはいえ、ストーリー的には当然脇役ですし、メインの側がかなり充実しているので、そんなに気になりませんでした。


<音楽>
 全15曲。うち、ボーカル曲はOP「とまと」(Vo.Thoko Makino)、ED「reborn」(Vo.Rin Mimiyama)の2曲。
 OPは明るくテンポの良い曲ですね。
 音自体綺麗にバランスの良いポップスと言う感じですし、ボーカルも高音部含めて綺麗に歌っていると思います。
 EDはR&B風?のポップス。
 やや暗い感じがありますが、しっとりしている感じはEDに相応しい落ち着きがあってよいのではないでしょうか。
 ボーカルもレベルは高いと思います。
 少しわざと難しく歌っているようにも聞こえますけど…。

 BGMもなかなか高レベルです。
 ゲーム音楽らしく仕上げてあり、目立ちすぎず場面を支えています。
 ただ、やや曲数が少なく、ほとんどかからない曲もあるため、同じ曲が延々かかっていた印象もあるのはマイナス。
 曲は良いですが使いどころろは今ひとつ……という感じでした。


<CG>
 原画は日吉丸晃氏。基本的には今風の可愛い系の絵柄だと思います。
 目の描き方が少し独特で、黒目の中の書き込みが少ないので、塗りの具合によっては少し虚ろな表情に見える気もしますが…。
 上で書いたように絵柄自体はオーソドックスですが、髪の質感も少し独特で、目とあわせてタッチが独特に見えます。

 絵柄自体のバランスの崩れはそれほど感じられませんが、一部の横顔等では気になります。
 また、顔の造作も結構……いや、かなり表情や絵、アングルによって違って見える気がします。
 バランス自体はいいですが、絵柄の安定感がなく、別人に見えてしまう絵があったりします。

 また、CGモードには登録されませんが、ディフォルメされたイベント絵も割合多く使われていますね。
 こちらは割合絵柄も安定して、枚数も軽く10枚以上あり、こちらは非常にいい感じです。

 立ち絵は比較的表情・ポーズ変化とも多く、魅力があると思います。
 ただ、こちらも絵柄が安定しておらず、微妙に違和感が残る表情があったりするのは残念なところ。
 目や髪の質感などは非常に絵師さんの個性が出ていて、絵柄自体が好みなら綺麗だと思うんですが…。

 塗りはかなり丁寧でいい感じなのではないでしょうか。
 イベント絵は色使いの基本線は少し淡いというか薄い感じですが、線と境界が綺麗で、絵全体では地味すぎず良い感じです。
 髪の光の入れ方なども丁寧で、全体に見て繊細な印象を受ける塗りです。
 立ち絵の塗りはそれに比べるとややはっきりした感じですが、背景に合わせて綺麗に見えるよう調整されていますし、イベント絵との違和感もなく、非常に丁寧だと思います。

 背景も丁寧です。
 ゲームの内容上、夜の場面が多いですが、そういった背景の光や影も丁寧につけられており、書き込み自体も細かいです。
 少し淡い感じで現実味が薄い塗りにも見えますが、イベント絵との調和と言う意味では、今の塗りの方が正解なのではないかと思います。


<Hシーン>
 Hシーンは総計20。
 メインキャラは1キャラあたり3〜5と言うところです。

 スタンガンあててムリヤリ……などと言うシーンもありますが、基本的には合意Hの方が多いです。
 シチュエーション自体は割合バリエーションがあり、特殊系では、ソフトSM、スク水、3P、オナニー、親子丼等々。

 尺自体はノーマル。
 声優さんの演技は良好と言うか、かなり気合入っています。
 ほとんどのキャラにフェラシーンがあり、特にチュパ音はかなりのレベルではないでしょうか。
 (´-`).。oO(というか、「ほのか」とか、音がエロ過ぎてキャラとあっていない気が……(^^;)
 初めてで慣れない…しかも聞きかじっただけで、あそこまでは無理なのではないかと。
 卑語もそれなりにありますが、消しはほとんど無きに等しい……というかかけている意味がないくらいのレベルです。
 ピー音自体小さいですし、入る場所も2文字目と3文字目の間の一瞬とかで、消しになっていない気が…。
 いや、嬉しい仕様ですけどね^^;

