Sixty Nine2    (とっぷがんさんのレビュー)   評価: 7 
▼ タイトル Sixty Nine2(初回はSixty Nine1&2 DVD-ROMツインパック) amazon associates
▼ ブランド メイビーソフト
▼ ジャンル 数シチュエーションAVG
▼ 対応OS Win98/Me/2000/XP
▼ メディア DVD-ROM
▼ 定価 税込\9,240(税抜\8,800)
▼ 発売日 2004/10/22
▼ 購入   Sixty Nine2 初回 / Sixty Nine2 CD / Sixty Nine2 DVD
【 CG観賞モード 】  あり
【 シーン観賞モード 】  あり
【 BGM観賞モード 】  あり
【 メッセージスキップ 】  あり(未読・既読判別あり)
【 メッセージ履歴機能 】  あり(ホイール対応)
【 選択肢リターン機能 】  なし
【 オートモード 】  あり
【 ヒント機能 】  なし
【 セーブ数 】  80個
【 エンディング数 】  3個


<あらすじ>
 お客様にシチュエーションを体験して頂く…それがSixty Nineです。
 69種類のエロシチュエーションで69人以上の女の子達とエッチが楽しめます。
 69連チャンにあなたは耐えられますか?


<キャラクター>
エミーナ CV:安玖深 音
 「69システム」Ver.2004のエクスポジター。
 明るい口調で、前向き思考。
 少し天然がありボケを少々。
 古代遺跡のピラミッドやモアイに、興味を持っている。

ルシーダ CV:成瀬 未亜
 「69システム」Ver.2004のエクスポジター。
 サポート役であり、エミーナの姉である。
 お姉さん口調で、マイペース。
 突っ込み派だけどやさしい一面も。
 花言葉が好きなロマンチスト。

その他大勢の皆さん
※大勢過ぎるので省略(^^;)


このホームページはメイビーソフトより一部文章を抜粋しています。
素材の著作権はメイビーソフトに帰属します。



<購入動機>
 デフォ買いメーカーです。
 通常のエロゲと変わっている設定に惹かれました。


<ゲーム概要>
 ゲームスタイルは、パネル選択形式の少し変わったADVゲーム。
 ゲーム期間の概念はありません。

 69個あるパネルは、A〜Fの6ブロック(1ブロック12パネル)に分かれており、その中から任意のパネルを選択する事により進行していきます。
 各ブロックには1枚ずつ「?」という表示がされている「リドーシチュエーション」というパネルがあり、当初は選択できないようになっています。
 そのブロックの通常パネル(11枚)を全部クリアすると、「?」表示から通常パネルに切り変わり、選択できるようになります。
 予めシチュの概要が明かされている通常パネルに対し、この「リドーシチュエーション」は、いわゆる「お楽しみ」的な要素になっており、全部で6個あります。

 それと「???」という表示がされている特殊なパネルが3個存在します。
 これはエクスポジターとのEDを迎えると、クリア済みの状態で通常パネルに切り変わります。
 その他に、シチュのクリア数が5の倍数になるたび、エクスポジター達とのボーナス的なイベントが発生します。

 プレイ時間は、1シチュエーション当たり10分〜20分くらいで、平均15分と言ったところでしょうか。
 ※CVすべて聴いた場合


<システム補足>
 メディアはDVD−ROM1枚。
 インストールで使用するHDDは、約1.7GB。
 ゲームの起動時、DVD−ROMは必要ありません。

 メニューは一通り揃っていて、特に足りないと感じたものはありません。
 標準的なシステムだと思います。
 セーブデータの綺麗な画面キャッシュや「NEW」表示は、どこの場面でセーブしても似たような場面になってしまうこの作品においては、親切であると同時に必然ですね。
 今回は、やっとメッセージ履歴がホイールに対応してくれました(^^;)
 次回は文字フォントの多彩な変更も考慮に入れて欲しいところです。

