サフィズムの舷窓 (Toshiさん&偃月さんのレビュー) | 評価: 6.5〜10 |
▼ タイトル | サフィズムの舷窓 |
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▼ ブランド | ライアーソフト |
▼ 対応OS | Win95/98/Me |
▼ メディア | CD-ROM |
▼ 定価 | \8,800 |
▼ 発売日 | 2001/05/18 |
▼ 必須CPU / 推奨 | Pentium200 MHz / Pentium233 MHz |
▼ 必要メモリ容量 / 推奨 | 32 MB / 64 MB |
▼ 音源 | CD-DA、WAVE |
Toshiさんのレビュー |
Scenario - シナリオ - |
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『H・B・ボーラースター(Hanging basket
polar-star)』は、世界最大の豪華客船にして、各国VIPのお嬢様ばかりを乗せた学園船。 教師や船員であっても男性は一切乗船を許されない。 この洋上に浮かぶ花籠で、人呼んでレズの王子様「杏里・アンリエット」は、愛する子猫ちゃんたちとの美しき愛の日々を送っていた。 そんな平和な学園に突如起こったレイプ事件。 無実の罪をきせられた杏里は、退学処分を言い渡される。 3週間以内に真犯人を見つけられなければ、下船を強いられてしまう。 親友の大天才「天京院鼎」の協力を得て、杏里は事件究明へと乗り出した。 |
Impressions - 感想 - |
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断言しよう。このゲームは 史上最高の耽美レズゲーである。 近年、レズゲーというものの地位が大変貶められてしまった。 いままで、比較的(かなり?)少数派である、レズ支持層を狙って出すソフトは、「女同士の絡みがありゃいいんだろ」くらいの半端な気持ちで作られた愚にもつかない作品ばかりであった。 唯一称賛に値するソフトは光画堂のあのソフトくらいだったが、そもそもあれはエロゲーですらなかった。 はっきり言ってこの「サフィズム」も、あまり期待はしていなかった。 しかし、私のその予想は大きく裏切られた。 このソフトは、真のレズ信奉者が望んで止まない、 「切なくも、限りなくやさしい愛」 を描ききっている。 非常に質の高いテキスト。 思わずその場所に行きたくなるような美しい背景CG。 丁寧に描かれた美麗なキャラグラフィック。 その雰囲気を高めこそすれ、けして壊すことのない心地よいサウンド。 とても魅力的なキャラボイス。 そして、それら全てを効果的に利用した完成度の高いシナリオ。 時折まるで映画を見ているかのようである。 最高だ。 全体的な雰囲気としては「少女○命ウテ○」を想像していただけるといいかも。 それの完全に男が出てこないバージョンかな^^; 主人公の声は川上とも○をかなり彷彿とさせるし。 でもライアーさん独特のギャグセンスは健在で、所々で大いに笑わせてくれる。 あと、Hシーンもかなり丁寧に描かれている。量もなかなかのものだ。 ただ惜しかったのが、音楽とグラフィックの数。 まああの質を見れば、そんなに量が作れなかったわけもわかるが・・・ |
Total - 総評 - |
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(肉体だけでない)レズ好きな人は、絶対に買うべきソフト。 というか買いなさい。 インターネット喫茶でこれを読んでる人は、速やかにパソコンとセットで購入しなさい。 それでもお金がないという人は、ソフトだけ買ってこっそり喫茶のパソコンにインストールしてプレイしなさい。 それだけの価値のあるソフトである。 ※注意※ レズ研究家として主観的に発言してるので、多少の誇張はご容赦を。 おすすめキャラ:「アイーシャ!僕の心も君と共にある!!!」 |
偃月さんのレビュー | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Soft Information - ソフト情報 - | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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Outline - あらすじ - |
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世界最大の豪華客船H・B・ポーラースター号。 それは、各国のお嬢様、女性のみが搭乗できる学園船でもあった。 その事件は、平和な船内である日突然起こった。 レイプ事件。 男性は乗り合わせていないはずの船内。 そこで容疑をかけられたのが、多くの女性と体の関係を持っていた杏里・アンリエッタだった。 無実の疑いをかけられ、三週間後に退学を余儀なくされるはめになった彼女。 彼女は、親友でミキサー好きな大天才と共に、本当のレイプ犯を捜すために行動を開始する。 |
