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  水夏〜SUIKA〜   (D−Bloomさん&偃月さんのレビュー)       評価:7.5〜9 
▼ タイトル 水夏〜SUIKA〜
▼ ブランド circus
▼ ジャンル 夏の恋愛アドベンチャー
▼ 対応OS Win95/98/Me
▼ メディア CD-ROM
▼ 定価 \8,800
▼ 発売日 2001/07/27
▼ 必須CPU / 推奨 Pentium MMX 200 MHz
▼ 必要メモリ容量 / 推奨 48 MB / 64 MB
▼ 解像度 / 色数 800*600・High Color
▼ 音源 PCM
▼ ボイス あり(女性のみ)
▼ DirectX DirectX5以上



D−Bloomさんのレビュー
Sound - 音楽・効果音・音声 -

 音楽はCD−DAかPCMです。
 CD−DAで再生する場合には初回限定版の特典のアレンジサントラCDか別売り予定のサントラCD、あるいは22曲以上収録された何かのCDが必要です。
 私は音楽の表現に関する語彙が貧弱なので上手く表現できず申し訳ないのですが、非常に良い印象に残る曲でした。
 素晴らしい音楽のおかげでまさに夏という感じが作品全体に漂っています。
 OPとEDの曲はヴォーカル曲ですが、この2曲はアレンジと歌い手が違うだけの同じ曲です。
 音声もキャラクターにぴったりで声優さんの演技力も抜群です。
 私は特に鳥居花音さんの声が気に入りました。
 効果音は蝉の声・蛙の鳴き声・鈴の音など夏らしさを演出しています。



Graphics - グラフィック -

 最近増えてきた800*600モードです。
 くせのない綺麗な原画なので萌えゲーだと思って購入した方も多いのではないでしょうか。
 CG観賞モードに登録される1枚絵はバリエーション抜きで数えて47種類と少ないほうです。
 いかんせんシナリオのボリュームに対してCG枚数が少ないという感は拭えません。
 ゲームを始めてすぐに、あれ?と思いました。
 グラフィックがなんだかJPEGで圧縮したようにざらざらしているのです。
 そこでマニュアルを読んで初めてハイカラー(16bit)であることを知りました。
 そしてDVD版と書かれた項目には…、パッケージの項で後述。



System - システム -

【 CG観賞モード 】    あり
【 シーン観賞モード 】   あり
【 BGM観賞モード 】   あり
【 メッセージスキップ 】  あり
【 メッセージ履歴機能 】 あり
【 メッセージ自動送り 】  あり
【 セーブ 】         60
【 エンド数 】        2

アップデートファイルがあります。 きちんとアップデートしましょう。

 上記参照^^;
 WinXPの時代だというのにWin2000非対応というのはいただけないのではないでしょうか。
 設定は多肢にわたってカスタマイズでき、痒いところに手が届く親切設計です。
 中でもとりわけシナリオ情報というのが画期的で、私は評価すべき試みだと思います。
 これはONにすると現在読んでいる部分がシナリオのどのへんなのかを画面右端のバーに表示してくれるというものです。
 ただ、惜しいかな表示するのが場面単位の中でどの部分までかなのであまり役に立ちません。
 章全体か1日の中でどのくらいの進行度なのかを表示して欲しかったです。
 この作品は大作といえる部類に入り、シナリオも長大だと思います。
 本を読むのと違いゲームではどこが終わりかが見えないので、シナリオに中だるみがあると気力が失われます。
 是非とも今後はシナリオ情報を章全体での進行度がわかるように改善すべきだと思います。



Scenario - シナリオ -&Character - キャラクター

 単なる恋愛モノと思って購入すると見事に肩透かしを喰らいます。
 どちらかというとサスペンスやホラー、ミステリーの傾向が強い作品で、プレイヤーによって評価が著しく分かれると思います。
 嫉妬、暴力、いじめ、殺人、失禁、精神異常、歪んだ愛などダークな要素がてんこ盛りなのです。
 また、全章にわたって家族間の不仲というのが特に目立ち、死のにおいが漂っています。

