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  月の雫〜ツキノシズク〜  (HELL DIVERさん&偃月さんのレビュー)    評価: 6〜8 
▼ タイトル 月の雫〜ツキノシズク〜
▼ ブランド キュアライト
▼ 対応OS Win95/98
▼ メディア CD-ROM
▼ 定価 \8,800
▼ 発売日 2001/01/26
▼ 必須CPU / 推奨 MMXPentium166 MHz / MMXPentium266 MHz
▼ 必要メモリ容量 / 推奨 32 MB / 64 MB
▼ 解像度 / 色数 640*480・High Color以上
▼ 音源 CD-DA
▼ ボイス 女性キャラクターのみ一部



HELLDIVERさんのレビュー
Scenario - シナリオ -

 主人公の矢野洋平は、東京の大学に通う大学生。
 夏休みを利用して実家に帰省していたある日、新聞広告で募集していた『天羽家の臨時使用人』になるべく館へと出かける。
 山奥にある館に行く途中で、天羽家の次女、薫に気に入られた洋平は、なんとか使用人としてもぐりこむことに成功。

 地元の名士である天羽家の館には、厳格な長女の天羽静香、活動的な次女の薫、お転婆な三女の麻衣という天羽家三姉妹と、メイドの美少女ひとみという4人の女性しか住んでおらず、邪魔な男は源十郎という執事のじいさんだけ。
 仕事の途中では、テニスに誘われたり、湖に泳ぎに出かけたり、風呂場で入浴中の女の子に遭遇したりと嬉しいこと続き。
 館の中はまさに極楽パラダイス。 使用人生活も悪くない!?

 そんな楽しい雰囲気の中、洋平は館の中のある扉の存在に気づいてしまう。
 ユーレイ騒動とその扉の関係、"月の雫"の意味とは?



Sound - 音楽・効果音・音声 -

 ※BGM・声等、プレイ中はON/OFF選択しか出来ないがスタートメニュー内のマルチメディアでの調整が可能。
 ※声優はなかなかの演技で好感がもてます。



Character - キャラクター -

天羽 薫(あもう かおる)
 天羽家の次女で東京の美術大学に通っている。
 洋平と同じく夏休みで実家の天羽家に戻ってきている。
 明るい性格の持ち主で、応募に来た見ず知らずの主人公をすぐに気に入る等、警戒心のないお嬢様である。

天羽 麻衣(あもう まい)
 天羽家の末娘で、かなりのお転婆。 薫とは仲がよい。
 普段は、全寮制の学校に通っているが、薫と同じく夏休みで帰省している。
 TVゲーム、とくに格闘ゲームが得意である。
  チョロという名のペットを飼っている。

天羽 静香(あもう しずか)
 天羽家の長女で、厳格な性格の持ち主。
 美人だが、どこか冷たい感じがする。
 妹たちからはあまりよく思われて いないらしい。
 お気に入りのひとみとは、何やら ただならぬ関係にあるようだ。

栗田ひとみ(くりた ひとみ)
 天羽家のメイドをしている。 幼く見えるが、年は薫と変わらないらしい。
 性格はしっかり者で、家庭的。西洋風の料理が得意。
 悲しいことがあっても、笑顔を 絶やさないがんばりやさん。

桜井 珠美(さくらい たまみ)
 通称”たまちゃん”
 薫の親友で同じ美大の同級生。
 おっとりしているように見えるが、実は好奇心旺盛で、すっごく大胆。
 間延びしたようなしゃべり方をするのが特徴。

謎の少女
 ある日、ふと見かけた少女。なぜか、夜にしか出会えない。
 どうやら、天羽家に関わる重大な秘密に関係があるようだが・・・



System - システム -

 ※おまけ有り(CG・Hイベント回想・音楽)
   CGモードはスライド方式採用
  ※ スキップ機能はあるが未読・既読の選択は無く、次選択肢までスキッップ



Total - 総評 -

 九州発(初)のソフトハウスの第一弾と言う事もあり、祝儀評価になるかと思いきやコレが及第点以上の出来でした。
 致命的な不具合もなくオーソドックスなADVですが…
   
 ストーリーは今まで使い古された『天の羽衣伝説』風を軸にアレンジし、複雑な(?)人間関係を絡める事によりメインヒロインの話に深みを持たせています。
 この部分をもう少し掘下げて(生臭い描写)いれば、もっと面白い作品に化けたと思います。
 なお登場キャラも定番(ロリ・メイド・めがねッ娘等々)を全て網羅されており安心です。
 ただ惜しむらくはメインヒロインが決まっているにも関わらず、 Hイベント数において他キャラに負けているところ位ですか^^;
   

