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  Love Letter    (ベネ!さん&偃月さんのレビュー)    評価: 6.5〜8 
▼ タイトル Love Letter
▼ ブランド 美遊
▼ ジャンル 猟奇サスペンス・アドベンチャー
▼ 対応OS Win95/98/2000/Me
▼ メディア CD-ROM
▼ 定価 \8,800
▼ 発売日 2002/02/01
▼ 必要メモリ容量 / 推奨 48 MB / 64 MB
▼ 解像度 / 色数 640*480・High Color以上
▼ 音源 PCM



ベネ!さんのレビュー
Scenario - シナリオ -

 医大に勤務する若き助教授、卓哉。
 彼は恵まれた才能で、学園だけでなく医学会においても期待のポープとされていた。
 何処か影を落としたような神秘さを持ち、女学生から密かに人気がある。
 そんな卓哉の元に、ある日一通の手紙が届く。
 それは何の変哲もない、女学生からの手紙からと思われたが……差出人の名前が見当たらない。
 そして中には、一片の人の皮膚まで入っていたのだった。
 困惑する卓哉。
 だが“貴方を世界で一番愛する女より”と書かれたその手紙は、その後何度も送り続けられた。
 内容は徐々に……思い詰めた、切迫した内容へと変化していく。
 ついには……主人公と親しい女性が嫉妬のターゲットとなり、殺されていく事に……
 その惨殺の様を、ビデオに収め……それまで、卓哉に送りつけられる。
 『アナタに近づく女は、全て私が処理してあげます……』と。



System - システム -

【 CG観賞モード 】     あり
【 シーン観賞モード 】    あり
【 BGM観賞モード 】    あり
【 メッセージスキップ 】   あり
【 セーブ 】          30

 上記参照^^;
 CG観賞モード BGM観賞モード Hシーン観賞モード あり
 メッセージスキップ あり
 しかし、これらはあって当然なのですが、このゲームの場合シーンリプレイは、あんまりいらないのではないかとヽ( ´¬`)ノ



Consideration - 考察 -

 この作品に一貫して流れているのは業(カルマ)です。
 そして、テーマは、『業(カルマ)からの脱出』です。
 それが、この作品の一番訴えたい事といえます。
 残虐シーンは狂気の一側面を表したかっただけで、それが売りなわけではないと考えられますね。
 だから、この作品、ちゃんとシナリオに主張がありますよ。

 前半は、見えない犯人像。
 その狂気性とそれに振り回されて困惑する主人公。
 後半は、それぞれの心の解決といった感じでシナリオは進みます。
 もっとも追い詰められるサスペンスものとしてのはらはら感は、螺旋回廊とは比べ物になりません。
 何が起こっているのかわからないまま、一回目のプレイは終わるかもしれません。
 自分の重要なものが奪われるかもしれないと焦燥感、そういうものは、こちら側はあまり感じられませんね^^;

 感情移入はしにくく、プレイヤーは第三者として、シナリオを堪能するという感覚です。
 もっとも、螺旋回廊の方は救いがないですがヽ( ´¬`)ノ 



Impressions - 感想 -

 サスペンスものです。
 さて、ここでいっておきますか。

 エロはないです。

 それを期待の方、ここで引き返してください^^;

 ましてや、リンカーンの訪れなどあろうはずもありません。

 また泣きゲーでもないです。

 萌えを期待してる方も、引き返してください。

 死体とか残虐なシーンに興味のある方はちょっと脈あり『かも』です^^;
 ただ、私的にはえぐいCGだけみせられて、叫ぶだけでは、心にきませんが(-.-)y-~~~

 結論として、残酷シーンに“ムヒヒ♪”な方は、楽しめるとしても、最初だけでしょう^^;
 残酷シーンといっても、シナリオ的には濃くありません。
 シチュエーションは様々ですが(-.-)

 このゲームを購入して後悔しない方、このゲームにあっている方は、純粋にサスペンス調のシナリオを楽しみたい方だけでしょう。
 あ、もう一回いいますが、エロはないです-t(−.−)。o 0
 エロを楽しみながら、シナリオを楽しみたい人にもお勧めしません。

 このゲームが18禁な理由は、シナリオ的にそれが必要だったからに過ぎません。
 なんで、はじめに残虐なシーンが必要だったかも、医学のちょっとした知識があれば、あとでそれはわかります。
 シナリオ的な整合性があるのですね。
 もっとも狂気的な側面もでてくるのですが。
 やっぱり入れたくて入れた部分はあるのかな(^_^;)