 修正パッチがあります。(11/12現在)
 「累積的な修正」とだけで、修正箇所が良く分かりませんが、一応当てときましょう。
 MBS系列も割と不具合が少ないメーカーなので最近は珍しいですね。
 次回は頑張って頂きたいです。
 ゲーム起動中は特に異常終了もなく、動作は安定していると思います。


<音声>
 エクスポジター2人の声優さんの他に、水鏡・ゆぅ・須本綾奈・草柳順子・伊藤瞳子・金田まひる・大波こなみ(敬称略)の皆さんが声を担当しています。
 一部聴いた事がない声優さんもいますが、ロリから人妻まで幅広くカバーできる人材を集めてきたという感じですね。
 全般的に良い音声とは思いますが、如何せん登場キャラが100人くらいおり、必然的に一人何役も担当されているため、デフォボイス以外の音声にやや無理があったり、開き直ってデフォボイスのみで変化に乏しかったりと、声優さんによっては少しバラツキが感じられました。
 こういう作品では、音声パターンをいくつ持っているか、日頃の修練を問われるのかもしれません。


<音楽>
 音楽は『埼玉最終兵器・父山或人』さん。
 ボーカル曲はありません。
 …【ウーム「PaPa's Pleasure」のボーカル曲、期待してたんだが…(-_-;)】

 BGMは全部で10曲。
 デジタル音質で、良くも悪くも機械的な印象です。
 相変わらずバリバリのギターが絡むロック調の曲が良い感じですね。
 ただ今回は、静かな曲のうち「It's a fine today」「True tenderness」の一部のメロディラインが、安○地帯の「Fr○end」やミ○チルの「○笛」と被っていて、個人的には「………」という感じでした。
 勿論、偶然なのでしょうけど…。

 それと10曲のうち、メニュー画面、パネル選択画面、EDなどの固定曲を除くと、シーンで使われる曲が6曲程度しかありません。
 少数精鋭と言われればそれまでですが、膨大なシーンの数に比べてかなり種類が少ないため、当然の如く同じ曲があちこちに使い回しされています。
 それにより、シーンで使われている時の印象がごちゃ混ぜになりました。
 できればもう少し曲数を増やして欲しかった…。
 音楽鑑賞モードで聴いている分には良いんですけどね(^^;)


<原画・CG>
 原画は『止田卓史・あかざ』さん。
 『望月望』さんが「MBS Truth」の主力原画家になりつつあるので、最近ではこの方が本家の主力原画家みたいですね。
 …【次回作も「へんし〜ん2」のようだし…(-_-;)】

 目の端が尖り気味で、目の玉が異様に大きく、白い玉で角膜の光沢を表す、独特の目を描かれる原画家さんです。
 顔のラインもふっくらしているのも特徴的でしょうか。
 全般的に優しい印象を与える画ですが、今作は何と言っても登場キャラが多く、しかも立ち画まで全て用意されているので、どうしてもマンネリ化は避けられないところです。
 いや、これはきっとどなたが原画担当であってもそうだと思うのですが、こういう特殊な作品は原画家を分散した方が良いのではないかと思います。
 プレイヤーのマンネリ防止という意味でも、原画家の負担軽減という意味でも。
 もっとも、色々な事情で難しいのかもしれませんが…。

 CGは塗りも線も丁寧でとても好印象です。
 特に乳首と乳輪の表現が良いですね。
 …【乳輪の大きさがバラバラなのは、塗った人の趣味の違いなのだろうか…(-_-;)】
 ただ、母乳と精液の描き分けが今一つです。
 両者が交差するシーンでは特に違いが不明瞭でした。
 母乳はもう少し線を細くして、色ももう少し蛍光色を強調した方が良かったと思います。
 影の処理は自然で良い感じです。
 背景画もクオリティが高く、臨場感が良く表れていますね。
 …【一部、本物の画像からのデジタル加工があるが…(-_-;)】