 ストーリーは常盤村という現代日本の架空の村の夏を舞台とした全4章構成のオムニバス形式となっています。
 各章はほぼ独立していて主人公もヒロインも別ですが、同じ場所の同じ期間が舞台ですので、他の章のキャラクターが登場したり、前の章で選んだ選択肢の内容によって展開がわずかに違ったりします。
 1章から3章まではCGの上に重ねて全画面にわたって文章が表示されるノベル形式で、4章のみ画面下部にメッセージウィンドウが表示されるアドベンチャー形式です。
 シナリオが長大でこの手の純愛系大作にありがちな中だるみがあり、プレイ期間が分からないと絶望しかねないので各章の開始と終了の日付を交えて以下に紹介します。
 なお、プロローグ開始の日付は7月7日が正しいと思われますが、シーン回想モードの追憶には7月15日として登録されます。
 また、これはバグだと思われますが、新章開始時やセーブデータのロード直後は正しい日付が反映されないようです。
 えちぃシーンは1章以外は2、3種類ありますがまあ普通の純愛系の水準です。
 4章は犯罪ですが…。


   −プロローグ−
 7月7日に4章の主人公が1年ぶりに常盤村にやってくるところから物語は始まります。
 4章の主人公の視点なのでADV形式ですが、最後に突然ノベル形式になって意味不明な展開になります。
 それがある女性キャラの身に降りかかった出来事であったと分かるのはずっと後のことです。
 全編を通して言えるのですが、たびたび断りもなく女性キャラの視点になったり回想シーンになったりするので、説明不足で難解なシナリオがさらに理解しがたいものになっています。
 とりあえず背景がシネマサイズになったら回想シーンというのは覚えておきましょう。

   −1章−(7月20日から7月30日まで)
   風間 彰(かざま あきら)
 1章主人公。浪人生。

   水瀬 伊月(みなせ いつき)CV:長崎みなみ
 1章ヒロイン。神社の巫女をしている。控えめでおとなしい性格。

   水瀬 小夜(みなせ さよ)CV:鳥居花音
 伊月の双子の姉妹。伊月とは正反対に活発な性格で言いたいことははっきり言うタイプ。

   〜ストーリー&感想〜
 >彰は数年ぶりに学生時代の一時期を過ごした常盤村に戻ってきた。そこにはかつてよく一緒に遊んだ伊月がいた…。
 現在の物語と少年時代の回想が平行して進みます。
 三角関係となった3人の心理が克明に描写されており、否応なく人間ドラマで魅了してくれます。
 ラストはなかなか感動ものです。


   −2章−(7月18日から7月28日まで)
   上代 蒼司(かみしろ そうじ)
 2章主人公。学生。絵画教室に通っている。

   白河 さやか(しらかわ さやか)CV:鳥居花音
 2章ヒロイン。蒼司の先輩。特殊な能力と変人の父のせいで周囲から孤立している。

   白河 律(しらかわ りつ)   
 さやかの父で絵画教室の講師。死をテーマにした絵を描いている。

   若林 美絵(わかばやし みえ)
 3章の鏡太郎の妹。蒼司の後輩で彼に好意を持っているがさやかを応援している。

   蒼司の妹
 かなりのブラコンでさやかに敵意を持っている。

   〜ストーリー&感想〜
 >蒼司は落第のピンチに陥った先輩の家庭教師をすることになる…。
 2章は最も安心して見ていられる物語ではないでしょうか。
 他の章に比べてという意味ですが。
 存分に先輩に萌えてください。 


   −3章−(7月14日から7月22日まで)
   柾木 良和(まさき よしかず)
 3章主人公。地元の名家である柾木家の養子。義父は病院の院長。 

   柾木 茜(まさき あかね)CV:日向裕羅
 3章ヒロイン。良和の義妹。元気いっぱいの水泳少女。

   京谷 透子(きょうや とうこ)CV:西田こむぎ 
 3章ヒロイン。良和の恋人で彼にベタ惚れ。

   若林 鏡太郎(わかばやし きょうたろう)
 良和のカウンセラー。彼の義父が院長を勤める病院の精神科医。

   〜ストーリー&感想〜
 >良和は透子と何の問題もなく付き合っていたが、義妹の茜に欲情する夢を見るようになり何かが狂っていく…。
 なんともトリッキーな構成です。
 人間のどろどろした内面が描かれており、かなりのダメージを受けること必至です。
 強烈な選択を迫られ、どちらを選択しても…。
 逃げ場はありません。