 そう言う意味では、個人的には好きですね。
 18禁だからといって、エロくなければいけないというわけではない。
 私は個人的に、18禁とは、年齢的な表現の枠を越えるものとして認識しています。
 えぐい表現されても、それで自分を左右されないってことですね。
 言わば、大人のティスト…くす。
 故にエロゲー=18禁とは考えていません。

 ただ、もうちょっと区分して欲しいところがありますね^^;
 エロが目的で、こういう作品を買った人は泣きますから(^_^;)
 こういう作品をエロゲー雑誌でいかにもエロいように見せたり、その手のCGを掲載するのは、明らかに作品を捕らえそこなっているとしか思えません。
 評価するとこが違いますから・・・。
 雑誌の方で、正確にレビューして欲しい所はあります。
 エロ目的で、店頭で買った人は…諦めましょうヾ(;_; )
 次の作品はどうなんだろう(^_^;)


おすすめキャラ:特になし
ベネ!さんより一言:エロはないけど、作品性はあります。







偃月さんのレビュー
Soft Information - ソフト情報 -

CG観賞
:
     
シーン観賞
:
     
音楽鑑賞
:
     
OP曲
:
トラウマ
     
ED曲
:
(エンディング毎に異なります)
     
総プレイ時間
:
6.0時間
 
原画
:
綾風 柳晶 [ Site ]
     
シナリオ
:
M.K
     
音楽
:
B・フランク



Outline - あらすじ -

非常に才能に満ち溢れ、医大で働く主人公の元に、ある日届いた一通の封筒。
差出人に関する情報が一切書かれていないその封筒の中に入っていたものは、一枚の手紙と一切れの人間の皮膚。

手紙には『貴方を世界で一番愛する女より』というメッセージが書いてあった。
最初は悪戯だと思っていた主人公だったが、あまりにも悪質であり、何度も送られ、内容されている物がエスカレートしていく。

やがて、彼に関わりのある女性が次第に猟奇的な事件に巻き込まれ、殺害の状況を録画したテープも送られてくる。
果たして、手紙を送りつづける女性の目的は、そして彼は周囲の人間を助ける事が出来るのだろうか。



Scenario - シナリオ -

ある日突然、医大で働く主人公の元に届いた、人間の皮膚が同封されている一通の異常なラブレター。
その日から、次第に彼の周りの人間が次々と猟奇的な事件に巻き込まれていくという感じの物語。

物語は、主人公の元に送られてくる、異常性を感じさせるラブレターが鍵となって進んできます。
そして次第に周囲の人間が次々と猟奇的な事件の犠牲に・・・とった猟奇的サスペンス。

猟奇的な事件を起こしていく犯人に、徐々に追い詰められていく所など、緊迫感を駆り立てられます。

また、猟奇的という事に関しても触れておかなければならないと思います。
つまり、次々と主人公の周りの人間を、残忍なやり口で殺害していきます。

これだけで抵抗を感じてしまう方もいらっしゃるかもしれませんので、そういった方はご注意ください。
好きな方は本当に好きですし、一般的な観点から見ると、気分が悪くなる方の方が多そうな気はしますね。

キャラについては、個々の印象がしっかりと立っている所があるので問題はないでしょう。
テキストの方も、なかなか読みやすいですし、サクサクと読み進める事が出来るのではないでしょうか。

イベントの方も、適度に用意されているので、その点でも飽きる事は少ないですね。
まぁ、猟奇的な物が殆どと言ってしまえばそうなんですけど。

数人の視点から物語を見つめた、個々の視点でのシナリオもあるので、あまり飽きる事はないでしょう。
色々な視点から物語を見つめ直す事は面白いですが、結末が異なる点には疑問が生じます。

本当の真実が何パターンも存在するような、そんな煮え切らないような所がありました。
様々なエンディングが用意されている所は良いのですが、何故かそこに矛盾がある気がしてなりません。

それでも、実際の所はそんな違和感よりも、多種多様な物語に対しての満足感の方が強かったですけど。
それはまたアナザーストーリーとして割り切ってしまえば、それはそれで済んでしまいますね。