 CG回想モードは、エミーナ:60(29)、ルシーダ:27(9)、その他の皆さん:422(110)、合計:509(148)です。
 ※括弧内は、表情パターン別を1つとしてカウントした枚数。
 この内、えちぃCGは約9割に当たる、461(126)です。

 シーン回想モードは、エミーナ:12、ルシーダ:3、その他の皆さん:79、合計:94です。


<演出・効果>
【エクスポジターコスプレチェンジ】
 エミーナのコスチュームを色々選択できるようになっています。
 選択できる範囲は、制服・学生服・水着・巫女・メイド・ナース・テッコちゃんの7種。
 …いや、エミーナイベントで一通りのコスプレが登場するので、あまり必要性がないような気もしますが…(^_^;)

【フェチウインドウ】
 いわゆる「局部ズームアップ」機能。
 アングル的に死角になる場合など、見たい部分を強調してくれます。
 ただ、プレイヤーの選択に拠らず、強制的になってしまうのが何とも…。

【淫語音声】
 伏字一切無しの卑語。
 「メデ倫」作品では既にお馴染みとなりつつあります。
 エロ度数2割増しという感じですね。


<設定・シナリオ>
 シナリオ?何それ?
 とまで言ってしまうと語弊があるかもしれませんが、この作品は1話約15分の超短編集なので、殆どがエロ導入テキストです。
 まれにシナリオ重視のシチュエーションがある事はありますが、僅か15分ではとても描写しきれるはずもなく、かえって他のシチュから浮いている印象さえ受けてしまいます。
 どちらかと言うと、エクスポジターのエミーナ・ルシーダとのやり取りの方が、まだ物語としてはまともという気がしますね。
 シチュのシナリオは全部エロエロ一直線と割り切って、エクスポジター達との物語をもう少し掘り下げた方が、構成的にメリハリがついてもう少し引き締まったのではないでしょうか。

 あと、何故シチュが「69」必要なのでしょうか?
 語呂が良いから?
 エロ的にもシックスナインに拘っている風でもないし、必然性もないのであれば、もっと数を減らして1シチュ当たりの内容を充実させるという選択もあったと思います。
 そうする事によりシチュごとの持ち時間も増え、シリアス系のシナリオなども導入できる下地が生まれてきたと思いますが…。
 でもその場合、タイトルが変わってしまいますね(^^;)
 …【拘るなら、プチSixty Nineとか、Sixty Nineライトとか…(^_^;)】


<えちぃシーン>
 1シチュ当たり、回数は1〜2回。
 テキストは概ね淡白で、あまり濃厚ではありません。
 シチュによってはハメハメまでいかずに終了する場合もあります。
 バランス的には、15分のうち前半3分が状況説明、あとは最後までえちぃシーンのパターンが大半ですね。

 シチュエーション的には、まぁよくこれだけ設定を考えつくな〜と感心する反面、殆どのシチュがどこかで見た事があるような設定ばかりです。
 中には自社作品「淫乳女子校生陵辱指導要領」「へんし〜ん」のパロデイや、他社作品のパロディまでもがあります。
 和姦中心ですが強姦も割と多く、シチュのバランスとしては良いとは思いますが、でもこの強姦、最後は殆ど後付け和姦になってしまうんですよねぇ…(^_^;)
 良く言えば奇を衒わない、悪く言えば冒険心が足りない。
 そんな印象を受けます。

 バリエーション的には、本番は正常位の使用率が高く、オプションとしてはフェラ・パイズリの使用率が高めの感じです。
 オマケとしては母乳の出現率が高めです。
 アナルも割とありますが、スカトロまでは殆ど行かないですね。
 つまりは、フェラ・パイズリで前戯⇒正常位で本番⇒感極まって母乳噴出、というのが王道パターンで、最近のエロ重視純愛志向の風潮に同調していると言えるでしょう。
 ※詳細データを知りたい方は、後述のシチュエーション解析を参考下さい。