   −4章−(7月15日から8月2日まで) 
   稲葉 宏(姓名変更可能)
 4章主人公。これまた地元の名家の息子。事情により村の外で家族と離れて暮らしていたが帰郷して来た。

   名無しの少女(ななしのしょうじょ)CV:春野日和
 4章ヒロイン。身長140センチ、体重26キロ。だいたい小学校5年生ぐらいと思われる。えちぃシーンあり。

   千夏(ちなつ)CV:歌織
 4章ヒロイン。全章に登場する謎に包まれた存在。

   七条 華子 CV:歌織
 主人公の姉。攻略対象ではない。野球をテレビで観戦するのが何より楽しみでお気に入りのチームが負けると荒れる。

   ちとせ
 主人公の妹。重い病を患っていて外出することもできず家で療養している。

   アルキメデス
 最も謎な喋る無機物。名無しの少女が常に持ち歩く手足の長い黒猫のようなぬいぐるみ。

   女将さん
 主人公が滞在する旅館の女将さん。

   〜ストーリー&感想〜
 >父がもう長くないとの報せをうけた主人公は常盤村に帰ってきた。そこで出会った名無しの少女とのふれあいの日々…。
 いわゆる奇跡系です。
 奇跡系シナリオは他の章にも一つ存在しますがネタばれなので伏せておきます。
 そのある章は最後まで終わらせるとどこかで見た設定をひねったような感じの二番煎じだったことが分かります。
 安易に奇跡系に走ることは歓迎できませんがそれしか選択が無いのでしょう。
 4章はもうはっきり言って難解です。
 詰め込みすぎです。
 私は終盤はもうマイキャラが誰で、今がいつで、これが夢か現実なのか、回想なのか実体験の進行中なのか訳がわからない状態になりました。
 単に私の読解力が低いのかもしれませんが…。
 この作品の本当の勝負は2週目以降で、それもスキップやあらすじ機能を使っては駄目です。
 噛めば噛むほどに味が出てくるはずです。



Total - 総評 -


 シナリオ重視の大作として文句なしに秀作と言えます。
 ただし万人受けするキャラ萌え純愛感動系ではないので名作として語り継がれるかは分かりません。


おすすめキャラ:一般的には白河さやか、ロリ好きならもちろん名無しの少女
最後に一言:「DVD−ROM版が完全版でCD−ROM版は不完全版でしょうか?」







偃月さんのレビュー
Soft Information - ソフト情報 -

CG回想
:
     
シーン回想
:
     
音楽回想
:
     
OP曲
:
Fragment
     
ED曲
:
Fragment
     
総プレイ時間
:
10.0時間
 
原画
:
七尾奈留
 
:
いくたたかのん
 
:
つきなが
     
シナリオ
:
呉一郎
 
:
御影
     
音楽
:
猫野こめっと
 
:
tororo



Outline - あらすじ -

海と山に囲まれた常磐村。

漫画好きの巫女さんや、お気楽な先輩。

元気な妹と、お淑やかな恋人……。

神社の縁の下で出会った“名無し”の少女。

帽子につり下げた鈴を鳴らしながら、彼女が村を駆け抜けたとき、 交わることのない運命の赤い糸が絡みあった。

冬の淡雪が溶けた世界で、 夏の水にも暖かさを感じてください。

以上抜粋(汗)



Scenario - シナリオ -

全四章からからなる、オムニバス形式。
一夏の思い出を感じさせてくれる、淡くて切ない感じの物語。

個々の章が持つストーリーは異なるものですが、 全ての物語が、一つの村の中、そして近い時間帯で平行して進んでいくので、
オムニバス形式ではあってもオムニバスっぽくない感じがしました。

結局の所、「水夏」の全ては一つ(4章)に帰属するっていう感じですかね。

テキストの持ってるテンポはなかなか良いので、非常に読みやすい印象を受けました。
各章の文章量も、約2.0時間と、自分としては丁度よかったです。

オムニバスなので、各章について見ていこうと思います。

多少ネタばれっぽくなってしまう部分がありますが、極力避けるように努力します。
万が一という事もありますので、ネタばれを避けたい方はお読みになられない方が良いと思うので、注意してください。