 相対的に言ってHシーンは、音声以外は標準よりちょっと上と言った感じですが、音声がかなりの高レベルな為、全体を押し上げていますね。
 です☆めたのHは声で持つ!」そんな感じです^^;


<感想>
 しかし、まぁ、本編とは関係無いですが、「口の中がむわむわする」って、尾之上さん(シナリオライター氏)以外の方が使っているいるのを見たこと無いですが、この方は「ナイトウィザード魔法大戦」のときも使ってましたね。
 意味が分かるような分からない様な……。

 ま、それはさておき…。
 個人的な感想としては前作「シンシア〜Sincerely to You〜」のときと同じく、全体に中途半端に見える気がします。
 シナリオ系で感動させたいのか、笑わせたいのか、キャラクターへ萌えさせたいのか狙いどころがよく分からない感じです。
 シナリオはこの手のゲームでよく見られる前半コミカル、後半シリアスと言うオーソドックスなパターンですが、その切り替えがかなり急激で唐突なところが原因かもしれません。
 前半と後半の落差が激しいため、イマイチどちらに焦点を当てていいのか分からず、シナリオ自体がどっちつかずになっている気がします。
 シナリオの基本的な流れは悪くないと思うのですが、例えばもう少し前半でも「重さ」を感じさせるシーンを入れるなどすれば、よりよくなるのではないかと思
います。
 そもそも、前半では「即死システム」などで主人公の体質をギャグにしてしまっているのに、後半それをシリアスなシナリオの問題の一部にしてしまうことに無理があるように感じました。

 もっとも、問題の主題自体は割合一貫していると思います。
 悪魔との契約を望み、選んだ主人公の弱さをどう克服するか、と言う問題は一貫していますし、それに関して言えばトゥルーエンドではきちんと解決をつけているのは素直に評価しても良いと思います。
 比較的問題が重いため、エンディング自体はややご都合主義ながら決してハッピーエンドとは言えない終り方もありますが、主題と展開を考えるとこれも当然で、むしろ問題はそれをコメディにしてしまった前半部分にあるのではないかと。
 話的にはシリアスさを全面に押し出して、会話などで時々笑わせる程度で良かったのではないでしょうか。

 特にオフィシャルのゲーム紹介や、「半熟ヴァンパイア死亡遊戯」と言うサブタイトル、序盤のノリから後半の展開は読みにくいのではないかと。

 また、キャラクターゲームとしては、前作と比べるとパワーダウンしている感もあります。
 まぁ、シナリオ自体が上で書いたように割合自己主張が強いせいもありますが、キャラ立て自体はオーソドックスの粋を出ないのも残念なところ。
 声優さんの演技は日常シーンも非常に良好だっただけに、キャラ設定にもう一工夫あると非常にキャラクターの魅力は出たのではないかと。
 ほのか、音央などは割合良い感じでキャラが立っていたと思いますし、勿体無いですね。

 やや低価格帯であるせいもあるのでしょうが、エンディングがあるキャラが、要、音央、ファランと他キャラ攻略失敗時に流れるルネルートだけなのは寂しい感じです。
 1ルート自体は分岐もあり、それなりですが、実質3ルートですし……。

 テキストは一部誤変換があるほかはテンポ良く読みやすかったです。
 ただし、感想の頭で書いたように、尾之上咲太氏は時々独特の表現を使うのでそこら辺は好みが分かれるところだと思います。

 う〜ん、全体にどの方向性で進めていいのか難しいですね。
 取り敢えず上で書いたように、どれに対してもそこそこ、悪く言えば中途半端ですので…。
 絵柄が好みで、出演声優さんのファンなら買っても良いかと思います。