<シチュエーション解析>※「先入観がつくからイヤ」という方はスキップして下さい。
◆キャラ属性◆
 系統
 

 性格
 

 コスチューム
 

 髪形
 

 髪の色
 

 瞳の色
 

 バストサイズ
 

◆エロ属性◆
 プレイスタイル
 

 導入パターン
 

 経験度
 

 本番体位
 

 バリエーション
 


<総評>
 一言で言うと「エロゲ短編集」という感じです。
 よくアダルトビデオなんかで、色々な作品のクライマックスシーンばかりを集めた「総集編」というのがありますが、本作はそのエロゲ版という感じですね。
 良くも悪くも「May-Be SOFT」のコンセプトである「簡単にエッチシーン」を表現する作品としてはこのスタイルが一番でしょう。
 使い方を誤らなければ結構楽しめると思います。
 どちらかと言えば、他の作品の合間の息抜きとか、短時間の気晴らしとか、メインにするよりもサブでプレイした方が効果的のような気がします。
 一点集中プレイだと、途中で飽きがくるのではないかと…(^_^;)
 いずれにしても、お気軽な作品ではあります。

 シナリオは存在しないものとして、思い切り割り切りが必要です。
 原画・CGは好みもありますが、個人的にはレベルが高いかと思います。
 音声は担当するキャラが多すぎるため印象がぼやけ気味、音楽もいつもよりはパワーが感じられませんでした。
 システムは安定しています。
 エロは「広く浅く」の印象で、実用に耐えられるかは微妙なところです。

 この作品は「手軽で明るいエッチ」を求める、中々エロゲの時間が作れない方にお勧めします。
 ただ、陵辱色は殆どないので、ハードな作品を求める方にはかなり物足りないかと。
 あとは、シナリオを重視する方にとっても鬼門となります。

 最近は純愛系作品の流れに乗りつつあるMBS系列ですが、個人的にはお手軽で結構楽しめる作品が多いので、今後もこのままの路線でいって欲しいですね。



<10点満点での総合評価>
シナリオ 感じさせない存在
原画 愛嬌のある顔
CG 丁寧
キャラ 色々いるが…
音声 一人何役?
音楽 ウーン…
システム 安定稼動
演出 それなりに…
エロ 広く浅く 
ボリューム 総プレイ時間21時間
合計 71
 と、言う事で『7点』とします。


<お気に入りのキャラ>
 登場キャラ全てから選ぶと収拾がつかないので、メカチックな猫耳と愛嬌のあるタレ目と性格から『ルシーダ』にします。


最後に一言:「で結局、シックスナインとシックスティナインの違いって何?(^_^;)」









   六ツ星きらり    (たろんなーどさんのレビュー)   評価: 7.5 
▼ タイトル 六ツ星きらり amazon associates
▼ ブランド 千世(ちせ)
▼ ジャンル 和風天文ステキ部活ドタバタ合宿ハッピー青春ラブラブコメディ
▼ 対応OS Win98/Me/2000/XP
▼ メディア DVD-ROM
▼ 定価 税込\9,240(税抜\8,800)
▼ 発売日 2004/11/05
▼ 購入   六ツ星きらり / オリジナル特典 Getchu.com
【 CG観賞モード 】  あり
【 シーン観賞モード 】  あり
【 BGM観賞モード 】  あり
【 メッセージスキップ 】  あり(未読・既読判別あり)
【 メッセージ履歴機能 】  あり(バックログでの音声再生あり)
【 選択肢リターン機能 】  なし
【 オートモード 】  あり
【 ヒント機能 】  なし
【 セーブ数 】  50個+クイックセーブ1個(+セーブ履歴10個)
【 エンディング数 】  7個(BADEND含む)
【メディアレス起動】  可能


<あ・ら・す・じ>
 だいたい同じで、どこかがかなり違っている……そんな架空の現代日本。
 舞台となるのは、近畿地方の某所にある古都『星城京』。

 主人公・東雲智樹は、星城京が誇る名門・銀星学園に通う2年生である。
 下宿のお隣さんには、星見すばるという幼なじみの少女が住んでいる。
 この娘、昔っから『智樹ラブ!』なわけで、物語開始時から、ふたりは若い恋人同士として朝に昼に夜に愛し合いまくる関係にあったりする。