主人公の過去や、人間同士の血が深く関係した物語。
サスペンス的に見てしまうと、どうしても、もう一捻り欲しかったという気がします。

Hイベントについてですが、若干これに関しては少々悩んでしまう所があります。
それは、全裸での猟奇的な行為のイベントは多いものの、肝心のHイベントが少ないからです。

シーン総数は23個ありますが、中には猟奇的に殺害するだけの場面も含まれていたりと、判断が難しい所ですね。
実際にHイベントとしては10個弱で、内容については純愛もあり、陵辱もありといった様子。

Hイベントでのテキストの描写はそれ程濃くも無く、またボリュームに関してもあまり多くありません。
各Hベント毎のCGの枚数は1、2枚と、枚数自体もあまり多くありません。

猟奇的なシーンの内容についてですが、体中をメスで切り裂いたり、眼球を抉り出したり、皮膚を剥がして鎖で吊るしたり。
これの猟奇的な観点から見た場合の良し悪しについては判断しかねます。

全体的には猟奇的なシーンが非常に印象的に残るストーリー。
さらに、サスペンスとしてもなかなかの面白さを持っている物語です。

テキストのボリュームも丁度良いくらいですし、なかなか多様性のあるストーリーである所は高評価。
それが故に、エンディングに関しては疑問が生じてしまう所があります。

また、ジャンルがジャンルなだけに、万人向けの物語では無い事は確実。
猟奇物が好きな方、サスペンスが好きな方なら、なかなか楽しめるのではないでしょうか。



Sound - 音楽・効果音・音声 -

BGMはPCM、もしくはMIDIで25曲と、シナリオの長さから考慮すると丁度良いくらいの数が用意されています。
全体的には暗い感じの楽曲が目立っています。

● PickUp
[ 見つめる目 ]
[ 夢 ]
[ 始まる悪夢 ]

物語の雰囲気がダークな物なので、暗い感じで低めの楽曲がとても良く合っています。
ただ、どれも印象に関しては横一線といった感じで、これといってインパクトがあるとは言えないでしょう。

明るい感じの曲もありますが、暗い感じの楽曲と比べると、更にインパクトが薄めです。
多少使い回しが多く感じて飽きる部分もありましたし、配曲に関しても疑問点が残ります。

効果音については特に気になる点はありませんでした。
音響面での演出に関しては今一歩、物足りなさの残る所があります。

音声については、主要女性キャラはフルボイス。
演技の方は並程度ですが、一部キャラのイメージと声が一致しない所も。

● CV
芹沢 瑞穂 - [ 堀川 りほ ]
佐久間 綾 - [ 吉井 麻美 ]
佐久間 まなみ - [ 佐伯 香織 ]
二ノ宮 紗智子 - [ 本城 沙希 ]
音羽 響子 - [ 中西 あや ]
中井 美佳 - [ 日向 葵 ]
三崎 悠 - [ 桐生 みさき ]
祐天寺 冴 - [ 岡本 優子 ]

音楽関係に関しては、やはり音声とキャライメージの不一致が一番印象として残りました。
BGMの楽曲に関しては、全体的に及第点のレベルだと思うので、特に問題はないでしょう。



Character - キャラクター -

原画家さんは綾風 柳晶さん。

● 芹沢 瑞穂 [ セリザワ ミズホ ]
主人公のゼミに通う、学内でもかなり優秀で、心優しく勉強熱心な学生。
主人公に対して密かな想いを抱いているが、やがてこの猟奇的な事件に深くかかわる事に。

● 佐久間 綾 [ サクマ アヤ ]
瑞穂と同じく主人公のゼミに通っている学生で、少しおっちょこちょいな所がある。
病弱な妹思いの優しい姉で、祐天寺冴の事を敬愛している。

● 二ノ宮 紗智子 [ ニノミヤ サチコ ]
主人公のゼミに通っている3人目の学生で、研究に対しては非常に熱心で優秀。
ただ、彼女が現在付き合っているある男の事で、何やら問題があるようなのだが・・・

● 三崎 悠 [ ミサキ ハルカ ]
秘密の多い医者で、他人とはあまり接触を持たない女医。
ただ、事件に関しては非常に情報を持っているようであり、本当の正体は一体・・・

● 祐天寺 冴 [ ユウテンジ サエ ]
主人公の昔からの付き合いで、医大での同僚であり、かつてのライバル。
生徒から慕われ、カウンセラーを務めるなど、周囲の人々から好かれている人物。