おすすめキャラ:「まゆら」
HELL DIVERさんより一言:「コストパフォーマンス(現在2.500円を切る)と、パッケ及びHPでの
                 キャラデ・CGを見て気に入った方はプレイしてみてもイイでしょう。」







偃月さんのレビュー
Soft Information - ソフト情報 -

CG回想
:
     
シーン回想
:
     
音楽回想
:
     
OP曲
:
月の光
     
ED曲
:
月の光
     
総プレイ時間
:
7.5時間
 
原画
:
野中 ケイ太
     
シナリオ
:
しでん 晶
     
音楽
:
KAJA



Outline - あらすじ -

夏、主人公はアルバイトで資産家の天羽家で働くことになる。

一見楽しそうに見える屋敷での風景、しかし天羽家には秘密があった。
その秘密を隠し通そうとする彼女達。

隠されていた秘密、それは天羽家に伝わる『月の子伝説』
そして、一人の少女の存在だった・・・



Scenario - シナリオ -

シナリオのレベルとしては、あまり高いとは思いませんでした。
それほど驚かされるような事もありませんし、展開が読めなくなるような事もありません。

しかし、終始和やかな雰囲気を感じるシナリオでした。こういう和やかな感じのシナリオは好きです。
部分部分に笑いがあり、上手く雰囲気に合ったクラシックな音楽によって引き立たされていました。

ストーリーの序盤は明るい雰囲気で展開されていきます。
屋敷内での仕事、女の子達との会話。

そこまでは普通の恋愛物を感じさせる展開で進んでいきます。

屋敷の人間が隠している秘密。
その秘密に主人公が気がつくまで、左程時間は掛からなかった。

     

主人公に屋敷の秘密が分かってしまう中盤。
序盤まではそれぞれの女の子達との別々の独立したストーリー展開をしていたと思います。

しかし、雫の出現により話が彼女を中心に周って進んでいきます。
結局、どのヒロインで進めても雫とのイベントは起き、毎回エンドに向けて同じような筋書きの話が展開されていくのは残念。

雫とのイベントが起こることはストーリーのテーマに非常に大きく関わっている為、これはしょうがない事ではある気がします。
しかし、それにより他のヒロインの印象が薄くなってしまうのが残念でした。

また、疑問に思うこともあります。

それぞれのヒロイン達が抱く雫に対しての気持ち。これにも色々あるのではないでしょうか?
その部分について、少しは文章で表現されてはいるが大きなイベントなどはありませんでした。

薫、麻衣、ひろみ。

3人とも「雫に対しての想い」においては一致しています。
しかし、3人とも雫との関係は異なっています。

双子の姉、年の離れた妹、そして彼女を世話する者。
それぞれが違う立場なのだから、もっと色々な展開をみせるシナリオが欲しかったですね。

     月、取り戻せない過去、そして過ち。

主人公と雫。

過去の因果、二人の人間の子孫。

時を越えた愛情、そして憎しみ。

エンディングの方向性は誰でも掴めると思います。そして話の展開も簡単に予想できました。
しかし、最終的に自分はシナリオ・ゲームの雰囲気に飲まれていたと思います。

クラシック音楽と共に月明かりに照らされた雫の姿。
その場面が印象的でした。

Hシーンの数は、それぞれのヒロインごとに1回、ないし2回ぐらいです。例外的にひろみの場合は4回と多め。
攻略不可能なキャラのHシーンが他に数回あります。あまり濃いものではありません。
普通の純愛物と変わりません。

難易度は難しくありません。かなり低めの難易度です。
分岐の数もあまり多くないので、プレイしてストレスが溜まることもないでしょう。
CG・シーンの回収についても、同じように簡単に集まります。



Sound - 音楽・効果音・音声 -

曲数は全部で12曲。シナリオの長さ、展開から考えると、ちょうど良い数だと思います。

Track No.01『月の光』
このソフトで一番印象に残った曲。といっても、
ドビュッシーという音楽家が作った有名なクラシック曲「Clair de lune」。
話の重要な場面でも使用され、場面の雰囲気を甘美な美しさで包み込んでくれます。