 そんな幸せを謳歌する智樹だったが、あるとき、なりゆきと好奇心から、すばると一緒に銀星学園の名物クラブ『天文部』に入部することとなる。

 天文部を率いるのは、めったやたらと押しの強い『謎の3年生』天河輝夜。
 そして、彼女の下で予算のやりくりに奔走する苦労人、会計係の茜空。
 部長の性格を反映してか、天文部の活動は、不真面目かつ超テキトー……かと思いきや、しょっちゅう星の勉強会や観測会を開いたりするなどして結構ちゃんとしたものだったりする。

 たまのお楽しみは、週末を利用して開催されるミニ合宿。
 これは、星城京のド真ん中にそびえる御星山で、美しい星空を心ゆくまで観測しちゃおう&若者同士の擬似的同居生活を堪能しちゃおうという趣旨の企画である。

 そんな感じで親密&ハートウォーミング(?)なつきあいをしているのだからして、当然、男女の仲もイイ感じに発展するわけで。
 けど、智樹よちょっと待て。君にはすばるという恋人がいるだろう?
 ……まあ、そういった恋愛関係のゴタゴタというかドタバタというか酸いも甘いもひっくるめて経験するのも、若者の特権といったところなんだけど。


<キャラクター紹介>
星見 すばる(ほしみ すばる)CV:倉沢はるか
 主人公を追いかけて星城京に引っ越してきた恋人の少女。
 主人公にとっては幼馴染で、現在は主人公の隣室に一人暮らし。
 明るく能天気だが、思い込みの激しいところがある。

天河 輝夜(てんかわ かぐや)CV:春日りか
 主人公の担任、せりが学生だったころから3年生を続ける謎の天文部部長。
 転校直前の星城京で主人公に傘を貸したことが縁で知り合いになる。
 いつもネコミミ帽子をかぶっており、飄々としていて自信家。天真爛漫。

茜 空(あかね そら)CV:茶谷やすら
 天文部の会計担当を務める一年生にして神社の跡取り娘の巫女。
 両親を亡くしていることもあり貧乏で、喫茶店「銀嶺亭」でアルバイトしている。
 基本的には礼儀正しい性格だが、キレると言葉遣いも態度も豹変する。

日野 慧(ひの けい)CV:榎津まお
 主人公のクラスメートで弓道部に所属する少女。良太や剣司とは幼馴染。
 星に詳しく、何時の間にか天文部に強制加入させられる。
 ノリがよく明るいが、他人には余り本心を見せないところもある。

ほくと CV:榊原ゆい
 天文部の天体観測合宿中に発見された謎の記憶喪失の少女。
 面白がって着せられた学ランとスクール水着と言ういでたちをしている。
 謎めいた言動と虚言癖があり、つかみ所がない。 

園城 せり(えんじょう せり)CV:美咲さぷり
 主人公達の担任兼天文部顧問で、りっちゃんと呼ばないと怒る。
 非常に背が低く、一見すると年下にしか見えない。
 良太とは人目を忍びつつ恋人関係(攻略不可)

早坂 良太(はやさか りょうた)CV:御子神みこと
 主人公のクラスメートで慧や剣司とは幼馴染。
 明るくノリの良い性格で主人公ともすぐに仲良くなる。
 せりとは恋人同士でそのため天文部の合宿などに紛れ込んでいる。 

月形 奈津(つきがた なつ)CV:天音朱夏
 主人公とすばるが下宿している町屋の大家。
 主人公にとっては親戚であり、初恋の人でもある。(攻略不可)

荒木 剣司(あらき けんじ)CV:津雲亮
 主人公達のクラスメートで慧や良太とは幼馴染。
 剣道部の主将で、学生レベルでは全国でも屈指の実力を持つ。
 輝夜のことが好きで、ほとんど言いなりの使い走り状態。