● 第一章
初めは普通の純愛物語かと思ってプレイしてました。
巫女さん、そして久々の再会。

まぁ、いわゆる典型的な感じのストーリーなのかな?
それが第一印象でした。

しかし、良い意味で予想を裏切ってくれる物語でしたね。

二人の女の子と一人の男の子。
その中で、二人の女の子の中に生まれてくる男の子に対しての恋愛感情。

そして、次第にその恋愛感情は、一人の男の子を独占しようとする。
そこから生まれてくる、姉に対しての憎悪、妹に対しての嫉妬。

一人のヒロインと一人の主人公と言うマンツーマンな関係よりも、二人のヒロインと一人の主人公。
こういう複数の人間が絡んでくる設定の方が、現実的な感じもしますし、本当に「恋愛」っていう感じがしました。

一章のジャンルとしては、ミステリアスホラーって所ではないでしょうか。

● 第二章
世間から拒絶される一家。
その一家、絵描きの娘である女の子と、絵描きの主人公の話。

二章に関しても、一章と同じように普通の恋愛物のストーリーのように感じました。

ジャンルはサスペンスホラー。

このストーリーは、四章と並んで、水夏の中では一般的に受け入れられやすい物語だと思います。

一人の女の子の成長。
そんなイメージを感じさせてくれました。

それと、キャラの設定が好みの章。

● 第三章
お淑やかな恋人、そして義理の妹の狭間に立たされる主人公の物語。

個人的には、この手のストーリーは非常に好きな話。

ジャンルから言ってしまうと、サイコホラー。
表面的な笑顔に隠された、非常に奥深い嫉妬、そして愛憎。

章初めの感じとは違って、本当にダークな終わりを迎えるストーリー。
この手の展開は人を選ぶと思います。

純愛・・・とは言えませんね。
完全に偏愛って感じです・・・・・・。

どちらかと言うと、鬼畜とか猟奇的なイメージを抱く話でした。
(Hシーンは全然鬼畜とは関係ないので注意)

最後の最後まで真相が分からない点が良かったですね。
一番苦しいシナリオでもありましたし、逆に読むのが面白かったり、展開に息を呑むシナリオでした。

● 第四章
謎の少女と出会い、一緒に生活する事になった主人公の話。

一番「純愛」を感じさせてくれるストーリーでしたし、万人受けする感じがします。

人間の生と死の狭間に立つ者の立場の悲しみ、苦しみ。
それに気付いた主人公だが、それを全てから理解し、受け入れるには最愛の物を犠牲にする羽目に・・・

その葛藤。
あまり書いてしまうと、シナリオがバレて面白くないので・・・

一番心に来るストーリーが四章でした。

以上、各章毎について。

水夏全体を通して感じるのは、人間の生と死。
この狭間に触れている人々の物語なので、ある意味での極限の状態を通しての恋愛、愛情等、そこが面白かったかと思います。

また、全ての章のストーリーについて言えると思いますが、急な場面展開を掴めない部分があると思います。
例えば、いきなり過去での話に持っていかれたり、他キャラの視点に変えられたり、そこについていけない部分が多少ありました。