<10点満点での総合評価>
 6点
 声優、音楽面“だけ”では8〜9点くらいつけてもいいです^^;


お気に入りのキャラ:領家 音央
最後に一言:「意外にシリアス&鬱展開もあります。個人的にはわりあい好みでした。」









   秋色恋華    (おイヌ様のレビュー)   評価: 8.5 
▼ タイトル 秋色恋華
▼ ブランド パープルソフトウェア
▼ ジャンル 学園恋愛ADV
▼ 対応OS Win98/Me/2000/XP
▼ メディア DVD-ROM
▼ 定価 税込\9,240(税抜\8,800)
▼ 発売日 2005/02/25
【 CG観賞モード 】  あり
【 シーン観賞モード 】  あり
【 BGM観賞モード 】  あり
【 メッセージスキップ 】  あり(未読・既読判別あり)
【 メッセージ履歴機能 】  あり(音声リピートあり、マウスホイール対応)
【 選択肢リターン機能 】  あり
【 オートモード 】  あり
【 ヒント機能 】  なし
【 セーブ数 】  90個+クイックセーブ1個
【 エンディング数 】  5個
【 ディスクレス起動 】  可


<ストーリー>
 両親の引越しを機に一人暮らしを余儀なくされた主人公。
 義妹の葵は芸能活動の為に別居をしており、兄妹も別々な暮らしを送っている。
 幼馴染の英里子は教職についており日々世話を焼いてくれるために生活に不自由はしていなかった。
 そんな折、世界的に活躍している有名なテニスプレイヤー伊吹が、怪我の療養のために一時帰国を果たし、主人公達のクラスへとやって来る。(元々クラスには在籍していた)
 しかし怪我の療養にしては伊吹の様子は至って元気そうだ。

 伊吹の真の目的とは…?


<キャラクター>
南条 伊吹(なんじょう いぶき) CV:佐々留美子
 世界的テニスプレイヤーということもあって、海外を転々としていることが多い。
 今は手に怪我を負って療養の為日本に一時的に帰国している。
 性格的には元気で明るいタイプ。志伸の妹・葵とは違った意味でボーイッシュ。
 元々主人公のいるクラスに在籍はしていたが、急な登場にクラスは騒然となる。

世良 香澄(せら かすみ) CV:AYA 
 街の名士で富豪の家の娘。
 学内でも物腰穏やかなで清楚なイメージが浸透しており、まさにお嬢様を体現した雰囲気。
 日々の挨拶は「ごきげんよう」
 実の姿は、意外にもガサツな普通の(?)女の子。
 本来の性格は強気で照れ屋だが、それを出すのも恥ずかしいが故に、文句に摩り替わってしまう。

戸倉 真由(とくら まゆ) CV:大花どん
 志伸の同級生。家が貧しいために、昼は学園の購買でアルバイト、放課後は牛丼屋で働いている。
 性格は無口で何を考えているかよく分からず、表情も読みにくい。
 日々いくつかのアルバイトをしているために、扶養家族から外されていたりもする。

佐川 英里子(さがわ えりこ) CV:美咲ゆうか
 志伸のクラス担任かつ、隣に住んでいる幼馴染。
 一人暮らしを余儀なくされている志伸の面倒を見るため、日々ご飯を作りに来たり弁当を作ったりと世話を焼いている。
 性格は優しく、大人の余裕を持ち合わせており学内でも総じて人気が高い。

新山 葵(にいやま あおい) CV:木村あやか
 志伸の義理の妹。
 学生と駆け出しアイドルという2足の草鞋を履いていることもあって、志伸とは別なマンションに暮らしている。
 芸能活動が忙しいせいか、あまり学園には顔を出さない。
 アイドルとしての人気のほどは、現在のところさっぱりで深夜番組で見かけることが殆ど。
 たまに主人公からそのことをからかわれては怒っている。