東雲 智樹(しののめ ともき)主人公・リネーム不可
 両親の仕事の関係も有り星城京に単身引っ越してきた。
 恋人すばるとは遠距離恋愛…のはずが、追いかけてきたことには困惑気味。
 すばるに影響されて天文部へと入部することになる。


このホームページは千世(ちせ)より一部文章を抜粋しています。
素材の著作権は千世(ちせ)に帰属します。



<音声>
 主人公以外男性も含めフルボイス。キャストは上記参照。
 他に田中天、星川未流来の各氏が脇役として参加。
 全体を通してキャラクターにはマッチしていて、演技も非常にいい感じです。
 感情のアップダウンが激しいキャラが多いですが、メリハリをつけて演技されていますし、それでいてきちんと個性が出ているのはやはりプロの技ですね。
 脇役担当の田中天氏も本来はメインのシナリオライターのはずですが、非常に渋い声と演技力で、声優といっても通じます。
 流石にプロの方と比べると「演技」と言う面では少し落ちますが、まぁ、ちょい役ですし^^;

 男性・女性含めて、非常にいい感じでした。
 キャラによっては長尺のセリフや早口の言い回しもありましたが、それも含めて合格点は十分あります。


<音楽>
 全35曲。うちボーカル曲4曲。
 OP曲「☆☆☆☆☆☆」(Vo.倉沢はるか、春日りか、茶谷やすら、榎津まお、榊原ゆい)、挿入曲「星座の日々」(Vo.原田ひとみ)、ED曲「明日の青空」(Vo.千葉由美)。
 3曲ともやや印象が違いますが、ゲームの雰囲気には合っていると思います。
 OPはメインキャラ声優総参加でセリフを入れたノリの良い明るい曲、挿入曲はやや静かながらも後半盛り上がる曲。
 EDはどちらかといえば明るいポップスで未来への希望と言う感じで、使用されている楽器やボーカルの声質も違うタイプをそれぞれ起用しています。
 それぞれの場面には合っていると思いますし、曲自体の出来もよく、いわゆるエロゲーらしい曲なので、比較的馴染みやすいのではないでしょうか。
 また、前作「十六夜れんか」主題歌「遠い約束」のボーカル変更Ver.(Vo.春日りか)もゲーム中で使われています。
 なお、音楽回想でも表示されていませんが、「☆☆☆☆☆☆-カラオケ-」の下をクリックすると聞けます。

 BGM周りも出来自体は良いですし、使いどころも合っているのではないでしょうか。
 ただ、場面によっては切り替えのアップダウンが激しすぎるかな、と言うのと、全体にコミカルな場面の曲は何曲かありますが、少し自己主張が強く、場面に勝ってしまっているように感じることもありました。
 とはいえ、日常場面の曲などは雰囲気に合っていますし、いわゆるキャラのテーマ曲を使いすぎていないのも好感触でした。


<システム周り>(ver.1.00)
 修正ファイル+追加シナリオパッチがあります。
 追加シナリオの方もフルボイスですので、プレイしてみてはいかがでしょう。
 修正ファイルの方は、誤字の修正がメインのようです。

 基本的にはマップ移動+選択肢型AVG。詳しくは上記参照。
 セーブとロードを同じ画面で処理するのが特徴的ですが、取り敢えず必要なものは全て揃っていますし、動作も軽快で不満は感じませんでした。
 また、上記鑑賞モードに加えてムービー鑑賞モードもあります。
 キャラ毎のテキスト色の使い分けなど、便利な機能はほとんどあり、使いやすい部類にはいるかと。

 ゲーム内容自体は、ごく普通にマップ移動と選択肢によって好感度が上下し、それによって攻略キャラが変化するタイプのAVG。
 移動先に登場するヒロインは表示されていますし、選択肢も非常に分かりやすいので、難易度的にはほぼ無きに等しいかと。
 プレイ時間はボイスを全て聞いたら1プレイ15時間程度と非常に長いです。
 ゲーム内期間も2ヶ月くらいで、ほぼ毎日イベントがあります。
 個別ルートの部分も長めで、2周目以降も共通ルートをとばして8〜10時間程度はかかります。