エンディングは2つ。
オムニバス形式なので、一概にエンディングが2つとは言えませんが、最終的なエンディングの数は2つ。

4章のエンディングまでは殆ど同じなので、2回目のプレイ時には中だるみを感じました。
それでも、2つのエンディングは両方とも好きなので良かったですが。

Hシーンに関しては、各キャラ最低一回程度。

テキストはかなり淡白な感じです。
基本的に、各主人公と女の子達の関係はプラトニックな感じなので。

全体的に非常に好感の持てるシナリオでした。
よく練りこまれている感じが伝わってきましたし、キャラも立っていたので、非常に良い物語だと思います。



Sound - 音楽・効果音・音声 -

音源はCD-DA。

曲数は22曲。

曲調は全体的にバランスの取れた感じです。
明るい感じの曲の印象が強いです。

PickUp
なつのはじまり
夕涼み
かなしいわかれのおと
なみだあめ
夏の終わりに・・・

全体的な曲のレベルは高めだと思います。
しかし、個々の曲にはそれ程「上手い!」と感じる曲は多くありませんでした。

ボーカル曲「Fragment」に関してですが、この曲はあまり上手いとは感じませんでした。
ボーカルの歌唱力にも不満点がありますし、曲自体も好きになれません。

個人的にアレンジバージョンの方が好きです。

それと気になった点は、曲に飽きてしまったり、配曲が読めてしまう事でしょうか。
オムニバス形式ならではの事なんでしょうが、自分としては少しつまらなかったかなと。

そんな事を言っても、結局の所、かなり良質な音楽ではありましたけどね。

効果音についてですが、ノスタルジックな田舎を感じさせてくれるような音が多かった気がします。
こちらにはなかなか好印象を持ちました。

音声は女性主要キャラのみフルボイス。
声優さんの演技はかなり上手かったと思います。

▼ CV
水瀬 伊月 [ 長崎みなみ ]
水瀬 小夜 [ 鳥居花音 ]
白川 さやか [ 鳥居花音 ]
柾木 茜 [ 日向裕羅 ]
京谷 透子 [ 西田こむぎ ]
名無しの少女 [ 春野日和 ]
千夏 / 七条花子 [ 歌織 ]



Character - キャラクター -

原画は七尾奈留さん、いくたたかのんさん、つきながさんの3人。

▼ 主要キャラクター
水瀬 伊月
第一章のヒロインで、漫画とアニメ好きの巫女さん。
水瀬双子姉妹のお姉さん。
昔は非常に内気な性格で、苛められる事も多かった。
過去のある約束を果たせないまま、その想いを胸に秘めている。

水瀬 小夜
第一章のサブヒロイン。
水瀬双子姉妹の妹。
姉の内気な性格とは違い、非常に積極的で明るい女の子。
何事にも荒っぽい所を見せるが、伊月に対しては誰よりも想いが深い。
サブヒロインですが、結構好きなキャラクター。

白河 さやか
第二章のヒロインで、主人公の先輩。
父親が不気味な絵を描く画家なので、周囲からは気味悪がられている。

彼女自身の性格は明るく人当たりも良いが、周囲はそれを信じてくれない。
そんな彼女の心は、周囲からの扱いに対する諦めと、父親に対しての憎しみが存在した。

柾木 茜
第三章のヒロインで、主人公の義理の妹。
何事にも積極的な水泳が好きな女の子で、主人公と京谷透子の仲を取り持った。
なぜか彼女は人の体を触りたがる癖がある。

京谷 透子
第三章のヒロインで、主人公の恋人。
いつも主人公の顔色を伺っていたり、彼に合わせようとしている。
主人公に対しての想いは、並々ならないものがある。
やがて、彼女の心に何かが生まれていく。
一番お気に入りのキャラクター。

名無しの少女。
第四章のヒロイン。
怪しげな衣装を身にまとい、怪しげなぬいぐるみを持つ謎の少女。
記憶喪失になってしまったらしく、自分の名前さえ覚えていない。
そして彼女は、名前を思い出す間「お嬢」と呼ばれる事になる。

