看護しちゃうぞ3    (とっぷがんさんのレビュー)   評価: 7 
▼ タイトル 看護しちゃうぞ3〜看護婦さんは甘えんぼ〜
▼ ブランド トラヴュランス
▼ ジャンル ADV
▼ 対応OS Win98/Me/2000/XP
▼ メディア CD-ROM / ネット接続版
▼ 定価 税込\9,240(税抜\8,800) / 税込\7,140(税抜\6,800)
▼ 発売日 2004/07/16
【 CG観賞モード 】  あり
【 シーン観賞モード 】  あり
【 BGM観賞モード 】  あり
【 メッセージスキップ 】  あり(未読・既読判別あり)
【 メッセージ履歴機能 】  あり(ホイールマウス対応)
【 選択肢リターン機能 】  なし
【 オートモード 】  あり
【 ヒント機能 】  なし
【 セーブ数 】  50個
【 エンディング数 】  10個


<あらすじ>
 俺は哲朗、夏休みをアルバイトに励む勤労学生だ。
 …なんて言っても、じつの所彼女もおらず予定もないので、夏休みの前半をバイトに費やして居るだけなのだが。
 そんなある日、俺が住んでいるマンションの住人仲間でもある、里穂さんとさやかさんが店にやってきた。
 今日は揃って休みらしく、二人は冷やかし半分でここに呑みに来たのだろう。
 俺は苦笑しながら、なんとか様になった腕前で二人にカクテルを振る舞った。
 そして二人が帰ろうとしたその時、ガラの悪い男が二人入ってきて、早速二人を口説き始めた。
 仕方ない…少なからず腕に自信のある俺は、野郎共を店の外に引きずり出し、軽くいなして追っ払ってやった。
 と、そこまでは良かったのだが…チンピラの片割れが不意にバイクで突っ込んできた!?
 身をひねってなんと避けたはいいが、派手にすっ転んでしまった俺は、無様にも頭を打って気絶してしまたのだ…。
 目を覚ますと、そこは病院だった。
 里穂さん達が救急車でも呼んでくれたのだろうか?情けない…。
 タイミング良く現れた女医さんに事情を聞けば、どうも転んだ際に脚の骨を折った挙げ句、頭を強打しているので検査が必要だという。
 こうして俺は、看護婦さん達に囲まれた、エッチで情熱的な夏休みを過ごすハメになったのだった。


<キャラクター>
片瀬 里穂 CV:大花どん
 聖ミカエル総合病院の正看護婦で、キャリア数年目の中堅どころ。
 主人公と同じマンション(賃貸の2LDK)に、親友のさやかと一緒に同居している。
 聖ミカエル女子学園初等部から、聖ミカエル看護学校卒と、生粋のミカ女育ちのお嬢様。
 比較的優秀な看護婦だが、おっとりした仕草と人当たりのいい性格のせいか、今ひとつ効率が悪い。
 天真爛漫なお嬢様タイプで、パニックを起こすと「ふぇ…」とかいって泣く。

今井 さやか CV:今井かおる
 聖ミカエル総合病院の正看護婦で、里穂と同期で大の親友。
 里穂とは聖ミカエル看護学校からの同級生で、それ以前の学校は別。
 いわゆる気さくなおねーさんで、患者からの下ネタも軽くいなす粋な姉御タイプ。
 学生時代はレディースの経験があり、当人曰く若気の至りと、笑い飛ばしている。
 テキパキと仕事をこなすやり手ではあるのだが…、頑張った分こっそりサボる事も忘れないちゃっかり者。

蓮台寺 渚 CV:春奈有美
 聖ミカエル看護学校に所属する准看護婦で、成績優秀な委員長タイプ。
 実家は田舎の小さな個人病院で、将来は尊敬する父親を手伝おうと、現在修行中。
 戴帽式を済ませ、今は総合病院で実習中。
 現場教官として里穂&さやかの下に付いている。
 エッチに関してはかなり潔癖で、正に「エッチな事はいけないと思います!」と言い切るタイプ。