新山 志伸(にいやま しのぶ)=主人公
 本作の主人公。売れないアイドルの葵を義妹に持つ。
 家の隣には同じ学園で教鞭を取る英里子が住んでおり、ちょくちょく家に来てはご飯を作ってくれている。
 両親は仕事の為に長期不在。葵は芸能活動のこともあって、別な場所に暮らしているので現在は一人暮らし。


このホームページはパープルソフトウェアより一部文章を抜粋しています。
素材の著作権はパープルソフトウェアに帰属します。



<購入動機>
 パッケージの絵がとても良かったので…。
 まぁ、純愛好きとしては当然マークしていましたが^^;


<システム>
 選択肢型AVG。
 システム周りは上記参照。
 ほぼ完璧で文句の付け所がありません。
 ウインドウモードでの画面サイズは800×600。
 これならフルスクリーンにしても粗さは目立ちません。
 選択肢・ED数とも少ないため十分のセーブ数。
 サムネイル画像&テキスト付きのセーブで分かりやすいです。


<音楽・音声>
 主人公以外はフルボイス。
 声のイメージもキャラとマッチしていて、聞いてて違和感などもなく、演技にしても十分なレベルでした。

 ボーカル曲が3つ(OP、ED、挿入歌)。
 OPは作品のイメージとちょっとかけ離れているかな?とも思いましたが、単体で聞いても満足な出来。
 ED、挿入歌とも作品の雰囲気を盛り上げる歌で、特にED時の歌は終った余韻を感じさせるいい曲でした。
 総じて音楽関係は優秀で、クリア後も改めて聞いています♪


<CG>
 原画は、月杜尋さんと悠樹真琴さん。
 どのキャラがどちらかは分かりませんが^^;
 でも、線の綺麗な感じのCGです。(OHPやパッケージを見れば分かるかな)
 少しアニメ調かなとも思いますが、とても鮮やかだと思います。
 枚数は伊吹25枚、香澄21枚、真由20枚、英里子20枚、葵23枚の計109枚。
 差分を含めればもう少しあります。

 立ち絵も一枚絵も違和感はそれほどなく仕上がっている感じでした。
 サブキャラの立ち絵もしっかりとしていて好感が持てます。


<感想>
 …可愛い…萌え!
 …ゴホン…純愛系が好きで、キャラ等自分の好みと感じたら買って損はありません!
 各キャラにつきENDが1つしかない辺りも、純愛ならではといったところでしょうか。
 共通・キャラ別のシナリオとも、読み応えがあり、途中でダレルということもありませんでした。
 個人的には、どこにでもありがちな「主人公鈍感症候群」がちょっとイラつきましたけど^^;
 (↓ネタバレ注意↓)
 真由シナリオでキスまでされたのに、自分の気持ちをその場で伝えられず、しかもそこまでされても不安だったというのが…。
 あと、基本的に告白が相手からだというのも賛否両論かな?

 (↑ネタバレ終わり↑)

 シナリオもきちんと起伏があり、読み応えのあるものでした。
 各ヒロインの感情の変化も、そのキャラの設定の性格と合った感じで変化していき好感が持てました。

 前半は小ネタを交えたコミカルな出来。
 後半は悩み⇒解決⇒Happy Endingという王道なシナリオ。
 前半は笑い、後半重くなりますが、最後はすっきりとEndingを迎えられます。

 Hシーンは純愛ゲーム標準の出来か、ほんのちょっと上くらい。
 各ヒロイン2〜3回用意されていますが、純愛ゲームの為か凝ったプレイはなし。
 しかしシーンは長く、絵も綺麗、その前までのシナリオが優秀な為か、感情移入しやすく、盛り上がった気持ちでHシーンに突入できます。


<10点満点での総合評価>
 純愛系好きな人にとっては9点、絵の好みが合えば9.5点、そうでない人にとっては8.5点くらいでしょうか。


お気に入りのキャラ:戸倉 真由…普段は寡黙でありながらも、一度好きになったらトコトンな感じがツボに
最後に一言:「やっぱり純愛はいいですねぇー(´ー`)」