 演出はなかなか凝っています。
 特徴的なのは2キャラが言い合いをしている場面などで画面(=視線)自体をどちらに向けるかで好感度が上下するシステムなどは、選択肢でもかまわないところを、視覚的に表現したという意味で面白いです。
 また、例えばヒロインの側が「選択肢を選ぶ」(=主人公から見て裏側から選択肢を見たような演出)ような場面があったり、天体観測は全天を4分割して表示しされます。
 特に立ち絵は他の立ちキャラの後ろから回り込んで割り込んでくる演出もあったりと動きが多く、視覚的演出はなかなか凝っていて面白いです。
 ただ、コメディ部分で生きる演出が多いため、そういった凝った演出は序盤に集中してしまっており、反対に比較的ノーマルな後半が寂しく感じてしまうのは少し残念ですね。
 とはいえ、シナリオ自体は後半比較的シリアスなので演出がおとなしめのほうが合っているとは思います。


<CG>
 原画は田口まこと氏。比較的線の少ないシンプルな絵柄です。
 目の形や顔の造形は非常に特徴的でオリジナリティの有る絵柄ですし、好き嫌いは別れるところだと思いますが、表情のつけ方などは巧いと思います。
 ただ、アングルや表情によってはやや絵柄に安定感がなく、違うキャラに見えてしまうことも…。

 立ち絵は非常に安定しており、レベル高いです。
 また、表情・ポーズも非常に動きが大きく、立ち絵自体の演出も含めて、キャラの表情やポーズがくるくる変わるのは良い感じです。
 前作と比べてコメディ色が強いのは、こと原画家の絵柄的には正解と言う印象を受けます。

 塗りもかなり独特ですね。
 光沢などはきつめで、髪の毛などは非常に硬そうと言うか何かでコーティングされているかのようです。
 瞳や肌、洋服なども独特の塗りも有り光沢がきついです。
 とはいえ、塗りのレベル自体は安定していますし、影のつけ方などは丁寧なのではないでしょうか。

 背景は非常に丁寧ですね。
 学校や町等の古さとアーケードの細部も丁寧に書き込まれており、オーソドックスながら存在感が合って良い感じです。
 また、マップ移動画面の絵も独特ですが、色彩の使い方など上手いと思います。
 ただ、生物(樹等)の書き込みはもう少しあってもよいかな?と感じました。
 とはいえ、全体には非常に丁寧だと思います。
 特に夜空の描写はプラネタリウムソフトを使い、2004年11月頃の京都付近の夜空を再現して星座や恒星の位置を丁寧に書き起こしており、メインの舞台である天文部と言うものに説得力を与えているのは好感触を持てます。
 星の数も圧倒的で、いや、本当の京都でもこんなには見えないだろうなぁと言うくらい書き込まれています^^;


<Hシーン>
 シーン数は35。
 なお、そのうちの15シーンはすばるとのシーンだったりします。
 それ以外のキャラでは2〜7程度。

 シチュエーション的には全て1対1の和姦オンリー。
 シチュは比較的多く、ノーマル以外も、アナル、ライトSM、羞恥、屋外、写真、電話オナニーなど。
 なんだかフェラシーンが多かった印象がありますが、それ以外もバリエーションは多いです。

 尺はシーンによってだいぶ違いますが短め〜標準程度でしょうか。
 声優さんの演技はフェラシーンなども含めて良好でした。
 ただ、すばるなどはシーンが多いせいかCGの使い回しが多かったりするのは残念なところです。

 上に書いたように、キャラと絵が気に入れば、シチュも豊富ですし結構良さげ。
 Hな効果音も比較的派手目にありますし^^;