ジュリア・ビアンキ CV:美咲ゆうか
 聖ミカエル祖総合病院に所属するシスターで、看護学校では博愛精神について講義も行っている。
 イタリア生まれの妙齢の女性で、「看護しちゃうぞ2」のエリーナの実の姉。
 実家はイタリアンマフィアのドンが父親だが、この不景気でかなりの事業縮小、現在は限りなくカタギの商売になりつつある。
 利発で行動力もあり、女神の様な清楚な女性だが、かなり押しが強く強引だったり…。
 限りなく自然な日本語を話すが、都合が悪くなったりすると、カタコトの外人のフリで逃げるフシ有り。

稲取 彩香 CV:一宮桜
 聖ミカエル総合病院勤務の女医で、担当は外科医。
 腕は確かで、学会にも出席する程の才女。
 しかし、とにかく退屈が嫌いで、「だって面白そうじゃない」が口癖の大のイベント好き。
 特に恋愛相談につけ込んだ下ネタトークとか、可愛い男の子へのセクハラとか大好き。
 自分の美貌に絶対の自信を持っており、なびかない男は全員イ○ポだと本気で思ってるフシ有り。
 普段の立ち振る舞いからは、女医と言うよりも、人生経験豊富な銀座のクラブのママみたいな感じ。


このホームページはトラヴュランスより一部文章を抜粋しています。
素材の著作権はトラヴュランスに帰属します。



<購入動機>
 デフォ買いメーカーです。
 (志水直隆氏原画限定)


<ゲーム概要>
 ゲームスタイルは、会話選択形式のオーソドックスなADVゲーム。
 ゲーム期間は、アイキャッチを1日と換算して6〜7日位です。

 攻略対象キャラは、「里穂」「さやか」「渚」のメイン3人と、「ジュリア」「綾香」のサブ2人。
 メイン3人は、それぞれノーマルEDとトゥルーEDがあります。
 サブ2人は、それぞれノーマルEDのみとなります。
 誰も攻略しきれなかった場合は、共通のバッドEDになります。
 全員クリアすると、お約束のハーレムEDに突入できます。

 難易度は、基本的に各個撃破でいけばそれ程難しくはありませんが、メイン3人のトゥルー/ノーマルの匙加減はやや歯応えがあります。
 選択肢は1回当たり、10個位あります。

 プレイ時間は、メイン3人は各3時間くらい(初回はプラス1時間)、サブ2人は各2時間くらい、ハーレムは1時間くらい、と言ったところでしょうか。
 ※CVすべて聴いた場合


<システム補足>(ネット接続版)
 メディアはCD−ROM2枚。
 インストールで使用するHDDは、約700MB。
 初回起動時、添付されているアプリケーション「PlayGate」にて、ユーザー登録&プロダクトキーの入力作業を行います。
 ユーザー登録と言っても、ユニークなID&パスワードの設定のみで、個人情報の入力などは求められません。
 以降はゲーム起動の都度、認証がONLINEにて行なわれるため、CD−ROMは必要としません。
 ※通常版は不明ですが、おそらくOFFLINE認証としてCDは必要と思われます。

 メニューは一通り揃っていて、特に足りないと感じたものはありません。
 使い勝手もまずまずですが、よく使う「セーブ」「ロード」あたりは、出来れば1クリックアイコンが欲しかったです。
 あと、オートの待ち時間は、文字数感応タイプにして欲しかったですね。
 5文字と50文字の表示時間が同じというのはストレスが溜まり、事実上使い物になりません。
 ちなみに、今回はヒント機能はありません。
 過去のヒント機能付きの作品では特にヒントは必要ないと思いましたが、今回のトゥルー/ノーマルの切り分けはヒント機能があっても良かったかなと思います。
 不要なものに付いていて必要なものに付いていない…微妙にニーズを外している気がしますね。
 キャラ別に音声ON/OFFを選択できるのは有り難かったです。