Scenario - シナリオ - |
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各国のお嬢様のみが搭乗できる豪華客船兼学園船、H・B・ポーラースター号。 その船上で起きたレイプ事件の真犯人を捜す、愛とギャグと推理物のストーリー。 基本的なジャンルは推理物。 その中に上手くギャグと恋愛の二つを組み込んでいます。 しかし、推理物というジャンルとは裏腹に、プレイする側が犯人を当てるのに頭を使う事もありませんし、 動機や犯人が誰か特定するのにも、左程時間が掛かりません。 推理物であるはずなのに、推理力を殆ど必要としないトリックや謎。 本来の軸である推理物としては、殆ど成功していないと思います。 純粋に「推理ゲーム」を楽しみたい方にはとても満足できた物ではありません。 何より、ゲームデザインの方を見ても「推理」を楽しむ為に作られている様には思えませんね。 ただ、3人のヒロイン毎に犯人やトリックなどが違う点。 3回プレイしても全く違うストーリーを楽しめる点は、このシナリオの良い所です。 推理要素は低いですが、日常場面でのギャグ、それをうまく楽しめれば、全編を通して楽しめるシナリオだと思います。 しかし、特徴的なキャラに「ウケを狙いすぎだ」と感じてしまう方には楽しめないでしょう。 魅力的なキャラクター達。 特にメインやサブ等の扱いを感じさせないように、サブキャラまで魅力的に描かれています。 ただ、女性しか登場しない所は人を選ぶ点。 個人的には、レズ好きではない方でも楽しめるだけの魅力的なキャラだと思います。 全体を通して坦々として進んでいく推理物ですが、後半のシリアスな場面ではちゃんと決めてくれます。 女性同士の恋愛の結果や、犯人と主人公の対峙場面など、魅せる場面は色々と揃っています。 前半から中盤にかけての明るいノリな展開とは異なり、後半の締め方が上手い所。 それがこのシナリオの質が良質な事を象徴しているように思います。 Hシーンに関しては大半がレズシーン。 一部凌辱、レイプシーンもあり。 ただ、こっちの方はCGの枚数も少なかったりテキストの量も少なかったり、あっという間に終わってしまうのが印象。 Hシーンの数の割には、あまりエロ度がないという感じがします。 全体的に眺めてみると、魅力的なキャラ達、3つの異なるストーリーという良い点。 推理物であるにも関わらず、推理要素の低いという悪い点を比較してみると、ちょうど相殺される感じではないでしょうか。 結局の所、メインシナリオよりもおまけシナリオの方がギャグが効いていて面白かったりします。 ただ難易度が高くて全て見るのが難しいという難点もありますけど。 それ程悪いイメージが残るシナリオではありませんでした。 むしろ、特徴的なキャラなど、プレイ後に残る余韻は良いソフトです。 |
Sound - 音楽・効果音・音声 - |
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BGMはCD-DA。 曲数は16曲。 曲数は少なめです。 曲調は明るい曲からシリアスな曲まで揃っています。 全体的にはカバーされていて、決める所ではちゃんと決めています。 ● PickUp [ 推理論『珈琲思考』 ] [ Wish You ] [ 君の悲しみ ボクの痛み ] 曲もシナリオと同じく耽美な感じが印象的。 曲数が少ない事と、使い回しが多い点は残念な所。 効果音については特に印象はありません。 音声についてですが、Hシーンとイベントについては入っています。 演技については上手い方と思います。 一部、一人二役をやっている部分もありますけど。 |
Character - キャラクター - |
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原画はK.TENさん。 ● ファン・ソヨン レイプ犯に狙われているメインヒロインの一人。 韓国出身で主人公よりも一歳年下のファーストクラス。 性格は明るく活発。 短期入学しているビジタークラスの女の子達からは慕われる存在。 一家全員が軍の関係者の名門に生まれた彼女は、礼儀作法や学問を身に付け立派なレディになる事が目標。 ● アイーシャ・スカーレット・ヤン レイプ犯に狙われているメインヒロインの一人。 シンガポール出身で主人公よりも一歳年上のサードクラス。 あまり人と話す方ではないが、知的な雰囲気を漂わせる。 実は彼女は主人公よりも一歳年下だが、飛び級で最上級生と共に学んでいる。 そのせいか、あまり周囲には友達がいない。 ● アルマ・ハミルトン レイプ犯に狙われているメインヒロインの一人。 スウェーデン出身で主人公よりも一歳年下のファーストクラス。 品の高さを思わせる彼女だが、その反面非常に世間知らず。 彼女の父親はスウェーデン国内では林業王として有名。 名家の令嬢である彼女の傍には、いつもウェルズという厳しい女性がついている。 ● 杏里・アンリエット(主人公) 年下が大好きなレズビアン、つまり女性。 先輩である天京院鼎と共に事件の真犯人を探る。 可愛い女の子を見かけると、直ぐに手を出したくなる性格。 とにかくプレイボーイな性格。 どのキャラクターも魅力的な存在。 メインやサブ等といった枠を越えて、全てのキャラクターに存在感を感じます。 お気に入りのキャラは、ファン・ソヨン。 |