これといった大きなインパクトを持つキャラはいない物の、全体的にはキャラが立っている印象が強め。
全体的に横一線で霞んでしまっているのか、多少物足りなさを感じます。

お気に入りのキャラは「祐天寺 冴」。



Graphics - グラフィック -

立ち絵については線の処理もしっかりと施されているので綺麗です。
塗りについても全体的に丁寧さを感じますし、ハッキリとした色使いが、作品の雰囲気にも合っていて印象的。

イベントCGの枚数は100枚。
全体的なHCGの割合は4割程度となっています。

イベントCGの塗りも非常に丁寧ですし、塗りについてもしっかりしているので問題はなし。
立ち絵と同様にとても満足の出来る彩色の出来なので、塗りに関しては特に不満点はありませんでした。

背景原画に関しても、なかなかの精細さを感じさせる絵が多めです。
精細さや彩色については特に不満はありませんし、全体的に主張が強すぎない所も良いですね。

猟奇的なシーンでのグラフィックも良いもので、全体的に作品とは非常に良く合っているように見受けられます。
画面エフェクトも色々な種類があり、音響的な効果よりも、視覚的な効果の方が上ですね。

全体的にはとても綺麗な感じで満足の出来る仕上がり具合になっています。
ダークな雰囲気のグラフィック、そして血だらけのグラフィックと、まさに作品とはピッタリ。



System - システム -

全体的な動作速度は快適で、特に動作に問題があるようには感じませんでした。
特に異常が発生する事もなければ、強制終了になる事等もありませんでした。

ゲーム形式は選択式型のADVとミニゲームがあります。
ミニゲームはパズル形式のもの、タイミングを計るものなど、比較的簡単なので問題は無し。

選択肢の数はワンプレイで30ヶ所程度と、数自体は普通。
特に難易度に関しては難しいとは感じませんでしたが、エンディング数がやや多めですのでご注意を。

セーブ可能数は30ヶ所。
ストーリーはある程度のボリュームがありますが、この程度の数でも十分足りていると思います。

スキップは強制スキップのみで、スキップ速度は比較的早めの方に入るでしょう。
画面モードはフルスクリーンとウィンドウモードに対応。

音楽関係の機能は、BGM、効果音、音声の5段階切換えが可能。
メッセージ関係の機能は、表示速度の3段階切換え、自動設定があります。

画像表示関係の機能はエフェクトの切換えが可能。
その他の機能は、ジョイスティックの設定、フレームレートの表示など。

おまけ機能は、CG回想、音楽回想、シーン回想の3つです。

全体的には非常に快適などで特に問題はありませんでした。
ただ、サスペンスという事もあるので、文章履歴が無いのが残念な所。

他には機能的にも、安定性にも不安や問題は感じませんでした。



Total - 総評 -

最近猟奇的なソフトはやってないなぁという事で買ってみました。

まぁ、それにしても色々なやり方で殺害されていきますね。
個人的には耐性があるので、ショック等は殆どありませんでしたけど。

ソフ倫に引っかかるかるのかも知れませんが、肝心な所が見えないなぁと、猟奇的なイベントでは思いました。
眼球を刳り貫いて、眼球は見せなかったりと、多少遠慮しているような所もありましたね。

予想とは反して、なかなかストーリーも楽しく、満足度は非常に高めです。
多少サスペンス要素のレベルには疑問を感じずにはいられませんが、まぁ妥協できる範囲。

結構深く人間関係が交差しているようですし、物語の多様性も高いので、なかなか楽しめると思います。

音楽については並程度のレベルで残念でしたが、グラフィック、システムの両方については安心できます。
Hについては先ほども書いたように微妙なんですけど。

そういう事で、猟奇的な物が好きな方にはお薦めしたいと思います。
ただ、純愛好きな方は買わない方がいいと思います。

でも、本音を言うと個人的には純愛好きな方にもやってもらいたいと思います。
極限状態、憎悪や怨念が消えた時に生まれる純粋な愛情とか、まぁそういうのも良いのではないでしょうか?




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Scenario
:
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70
Sound
:
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55
Character
:
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60
Grapchics
:
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80
System
:
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70
H
:
■■■■■■■■■■
50
Main3
:
■■■■■■■■■■■■
60
Total
:
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65