 修正パッチはありません。
 1作目以外の二十数作すべてに修正パッチがないのは、この業界では驚異に値します。
 発売日当日から安心してプレイ出来るのは、地味ですがウリのひとつですね。
 発売してから連日のように修正パッチを出すメーカーや、発売して少ししてからセーブデータが使えないような修正パッチを出し、「仕様です、了承下さい」と平然とのたまわるユーザーを舐めきったようなメーカーは、爪の垢を煎じて飲んで貰いたいです。
 今回もゲーム起動中は特に異常終了もなく、動作は非常に安定しています。


<音声>
 CVは、cd-bros系の比較的新しい方ばかりです。
 個人的には、どの方も初めて聴く方ばかりです。
 キャラに合わせた演技もそれぞれ特に違和感は感じず、まずまず無難なデキではないかと思います。
 ただ、えちぃシーンの演技はまだまだ改善の余地あり、という感じですが…。
 有名所の声優さんの作品ばかりやっていると、たまにこういうフレッシュな声優さんの作品も良い感じです。
 時折挿まれるパロディネタも、結構似ていて個人的には思わずニヤリとしました。
 …【特にガン○ムのセ○ラさん「軟弱者!」はウケた(笑)】


<音楽>
 音楽は全部で9曲。(内、ボーカル曲は1曲)
 主題曲「看護婦さんは甘えん坊」は、詞:斎藤紀子さん、曲:黄昏の夢さん、ボーカル:黒崎朔夜さんです。
 昔はトラヴュランス作品の主題歌といえば、ボーカルは大体「斎藤紀子」さんでしたが、最近は後進に道を譲ったのか(笑)、あまり聴かなくなりました。
 今回は作詞を担当されています。
 曲調はミドルテンポで、歯切れのよいリズムでゆったり流れていく感じです。
 ボーカルの黒崎朔夜さんの発音も少し、たどたどしさを感じるものの、歯切れの良い感じでなかなか好印象です。
 曲の雰囲気は、今までのトラヴュランス作品の主題歌を踏襲しているイメージです。

 BGMは全部で8曲。
 担当は「沢村竣」さん。
 ゲームをやってるときは明るい感じのBGMばかりと思ってましたが、音楽鑑賞モードで一曲ずつ聴いていくと、3曲くらいしか明るい曲調の曲がないのはちょっと意外でした。
 他の5曲は、切なかったり、アダルティだったりと、使用目的に合わせてある程度色分けされています。
 全体的には無難な感じですね。
 えちぃシーンのBGM「夜の囁き」は、ちょっと妖しげな感じで印象的でした。
 BGMの音質も良好です。


<原画・CG>
 原画は「志水直隆」さん。
 ちょっとタレ目の愛嬌のある顔が特徴的な、トラヴュランス初期からの主力原画家さんです。
 最近では、鋭角的な顔の輪郭であったり、アダルトな雰囲気の輪郭であったり、作品によってアクセントを付けられています。
 今回は作品のコンセプト上、慈愛、博愛などの「優しさ」を表現するため、線を極力細く、曲線を柔らかく(特に頬のライン)、体のラインも丸みを帯びた感じで全体的にまとめています。
 瞳の輝きも優しそうな印象を受けるラインですね。
 立ち画、イベント画、アニメーションの統一感があるのも好感が持てます。
 …【オッパイの大きさは統一されていないが…(-_-;)】

 CGは、塗りも線も丁寧ですし、影の付け方も問題ないと思います。
 背景画もまずまずという感じでしょうか。

 CG回想モードは、里穂:51(18)、さやか:39(16)、渚:49(20)、ジュリア:26(8)、彩香:30(11)、その他:30(13)、合計:225(86)、です。
 ※括弧内は、表情パターン別を1つとしてカウントした枚数。
 この内、えちぃCGは約8割に当たる、181(64)です。