 と言うわけで良好だといっても良いかとは思いますが、個人的には絵柄が余りエロさを感じさせない気もします。


<感想>
 一言で言えば非常に「丁寧」なつくりのゲームだな、と。
 上で書いたように演出へのコダワリやシステム周り、そして何より天文部や街に説得力も持たせる細かい設定やCGなど、シナリオをいかに「見せる」かと言う部分で丁寧さが目について好感を覚えました。
 それぞれの部分がどうやってシナリオを「見せる」かと言う部分で、目に見えるところも見えないところも作りこんでおり、正直に言えば、そういう意味でのストレスは皆無で、話に集中できるというか、話を楽しめる出来でした。

 反面、シナリオ自体はやや人を選ぶ展開ではないかと…。
 まず、このゲームでは主人公のキャラが割合立っています。
 コミカルな部分でも自分の言動で積極的に笑いを取りに行くタイプですし、比較的主人公の考えを前面に出してくるタイプなので、やや感情移入はしにくいかと。
 また、最初から恋人がいるという関係上、他キャラシナリオに行く為には、すばると別かれなくてはいけないという展開もやや好みの別れるところかと。
 修羅場的な展開もあったりしますしね^^;

 その意味で、すばると言うキャラクター自体ある意味少しストーカー気質に描写されてしまっており、最も出てくるヒロインがやや「キャラクターとしては」魅力不足と言う厳しい状態です。

 また、内部で比較的説明されているとはいえ、比較的天文部の活動を描写している為、天文に余り興味がない人には退屈な部分もあるかもしれません。
 天文とか、ロケットですとか、宇宙ですとかのネタは全体を通して出てきますし…。

 逆に言えば、そういった要素が好き、もしくは気にならないのであれば描写は丁寧ですし、修羅場や浮気と言う要素もシナリオにメリハリをつけるという意味では良いのではないかと思います。
 私としては、話的にはそういう話のほうが好きだったりします。

 またシナリオが非常に長いせいもあり、中盤で少し中弛みしている感も受けます。
 それはシナリオ的にも天文部と恋愛の両方を丁寧に書きすぎたせいかと。
 もう少しすっきりさせても良かった気もしますが、個人的には最後にきちんとまとめきっており、それほど気になりませんでした。
 よく考えたらファンタジー設定全開という部分もあるのですが、それを丁寧に描写した世界設定に取り込んでおり、スッと話に入り込ませているのは見事です。

 テキストはドタバタコメディ部分がいい感じです。
 主人公含めて全キャラが登場するシーンでは間断なくボケ、ツッコミが入り、キャラクターを生かした笑いとして、見事に成立しています。
 また、シリアスなシーンも会話の組み立てや場面の展開のさせ方は巧いなぁと思いました。
 そういう意味でテキストはレベルが高いのではないでしょうか。
 誤字脱字も少しありましたが、修正ファイルでだいぶ少なくなっています。

 全体として「和風天文ステキ部活ドタバタ合宿ハッピー青春ラブラブラブラブラブコメディ」というジャンルどおりの作品になっていると思います。
 天文部や和風の街を綺麗に丁寧に描写しつつ、ドタバタ、青春群像、恋愛、コメディをそれぞれ上手く組み合わせてまとまりのある作品になっているのはお見事ではないでしょうか。
 プレイ時間やHシーンも含めてボリュームも多く、それでいて細部まで丁寧に作られている良作だと思います。
 それぞれの要素で、これはっ!と言う目立つ部分もあり、なおかつ、ほとんど不満を感じさせないつくりはお見事かと。
 そういう意味で、減点法でつければ高得点ですね^^;
 天文部と言うジャンルや絵柄自体の好みはあると思いますが、天文部やラブコメ、修羅場などが好きならお勧めできる作品だと思います。


<10点満点での総合評価>
 7.5点
 コミカルな学園青春モノとしてはオーソドックスながら高レベルなのではないかと。


お気に入りのキャラ:日野 慧
最後に一言:「個人的にはロケットやUMAが出てくる時点でツボだったりします^^;」