Graphics - グラフィック - |
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立ち絵についてはジャギー処理もされているので綺麗です。 塗りは結構鮮やかな感じがします。 特徴的な所といえば、立ち絵が良く動く点ではないでしょうか。 コミカルな雰囲気と合っていて、非常に面白いです。 イベントCGの枚数は70枚。 シナリオの長さから考えると、枚数は少なく感じます。 全体的に枚数が少ないので、あまり枚数のばらつき等はありません。 Hシーンでの枚数は1枚の場合が大多数。 イベントCGの塗りについては、立ち絵と同様に鮮やかで淡い感じがします。 背景に関してはなかなか精細な感じがします。 塗りについてはイベントCGと同じような印象。 |
System - システム - |
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ゲームシステムについては、特に大きな不具合はないようです。 CGが埋まらないなどの不具合があるようですので、修正ファイルを使用してからのプレイをお薦めします。 全体的な動作は軽めです。 ゲームの形式は選択肢型ADVと移動パートに別れています。 基本的には移動パートがメインになっている感じがします。 難易度はかなり高めです。 プレイで達成した推理の度合いによって、エンディングでの評価、おまけシナリオの出現条件が変わってきます。 難易度も高い上に、CGやシーンの回想などにも戸惑うかも知れません。 セーブ可能数は10ヶ所。 難易度から考えるとかなり心細い数です。 スキップは強制スキップと既読スキップがついています。 両方ともまったくスキップの間は何も表示されないのが痛い所です。 画面モードはフルスクリーンとウィンドウモードに対応。 音楽関係の機能はBGM、音声、効果音の切り替えが可能。 メッセージ関係の機能は表示速度の調整、文章履歴の閲覧も可能。 画像表示関係の機能は特にありません。 その他の機能はCG回想、シーン回想、音楽回想、おまけシナリオがついています。 それと、役立つ機能としては一つ前の選択肢に戻る事も出来ます。 一番魅力的なのは「おまけシナリオ」。 笑いも効いているし、本編とはまた違った楽しみがあります。 全体的には、あまり機能は豊富ではありません。 それも特に困るという事はありませんでした。 |
Total - 総評 - |
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ライアーソフトの第4作目。 馬鹿ゲーが売りという事なので、面白さに期待してみました。 面白かったのかと言われると、馬鹿笑いしてしまう程ではありませんでしたね。 ただ「ムフフっ」とちょっと不気味な笑い方をしてしまいそうな面白さではありました。 けど、結局一番期待していた部分は推理の部分。 これに関しては、全く面白くなかったというのが率直な感想ですね。 先程も書きましたが、ゲームデザインが推理向けになっていない気がします。 主人公が移動して女の子と会話、そして主人公以外のキャラが推理を全て纏めてしまう。 これだけでは、こちらが最終的に推理を固めるという楽しみもありません。 少なくとも、選択肢で「誰が犯人だ」とかを選べる物ぐらいあっても良かった気がします。 音楽とCGについても、少し不満が残りました。 キャラクターについては何も言えません。 どのキャラも魅力的に描かれていますし、好感を持てました。 とにかく、おまけシナリオと追加シナリオは見る事をお薦めします。 以上。 |
0 20 40 60 80 100 | |||
Scenario |
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Sound |
:
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■■■■■■■■■■■■ | 60 |
Character |
:
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■■■■■■■■■■■■■■■ | 75 |
Grapchics |
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■■■■■■■■■■■■■ | 65 |
System |
:
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■■■■■■■■■■■■■ | 65 |
H |
:
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■■■■■■■■■■■ | 55 |
Main3 |
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Total |
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