 シーン回想モードは、里穂:4、さやか:6、渚:4、ジュリア:5、彩香:7、その他:5、合計:31、です。


<演出・効果>
 【アニメーション】
 えちぃシーンのいくつかのシーンにアニメーションが挿入されています。
 出来自体は滑らかな感じで良いと思いますが、問題は使われ方です。
 全編通してという訳ではなく、各個別ルートでいくつか、ハーレムルートでまたいくつか、という使われ方です。
 個別ルートでは使われないキャラもいます。
 各キャラ均等にあるとか、ここぞというシーンにあるとか、使われ方のこだわりみたいなものがあればある程度納得も出来ますが、どうも今一インパクトに欠けるような使われ方ですねぇ。
 「取り合えず付けてみましたー」みたいな印象で、残念ながら使用回数に比する演出上の効果を得られていないと思います。
 むしろ、個別ルートはすべて静止画で、ハーレムルートはすべてアニメーションで、という方がメリハリもきいて良かったのではないでしょうか。


<設定・シナリオ>
 シナリオは「Team NGX」さん。
 足を折って入院した主人公が、面倒を見てくれる相手に対して好意を抱き、実は相手も主人公を好きだったという、どのキャラのシナリオも概ね同じような感じの展開です。
 分かりやすいと言えば分かりやすいですが、微妙な心情の機微とかとは無縁の、ご都合主義満載のラブコメ仕様です。
 過去のこのシリーズの主人公は、新米医師、イタリア帰りの牧師、という設定で、看護されると言うよりは看護婦を仕込むといった印象で、個人的には「看板に偽りあり」とずっと思ってきました。
 それが3作目に来てようやく主人公が看護される立場に設定され、やっと看板通りの物語になったと感じます。
 でも、メインタイトルは良いのですが、問題はサブタイトル。
 ──看護婦さんは甘えんぼ──
 これはちょっと違いますね。
 正確には、
 ──主人公は甘えんぼ──
 これが正しいイメージです(^_^;)
 まぁ、どのキャラに対しても主人公の方が年下なので甘えるのは構いませんが、表現は正確にして欲しいものです(笑)


<えちぃシーン>
 回数は、1人当たり4回〜7回位です。
 テキストは、長すぎず短すぎず適度な長さだと思います。
 今回の主人公は、序盤は足を固定されていて身動きが取れないので、松葉杖を使って自在に動き回れるようになる終盤以降にシーンが集中します。
 ですので、序盤・中盤は中々えちぃシーンが登場せず、少しストレスが溜まるかもしれません。

 シチュエーションは、病室、診察室、礼拝室、風呂場、庭、屋上、廊下、自宅、等々…。
 場所は当然病院内にほぼ限定されますので、ごくありふれた場所ばかりで「あっ」と驚くようなシチュエーションはありません。

 バリエーションは、騎乗位、正常位、後背位、座位、フェラ、69、クンニ、バイブ、放尿、パイズリ、等々…。
 前述の通り主人公が足を骨折している設定なので、騎乗位・座位など動きの負担が余りかからない体位の比重が多いです。
 内容的には完全和姦純愛系で、ハードなシーンは一切ありません。
 ちょっと残念だったのは、キャラ全員豊かなオッパイを持っているのにあまり有効活用されなかった事ですね。
 まぁ、回数があまり多くないのでそこまで展開する余裕はなかったのでしょうが、もう少し欲しかったです(^_^;)

 ハーレムルートももう少しボリュームが欲しかったです。
 組合せも、もっと欲しかったところです。
 …【まぁ、あるだけでもありがたいのだが…(-_-;)】

 でも、サブキャラだからと言って手抜きもないですし、全般的に明るいお手軽エッチとしては及第点といったところでしょうか。
 処女率は40%。
 ビジュアル的には表示されません。


<総評>
 相変わらず、エロ重視のお手軽純愛系作品です。
 意表を突くような部分がない反面、期待を裏切るような部分もない堅実さを感じます。
 ──継続は力なり──
 まさにそんな印象を受ける作品です。

 シナリオはお手軽ラブコメという事で、割り切りましょう。
 原画・CGは好みにもよりますが、個人的にはかなり好印象です。
 音声・音楽もそこそこですし、システムも安定しています。
 エロ・演出は純愛系として考えれば中々のレベルだと思います。