千夏
第四章のヒロイン。
怪しげな雰囲気を漂わせる女性。
第四章のヒロインだが、全ての章に登場する。
彼女に関しては全く持って不明。



Graphics - グラフィック -

立ち絵の数は普通ぐらい。
ただ、色々な表情を見せるので良かったかと。

塗りは非常に綺麗で、ジャギーの処理とかも綺麗にされているように見えました。
立ち絵に関しては、全体的に非常に満足しています。

イベントCGの枚数は約150枚弱。
シナリオの長さから考えても普通ではないかなと思います。

イベントCGの塗りに関しては、非常に綺麗だと思いました。
全体的に少し淡い感じがするCGですが、自分としては非常に印象は良かったです。

背景に関してですが、なかなか描き込まれていた感じを受けました。
全体的に少し淡い感じがしますが、非常に満足しています。

グラフィック関係に関しては文句無し。
非常にクオリティーの高い感じを受けました。



System - システム -

ゲームシステムに致命的なバグは特になし。
修正ファイルが出ているので、使用した後のプレイをお薦めします。

一部で動かなくなる事があるようです。
自分のプレイ環境では特に問題はありませんでしたが。

動作は全体的に軽めでした。

ゲームの形式はNovel形式と選択肢型のADV形式。
一章から三章まではNovel形式になっていて、四章のみが選択肢型のADVになっています。

選択肢の数は約40。

難易度はあまり高くはないようです。
エンディング数が少ない事からも、それはわかります。

CGを回収する事はそれ程大変ではありませんが、多少シーンを回収する必要があります。

セーブ可能数は約60ヶ所。
難易度を考えても、それぐらいあれば十分だと思います。

プレイ後に殆どのシーンが回想できるので、それ程セーブする必要もありませんので。
セーブにコメントを付けられたりするのも良い点ではないかと思います。

それと、普通のセーブ機能のほかに、クイックセーブ機能も付いています。

スキップは既読スキップが可能。
読み飛ばす速度は比較的早め。

画面モードはフルスクリーンとウィンドウモードに切り替えが可能。

その他の機能は、BGM、音声、SEの調整が可能。また、音声に関してはキャラ毎に音声のOn / Offが切り替え可能です。

グラフィック関係の機能にも充実していて、かなり機能は多めですね。

文字速度も調整が可能です。

それと、シナリオのスキップみたいなものですが、「あらすじモード」と言うものがあります。
その名の通り、イベントをあらすじで飛ばしてくれます。

二回目のプレイの時には非常に有効ですね。

おまけ機能は、CG回想、音楽回想、シーン回想の三つ。
シーン回想では、Hシーンの回想のみならず、ゲーム中の殆どのシーンが回想できる点が良いですね。

あと、もう一つのおまけは「閉幕」というエピローグが見れます。
これで、「水夏」の本当の意味が分かります。

全体的にはかなり充実した機能が揃っているので、とても素晴らしいと思います。
ただ、一部の環境では動かなかったりと、修正が必要なければもっと良かったのではないでしょうか。

個人的には非常に満足しています。



Total - 総評 -

全くシナリオや音楽に関しては期待していませんでした。

普通の純愛物のお話で、普通にだらだらやって終わっていくんだろうなぁ〜と思いつつ・・・
けど、実際には自分の中では当たりだったと思います。

何しろ、ミステリー、サスペンス、サイコ、ホラー、そして純愛。
その全ての要素が入っていましたし、何しろ期待と予想を本当に良い方向に裏切ってくれた所が良かったです。

巷ではあまり良い感想を耳にしない三章ですけど、これこそ本当に「恋」でしょう。

まさに人間を盲目にさせてしまうほど、熱い想いを抱いている女性。
それに、恋だの愛だのって事に関しては、結構猟奇的や醜悪な感情を抱く事って、あったりもすると思うんですよね。

ですから、個人的にはいいストーリーだったと思いますよ、三章は。

まぁ、本当に「純愛」だけを求めている方にはお薦め出来ないかも知れません。
人間の汚い部分とか、卑怯な部分が見えてしまうので・・・

自分は一章とか三章のシナリオを読んで、ゾクゾクってするものがありました。
「恐怖」という感情を抱いたのかもしれませんし、「喜び」という感情を抱いたのかもしれません。

という事で、私的には「怖い」とされている三章は肯定します。

それと、三章ばかり触れているような気が自分でもしますが、他の章もいい物を持っていると思います。
別に劣っているとか、そういう事はないので。

一章の最後にも、四章の最後にも心に残る何かがありますからね・・・

買っても損はしないソフトだと思います。

あー・・・結局あらすじが自分で書けませんでした・・・(汗)




    0    20     40     60     80    100  
Scenario
:
■■■■■■■■■■■■■■■■
80
Sound
:
■■■■■■■■■■■■■■■
75
Character
:
■■■■■■■■■■■■■■■
75
Grapchics
:
■■■■■■■■■■■■■■■■■■
90
System
:
■■■■■■■■■■■■■■■■
85
H
:
■■■■■■■
35
Main3
:
■■■■■■■■■■■■■■■
75
Total
:
■■■■■■■■■■■■■■■
75