残念ながら、他の曲では特に印象に残る曲はありませんでした。

効果音は数種類あります。

フルボイスではありませんでしたが、声優さんもなかなか良かったと思います。

▼CV
「天羽 静香」 富樫ケイ
「天羽 薫」 あおい和紀
「天羽 麻衣」 大波こなみ
「天羽 雫/まゆら」 宇佐美桃香
「栗田 ひとみ」 渋谷ひな
「桜井 珠美」 岩泉まい



Character - キャラクター -

天羽 薫
天羽4姉妹の2番目。「天羽 雫」の双子の姉。
主人公と同年代で美大に通っている。天羽家での生活に幸せを感じる反面、
義理の姉である「天羽 静香」に否定され、 病気の為に自由に外出もする事の出来ないという、
自分とは全く境遇の異なる雫のことで思い悩む。

天羽 麻衣
天羽4姉妹の末っ子。
いつも明るく、少しおてんばな少女。
お嬢様であるにも関わらず、格ゲーの腕には目を見張るものがある。

天羽 雫
このソフトのメインヒロイン。「天羽 薫」の双子の妹。
紫外線に当たると火傷をする病気のため、日中に外出することは出来ない。
そのため、天羽家の敷地内から出ることも許されていない。
薄幸の少女には、さらに奥深い秘密があった。それは、天羽家が代々受け継いできた「予知能力」。
そして、その予知能力を継承している者には、代々の巫女の魂も継承される・・・

栗田 ひとみ
天羽家の使用人。メイドさん。
父親が天羽家に莫大な借金があるため、借金のかたで働いている。そのため、静香の性奴隷としての一面もある。
雫の身の回りの世話をしているため、彼女に対しての想いは強い。

主人公
ちょっとHで、いつも変態呼ばわりされてしまう。
感じとしては、周りを笑わせてくれるような性格。
雫に対して想いが強くなる中、強引に雫を町に連れ出すなど、熱血漢な一面もある。



Graphics - グラフィック -

立ち絵のパターンは5種類以上ぐらいです。
立ち絵の塗りに関しては、レベルは高いと感じません。

CGの枚数は80枚弱。 こちらも塗り方のレベルはあまり高くはありません。

背景のレベルも高くはありません。繊細さにかけるというか、もう少し手の込んだ感じのCGでも良いと思います。



System - システム -

特に不具合は無いようです。

ゲーム内のメニューで変更できる点は、『セーブ』『ロード』『スキップ』『フェード』『サウンド』『画面』の6つ。

セーブ&ロード:
セーブ可能数は10ヶ所。難易度、CG・シーン回収の面から見ても、問題無い数だと思う。

スキップ:
『On』『Off』の切り替えのみ。既読スキップ等の機能はありません。

フェード:
『通常』『高速』『しない』の3種類に切り替え可能。
『通常』だけでも十分だと思います。

サウンド:
『音声/効果音』のOn, Off、『BGM』のOn, Offの切り替えが可能。
音量調節は出来ません。

画面:
『ウィンドウ』『フルスクリーン』の切り替えが可能。

結構安定しているような印象を受けました。スキップの速度も快適ですし。
既読スキップ、未読スキップ等の機能があればなお良し。

おまけ機能は、『CG鑑賞』『Hシーン鑑賞』『音楽鑑賞』の3つ。

CG鑑賞:
一覧表示がされるのではなく、スライド表示されていくので多少面倒に感じました。

Hシーン鑑賞:
ゲーム内でのHシーンが一覧表示されます。
Hシーンは、各キャラクターの番号で表示されているため、どの場面なのかが一目で分からないところが残念。

音楽鑑賞:
ゲーム内での全12曲を聞くことが可能。



Total - 総評 -

総評としては、雰囲気が好みなソフトでした。

やはり、クラシックな音楽と、ゲーム内での雰囲気が丁度合っていたからなのでしょう。
久々にゆっくり読みながらのプレイになってしまいました。

世間一般的に見ても、全体的な作品のレベルとしては高くありません。
しかし、個人的には純粋に「好き」なソフトです。




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Scenario
:
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60
Sound
:
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55
Character
:
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55
Grapchics
:
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60
System
:
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70
H
:
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45
Main3
:
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55
Total
:
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60