 この作品は、継続的なファンもさることながら、初めてエロゲをやるような方にお勧めですね。
 あとは、息抜き用とか、重い作品後のリハビリ用とか、色々用途がありそうです。

 トラヴュランスは、一定期間で一定量の安定したエロを供給してくれるメーカーとして個人的に結構信頼しています。
 今後も安定した作品を作り続けていただきたいですね。
 このシリーズの今後はどうなるか分かりませんが、主人公が看護士となり入院している女性患者を看護するという、視点を変えたバージョンとかも見てみたいですね(笑)


<お気に入りのキャラ>
里穂 さやか ジュリ 綾香
シナリオ
性格
音声
CUP
えっちぃ
合計 37 36 35 36 35
 と言う事で『里穂』です。


<10点満点での総合評価>
シナリオ お手軽ラブコメ
原画 10 慈愛・博愛
CG 高レベル
キャラ まずまず
音声 フレッシュ
音楽 無難
システム 安定稼動
演出 ポイントずれたアニメ
エロ 純愛系高レベル
ボリューム 総プレイ時間15時間
合計 72
 と、言う事で『7点』とします。

最後に一言:「何で乳首バンソーコーがないんだ?(^_^;)」









  D.C.P.C.     (GPさんのレビュー)  評価: 7.5 
▼ タイトル D.C.P.C. 〜ダ・カーポ〜プラスコミュニケーション D.C.P.C.
▼ ブランド CIRCUS
▼ ジャンル こそばゆい学園恋愛アドベンチャー
▼ 対応OS Win98/2000/Me/XP
▼ メディア CD-ROM / DVD-ROM
▼ 定価 \8,800
▼ 発売日 2003/05/30
▼ 購入 D.C.P.C. / オリジナル特典 Getchu.com
【CG観賞モード 】  あり
【 シーン観賞モード 】  あり(Hシーンだけでなく全シーンあり)
【 BGM観賞モード 】  あり
【 メッセージスキップ 】  あり(既読・未読判別なし)
【 メッセージ履歴機能 】  あり(音声リピートあり)
【 選択肢リターン機能 】  なし
【 オートモード 】  あり
【 ヒント機能 】  なし
【 セーブ数 】  48個+1(オートセーブ)個
【 エンディング数 】  19個


<ストーリー>
 しんしんと桜が舞っている。
 狂ったように舞っている。
 驚くほどゆったりと。
 音もなく。
 天使の羽のような花びらの散りざまは、まるで永遠を思わせる一瞬。

 ――それはダ・カーポのように繰り返す世界――

 一年中、絶えることなく桜が咲きつづけている不思議な島『初音島』。
 薄桃色に染められた、『枯れない桜』のある世界。
 その中心にある風見学園に、手のひらから和菓子を生み出し、他人の夢を垣間見てしまう、とても何かの役に立ちそうもない、ふたつのささやかな力を持つ男子学生がいました。

 平凡とは程遠く、非凡にも程遠い……。
 そんな彼は、卒業間近の『学園』で、さまざまな女の子たちに出会います。
 学園のアイドルや――、ぼけぼけした先輩――、転校生の巫女さんに、お人形のような少女……。
 たくさんの出会いが紡ぎ出す、ちょっとこそばゆくて、ちょっとせつない恋物語の始まりです。


<D.C. 〜ダ・カーポ〜』からの変更点>
 その1:キャラクターボイスをすべて新規取りなおし
 その2:コンシューマ版から登場したキャラクターたちとのエッチシーンを新規収録
 その3:従来のキャラクターたちに、新規イベント絵を追加
 その4:新規挿入歌を1曲追加。もちろん、コンシューマ版で追加された新曲も収録してます
 その5:オープニングアニメーションムービーを収録


このホームページはCIRCUSより一部文章を抜粋しています。
素材の著作権はCIRCUSに帰属します。



<作品概要>
 CIRCUSの学園ADV「D.C 〜ダ・カーポ〜」に新たなヒロインや追加要素を加えた作品。
 一年中桜が咲く島、初音(はつね)島を舞台に主人公と女の子のこそばゆい恋愛を描くADVです。


<追加要素>
 旧ヒロインにも多少の追加シナリオとCG、またオリジナルで立絵の無いキャラ(工藤叶、みっくん、ともちゃん)に立絵、声がつきました。
 その他システムが若干変更され、さらにOPがアニメムービーになるなど細かな変更点がいくつかあります。


<シナリオ>
 各ヒロインによってシナリオ展開は様々です。
 前半は皆ほのぼの、ギャグタッチで進みますが、個別ルートに入ってからは、急に人の生き死にに関わるようなシリアスタッチになるものもあれば、最後までほのぼのラブコメで終わるシナリオまで、様々です。
 また、途中からファンタジー要素が強くなるシナリオもあります。
 ですから一概にシナリオを論ずることは出来ませんが、全体的に王道でご都合主義的な展開が多く、やや説明不足な点もあります。
 シリアスな場面もそれほど差し迫ったものでもなく、いわゆる「泣きゲー」のような感動や、手に汗握る迫真の展開といったものは皆無です。

 追加ヒロインのシナリオは舞台となる初音島の新たな秘密や、世界観のより深い掘り下げを担うものでもなく、単に新シナリオとして追加されたもので、基本的な世界観や初音島の設定はオリジナルと変わってません。
 とはいえこのゲームは、元々壮大なスケールや手に汗握る展開、涙を誘う感動といったものを狙ったものでなく(個人的にちょっと涙腺が緩んだシーンもありましたが)、色々な可愛い女の子と、ほのぼの、切なさ、笑い、喜び、悲しさ等々、様々なシチュエーションを楽しむ事に重点が置かれているので、逆にこれくらいのシナリオで良かったのかもしれません。
 あまり壮大スケールや緻密なシナリオ展開だとかえってゲームの目的、コンセプトの妨げになったことでしょう。


<システム>
 オリジナルと基本的には変わりません。一通りの環境は揃っています。
 回想モードがHシーンだけでなく、全シーン対応なのは嬉しいですね。
 一通りクリアしたら後は、この回想モードで様々なシーンを思い出せるのでとても便利です。


<グラフィック>
 オリジナルの七尾奈留さん、igulさんに加え、本作の追加分をたにはらなつきさん、秋蕎麦さん、かゆらゆかさん、影山由多さん、みつまむさんが原画担当です。
 七尾さんをはじめ、どの方もクオリティが高く、ヒロインは皆文句なしに可愛いのですが、いかんせん7人も原画担当がいるので、各キャラのタッチの差が気になる人には気になるかも…。

 CG数はオリジナルが約90枚(差分込みで約230)、プラス本作追加分が約80枚(差分込み約150)です。
 非常に頑張っておられ、単品では多いと思いますが、さすがにヒロインが13人もいては一人当たりに換算すると…。


<音楽・音声>
 オリジナルのBGM23曲、歌4曲に加え本作追加分BGM6曲、歌4曲の計37曲。
 明るく静かな曲が多く、ストーリーの雰囲気とマッチしてます。
 歌が8曲もあり、曲自体の良さもありますが、使うタイミングが巧く、気分を盛り上げます。
 個人的にはハッピーエンド時に流れる「Eternal Love〜眩しい季節〜」が好きです。

 音声は主人公と立絵のないチョイ役以外はフルボイス。
 オリジナルのキャラは一人除いて一緒ですが、全部新規収録しています。
 そのため、ややオリジナルとは雰囲気が違ことも…。
 ただ、オリジナル・追加キャラの人とも演技は巧く、可愛いキャラを演出してます。


<キャラクター>
 ヒロインはオリジナルの7人に、本作での追加6人で合計13人(そのうち3人は隠しキャラ)。
 全エロゲーの中でも多いほうでしょう。
 いわゆる萌え属性と言われるものは一通り揃っています。
 ただし、どのキャラも少々狙いすぎな気もしますが、見た目と声が皆メチャクチャ可愛いので許せちゃいます^^;
 とにかく萌えと破壊力は一級品です。


<オリジナルから出演のキャラの紹介と感想>
 ・朝倉純一(変更可)
 主人公。自由に和菓子を生み出す能力と他人の夢を見られる能力を持つ少年。
 ずぼらで面倒くさがり屋。口癖は「かったるい」。
 かったるい時と、クライマックスでヒロインの為に行動的になる時のギャップや、ヒロインを好きになってゆく心の変化などをはっきりと描いたら、もっと魅力的な主人公になったかも…。
 
 ・朝倉音夢 CV:鳥居花音さん
 主人公の義妹。病弱で料理下手。
 世話好きでしっかりものの優等生なのに、本当は甘えん坊でヤキモチ焼きなところがたまりません。
 妹属性のない自分ですらかなり萌えてしまったので、妹属性のある方には極上の妹キャラでしょう。
 「兄さん」の呼びかけは反則的な破壊力があります。
 ゲーム中に「全国1千万の妹好きを下僕にできる」とありますが、それも言い過ぎではないかもしれません。
 (妹好きが1千万もいるかどうかは別として^^;)

 ・芳野さくら CV:北都南さん
 主人公の従妹にして幼馴染。
 金髪のツインテール、身長140台、一人称「ボク」、ロリロリな容姿に、声優さんの抜群の演技も相まって、これまた萌えも破壊力も抜群のキャラクター。
 実はIQ180の天才で、また内面に本作品の世界観の根本的な部分を担っており、ただの元気な少女に留まらないのがまた魅力的キャラです。

 ・白河ことり CV:日向裕羅さん
 容姿端麗、成績優秀、歌が上手くて、性格も明るい才色兼備な学園のアイドル。
 本作の女の子は皆可愛いので、彼女一人が「アイドル」と言ってもそれほどの有難味はないかと思います。
 とはいえ、その可憐な容姿と、アイドルらしからぬ気さくで優しい性格、時折見せるお茶目なボケに惹かれたプレイヤーは多いはずです。

 ・天枷美春 CV:佐々留美子さん
 元気いっぱい、バナナ大好きな後輩。「わんこ」の様に主人公や音夢に懐いてきます。
 萌え要素もたっぷりで、「朝倉せんぱーい♪」の一言にやられました。
 彼女のシナリオはやや異色の展開となっており、この展開も良かったですが、個人的には短くて良いので、ほのぼので日常的なシナリオをもう一つ作って欲しかったです。
 なお、彼女のみオリジナルと声優が違います。
 個人的には本作の方が好きですが、全体的にオリジナルのほうが評判が良い模様。

 ・水越萌 CV:夏野向日葵さん
 ヒロインの中で唯一の年上キャラ。
 ぽけぽけな少女で、昼休みに屋上で鍋を食べたり、登校時に寝ながら木琴を叩いたりと天然ボケにしても少々やりすぎな気はします。
 しかし、彼女のシナリオは(このゲームの中では)結構エロかったり、妹との会話が面白かったり、また彼女がこういう風になった理由もちゃんとあったり、と見所満載です。

 ・水越眞子 CV:長崎みなみさん
 主人公のクラスメートで水越萌の妹。
 主人公のことが好きでも素直になれず、ついつい愛情の裏返しで憎まれ口を言ったり手が出てしまうキャラです。
 彼女のシナリオは、ファンタジー要素やシリアスシーンが少なく、日常的でほのぼのなラブコメ仕様になっています。
 オリジナルでは短かったシナリオが、本作ではだいぶ追加されています。
 それでもCG数など他のキャラに比べ少ない(音夢の半分)のは残念。
 キャラは魅力的なのに…。


<本作で追加されたヒロインの紹介と感想>
 ・月城アリス CV:ぴろすさん
 無口で人形を抱えた少女。いつも校舎の裏の花壇で花を育てています。
 縦ロールのロリロリキャラですが、徹底的に無口なので、さくらとはまた違った印象があります。
 いつもは無口で無表情ながら、時々見せる視線をちょっと逸らして照れる仕草がものすごく可愛いです。

 ・彩珠ななこ CV:智芭みどりさん
 おさげ、眼鏡、ドジ、引っ込み思案、男の子が苦手、とあまりにお約束なキャラ。
 眼鏡を取ると可愛くなるのもまたお約束^^;
 眞子同様、彼女のシナリオもファンタジーやシリアスな要素は少なく、王道でお約束な展開ながらも甘酸っぱいラブコメが楽しめます。
 一昔前の少女漫画のノリに近いかも…。
 キャラ、シナリオともにあまりにお約束な為、他のヒロインに比べやや印象が薄いかもしれませんが、それでも十分魅力的です。

 ・胡ノ宮環 CV:澤村弓子さん
 巫女さんで、学校で制服を着るとき以外は映画館であろうと遊園地であろうと巫女服を着ている徹底ぶり。
 なぜか主人公の許婚を自称しています。
 巫女らしい淑やかで上品な振る舞いの大和撫子で、この手のキャラの属性を持たない方でも「朝倉様…」と呼ばれてやられた方は多いはず。
 彼女のグラフィックのタッチは他のに比べて特に違うので、他のキャラと並んだ時に違和感が気になるのがやや残念。

 ・紫和泉子 CV:みずのかっぱさん
 ピンクのクマ。猫耳やシッポなど動物の一部が体についてるキャラはエロゲーの定番ですが、常時クマの姿をしたキャラはおそらく彼女が初めてかと…。
 ある意味反則的なキャラ。なぜこんな姿なのかは本編のお楽しみ^^;
 少々ドジで、ボケなキャラでその外見と相まって間抜けな印象がありますが、そこがまた可愛いです。
 「あやや…」「〜まし」という口癖は萌え要素満載♪(実際にいたらひくけど^^;)
 こんな姿の彼女ですが、Hシーンはちゃんと人間の姿なのでご安心を^^;

 この10人に加えて、後隠しキャラがあと3人います。
 脇役は担任の暦先生と主人公の悪友杉並君がいい味を出しています。


<難易度、ゲーム性>
 オーソドックスなADVです。前半でヒロインを決め、後半で個別のルートに入る流れです。
 難易度は低く、前半はとりあえず目当てのヒロインを追ってればそれで良し。
 後半もそれほど重要な選択肢は少なく、個別ルートに入ればそれでグッドエンド直行のキャラがほとんどです。
 何人かバッドエンドのあるキャラもいますが、直前の選択肢に戻ってやり直せばOKですので問題ないかと。
 ヒロインの居場所を声で当てる「ガヤシステム」と、次の日起きる時間を決める目覚まし時計も特に意識するということもありません。

 ボリュームはヒロイン1人あたり3時間程度とほどほどの長さですが、13人もいるので、累計30時間は超えるでしょう。
 攻略順は13人中8人は自由で、5人は特定のキャラを攻略しないといけません。


<エロ度>
 一人1〜3回ありますが、どれもエロ度は低いです。
 エロ重視で気になった方もいるかもしれませんが、ことエロに関してはパワーアップといったことはありませんでした。


<10点満点での総合評価>
 7.5点
 キャラとグラフィックの萌えと魅力以外は特筆するものはありません。
 しかし全体としてしっかりした出来であり、良作と言えます。
 追加要素もヒロインを6人も追加し、一人一人が良く出来ているのでリニューアル作品としても問題ない出来です。
 よってこの点数ですが、人によっては気に入ったキャラの人数に応じて±1点くらいの幅があるかもしれません。


<お気に入りのキャラ>
 どのキャラも好きですが、オリジナルでは天枷美春(元気な後輩最高)です。
 追加キャラでは紫泉子(「あやや…」の声にやられました)です。


<最後に>
 これからD.Cをやるなら間違いなくこちらをお勧めします。
 オリジナルをすでにプレーしてる場合は、追加キャラに気に入ったキャラがいれば買っても損はないかと。
 プレーする時はストーリーの整合性とか、展開の緻密さといったことはあまり気にせず、可愛い女の子との楽しくて切ない学園生活を楽しんでください。